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| − | {{ページ番号|date=2013年7月}}
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| | | name = シャルル・ボードレール<br/>Charles Pierre Baudelaire | | | name = シャルル・ボードレール<br/>Charles Pierre Baudelaire |
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| | | signature = Baudelaire signatur.svg | | | signature = Baudelaire signatur.svg |
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| − | '''シャルル＝ピエール・ボードレール'''（{{lang-fr|Charles-Pierre Baudelaire}}（<small>[http://ja.forvo.com/word/charles-pierre_baudelaire#fr 発音例]</small>）、[[1821年]][[4月9日]] - [[1867年]][[8月31日]]）は、[[フランス]]の[[詩人]]、[[評論家]]である。 | + | '''シャルル＝ピエール・ボードレール'''（{{lang-fr|Charles-Pierre Baudelaire}}（<small>[http://ja.forvo.com/word/charles-pierre_baudelaire#fr 発音例]</small>）、[[1821年]][[4月9日]] - [[1867年]][[8月31日]]） |
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| − | == 生涯 ==
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| − | [[画像:Chbaudelaire.jpg|thumb|left|自画像]]
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| − | ジョゼフ・フランソワ・ボードレールの息子として[[パリ]]に生まれる。ジョゼフは[[パリ大学]]で哲学と神学を学んだ[[司祭]]であったが、後に職を辞し、芸術家らと交わるなど、芸術に深い関心を持っていたという。[[フランス第一帝政|第一帝政]]下で上院議員の議長を務めるなどした人物でもあった。晩婚のジョゼフはボードレールが6歳のときに亡くなり、その1年半後、まだ若く美しい母カロリーヌは、将来有望な軍人オーピックと再婚する。ボードレールは母の再婚に深く傷つき、生涯[[エディプス・コンプレックス]]というべき鬱屈とした感情を抱えることになる。
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| − | もっとも、ボードレールは高校まで、養父の望みに適う優等生として努力していたという。実際、彼が通った[[リヨン]]のルイ・ル・グラン高校は、エコール・ノルマル・シュペリウールの合格者を多く出しており、いわゆるエリート高校であった。ここで彼は決して劣等生ではなかったし、しばしば成績の上位者にも入ったことがクロード・ピショワらの評伝によって確認されている。しかし最終学年、ボードレールは哲学級で教員と問題を起こし、中退する。その後、別の高校で高校卒業の認定を受け、[[パリ大学]]の法学部に籍を置く。しかし彼は法律を勉強した気配はなく、文学者になると称し、上昇志向の強い中流階級の家族を失望させる。
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| − | ボードレールは20歳になると亡父の遺産を引き継ぎ、中流の家庭にとって身分不相応な散財を行う。財産を使い果たすことを恐れた親族らによって、1841年6月、ボードレールは半ば強制的に遠洋航海に出される。アフリカの[[喜望峰]]を経由し、インド洋からアジアに向かうというものであったが、嫌気がさしたボードレールは途中で下船し、旅半ばで舞い戻ってくる。以後、晩年のベルギー旅行をのぞけば、彼が海外に足を伸ばすことはなかった。これは[[テオフィル・ゴーティエ|ゴーティエ]]や[[ジェラール・ド・ネルヴァル|ネルヴァル]]といった当時の文学者らの多くが旅行家であったことを考えると驚くべきことである。
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| − | ボードレールの詩作は、20代に大半が書かれたと言われる。しかし彼が最初に文壇に登場したのは、1845年、官展（サロン）の美術批評家としてである。『1845年のサロン』から『1846年のサロン』にかけて、彼は、[[ロマン主義]]画家の[[ウジェーヌ・ドラクロワ|ドラクロワ]]を、[[新古典派]]からの攻撃に対して擁護する。もっとも、「擁護」という表現は必ずしも事実ではない。厳密に言えば、その当時すでにロマン派と新古典派の対立は下火になっていたのであり、ドラクロワは[[ドミニク・アングル|アングル]]と並ぶ巨匠と見なされていた。近年の研究者らはボードレールがドラクロワに庇護してもらうことを期待したのではないかとみている。以後、美術評論は『1855年の万国博覧会』『1859年のサロン』と続くが、最大の功績はコンスタンタン・ギースを論じた『現代生活の画家』において「モデルニテ」の概念を提唱したことである。ボードレール以前にも詩人が美術評論を書くということは間々あったが、彼の美術評論は後年の詩人らに影響を与え、「詩人による美術批評」は[[ジュール・ラフォルグ|ラフォルグ]]、[[ギヨーム・アポリネール|アポリネール]]への系譜と連るとみなされる。また[[エドガー・アラン・ポー]]を翻訳、フランスに紹介した。
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| − | ダンディとして知られ、亡父の遺産をもとに散財の限りを尽くし、準禁治産者の扱いを受ける。その後は、死ぬまで貧窮に苦しむこととなる。
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| − | [[ルイ・オーギュスト・ブランキ]]の中央共和派協会に入会し、[[1848年革命|二月革命]]には赤いネクタイを巻いて参加[[写実主義|レアリスト]]画家[[ギュスターヴ・クールベ|クールベ]]らと友好を結び、[[ピエール・ジョゼフ・プルードン|プルードン]]と会う。
