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[[ファイル:Free Trade Areas.PNG|thumb|230px|現在の自由貿易地域。[[自由貿易協定]]が結ばれた地域が表示されている]]
 
[[ファイル:Canal de Panamá Mayo 2008 342.jpg|thumb|230px|グローバリゼーションによる多国籍間の物流]]
 
[[ファイル:Mall culture jakarta61.jpg|thumb|230px|グローバリゼーションによって労働者の失業問題が起きることがある]]
 
[[ファイル:Mall culture jakarta75.jpg|thumb|230px|製造業のコストが安い国では、安価な製品を大量に製造できる]]
 
'''グローバリゼーション'''({{lang-en-short|globalization, globalisation}})とは、社会的あるいは経済的な関連が、旧来の[[国家]]や地域などの境界を越えて、[[地球]]規模に拡大して様々な変化を引き起こす現象である<ref>[http://kotobank.jp/word/%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0 『知恵蔵2007』朝日新聞出版 ]</ref><ref>『広辞苑第六版』岩波書店</ref>。'''グローバライゼーション、グローバル化、世界化、地球規模化'''などとも呼ばれる。他動詞にする場合には'''グローバライズ'''する(英:[[:en:wiktionary:globalize|globalize]])という。
 
  
「グローバリゼーション」という言葉は、様々な[[社会]]的、[[文化]]的、[[経済]]的活動において用いられる。使われる文脈によって、例えば[[世界]]の異なる地域での[[産業]]を構成する要素間の関係が増えている事態(産業の地球規模化)など、世界の異なる部分間の緊密な繋がり(世界の地球規模化)を意味する場合もある。
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'''グローバリゼーション'''({{lang-en-short|globalization, globalisation}})
  
== 語義 ==
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文化,経済,政治など人間の諸活動,コミュニケーションが,国や地域などの地理的境界,枠組みを越えて大規模に行なわれるようになり,地球規模で統合,一体化される趨勢。グローバリゼーション,地球規模化などともいう。歴史的に,交通,物流,通信などの技術発展に伴って国際的な活動は活発化し,交流は深化しているが,特に[[インターネット]]など情報通信技術の発展が地球規模でのコミュニケーションを急速に推進したことを,1990年代イギリスの社会学者アンソニー・ギデンズらが指摘した。地球規模の統合という概念を早くに示した例として,カナダの文明批評家マーシャル・[[マクルーハン]]の『グーテンベルクの銀河系』(1962)が知られ,このなかでマクルーハンは電子メディアによる時間と空間の圧縮を分析し,将来に世界が一つの村のようになるという地球村 global villageの概念を提唱した。[[CNN]]のニュース報道や,[[マクドナルド]]に代表される[[ファーストフード]][[ハリウッド]]の[[映画]],ポピュラー音楽,ファッションなど,おもに[[アメリカ合衆国]]に発祥した[[大衆文化]]は,世界各地の文化を均質化に向かわせたといわれる。[[冷戦]]終結により,[[資本主義]]の経済体制は旧[[共産圏]]にも拡大した。[[多国籍企業]]は,研究開発,原材料の調達,生産,販売などの各段階で,最も好ましい立地を地球規模で選択するようになり,情報通信技術による金融のネットワーク化は大規模な国際金融取引を実現させた。国家の枠組みを越えて政治的活動を行なう[[非政府組織]] NGOが力を増す一方,2001年の[[アメリカ同時テロ]]など,思想や宗教的信条に基づいた非国家主体による国際的な[[テロリズム]],紛争も拡大した。
=== 異義語 ===
 
「グローバル」と「インターナショナル」、「グローバリゼーション」と「インターナショナリゼーション(国際化)」という語は、意味する範囲が異なる。「インターナショナリゼーション」は「国家間」で生じる現象であるのに対して、「グローバリゼーション」は「'''地球規模'''」で生じるものであり、国境の存在の有無という点で区別される。
 
{{See also|内政不干渉の原則|主権国家|コングロマリット}}
 
 
 
