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[[File:Tokyo Bay Aqua-Line.jpg|thumb|200px|木更津と川崎を結ぶ[[東京湾アクアライン]]]]
 
[[File:Seto-Ohashi Bridge.jpg|thumb|200px|[[本州四国連絡橋]](岡山と香川を結ぶ瀬戸大橋)]]
 
'''ストロー効果'''(ストローこうか)あるいは'''ストロー現象'''(ストローげんしょう)とは、[[交通]]網の開通により都市が発展したり衰退したりすることを指す。なお、英語への直訳「{{lang|en|Straw Effect}}」は麦わら(ストロー)を介しての家畜の感染症のことを指すため、本件とは無関係である。
 
  
== 概要 ==
+
'''ストロー効果'''(ストローこうか)あるいは'''ストロー現象'''(ストローげんしょう)と
交通網が整備されると、交通基盤の「口」に当たる[[市町村]]・地域に経済活動が集中し、「コップ」に当たる市町村・地域の経済活動が逆に衰える現象である。特に「ストロー」に当たる長く細い(1本の)通り道だけで大量の移動が起き、途中の中継地に移動に伴う経済効果が、殆どないのを特徴とする。
 
  
交通の利便性の悪さや所要時間の長さ、運賃の高さなどによる制約は、通勤・通学・買い物など日常行為には強く働くが、旅行などの非日常行為にとってはそれほどの重要性はない。このため、高速交通網などが整備され制約から開放されると、地元住民はより魅力的な商品や品揃えや娯楽を求め、より多く良い仕事を求め、より良い学校に通学するため域外に出る。
+
高速道路や新幹線などの整備により、地元客が大都市の商業施設に奪われて、特に途中にある諸都市が衰退し、地方の活力がなくなること。
 
 
その一方、域内への流入はほとんど増えず、観光客についてもほとんど変わらないばかりか、むしろ滞在する必要性が薄くなることから宿泊や食事などの減少を招くことになり、客単価が低下する面がある。これらのため、より大都市へと購買力などが集中し、田舎側の地方都市は衰退することがほとんどである。
 
 
 
大都市に通じる[[日本の高速道路|高速道路]]や[[新幹線]]など、高速交通網を整備しさえすれば、あるいは交通の隘路を解消しさえすれば、企業の支店や拠点、大学キャンパス、大規模商業施設などが進出してくる、観光客も訪れやすくなるので多くなる、と考えた地方都市が積極的に誘致して、ようやく[[インフラストラクチャー]]が開通する。
 
 
 
しかし、実際に運用が始まると、このストロー効果で地元商店が大きな地盤沈下を起こし、目論見とは全く逆に、企業の支店や配送などの拠点は、県庁所在地などの上位支店に統廃合されて、地元雇用の喪失を招き、学生はより大都市の学校に流出し、期待された程の観光客増などもなく、結局は過疎化に拍車を掛け、経済効果も幻想であったと思い知ることが少なくない。
 
 
 
このため地方都市でも、勝ち組・負け組といわれる隆盛と衰退が発生し、それに対する綱引きが地方都市間で激化しつつある([[九州新幹線]]開通に伴う[[北九州市]]・[[福岡市]]・[[熊本市]]・[[鹿児島市]]など)。
 
 
 
また、[[京阪神]]都市圏すら[[東海道新幹線]]や[[名神高速道路]]、[[東名高速道路]]等により[[首都圏 (日本)|首都圏]]に吸われていると見る向きもあり、大都市と地方の格差解消を目指した地方への交通網の整備([[日本列島改造論]])が、[[東京一極集中]]をさらに進ませるという皮肉な結果になっている。
 
 
 
なお、ストロー効果ではないが、同時に流通上のネックも解消されることで、地方都市へ郊外型[[ショッピングセンター]]やコンビニエンスストア、全国規模のスーパー・家電量販店など、[[ロードサイド店舗]]が進出できるようになる。これにより、ストロー効果で消費者が減った、地域のスーパーや地元商店街が[[シャッター通り]]と化す等、さらなる追い討ちを受けることも多い。
 
 
 
ストロー効果には、細かく見ていくと以下のようなものがある。
 
#ある交通網の分岐点が発展して分岐先が衰退する。
 
#ある交通網の起点・終点が発展して中継地点が衰退する。
 
#ある交通網の中で規模の大きい都市が発展して小都市が衰退する。
 
 
 
