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− | {{出典の明記|date=2016年4月}}
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| [[ファイル:Cantilever beam (left supported) (real).svg|サムネイル|カンチレバー]] | | [[ファイル:Cantilever beam (left supported) (real).svg|サムネイル|カンチレバー]] |
− | '''カンチレバー'''({{lang-en|cantilever}})は、一端が固定端、他端が自由端とされた構造体(特に[[梁 (建築)|梁]])である<ref name="建築用語事典">{{cite|和書|title=建築用語事典|editor=建築用語研究会|page=56|publisher=学隆社|date=1998-04-20|edition=改訂25|isbn=4-7621-0031-5}}</ref>。 | + | '''カンチレバー'''({{lang-en|cantilever}}) |
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− | == 概要 ==
| + | 1 レコードプレーヤーのカートリッジの一部分。針先と発電部を結ぶ棒状のもの。 |
− | '''キャンティレバー'''、あるいはこの省略形として'''キャンティ'''と呼ばれることもある。梁におけるものが代表的であり、日本語では'''片持ち梁'''、'''片持ちばり'''(かたもちばり)と呼ばれる<ref name="建築用語事典" />。水泳プールにある飛び込み板は、片持ち梁構造の代表的な形である。
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− | === 建築におけるカンチレバー ===
| + | 2 片持ち梁(ばり)のこと。 |
− | [[ファイル:FallingwaterWright.jpg|サムネイル|カウフマン邸]]
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− | カンチレバー構造を生かした建築物としては、[[フランク・ロイド・ライト]]設計の、滝の上に張り出すように建つカウフマン邸([[落水荘]])などが広く知られる。他にも[[バルコニー]]や[[庇]]にはカンチレバーが多く使われる。
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− | 構造的な特性が異なる二つの部分をまたぐ部材(例えば渡り廊下や二つの建物の間にかかる[[屋根]]など)では、中間部で構造的に切断したカンチレバーとすることで、建物同士の間で[[応力]]が伝わらないようにする場合もある。この場合、接続部は[[エキスパンションジョイント]]で外気や[[雨水]]を遮断することもある。これは、地震などの際にそれぞれの建物からの力が集中して破壊されるおそれがあるためである。
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− | [[鉄筋コンクリート構造]]の建物などでは、コンクリートの[[クリープ]]などにより次第に垂れてくることがある。中にはバルコニーが脱落した事例もあり、構造強度のみならず、適切な防水によって構造体内への雨水の浸入を防ぐなど、慎重な設計と施工が要求される。
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− | === カンチレバー橋 ===
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− | [[ファイル:Cantilever bridge human model.jpg|サムネイル|カンチレバー橋の原理・実演<BR><small>写真の真ん中で持ち上げられている人物は、イギリス留学中に研修としてフォース橋の工事を見学していた[[渡邊嘉一]]。日本に帰国後、[[石川島播磨重工業|東京石川島造船所]]などの経営に参加。</small>]]
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− | * '''構造としてのカンチレバー'''
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− | {{main|[[:en:cantilever bridge]]}}
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− | : カンチレバーを用いた[[橋梁]]をカンチレバー橋と呼ぶ。橋脚に対して両側にカンチレバーを設けたbalanced cantileverとすることがある。
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− | * '''工法としてのカンチレバー'''
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− | : 長スパンの橋梁建設でも、カンチレバー工法では地上支保工が不要なため、低コストで施工できる<ref>[http://www.cantilever-method.org/characteristic/ 工法の特徴] - カンチレバー技術研究会 > 工法の紹介</ref>。
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− | ==== カンチレバー橋の例 ====
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− | * [[ケベック橋]]
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− | * [[フォース鉄道橋]]
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− | * [[朝護孫子寺]]の[[開運橋 (信貴山)|開運橋]] - 1931年竣工、日本最古のカンチレバー橋。国[[登録有形文化財]]。
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− | * [[港大橋]]
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− | * [[東京ゲートブリッジ]]
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− | == カンチレバー型をした機構の例 ==
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− | さまざまな機器、装置でカンチレバー構造が用いられている。
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− | === 走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバー ===