具体的に言えば、世界地図を見て国境を意識しながら国家間の問題を考えれば、「インターナショナル」な問題を考えている事になる。対して、地球儀を見ながら地球全体の問題を考えれば「グローバル」な問題を考えている事になる。即ち、「グローバリゼーション」の方が「インターナショナリゼーション」よりも範囲は広くなる。
 
 
 
=== 訳語 ===
 
[[大学共同利用機関法人]][[人間文化研究機構]][[国立国語研究所]]の[[「外来語」言い換え提案]]では「'''地球規模化'''」を挙げている。「グローバリゼーション」「グローバル化」といった言葉も使われている。[[中国語]]では、「'''全球化'''」と訳される。
 
 
 
== 歴史 ==
 
{{see also|グローバリゼーションの歴史}}
 
 
 
[[世界史]]的に見れば、何らかの現象の「グローバリゼーション」は、[[大航海時代]]に起源を発する。大航海時代により、ヨーロッパ諸国が[[植民地]]を世界各地に作り始め、これによりヨーロッパの政治体制や経済体制の「グローバリゼーション」が始まり、物流の「グローバリゼーション」が起こった。これが本格化し始めた時期は[[19世紀]]で、[[ナポレオン戦争]]による[[国民国家]]の形成や、[[産業革命]]による[[資本主義]]の勃興が、[[近代]]の「グローバリゼーション」を引き起こした。
 
 
 
[[第二次世界大戦]]が終わると、[[アメリカ合衆国]]を盟主とする[[冷戦]]の[[西側諸国]]で[[多国籍企業]]が急成長し、[[現代 (時代区分)|現代]]の「グローバリゼーション」が始まった。[[1970年代]]から[[手形交換所#手形交換制度|国際決済]]が急速にオンライン・グローバル化し、「グローバリゼーション」という語が使われるようになった。[[東欧革命]]の翌年である[[1990年]]には、「[[ボーダーレス]]」(無境界)という語で、「国境が越えて揺さぶる力が物を言う」という論調で東欧革命後の世界が語られる例もあった<ref>朝日新聞 1990年1月1日付15頁~17頁</ref>。
 
 
 
特に、[[ソ連崩壊|ソビエト連邦が消滅]]したこと([[1991年]][[12月31日|大晦日]])により、[[アメリカ合衆国]][[一極支配|単独覇権]]が確立された[[1992年]][[1月1日|元日]]から、「グローバリゼーション」という語は一層の広まりを見せた。<!--[[グローバル・ガバナンス]]の項目で冷戦の終結がやたら強調されている点に観点の偏りを感じる。-->ソビエト連邦が消滅すると、[[社会主義]]の消滅と[[資本主義]]の永続が喧伝され、「[[冷戦]]後の[[自由貿易]]圏の拡大によって、文化や思想の枠に囚われない貿易が促進する事態」「グローバル企業が地球上のどこでも恣に振舞える世界」「経済・政治・社会など、あらゆる体制をアメリカ型に変えること」も指すようになった。
 
 
 
従って、グローバリゼーションによる負の現象、例えば工業や農業といった産業の世界規模での競争([[メガコンペティション]])、[[多国籍企業]]による搾取の強化、国内産業の衰退、[[プレカリアート]]([[非正規雇用]]労働者)の増大という現象を指す場合もある。そのため、「グローバル化=[[新自由主義]] (無規制資本主義)」「グローバル化=[[アメリカニゼーション|アメリカ化]]」として否定的に用いられる例も多くなった。[[1992年]]以来、グローバリゼーションの負の現象を憎む人々は、[[主要国首脳会議]]の開催地などで[[反グローバリゼーション]]を訴えている。
 
 
 
[[2010年代]]に入る前後からは、かつてコスト削減や利益を増やすために[[中華人民共和国|中国]]企業に積極的にノウハウを教えた日本の企業が、逆に中国企業に買収される動きも出ている<ref>「[[真相報道バンキシャ]]」2010-5-2放送分 [[日本テレビ放送網|日本テレビ]]</ref>。
 
