「カムルチー」の版間の差分

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{{生物分類表
 
| 色 = 動物界
 
| 名称 = カムルチー
 
| 画像 = [[File:Snakehead - Channa argus 2.jpg|250px]]
 
| 界 = [[動物]]界 Animalia
 
| 門 = [[脊索動物]]門 Chordata
 
| 亜門 = [[脊椎動物]]亜門 Vertebrata
 
| 綱 = [[条鰭綱]] Actinopterygii
 
| 目 = [[スズキ目]] Perciformes
 
| 亜目 = タイワンドジョウ亜目 Channoidei
 
| 科 = [[ライギョ|タイワンドジョウ科]] [[w:Channidae|Channidae]]
 
| 属 = タイワンドジョウ属 ''Channa''
 
| 種 = カムルチー ''C. argus''
 
| 学名 = ''[[w:Channa argus|Channa argus]]''<br/>(Cantor, [[1842年|1842]])
 
| 英名 = [[w:Northern snakehead|Northern snakehead]]<br/>Spotted snakehead
 
| 和名 = '''ライギョ'''(雷魚)
 
}}
 
{{Wikispecies|Channa argus}}
 
'''カムルチー'''(学名 ''Channa argus'')は、スズキ目・タイワンドジョウ科に分類される魚の一種。[[東アジア]]に分布する肉食性の大型淡水魚である。「カルムチー」は誤り。
 
  
[[日本]]や[[中央アジア]]などにも移入され、分布を広げている[[外来種]]である。日本では同属の[[タイワンドジョウ]]や[[コウタイ]]と共に、'''[[ライギョ]]'''(雷魚)、ライヒー、タイワンなどとも呼ばれる。
+
'''カムルチー'''(学名 ''Channa argus'')
  
== 特徴 ==
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スズキ目タイワンドジョウ科の淡水魚。全長 85cm。体の背部は青黒色,腹部は淡色で,体側に暗色斑が2列に並ぶ。鰓の上部に空気呼吸器官をもつ。浅い池沼にすみ,貪食で小魚,エビ類,カエルなどを捕食する。産卵期は6~7月。卵は浮遊性で,親魚は卵と仔魚を保護する。原産地はアジア大陸東部であるが,移殖され,北海道を除くほぼ日本全土に繁殖している。ルアー釣り魚として人気があるが,有用魚を食害する。[[タイワンドジョウ]]と本種は俗にライギョ (雷魚) と呼ばれている。
成魚は全長30-80センチメートルほどで、大型個体は1メートルに達する。前後に細長い円筒形をしている身体の体色は黄褐色-緑褐色で、体側には円形の黒っぽい斑紋が2列に並ぶ。口は大きく、下顎が上顎よりも前に突き出ており、鋭い[[歯]]が並ぶ。同属の類似種[[タイワンドジョウ]]は体側の斑紋が3列に並ぶことがあり、斑紋も細かく不定形なので、区別できる。
 
 
 
他のタイワンドジョウ科の魚と同様に鰓の上部に上鰓器官を持ち、口から空気を直接吸いこんで[[酸素]]を取りこむことができる。摂氏10度前後の気温であれば、3-4日程度なら水から出ていても生きているという。
 
 
 
=== 分布 ===
 
[[アムール川]]以南の[[ロシア]][[沿海地方]]から、[[朝鮮半島]]・[[中華人民共和国|中国]]まで分布する。[[亜種]]に中国・朝鮮半島南西部が原産地の中国亜種 ''C. a. argus'' と、沿海地方が原産地のアムール亜種 ''C. a. warpachowskii'' がいる。
 
 
 
日本にいるのは中国亜種で、[[1923年]]-[[1924年]]頃に、朝鮮半島から[[奈良県]]に持ち込まれて以降、全国に持ち出された。導入当時には「チョウセンナマズ」とも呼ばれており、標準和名「カムルチー」も本来は[[朝鮮語]]での呼称({{lang|ko|가물치}})である。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]などにも移入されている。アムール亜種も[[ウズベキスタン]]、[[カザフスタン]]にある[[アラル海]]沿岸の川などに移入され、定着している。それぞれの移入先では、生態系に大きな影響を与えているといわれる。
 
 
 
=== 生態 ===
 
池、湖沼、川の流れがゆるい中下流域など、[[水草]]が多い止水域に生息する。空気呼吸ができるため、[[溶存酸素量]]が少ない劣悪な水環境でも生存できる。
 
 
 
食性は肉食性で、[[昆虫類]]、[[甲殻類]]、小魚、[[カエル]]など水生動物ほかときには[[水鳥]]の[[雛]]や[[ネズミ]]などの小動物など幅広く捕食する。水温が18℃を超えると捕食を行うようになり、20℃以上で活発に活動する。一方、水温が15℃以下では捕食をしなくなり、[[冬眠]]状態に入る。
 
 
 