=== 言葉の由来 ===
 
この言葉は、[[瀬戸大橋]]開通前の備讃地域開発計画に参画した、当時の小野五郎四国通産局総務部長(現:[[埼玉大学]]名誉教授)が、「ライリーの小売引力の法則」の系として、「大橋のような幹線交通路が開かれると、大きい方の経済圏に小さい方の経済圏のメリットが飲み込まれてしまうから、予め[[四国]]島内の交通網整備による四県の結束と物流拠点の整備を図る必要がある」として、自身を[[本州]]側に、[[アイスコーヒー]]の入った[[グラス]]を[[四国地方]]側に見立てて、[[ストロー]]で吸ってみせ「このように美味い部分は吸い上げられ、残されたのは[[氷]]だけでは困るだろう」と警告を発したのが最初である。
 
 
 
== 都市圏間の例 ==
 
=== 東北地方 ===
 
[[File:JRE-TEC-E5 omiya.JPG|thumb|right|200px|新幹線(東京と宮城や岩手、青森を結ぶ東北新幹線の[[はやぶさ (新幹線)|はやぶさ]])]]
 
*コップ:[[東北地方]]、ストロー:[[高速バス]]路線、[[新幹線]]など、口:[[仙台都市圏]]
 
**2001年2月の改正道路運送法施行による規制緩和により、東北地方各都市と[[仙台市]]を往復する高速バス路線や便数が激増して、JR(新幹線・在来線)と高速バスとの間で熾烈なシェア争いが起きている。この結果、仙台都市圏の[[商圏]]が拡大して、宮城県に隣接する[[岩手県]]南部、[[山形県]]東部、[[福島県]]北部にまで及ぶ[[仙台経済圏]]が形成されている。特に、高速バス[[仙台 - 山形線]]の影響で、仙台都市圏と[[奥羽山脈]]を挟んで隣接する[[山形都市圏]]とは「双子都市圏」の様相を呈するに至っている。仙台経済圏の外側と見なされる東北地方の各都市圏との間でも高速バス路線が発達し、東北各地から仙台に集まる傾向がある<ref>[http://mytown.asahi.com/miyagi/news.php?k_id=04000360802050001 (2)若者文化も仙台集中](2008年1月29日[[asahi.com]]。特集『[http://mytown.asahi.com/miyagi/newslist.php?d_id=0400036 胎動 東北州]』)</ref>。近年の東北地方各都市~仙台間では、高速道路や新幹線の開通直後にストロー現象が起きたという面もある<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aomori/feature/aomori1286121562044_02/news/20101004-OYT8T00092.htm ストロー現象に危機感] [[YOMIURI ONLINE]] 2011年4月22日閲覧</ref>が、それにもまして、規制緩和を契機として安価な高速バスが発達し、対抗してJRが安価な仙台発着商品を開発したことがストロー現象を惹起している。すなわち、ストロー現象は運賃の価格競争(と仙台一極集中)によるものと言える。
 
 
 
==== 北東北 ====
 
*コップ:[[青森県]]・[[秋田県]]、ストロー:[[東北新幹線]]・[[秋田新幹線]]、口:[[盛岡都市圏]]<ref>[http://tsato-abcep-it-chiba.web.officelive.com/Documents/H19%E5%8D%92%E8%AB%96%E6%A2%97%E6%A6%82%EF%BC%88%E9%AB%98%E9%80%9F%E4%BA%A4%E9%80%9A%EF%BC%89.pdf 高速交通整備が商業立地及び商圏変化に及ぼす影響] 2011年4月22日閲覧</ref>
 
**秋田県には秋田新幹線が開通し、また、青森県には[[新青森駅]]まで東北新幹線が延伸した。これらの結節点となる[[盛岡駅]]を擁する[[盛岡市]]への事務所の統合が多くなっている。ただし、ストロー効果のファクターとなる高速バスは新幹線接続としての役割が中心で、若者を中心とする客を呼び込んでこなかったことや、盛岡市の北東北における拠点性はまだ限定的なこともあり、秋田県や青森県を出発地とする旅客の目的地(口)はまだ[[仙台都市圏]]が多い。また、盛岡都市圏自体も仙台都市圏から見ればコップに当たるため、盛岡都市圏のストロー効果は小さいものとなっている。
 