 
 
しかし、[[2015年]]以後は、「反グローバリゼーション」なかんずく「[[グローバル資本主義]]への嫌厭」を掲げる党派が世界で躍進している。「グローバリゼーション」と「無規制資本主義」の総本山であるアメリカ合衆国で、「社会主義者」を自称する[[バーニー・サンダース]]がアメリカ大統領予備選で指名争いを演じ([[2016年]]冬~初夏)、[[保護主義]]を掲げる[[ドナルド・トランプ]]がアメリカ大統領選挙で勝利したこと([[2016年]]11月8日)が、その象徴的出来事である。アメリカ以外でも、[[ジェレミー・コービン]](イギリス労働党党首、[[2015年]]9月就任)や[[ジャン=リュック・メランション]](フランス)などが、反グローバリゼーションを掲げて躍進している。
 
 
 
== 徴候 ==
 
グローバリゼーションの傾向が認められる現象は多くあるが、現代の「グローバリゼーション」では、
 
 
 
#[[第二次世界大戦]]後に地球規模化した現象
 
#[[世界恐慌]]最中の[[1930年代]]前半に失われたが、現在に復活している現象
 
#米ソ[[冷戦]]終結後の[[1990年代]]に地球規模化した現象
 
 
 
の3つの流れがある。これらの現象には、ヒト・モノ・カネと情報の国際的な流動化が含まれる。また科学技術、組織、法体系、インフラストラクチャーの発展がこの流動化を促すのに貢献した。一方で、様々な社会問題が国家の枠を超越し、一国では解決できなくなりつつある。
 
{{see also|自由貿易#自由貿易の問題|アジア通貨危機}}
 
より明確にいうと、地球規模化が認められるものには、
 
 
 
*[[世界経済]]の融合と連携深化。
 
**[[貿易]]の発展。
 
**[[直接投資]]を含む資本の国際的流動の増加。
 
**国際金融システムの発展。
 
**[[多国籍企業]]による世界経済の支配割合の高まり。
 
**世界で最適な調達・販売を行なう[[サプライチェーン・マネジメント]]の発達。
 
**[[航空]]と[[海運]]の航路増大による物流ネットワークの発達。
 
**[[インターネット]]、[[通信衛星]]、[[電話]]などの技術を使った国境を越える[[データ]]の流れの増大。
 
**地球規模的に適用される標準、基準などの増加。(例:著作権法)
 
*異文化交流の機会増加。
 
**増大する国際的な文化の交換。文化の同化、融合、欧米化、アメリカ化([[アメリカナイゼーション]])、[[日本化]]及び中華化を通じての文化差異の減少。
 
**増加する[[海外旅行]]、[[観光]]。
 
**不法入国者・不法滞在者を含んだ移住者の増加。
 
*政治主体の一元化
 
**[[世界貿易機関|世界貿易機関(WTO)]]などの組織への国際的取り決めを通じての国家支配権と国境(の重要さ)の衰退。
 
**[[国民国家]]の枠組みにとらわれない[[非政府組織|NGO]]などの組織拡大。
 
**WTO、[[WIPO]]、[[国際通貨基金|IMF]]などの国際的組織の役割の増大。
 
*経済的格差の世界化
 
**世界的な[[富裕層]]の増大、発展途上国における中流階級の成長、先進国の中流階級の[[ワーキングプア|没落・貧困化]]
 
*社会問題の世界化
 
**[[疫病]]の世界的流行。
 
**[[犯罪]]の世界規模化。
 
**地球全体の[[環境問題]]
 
**[[紛争]]への世界的関与。
 
 
 
などが挙げられるが、すべての項目に地球規模化が認められるかどうかについては議論の余地がある。
 
 
 
[[経済学者]]の[[ダニ・ロドリック]]は著書『グローバリゼーション・パラドクス』で、グローバル化の今後の選択肢として、
 
 
 
