ゲルマニウム

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ゲルマニウム英語: germanium[1] [dʒərˈmeɪniəm]

元素記号 Ge ,原子番号 32,原子量 72.61。周期表 14族,炭素族元素の1つ。単体は灰白色の硬い半金属。融点 958.5℃,比重 5.35。空気中では安定。赤熱温度以上で酸化される。塩酸,希硫酸に不溶。王水,アルカリ溶液 (過酸化水素を含む) に可溶。原子価は4価。ダイヤモンド型構造をもつ典型的な半導体。間接遷移型のエネルギー帯構造をとり,常温での禁制帯幅は 0.66eV。5価の不純物原子を加えるとn型半導体となり,3価の不純物原子を加えるとp型半導体となる。 D.メンデレーエフによりエカシリコンとして存在が予想され,1886年 C.ウィンクラーによって発見された。地殻の平均含有量は 1.4ppm。石炭,硫化鉱物中に比較的濃縮されて存在する。工業上の資源は亜鉛精錬工場の煙灰。 1947年にベル電話研究所の W.B.ショクリー,J.バーディーン,W.H.ブラッティンらが,n型ゲルマニウムで初めて点接触トランジスタを発明,固体エレクトロニクスの時代を開いた。現在は,半導体材料としてはケイ素が主として用いられているが,ゲルマニウムはケイ素に比べて順方向の立上がり電圧が低い,キャリアの移動度が高い,長波長の光に対しても感度を示すなどの特性を利用してダイオード,トランジスタ,赤色ケイ光体への用途を開いているほか,歯科用合金,赤外線透過ガラスの製造などに使われている。



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