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| − | 生前発表した唯一の詩集『[[悪の華]]』が摘発され、そのうちの6編が公序良俗に反するとして罰金刑を受ける。後に第2版を増補版として出版し、詩人としての地位を確立した。その卑猥的、耽美的、背教的な内容は、後の世代に絶大な影響を与えることとなる。特に現実と理想の溝から生じる、作品に溢れる絶望感とアンニュイは、一種の退廃的な時代の病を表徴している。
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| − | [[韻文]]詩集発表後、彼は[[散文詩]]と呼ばれるジャンルに新たな詩的可能性を目指し、執筆を続ける。生前は作品集としては陽の目を見なかったものの、後に『パリの憂鬱』（『小散文詩』）として出版された。いまなお多くの示唆にあふれる内容となっている。
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| − | == 評価 ==
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| − | {{独自研究|date=2013年7月|section=1}}
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| − | ボードレールは詩という文学空間の可能性を最も早い時期に提示した詩人であり、彼の後に続く[[アルチュール・ランボー|ランボー]]、[[ポール・ヴェルレーヌ|ヴェルレーヌ]]、そして[[ステファヌ・マラルメ|マラルメ]]らに決定的な影響を与えたことから、「近代詩の父」と称される。また、批評活動でも優れた功績を残している。特に『現代生活の画家』（''Le Peintre de la vie moderne''）の中で展開される[[モデルニテ]]（modernité 近代性、現代性）の理論は19世紀フランスのキータームであり、彼以降の詩人たちは、それぞれのモデルニテを探ることとなる。
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| − | ==年譜==
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| − | [[画像:Gustave Courbet 033.jpg|thumb|180px|1848年の肖像画([[ギュスターヴ・クールベ]])]]
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| − | [[画像:Baudelaire 1844.jpg|thumb|180px|肖像画(エミール・デロイ)]]
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| − | * [[1821年]][[4月9日]]、[[パリ]]に生まれる。父は、ジョセフ・フランソワ・ボードレール（Joseph François Baudelaire）（1759-1827）、母は、カロリーヌ・アルシャンボー＝デュフェー（Caroline Archimbaut-Dufays）（1793-1871）。父方は富裕な農家。この年、[[ナポレオン・ボナパルト]]死亡。
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| − | * [[1827年]]（6歳）、父フランソワ死亡。
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| − | * [[1828年]]（7歳）、母が陸軍軍人と再婚。シャルルはこの義父を嫌う。3人は間もなく[[リヨン]]に移り住み、シャルルはドローム私塾（Pension Delorme）からロワイヤル中学（Collège Royal）に進む。
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| − | * [[1836年]]（15歳）、一家はパリに戻り、シャルルは[[リセ・ルイ＝ル＝グラン]]に転校する。
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| − | * [[1839年]]（18歳）、リセ・ルイ＝ル＝グランから放校される。[[バカロレア資格|大学入学資格]]試験（baccalauréat）に合格する。
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| − | * [[1839年]]-[[1841年]]、[[パンテオン (パリ)|パンテオン]]近くのバイイ私塾（Pension Bailly）に入れられる。[[オクターヴ・フュイエ]]（[[:fr:Octave Feuillet|Octave Feuillet]]）、[[ジェラール・ド・ネルヴァル|ネルヴァル]]、[[ルコント・ド・リール]]らを知る。文芸新聞に寄稿する。[[オノレ・ド・バルザック|バルザック]]の門をたたく。
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| − | * [[1841年]]4月（20歳）、シャルルの行状を案じた義父により、[[インド]]行きの船に乗せられる。
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| − | * [[1842年]]2月（21歳）、[[モーリシャス島]]からパリに逃げ戻る。乗船中に詩作する（のち「悪の華」に収録）。4月、成年に達し、亡父の遺産を分与され、転居を繰り返した後、サン・ルイ島のオテル・ピモダン（[http://www.paris-pittoresque.com/monuments/43b.htm Hôtel Pimodan]）に落ち着く。以後二年間に、後に『悪の華』へ収録される詩編の大半を綴る。[[ヴィクトル・ユーゴー]]、[[シャルル＝オーギュスタン・サント＝ブーヴ|サント・ブーヴ]]、[[テオフィル・ゴーティエ]]を知る。黒人混血女ジャンヌ・デュヴァル（Jeanne Duval）と関係を持つ。
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| − | * [[1844年]]（23歳）、禁治産者として弁護士の監視下に置かれ、売文の必要に迫られる。
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| − | * [[1845年]]（24歳）、この頃自殺未遂を起こす。美術批評、文芸批評の筆を執る。
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| − | * [[1846年]]（25歳）、批評家として名を高める。この頃から[[エドガー・アラン・ポー]]に打ち込む。