#民主主義を犠牲にしてでもグローバル化を進める
 
#グローバル化を進めるとともに政治統合を推進させ、グローバル民主主義を実現させる
 
#各国の政策的自律性を保証し、国家レベルでも民主主義を維持する代わりに、グローバル化に一定の制限を加える
 
 
 
という三つの道があると指摘している<ref>日本経済新聞社編 『経済学の巨人 危機と闘う-達人が読み解く先人の知恵』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2012年、81-82頁。</ref>。
 
 
 
== 議論 ==
 
{{see also|貿易#貿易に関する誤解}}
 
 
 
グローバリゼーションの進展については、肯定的に推進しようとする意見もある一方で、批判的意見もあり、様々な立場から撤廃しようとする意見が提示されている([[反グローバリゼーション]]・[[ディグローバリゼーション|脱グローバリゼーション]])。様々な分野においてその功罪につき議論されている。
 
 
 
経済学者の[[原田泰]]、[[大和総研]]は「グローバル化の進展が喧伝されたのは、1991年のソ連崩壊がきっかけである」と指摘している<ref>原田泰・大和総研 『新社会人に効く日本経済入門』 毎日新聞社〈毎日ビジネスブックス〉、2009年、30頁。</ref>。
 
 
 
[[国際政治学者]]の[[サミュエル・P・ハンティントン]]は著書『[[文明の衝突]]』で、世界がグローバル化していくと最終的にイデオロギーの対立はなくなるが、東西の対立(東洋の文明と西洋の文明の対立)が浮き彫りになってくると指摘していた<ref>佐藤雅彦・竹中平蔵 『経済ってそういうことだったのか会議』 日本経済新聞社学〈日経ビジネス人文庫〉、2002年、214-2155頁。</ref>。
 
 
 
経済学者の[[トマ・ピケティ]]は「グローバル化そのものはいいことであり、経済が開放され一段の成長をもたらした。格差拡大を放置する最大のリスクは、多くの人々がグローバル化が自身のためにならないとして、極端な[[ナショナリズム]]に向かってしまうことである」と指摘している<ref>[http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF19H05_Z11C14A2SHA000/ グローバル化に透明性を パリ経済学校教授・ピケティ氏]日本経済新聞 2014年12月22日</ref>。
 
 
 
経済学者の[[タイラー・コーエン]]は著書『創造的破壊』で「グローバル化によって文化の多様性が失われる」という通説について、社会間の多様性は減少する可能性もあるが、個々の社会の中ではむしろ多様性は促進されるとしている<ref>若田部昌澄・栗原裕一郎 『本当の経済の話をしよう』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、34頁。</ref>。
 
 
 
[[経営学者]]・経済学者の[[高巖]]は「グローバリゼーションに関して、
 
 
 
#グローバリゼーションそのものが貧困問題を解決する
 
#グローバリゼーションによって貧困問題はより深刻化する
 
 
 
という2つの見解がある」と指摘している<ref name="csr2008213">[http://www.nikkei.co.jp/csr/think/think_2008_2.html CSRを考える 新春特別対談 2008年のCSR新展開を占う 後半]日経CRSプロジェクト 2008年2月13日</ref>。
 
 
 
経済学者の[[ジェフリー・サックス]]は「グローバリゼーションは、貧困問題の解決に役立ってきた」と指摘している<ref name="csr2008213" />。サックスは、富は[[ゼロサムゲーム]]のように誰かが大きな富を得たからといって貧しい者がより貧しくなるわけではなく、むしろグローバリゼーションが貧困解消の一助となっているとしている<ref>[http://www.hitachi-hri.com/research/recommend/b39.html 貧困の終焉:2025年までに世界を変える]日立総合計画研究所 2007年</ref>。サックスは著書『貧困の終焉』で「グローバリゼーションが、インドの極貧人口を2億人、中国では3億人減らした。多国籍企業に搾取されるどころか、急速な経済成長を遂げた」と指摘している<ref name="asahi200693csr2008213">[http://book.asahi.com/reviews/column/2011072802027.html 前田浩次 話題の本棚 新しい世界 グローバル化の新局面に期待も]BOOK.asahi.com 2006年9月3日</ref>。
 