 
 
==== 南東北 ====
 
*コップ:[[南東北]]3県、ストロー:[[ツアーバス]]・東北・[[山形新幹線]]、口:東京
 
**2001年2月の改正[[道路運送法]]施行による[[規制緩和]]により、南東北各都市と東京とを往復する格安のツアーバス路線や便数が激増し、並行する高速バスやJR(新幹線)と熾烈なシェア争いが起きている。仙台~東京間は、新幹線が約1万円、高速バスが新幹線の約4割引という状態が長らく続いてきたが、ツアーバスが約7割引の3000円程度で参入したため、高速バスは苦境に陥り、新幹線も約3割引の旅行商品などを発表するに至っている。東北地域の人々は東京志向が比較して高い傾向があり、東京への人口流入が戦後以降少なくなかった上に、近年の南東北~東京間ではこのような運賃の価格競争によってストロー現象が惹起されている。
 
 
 
=== 関東地方 ===
 
==== 内房 ====
 
*コップ:[[木更津都市圏]]、ストロー:[[東京湾アクアライン]]、口:[[京浜]]<ref>[http://opac.kanto-gakuin.ac.jp/cgi-bin/retrieve/sr_bookview.cgi/U_CHARSET.utf-8/NI10000521/Body/link/3kawamura.pdf 東京湾横断道路の木更津市地域経済への影響に関する実証分析] 関東学院大学『経済系』第223 集 2011年4月22日閲覧</ref>
 
**東京湾アクアライン(東京湾横断道路)の開通で対岸の[[神奈川県]][[川崎市]]と数十分で結ばれ、[[東京都区部|都内]]まで1時間30分程度を要していたものが大幅に短縮された。これにより、木更津が京浜の[[ベッドタウン]]となることが期待されたが、<!--普通車でETCを利用しても、往復で1600円以上(それ以外に首都高や館山道の料金も必要な場合あり。)掛かる-->高額な通行料が毎日のマイカー通勤にはネックとなり、京浜のレジャー地区、特に[[ゴルフ場]]投資が進む結果となった。他方、木更津から京浜への買い物客流出が促進され、[[木更津駅]]前は一気に寂れてしまった。ここでは、距離の割りに通行料が高いため、高速バス利用者によってストロー効果が発生しているというのが特徴である。
 
 
 
なお、2010年頃から斜陽化によって地価が下がったことから、京浜地区に通勤する労働者が木更津市内に住宅を購入して移住するケースも増えている。
 
 
 
==== 関東北部・東部 ====
 
*コップ:[[埼玉県]]・[[千葉県]]([[東葛地域]]、北東部)・[[茨城県]]・[[栃木県]]・[[群馬県]]など、ストロー:東北・[[上越新幹線|上越]]・[[北陸新幹線]]・[[京浜東北線]]・[[総武本線]]・[[湘南新宿ライン]]・[[上野東京ライン]]・[[宇都宮線]]・[[高崎線]]・[[常磐線]]など、口:[[東京]]
 
**これらの地域は「東京に比較的近く鉄道交通が発達している」という共通した特性を持ち、[[バブル景気|バブル期]]より地の利を生かした[[ベットタウン]]開発を盛んに行ってきた。これら住宅地に住む労働者の多くが東京通勤者であるため、嘗てから昼間人口の東京流出が顕著であった。さらに近年では[[2001年]]の湘南新宿ライン開業や、[[2005年]]の常磐線特別快速運行開始、新形式車両([[JR東日本E233系電車|E233系]]や[[JR東日本E231系電車|E231系]])の導入や増発など、高速化や運転系統・本数・車両の充実化といったサービスアップによって通勤ニーズだけでなく商業・観光ニーズにおいても東京志向が高まり、購買客までも東京へ流出させることとなった。
 
*コップ:[[つくば都市圏|つくばエリア]]、ストロー:[[首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス|つくばエクスプレス]]、口:[[東京]]
 