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| − | * [[1847年]]（26歳）、シャルル・ドゥファイスの筆名で『ラ・ファンファルロ』を発表。
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| − | * [[1848年]]（27歳）、政治熱にかられる。ポーの翻訳を続ける。この年、[[1848年革命|二月革命]]が起こり、ナポレオン・ボナパルトの甥[[ナポレオン3世|シャルル・ルイ＝ナポレオン]]が大統領になる。
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| − | * [[1851年]]（30歳）、政治熱が冷める。
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| − | * [[1852年]]（31歳）、年末以降、サバティエ夫人（Madame Sabatier）の文学サロンに出入りし、彼女に数篇の詩を捧げる。この年、シャルル・ルイ＝ナポレオンが[[ナポレオン3世]]として皇帝に即位する。
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| − | * [[1853年]]（32歳）、「玩具のモラル（Morale du joujou）」、「笑いの本質について（De l'essence du rire)」を書く。後者の論考は、昨今の[[笑い]]についての哲学において使われる「有意義的滑稽」と「絶対的滑稽」という言葉を提唱したものである。
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| − | * [[1855年]]（34歳）、[[ウジェーヌ・ドラクロワ|ドラクロワ]]賛美の美術評論を書き、また、詩篇十八を発表して、初めて詩人と認められる。
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| − | * [[1857年]]（36歳）、詩集『悪の華』を出版する。これはゴーティエ<ref>没後刊の第三版は、序文に[[テオフィル・ゴーティエ|ゴーティエ]]自身の論考を収録。訳書は『ボードレール』（井村実名子訳、[[国書刊行会]]、2011年）。</ref>に捧げられている。治安裁判で六篇を削除され、罰金を科される。散文詩六篇を発表し、サント・ブーヴに激賞される。義父が没し、母カロリーヌと関係が修復。
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| − | * [[1858年]]（37歳）、『人工楽園』（[[:fr:Les Paradis artificiels|Les paradis artificiels]]）第一部を公表する。
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| − | * [[1859年]]（38歳）、評論活動を続ける。
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| − | [[Image:Tombe Baudelaire.jpg|thumb|right|150px|墓碑 義父、シャルル、母カロリーヌの順に、生没年月日を刻んでいる。]]
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| − | * [[1861年]]（40歳）、35篇を追加した『悪の華』第二版を出版する。[[アカデミー・フランセーズ]]の会員になろうとして諦め、世評を損ねる。
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| − | * [[1863年]]（42歳）、[[梅毒]]による体の不調に悩み始める。
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| − | * [[1864年]]（43歳）、負債に追われて4月末にパリから[[ブリュッセル]]へ逃れる。時折母カロリーヌや後見人を訪れ、金を無心する。
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| − | * [[1865年]]（44歳）、ブリュッセルから痛烈な論陣を張る。夏に帰国して母を見舞い、旧友等と款語する。散文詩集『パリの憂鬱』（[[:en:Le Spleen de Paris|Petits poèmes en prose, Spleen de Paris]]）を書き進めるが、病勢進む。
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| − | * [[1866年]]（45歳）、3月、ブリュッセル南東のナミュール（Namur）に遊んで倒れる。脳神経の変調が現れ、言葉を失い、ブリュッセルの病院に収容される。7月初、母カロリーヌに付き添われてパリに転院する。
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| − | * [[1867年]]（46歳）、[[8月31日]]、病没。[[9月2日]]葬儀、[[モンパルナス墓地]]に葬られる。
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| − | * [[1869年]]、散文詩集『パリの憂鬱』が出版される。
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| − | == 主な作品 ==
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| − | === 詩・散文 ===
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| − | * '''『[[悪の華]]』'''{{lang|fr|''"Les Fleurs du mal"''}}
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| − | ** 初版（[[1857年]]）：詩101篇を収録。うち6篇（禁断詩篇）が風紀紊乱の咎で有罪判決を受け、削除を命ぜられる。
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| − | ** 第二版（[[1861年]]）：禁断詩篇6篇を除き、代わりに35篇を増補したほかに配列も変更し、全127篇を収録。現在は主にこの第二版を『悪の華』の底本として取り扱う。
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| − | ** 第三版（[[1869年]]）：死後に刊行された決定版全集の第一巻。第二版以降に発表された詩篇（『漂着物』と題して[[1866年]]に刊行）を含め152編を収録。