 
 
[[ジャーナリスト]]の[[トーマス・フリードマン]]は著書『フラット化する世界』で、地球上に分散した人々が共同作業を始めインド・中国へ業務が委託され、個人・各地域が地球相手の競争力を得ている、あるいは貢献しているとしており、紛争回避にもつながっているとしている<ref name="asahi200693csr2008213" />。
 
 
 
経済学者の[[ジョセフ・E・スティグリッツ]]は、グローバリゼーションそれ自体は評価しつつ、そのプロセスは正しい政策の組み合わせ・順序を踏まえるべきとしている<ref>田中秀臣・野口旭・若田部昌澄編 『エコノミスト・ミシュラン』 太田出版、2003年、201頁。</ref>。
 
 
 
経済学者の[[ポール・クルーグマン]]は主に覇権国家や多国籍企業の利益追求を肯定・促進する([[新自由主義]])ために広められる[[ドグマ]]の一種であるとしている{{要出典|title=編集途中メモ “The Accidental Theorist”には出ていますかね?|date=2010年3月}}。ただし、クルーグマンはグローバリゼーションそのものに反対しているわけではない<ref>ポール・クルーグマン 『グローバル経済を動かす愚かな人々』{{要ページ番号|date=2014年3月}}</ref>。
 
 
 
経済学者の[[竹中平蔵]]は「グローバル化の進展で起きることは、財政制度・金融制度などの制度の競争である。制度の均一化が起きてくることが、グローバリゼーションである」と指摘している<ref>竹中平蔵 『竹中教授のみんなの経済学』 幻冬舎、2000年、218頁。</ref>。また竹中は「グローバリゼーションという流れの中で、人の移動は活発となっているが、実際問題として普通の人が国境を越えて移動することは容易ではない。重要なのは、普通の人が国内でも所得価値を生み出せる仕組みをつくることである」と指摘している<ref>竹中平蔵 『竹中教授のみんなの経済学』 幻冬舎、2000年、87頁。</ref>。
 
 
 
=== 肯定的見解 ===
 
* 国際的[[分業]](特化)が進展し、最適の国・場所において生産活動が行われるため、より効率的な、低コストでの生産が可能となり、物の価格が低下して社会が豊かになる([[比較優位]]){{要出典|date=2015年2月}}。
 
* 投資活動においても、多くの選択肢から最も良いものを選択することができ、各企業・個人のニーズに応じた効率的な投資が可能となる{{要出典|date=2015年2月}}。
 
* 全世界の様々な物資、人材、知識、技術が交換・流通されるため、科学や技術、文化などがより発展する可能性がある。また、各個人がそれを享受する可能性がある{{要出典|date=2015年2月}}。
 
* 各個人がより幅広い自由(居住場所、労働場所、職種などの決定や観光旅行、映画鑑賞などの娯楽活動に至るまで)を得る可能性がある{{要出典|date=2015年2月}}。
 
* 密接に各国が結びつくことによって、[[戦争]]が抑制される可能性がある{{要出典|date=2015年2月}}。
 
* 環境問題や[[不況]]・[[貧困]]・[[金融危機]]などの大きな経済上の問題、[[人権]]問題などの解決には、国際的な取り組みが必要でありこれらに対する関心を高め、各国の協力、問題の解決を促す可能性がある{{要出典|date=2015年2月}}。
 
 
 
=== 否定的見解 ===
 
* 安い輸入品の増加や多国籍企業の進出などで競争が激化すると、競争に負けた国内産業は衰退し、労働者の賃金の低下や[[失業]]がもたらされる{{要出典|date=2015年2月}}。
 