**[[2005年]]の[[首都圏新都市鉄道]]開業により、[[つくば市]]から[[秋葉原駅]]まで直接東京ヘ鉄道でアクセスすることが可能となった。そのため、それまでの[[路線バス]]で[[土浦駅]]を経由するルートを利用する必要がなくなったことで、東京 - つくば間の所要時間が大幅に短縮され、東京(特に[[秋葉原]])へ購買客が流出することとなり、[[つくばクレオスクエア|つくばクレオ]]内の[[西武百貨店|百貨店]]<ref>[http://www.sogo-seibu.co.jp/pdf/20160802_01.pdf 八尾店ならびに筑波店の営業終了及び希望退職者の募集について] [[そごう・西武]] 2016年8月2日発表<!--その中で「2017年2月末をもって閉店」の旨を記載。--></ref>や[[家電量販店]]<ref>[http://lsupport.tsukuba.ch/e75400.html つくば 石丸電気つくば店 全館閉店]</ref>が相次いで撤退するなどストロー効果の影響を大いに受けている。更には、2018年2月末までにはイオンも撤退し<ref>[http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15118776056340 TXつくば駅前、空洞化懸念 イオンも閉店へ] 2017年11月29日 茨城新聞</ref>、中核店舗をすべて失うことになった。
 
 
 
=== 中部地方 ===
 
[[File:E714-1.jpg|thumb|right|200px|東京から長野を経由し富山・金沢を結ぶ[[北陸新幹線]]]]
 
==== 富山県・福井県 ====
 
*コップ:[[富山県]]、[[福井県]][[嶺北]]、ストロー:[[北陸本線]]・[[北陸自動車道]]、[[東海北陸自動車道]]、口:[[金沢都市圏]]、[[中京圏]]<ref>[http://www.doyukai.org/02teigen/pdf/0705_kasseika.pdf 高速交通網による逆ストロー現象を起こすために] 富山経済同友会・富山活性化委員会 2011年4月25日閲覧</ref>
 
**北陸地方を統括する国や民間企業の出先機関が多い[[金沢市]]は北陸地方最大の商業都市でもあり、最近は大型ショッピングセンターやブランドショップも多く出店していることから、富山・福井からの集客力は最近目覚ましいものがある。特に[[金沢フォーラス]]開業と同時に富山から金沢へ向かう快速電車が設定されるなど、北陸本線の普通電車は[[金沢駅]]を中心とするダイヤに変わりつつある。富山のマスコミも金沢フォーラス開業の特集を組むほどであり、富山における金沢の影響力は次第に強くなっている。ただ、[[北陸電力]]本店などがある[[富山市]]も、[[総曲輪フェリオ]]や[[コンパクトシティ]]など中心市街地の再開発で、買い物客の流出を食い止めようとしている。
 
 
 
==== 石川県 ====
 
*コップ:[[金沢都市圏]]、ストロー:[[北陸新幹線]]、口:[[首都圏 (日本)|首都圏]]
 
**その金沢市も、[[北陸新幹線]]の開業によって、東京駅までの所要時間が、最速列車で3時間47分から2時間28分へ短縮され、[[首都圏 (日本)|首都圏]]への購買客の流出が懸念されている<ref>[http://www.pref.ishikawa.jp/shink/step21/about/kanazawa.html STEP21 開業効果について] 2011年4月25日閲覧</ref>。それに対抗して、逆ストロー効果を狙おうという動きもある<ref>
 
[[2020年]]の東京オリンピックによって東京志向が強まり、ストロー現象が起こる可能性は十分にある。
 
[http://www.hokkoku.co.jp/_today/H20071229101.htm 「金澤料理」で客呼び込め 新幹線開業にらみ金沢市] [[北國新聞]] 2011年4月25日</ref>。
 
 
 
==== 長野県 ====
 
*コップ:[[長野都市圏]]など、ストロー:北陸新幹線・[[上信越自動車道]]、口:[[東京]]
 
**[[1997年]]以降、北陸新幹線の一部先行開通と上信越自動車道開通により、それまで交通の隘路であった[[碓氷峠]]を回避して関東地方と長野県の所要時間が著しく短縮されたことにより、主に北部・東部で長野の地方事務所を廃止する企業が相次ぐなど著しいストロー効果が見られている。
 
 
 
==== 山梨県 ====
 
[[ファイル:Yamanashikotsu-newgala-chuo-20070405.jpg|thumb|200px|right|高速バス(東京と山梨を結ぶ中央高速バス甲府線)]]
 
