サムエル記

提供: miniwiki
2018/7/29/ (日) 07:33時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版 (ページの作成:「旧約聖書の歴史書の一つ。ユダヤ教では預言のなかに入れられる。ヘブライ語写本では元来1巻であったが,ギリシア語七十人…」)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先:案内検索

旧約聖書の歴史書の一つ。ユダヤ教では預言のなかに入れられる。ヘブライ語写本では元来1巻であったが,ギリシア語七十人訳聖書 (セプトゥアギンタ ) で初めて2巻に分けられ,名称も SamuelではなBasileiōn(Regnorum王国の書) とされた。この区分はウルガタ訳にも継承され,今日ではこれが一般的である。

『サムエル記』は,イスラエルの王国建設の物語であり,その内容は (1) サムエルの誕生とシロの神殿での成長過程,(2) ダビデがサウルに召しかかえられ,やがて王となった経過,(3) ダビデ王の物語,王位継承史,(4) 追加の4部に大別される。

『サムエル記』には,多くの類似点や繰返し,矛盾が含まれている。王制の期限に関しての異なる記述 (サムエル上9・1~10・16,8章,10・17~27) ,王としてのサウルに重複して紹介されるダビデの記事 (サムエル上 16,17章) などが書かれている。『サムエル記』はいくつかの継続した資料をもとに作られたという説と,さまざまな伝説の独立した物語をまとめたという説があるが,後者の意見が広く受入れられている。また,『サムエル記』の資料は元来前800年以前の旧資料と前8世紀末の新資料とがあり,これが前 550年頃ほぼ今日の形にまとめられたと推定されている。