* 投機資金の短期間での流入・流出によって、為替市場や株式市場が混乱し、経済に悪影響を与える{{要出典|date=2015年2月}}。
 
* 他国・他地域の企業の進出や、投資家による投資によって、国内・地域内で得られた利益が他地域・国外へと流出する{{要出典|date=2015年2月}}。
 
* 従来は特定地域に留まっていた[[テロリズム]]や武力紛争が全世界化し、各地域の安全が脅かされる{{要出典|date=2015年2月}}。
 
* [[多国籍企業]]の進出や人的交流の活発化によって、生活と文化が世界規模で均質化し、地域固有の産業や文化が消滅する{{要出典|date=2015年2月}}。
 
* 地域間競争の活発化によって、投資・経済活動の巨大都市([[世界都市]])への集中が進み、農山村や中小都市が切り捨てられ衰退{{要出典|date=2015年2月}}。
 
* 多国籍企業の影響力増大によって、各国の[[国家主権]]や[[地方自治]]が破壊される{{要出典|date=2015年2月}}。
 
* 投資家や[[エリート]][[官僚]]が政治を牛耳るようになり、各国・各地域の[[民主主義]]はグローバルな[[寡頭制]]に置き換えられる恐れがある{{要出典|date=2015年2月}}。
 
* 厳しい競争の中で企業を誘致したり国内産業を育成しようとするため、[[労働条件|労働環境]]は悪化し、環境基準が緩められ、[[社会福祉]]が切り捨てられるようになる([[底辺への競争]]){{要出典|date=2015年2月}}。
 
 
 
=== 日本 ===
 
[[森永卓郎]]は「日本人が"グローバル化"と言う場合、それは誤いなく"[[アメリカニゼーション|アメリカ化]]"という意味である。アメリカが[[世界標準]]であると言う根拠はどこにもなく、当のアメリカだけが、自分たちのことを世界であると思い込んでいる」と指摘している<ref>森永卓郎 『「騙されない!」ための経済学 モリタク流・経済ニュースのウラ読み術』 PHP研究所〈PHPビジネス新書〉、2008年、169-170頁。</ref>。また森永は「日本にとって本当のグローバル化とは、アメリカを相対化することであり、アメリカを追従せず、アメリカ化を拒絶することが本当の意味でのグローバル化である」と指摘している<ref>森永卓郎 『「騙されない!」ための経済学 モリタク流・経済ニュースのウラ読み術』 PHP研究所〈PHPビジネス新書〉、2008年、171頁。</ref>。
 
 
 
==脚注==
 
{{reflist}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
*Manfred B. Steger ([[2003年|2003]]), ''Globalization: A Very Short Introduction'', Oxford University Press.([[マンフレッド・スティーガー|マンフレッド・B・スティーガー]]/櫻井公人・櫻井純理・高嶋正晴[訳](2005)『グローバリゼーション』[[岩波書店]]。
 
*[[正村俊之]]([[2009年|2009]])『グローバリゼーション:現代はいかなる時代なのか』[[有斐閣]]。
 
*ポール・クルーグマン 『グローバル経済を動かす愚かな人々』三上義一訳、[[早川書房]]、1999年。
 
*ジョセフ・E・スティグリッツ 『世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す』 [[楡井浩一]]訳、徳間書店、2006年。
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Colbegin}}
 
* [[アメリカナイゼーション]]
 
* [[アルテルモンディアリスム]]
 
* [[一極体制]]
 
* [[インターナショナル]]
 
* [[ウィンブルドン現象]]
 
* [[共産主義]]
 
* [[グローバリズム]]
 
* [[グローバル化の陥穽]]
 
* [[グローバル資本主義]]
 
* [[グローバル都市]]
 
* [[国際関係論]]
 
* [[国際主義]]
 
* [[コロンブス交換]]
 
* [[新保守主義 (アメリカ合衆国)]]
 
* [[世界の一体化]]
 
* [[第四インターナショナル]]
 
* [[中国化]]
 
* [[ディグローバリゼーション]]
 
* [[底辺への競争]]
 
* [[日米社会20年遅延説]]
 
* [[反グローバリゼーション]]
 
* [[新世界秩序]]
 
* [[紫の経済]]{{Colend}}
 
 
 