*コップ:[[甲府都市圏]]、ストロー:[[中央本線]]・[[中央自動車道]]・[[中央新幹線]]、口:東京
 
**[[甲府盆地]]一帯は周辺を山地に囲まれ、東京方面への移動は[[笹子峠]]や[[小仏峠]]などの難所を越えなければならなかった。そのため、独立した経済圏であり、影響は少なかった。しかし[[1970年]]頃から中央本線の高速化や中央自動車道の開通により中央線特急([[あずさ (列車)|あずさ]]・[[かいじ (列車)|かいじ]])と[[中央高速バス]]との競争が激化、本数増発や運賃・料金値下げを繰り返したため容易に東京方面へ行けるようになったため、休日になると日帰りで東京方面へ買い物へ出かける者が増えた。一方で甲府都市圏の店舗は一部の[[ショッピングセンター]]を除き影響を大いに受け、多くの店舗が閉鎖・撤退し、特に[[甲府駅]]周辺の商店街は壊滅的打撃を受けて[[シャッター通り]]化した。近年はその影響が企業や工場にまで波及し、[[パナソニック]]や[[東京エレクトロン]]、[[パイオニア]]などの工場撤退が相次いでいる。さらに中央新幹線の開通及び駅設置や<ref>[http://mytown.asahi.com/yamanashi/news.php?k_id=20000641103230002 単刀直入 リニア・市民ネット代表 川村晃生さん] [[asahi.com]] 2011年4月22日閲覧</ref><ref name=b>[http://tsato-abcep-it-chiba.web.officelive.com/Documents/H19%E5%8D%92%E8%AB%96%E6%A2%97%E6%A6%82%EF%BC%88%E9%AB%98%E9%80%9F%E4%BA%A4%E9%80%9A%EF%BC%89.pdf 高速交通整備が商業立地及び商圏変化に及ぼす影響] [[千葉工業大学]]佐藤徹治研究室 2011年4月22日閲覧</ref>[[中部横断道]]の開通により<ref>[http://mainichi.jp/select/seiji/2011local/yamanashi/news/20110422ddlk19010193000c.html 南アルプス市の課題:市長選/下 交流人口どう増やす /山梨] [[毎日jp]] 2011年4月25日</ref>、これ以上の打撃を受けるという意見・指摘もある。
 
**これらの対抗策として[[グランパーク]]や[[ココリ]]など自治体の支援金を利用した商業施設を建て、また[[甲府中央商店街]]など甲府市中心部の商店街に支援を行なっているが、グランパークは経営不振により閉店しココリも店舗撤退が相次ぎ苦戦している様子が報道されている。また、甲府市や中心部商店街の反対運動により郊外の大型店舗が抑制されていることから地産地消することが出来ず、これが東京へのストロー化を助長している。この影響は人口の減少に拍車をかけ、2000年の[[国勢調査]]では89万人近くまでいた人口は、2018年には82万人を切るまで急落している。
 
 
 
==== 岐阜県 ====
 
*コップ:[[岐阜都市圏]]、ストロー:[[東海道本線]]・[[東海北陸自動車道]]、口:[[名古屋市|名古屋]]
 
**巨大な繊維問屋街を背景に独自な経済圏を持っていた[[岐阜市]]であったが、JR発足後の快速運転強化により名古屋までの所要時間が20分程度まで短縮されたことで、名古屋都市圏へのストロー効果が発生し、名古屋への通勤通学者並びに買い物客の比率は現時点では少数派ながらも徐々に増加傾向にある。また、地理的な面から岐阜志向であった美濃地域にしても、[[1998年]]の東海北陸自動車道の名神高速道路接続により、名古屋への所要時間が短縮されたことでストロー効果が見られている。
 
 
 
=== 近畿地方 ===
 
* コップ:[[紀伊半島]]、ストロー:[[阪和自動車道]]・[[五條新宮道路]]・[[阪和線|JR阪和線]]など、口:[[大阪都市圏]]
 
* コップ:[[奈良盆地]](主に[[奈良市]])、ストロー:[[第二阪奈有料道路]]・[[国道308号]]・[[近鉄奈良線]]など、口:[[大阪都市圏]]([[大阪府]])
 