繁殖期は[[夏]]で、オスメスが水面に水草などを集めて[[ドーナツ]]形の[[巣]]を作る。巣は直径1mに達することもあり、巣の中心部に産卵が行われる。産卵後もオスメスは巣の下に留まり、卵と稚魚を保護する。孵化した仔魚は[[卵黄]]を消費するまで巣内に留まるが、やがて泳ぎだして親魚の保護のもとで[[群れ]]を作る。稚魚は成長につれて群れを離れ、単独で生活するようになる。生後2年、全長30センチメートルほどで性成熟する。
 
 
 
日本では一時期増えて在来魚や水鳥に大きな影響を与えていたが、近年は[[ブラックバス]]との競合や生息環境の悪化により、九州以外の地域では個体数が減っている。
 
 
 
== 人間との関係 ==
 
分布域各地で食用にされ、中国や朝鮮半島では広く[[養殖]]が行われている。ただし、[[有棘顎口虫]]という[[寄生虫]]の中間宿主なので、[[刺身]]などで生食すると[[顎口虫症]]の危険がある。また、歯も鋭いので、生体の取り扱いには十分な注意が必要である。
 
 
 
食材としては淡白な白身魚で、小骨も少なく、日本人にも食べやすい。中国では[[スープ]]の他にも土鍋煮込み、炒め物などにされる。カムルチーは[[中国語]]で「黒魚」(ヘイユー、<span lang="zh">hēiyú</span>)と呼ばれることが多いが、[[広東語]]では「生魚」(サーンユー、saang1yu2)と呼ばれており、標準的な中国語で[[刺身]]を意味する「生魚片」(ションユーピエン、<span lang="zh">shēngyúpiàn</span>)と混同しやすい。
 
 
 
食用以外に[[釣り]]の対象魚ともなっている。[[ルアー]]釣り以外にも、日本では[[カエル]]を針につけてカムルチーや[[ブラックバス]]、[[ナマズ]]などを狙う「ポカン釣り」という技法がある。また、斑紋のある[[ニシキヘビ]]のような体色から、[[観賞魚]]として飼育する人もいる。
 
 
 
== 外来種問題 ==
 
日本でのカムルチーの定着は北海道から九州までの広い範囲にわたり、人為的な放流によるものと推測されている<ref name="Bghand">{{cite book | 和書 | author = 村上興正・鷲谷いづみ(監修) [[日本生態学会]](編著) | title = 外来種ハンドブック | publisher = [[地人書館]] | date = 2002-09-30 | isbn = 4-8052-0706-X }}</ref>。
 
 
 
大型肉食魚なので、淡水域の[[動物相]](魚類、カエル類、無脊椎動物)に影響を与えるとされ、日本をはじめとした移入先各地では駆除も進められている<ref name="Bkng">{{cite book | 和書 | author = 多紀保彦(監修) 財団法人[[自然環境研究センター]](編著) | title = 決定版 日本の外来生物 | publisher = [[平凡社]] | date = 2008-04-21 | isbn = 978-4-582-54241-7 }}</ref>。
 
 
 
日本では[[外来生物法]]によって[[要注意外来生物]]に指定されているほか、北海道、群馬県、愛知県、滋賀県、山口県、長崎県では漁業調整規則にもとづき、移植禁止の措置がとられている<ref name="Idb">[http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/50420.html カムルチー] [[国立環境研究所]] 侵入生物DB</ref>。アメリカでは輸入と州間の移動が法律で禁止されており、イギリスでは保有と放流は許可がなければ原則として不可能となっている<ref name="Bkng"/>。
 
 
 
ただし、河川や湖沼の改修工事などによって水草の多い止水域が減少した地域では、巣材を確保できずに繁殖不全に陥り、個体数を減らしている所もある。
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* 川那部浩哉・水野信彦・細谷和海編(カムルチー執筆者 : 前畑政善)『山溪カラー名鑑 改訂版 日本の淡水魚』 ISBN 4-635-09021-3
 
* 永岡書店編集部『釣った魚が必ずわかるカラー図鑑』 ISBN 4-522-21372-7
 
 
 
== 出典 ==
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 外部リンク ==
 
{{Commons|Channa argus}}
 
* [http://portal.nifty.com/kiji/121119158403_1.htm 沼の妖怪「カムルチー」をつかみ捕れ!] - [[デイリーポータルZ]]
 
  
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[[Category:スズキ目]]
 
[[Category:スズキ目]]

2019/6/18/ (火) 09:51時点における最新版

カムルチー(学名 Channa argus

スズキ目タイワンドジョウ科の淡水魚。全長 85cm。体の背部は青黒色,腹部は淡色で,体側に暗色斑が2列に並ぶ。鰓の上部に空気呼吸器官をもつ。浅い池沼にすみ,貪食で小魚,エビ類,カエルなどを捕食する。産卵期は6~7月。卵は浮遊性で,親魚は卵と仔魚を保護する。原産地はアジア大陸東部であるが,移殖され,北海道を除くほぼ日本全土に繁殖している。ルアー釣り魚として人気があるが,有用魚を食害する。タイワンドジョウと本種は俗にライギョ (雷魚) と呼ばれている。



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