== 外部リンク ==
 
*[http://www.kokken.go.jp/public/gairaigo/Teian2/Words/globalization.gen.html 国立国語研究所 「外来語」委員会の地球規模化についてのページ]
 
*[http://peace-appeal.fr.peter.t.nishiyama.catholic.ne.jp/2001-9-11-2.htm 福音と社会 2002年4月30日号「唯一の超大国によるグローバル・スタンダードとの関連で」]
 
{{SEP|globalization|Globalization}}
 
  
 +
グローバル化に対抗する,反グローバル化 antiglobalizationと呼ばれる動きも世界各地で生じた。経済のグローバル化が[[新自由主義]](ネオリベラリズム)に基づく自由競争をもたらし労働者に厳しい労働条件を強いることなどが懸念され,1999年[[世界貿易機関]] WTO会合が開催されたアメリカ,[[ワシントン州]]の[[シアトル]]では貿易自由化に反対する大規模なデモが発生,その後も国際会議に際して抗議デモが頻発した。文化面では,フランスなどにおいて,ファーストフードを伝統的な文化様式に対する脅威とみなす傾向がみられることなどがあげられる。1994年イギリスの社会学者ローランド・ロバートソンは,現地化,土着化を意味するローカル化 localizationをあわせたグローカル化 glocalizationという概念を提示した。
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{{グローバリゼーション}}
 
{{グローバリゼーション}}
 
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{{DEFAULTSORT:くろはりせしよん}}
 
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[[Category:グローバリゼーション|*]]
 
[[Category:グローバリゼーション|*]]

2018/10/20/ (土) 13:56時点における最新版

グローバリゼーション: globalization, globalisation

文化,経済,政治など人間の諸活動,コミュニケーションが,国や地域などの地理的境界,枠組みを越えて大規模に行なわれるようになり,地球規模で統合,一体化される趨勢。グローバリゼーション,地球規模化などともいう。歴史的に,交通,物流,通信などの技術発展に伴って国際的な活動は活発化し,交流は深化しているが,特にインターネットなど情報通信技術の発展が地球規模でのコミュニケーションを急速に推進したことを,1990年代イギリスの社会学者アンソニー・ギデンズらが指摘した。地球規模の統合という概念を早くに示した例として,カナダの文明批評家マーシャル・マクルーハンの『グーテンベルクの銀河系』(1962)が知られ,このなかでマクルーハンは電子メディアによる時間と空間の圧縮を分析し,将来に世界が一つの村のようになるという地球村 global villageの概念を提唱した。CNNのニュース報道や,マクドナルドに代表されるファーストフードハリウッド映画,ポピュラー音楽,ファッションなど,おもにアメリカ合衆国に発祥した大衆文化は,世界各地の文化を均質化に向かわせたといわれる。冷戦終結により,資本主義の経済体制は旧共産圏にも拡大した。多国籍企業は,研究開発,原材料の調達,生産,販売などの各段階で,最も好ましい立地を地球規模で選択するようになり,情報通信技術による金融のネットワーク化は大規模な国際金融取引を実現させた。国家の枠組みを越えて政治的活動を行なう非政府組織 NGOが力を増す一方,2001年のアメリカ同時テロなど,思想や宗教的信条に基づいた非国家主体による国際的なテロリズム,紛争も拡大した。

グローバル化に対抗する,反グローバル化 antiglobalizationと呼ばれる動きも世界各地で生じた。経済のグローバル化が新自由主義(ネオリベラリズム)に基づく自由競争をもたらし労働者に厳しい労働条件を強いることなどが懸念され,1999年世界貿易機関 WTO会合が開催されたアメリカ,ワシントン州シアトルでは貿易自由化に反対する大規模なデモが発生,その後も国際会議に際して抗議デモが頻発した。文化面では,フランスなどにおいて,ファーストフードを伝統的な文化様式に対する脅威とみなす傾向がみられることなどがあげられる。1994年イギリスの社会学者ローランド・ロバートソンは,現地化,土着化を意味するローカル化 localizationをあわせたグローカル化 glocalizationという概念を提示した。




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