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| − | * '''『[[パリの憂鬱]]』'''{{lang|fr|''"Le Spleen de Paris"''}}（[[1869年]]、副題に『小散文詩』）：決定版全集第四巻に、生前は単行本化されなかった散文詩50篇を収録。
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| − | * 『人工楽園』{{lang|fr|''"Les Paradis artificiels"''}}：アヘン体験を記した散文作品。
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| − | ** 「ハシッシュの詩」{{lang|fr|''"Le Poème du haschisch"''}}（[[1858年]]）
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| − | ** 「阿片吸引者」{{lang|fr|''"Un Mangeur d'opium"''}}（[[1860年]]）
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| − | ** 「酒とハシッシュの比較」{{lang|fr|''"Du vin et du haschisch"''}}（[[1851年]]）：単行本は上記2編を収録したものだが、決定版全集において追加された。
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| − | * 『ラ・ファンファルロ』{{lang|fr|''"La Fanfarlo"''}}（[[1847年]]）：ボードレール唯一の小説。
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| − | * 『火箭』、『赤裸の心』：生前未発表のアフォリズム集。
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| − | === 美術批評・音楽批評 ===
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| − | * 「1845年のサロン」
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| − | * 「1846年のサロン」
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| − | * 「笑いの本質について」
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| − | * 「1855年の万国博覧会、美術」
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| − | * 「1859年のサロン現代生活の画家」
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| − | * 「[[ウジェーヌ・ドラクロワ|ウージェーヌ・ドラクロア]]の作品と生涯」
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| − | * 「[[リヒャルト・ワーグナー|リヒャルト・ヴァーグナー]]と『[[タンホイザー]]』のパリ公演」
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| − | === 文芸批評 ===
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| − | * 「[[エドガー・アラン・ポー|エドガー・ポー]]、その生涯と作品」
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| − | * 「エドガー・ポーに関する新たな覚書」
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| − | * 「[[テオフィル・ゴーティエ]]」
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| − | * 「わが同時代人の数人についての省察」
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| − | * 「[[ギュスターヴ・フローベール]] 『ボヴァリー夫人』書評」
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| − | * 「[[ヴィクトル・ユーゴー|ヴィクトール・ユゴー]] 『レ・ミゼラブル』書評」
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| − | == 主な日本語訳 ==
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| − | * 『ボードレール全集』（全6巻、[[阿部良雄]]訳、[[筑摩書房]]）
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| − | * 『ボードレール全詩集』（全2巻、阿部良雄訳、[[ちくま文庫]]）
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| − | * 『ボードレール批評』（全4巻、阿部良雄訳、[[ちくま学芸文庫]]）
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| − | * 『悪の華』（[[鈴木信太郎 (フランス文学者)|鈴木信太郎]]訳、[[岩波文庫]]、近年改版）
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| − | * 『悪の華』（[[堀口大學]]訳、[[白水社]]／[[新潮文庫]]、近年改版）
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| − | * 『悪の華』（[[齋藤磯雄]]訳、[[三笠書房]] のち[[東京創元社]]）
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| − | * 『悪の華』（[[安藤元雄]]訳、[[集英社]] のち[[集英社文庫]]）
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| − | * 『悪の華』（[[佐藤朔]]訳、[[第一書房]]、1941年）