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− | [[ファイル:AFM (used) cantilever in Scanning Electron Microscope, magnification 1000x.GIF|サムネイル|[[AFM]]で用いられるカンチレバーの[[SEM]]像]]
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− | [[走査型プローブ顕微鏡]](SPM:Scanning Probe Microscope)においては、カンチレバーは自由端近傍に[[探針]]が形成された構造全体を指す言葉として使われる。被測定試料に最も近い位置にある部品で、光学顕微鏡に喩えると[[対物レンズ]]に相当する。[[半導体]]プロセスを用いて作製された小さなカンチレバーが広く用いられ、構成材料や形状の異なるさまざまなカンチレバーが製作されている。構成材料には[[単結晶]][[シリコン]]や窒化シリコンが使われる。形状は中抜き三角形薄板や短冊形薄板が一般的である。長さはおおよそ50μmから500μm、厚さはおよそ0.1μmから5μmである。構成材料や形状の差により異なる機械特性([[バネ定数]]、[[共振周波数]]、[[Q値]])を示し、バネ定数は0.005N/mから50N/m、[[共振]][[周波数]]は5kHzから500kHzの間の特性を示す。
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− | 例えば0.5N/mのバネ定数のカンチレバーを測定試料に1nm押し込めば、次式に示す[[フックの法則]]より0.5nNの力が測定試料に加わる。
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− | <math>F = -kx</math>(F:力、k:バネ定数、x:変位)
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− | 一般にアスペクト比の高い、つまり、より尖った探針の方が正確なTopography(表面凹凸像)を得られる一方、先端の強度が低下する。近年では材料強度の高いカーボンナノチューブを探針として用いたカンチレバーも市販されている。
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− | === カンチレバーブレーキ ===
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− | {{main|カンチレバーブレーキ}}
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− | [[自転車]]のブレーキ機構の形態の一つで、フレームに取り付けられたレバーをワイヤーで引き上げてブレーキシューをホイールのリムに押し当てる構造となっている。シンプルな構造で泥詰まりが少ないのが特徴で、悪路を走る自転車に向く。
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− | === レコード再生用カートリッジ ===
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− | [[レコードプレーヤー]]で、[[レコード]]の音溝を[[電気信号]]に変換するカートリッジに用いられるカンチレバーは、先端部に音溝に接するスタイラス(針先)を備える。根元に永久[[磁石]](MMカートリッジ)あるいは[[コイル]](MCカートリッジ)などを取り付けて、カンチレバーの振動を電気信号に換える。MMカートリッジでは、カンチレバー部分を交換可能な構造にしてあり、市販されるこれを「交換用レコード針」と呼ぶ。
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− | === 自動車用サスペンション ===
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− | 1/4[[楕円]]リーフスプリングの[[ばね]]枚数の多いほうを[[シャシ (自動車)|車台]]に固定し、もう一方を[[車軸]]に固定する構造。リーフスプリングが、ばねと[[サスペンション]]アームを兼ねるため部品点数が少なく、短い板ばねは軽量でもあるが、車台側の取り付け部に入力が集中する短所もある。
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− | === オートバイ用サスペンション ===
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− | {{main|リヤサスペンション (オートバイ)}}
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− | [[オートバイ]]のスイングアーム式リヤサスペンションの一種として、スイングアームにばねを伸縮させるカンチレバーを設けた形式がある。本来のカンチレバーを設けたスイングアームものは側面から見るとL字型となるが、構造上は片持ち梁ではない三角形の構造のとしたものもカンチレバーと呼ばれる。
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− | === バイメタル ===
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− | [[バイメタル]]は温度変化で変形するが、変位を取り出すためにカンチレバー構造で使用される。
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− | == その他 ==
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− | * [[鉄道車両の座席]]のうち、[[鉄道車両の座席#片持ち式座席|片持ち式座席]]のことを「カンチレバーシート」と称する場合もある。
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| == 脚注 == | | == 脚注 == |
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| * [[はり部材]] | | * [[はり部材]] |
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− | {{architecture-stub}} | + | {{テンプレート:20180815sk}} |
− | {{tech-stub}}
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| {{デフォルトソート:かんちれはあ}} | | {{デフォルトソート:かんちれはあ}} |
| [[カテゴリ:機械工学]] | | [[カテゴリ:機械工学]] |
| [[カテゴリ:建築構造]] | | [[カテゴリ:建築構造]] |
| [[カテゴリ:顕微鏡]] | | [[カテゴリ:顕微鏡]] |