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| − | * 『悪の華』（福永武彦訳、[[平凡社]]、のち「訳詩集 象牙集」[[人文書院]]、1979年）
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| − | * 『パリの憂愁』（[[福永武彦]]訳、岩波文庫、1965年 近年改版）
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| − | * 『巴里の憂鬱』（[[三好達治]]訳、[[新潮文庫]]、1951年 近年改版）
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| − | * 『巴里の憂鬱』（[[齋藤磯雄]]訳、[[三笠書房]] のち[[東京創元社]]）
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| − | * 『[[パリ]]の憂鬱』（渡辺邦彦訳、〈大人の本棚〉[[みすず書房]]）
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| − | * 『ボードレール全集』（福永武彦ほか訳、[[人文書院]]全4巻、初版1963年）
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| − | * 『[[海潮音 (詩集)|海潮音]]』（[[上田敏]]訳（『悪の華』より抜粋）、本郷書院、1905年／岩波文庫、新潮文庫）
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| − | * 『珊瑚集』 （[[永井荷風]]訳（抜粋）、籾山書店、1913年／岩波文庫）
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| − | ==関連人物==
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| − | * [[中原中也]]
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| − | * [[ヴィリエ・ド・リラダン]]
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| − | * [[ヴァルター・ベンヤミン]]
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| − | * [[ジョゼフ・ド・メーストル]]
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| − | * [[辰野隆]]－以下、上記以外の研究者
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| − | * [[佐藤正彰]]
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| − | * [[粟津則雄]]
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| − | * [[杉本秀太郎]]
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| − | == 参考文献 ==
| + | フランスの詩人。5歳で父を失い，翌年母が再婚，義父とは不和であった。早くから文学青年たちと交遊し奔放な生活をおくったが，1845年頃から美術評論家としての地位を確立。唯一の定型詩集『[[悪の華]]』 Les Fleurs du mal (1857) で近代文明に対する鋭い批判と，そこに生きる自己の苦悩と絶望を明確に意識化し，それを音楽性と喚起力に富む言語で表現することによりフランス近代詩を確立。その影響は象徴派をはじめとするフランス詩のみでなく世界各地に及んでいる。しかし出版当時はほとんど認められず，そればかりか風俗壊乱のかどで起訴され，罰金と詩6編の削除を命じられた。この処女詩集の挫折は大きな痛手となり，生涯尾をひくことになる。ほかに，散文詩集『[[パリの憂鬱]]』 Le Spleen de Paris (69) ，E.A.ポーの翻訳5巻や芸術論がある。 |
| − | *『集英社世界文学大事典』、「ボードレール」の項目（集英社、2002年）
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| | == 脚注 == | | == 脚注 == |
| | <references /> | | <references /> |
| − | ==外部リンク==
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| − | {{sister project links|wikt=no|b=no|q=シャルル・ボードレール|s=fr:Charles Baudelaire|commons=Charles Baudelaire|n=no|v=no|species=no|author=no}}
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| − | * [http://www.gutenberg.org/browse/authors/b#a1947 詩、評論（原文）] - [[プロジェクト・グーテンベルク]]
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| − | * {{worldcat id|id=lccn-n79-18694}}
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| − | * {{青空文庫著作者|1732}}
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| − | * [http://www.kufs.ac.jp/French/i_miyaza/publique/baudelaire.html Adobe Reader で読むフランス文学] - 「悪の華」「パリの憂鬱」原文
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| − | {{Normdaten}} | + | {{テンプレート:20180815sk}} |
| | {{DEFAULTSORT:ほおとれえる しやるる}} | | {{DEFAULTSORT:ほおとれえる しやるる}} |
| | [[Category:フランスの詩人]] | | [[Category:フランスの詩人]] |