** 紀伊半島の道路は他地域に比べて未整備ながらも阪和自動車道・五條新宮道路の整備以降は、それまで地元で行われていた消費者とその消費活動が大阪都市圏へ流出する現象が生じており、[[中核市]]の[[和歌山市]]でさえ[[シャッター通り]]の問題を抱えるようになっている(和歌山市内の郊外型ショッピングセンターによる、同市内での求心力・購買変化も大きい。)。鉄道に関しても[[阪和線|JR阪和線]]・[[南海本線]]といった大規模輸送路線をはじめ、ある程度整備されており、[[マイカー]]を所有していない(あるいはできない)消費者とその消費活動もこれらの鉄道路線を利用して大阪都市圏に流出してしまう。将来の[[紀勢自動車道]]整備による[[中京圏]]への流出も懸念されている。
 
** 奈良盆地は、東大阪市方面の[[大阪市営地下鉄中央線|地下鉄]]や[[近鉄けいはんな線|電車]]<!--(いわゆる「[[ゆめはんな]]」)-->の開通などにより、交通網の整備が進み、奈良と大阪のアクセスが向上したものの、上記と同じく、それまで地元で行われていた消費者とその消費活動が大阪都市圏へ流出する現象が生じており、[[中核市]]の[[奈良市]]も人口減・[[シャッター通り]]の問題を抱えるようになっている。その一方で、[[生駒市]]のように[[奈良府民]]の人口増により恩恵を受けている[[地方公共団体]]も存在している。
 
 
 
=== 瀬戸内地方 ===
 
[[File:Akashi bridge.jpg|thumb|200px|right|本州四国連絡橋(徳島と兵庫を結ぶ明石海峡大橋)]]
 
*コップ:[[高松都市圏]]、ストロー:[[瀬戸中央自動車道]]・[[瀬戸大橋線]]、口:[[岡山都市圏]]
 
**[[1988年]][[4月10日]]に[[瀬戸大橋]]が開通した時、四国側が岡山側に吸い上げられるストロー効果が発生すると予想された。<!--2014年12月5日に西日本最大級の[[イオンモール岡山]]が開業し、さらに拍車が掛かるとされている。-->四国側ではその対策の必要性が盛んに強調された(→[[東瀬戸経済圏]])<ref name=mizuho>[http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/region-insight/EEI070226.pdf みずほ地域経済インサイト]([[みずほ総合研究所]])</ref>。この経路には[[快速列車|快速]]「[[マリンライナー]]」などが走る。
 
 
 
*コップ:高松都市圏、ストロー:[[高松自動車道]]・[[神戸淡路鳴門自動車道]]、口:[[京阪神]]
 
**神戸鳴門ルートと[[香川県]]が高速道路で直結したことに伴って、当初は全く予想もされていなかった香川県内の消費者までもが京阪神へ流出するというストロー効果も発生している<ref name=mizuho/>。この経路を走る[[高速バス]]の[[大阪 - 高松・丸亀線]]・[[高松エクスプレス]]は、急速に利用者を増加させている。
 
 
 
*コップ:[[徳島都市圏]]・[[淡路島]]、ストロー:神戸淡路鳴門自動車道、口:京阪神
 
**[[1998年]][[4月5日]]に[[明石海峡大橋]](神戸鳴門ルート)が開通してからは、徳島都市圏や淡路島では、それまで地元で行われていた消費者とその消費活動が京阪神へ流出した。また、これまで徳島・淡路島 - 阪神間のアクセスとして使われていた[[船]]に代わって1998年以降の高速バス躍進の影響も大きい。
 
 
 
=== 中国地方 ===
 
*コップ:山陰都市圏・ストロー:伯備線、口:岡山都市圏
 
**昭和57年に伯備線の高速化によって岡山-米子間の所要時間が短縮されると、それまで地元で行なわれていた消費者とその消費活動が岡山都市圏へ流出した。
 
*コップ:山陰都市圏、ストロー:浜田自動車道、口:広島都市圏
 
**こちらも平成3年に浜田自動車道が全通すると、それまで地元で行なわれていた消費者とその消費活動が広島都市圏へ流出した。
 
 
 
=== 九州地方 ===
 
[[ファイル:Kakutou Basin.jpg|thumb|200px|right|高速道路(福岡と熊本、鹿児島を結ぶ九州自動車道)]]
 
*コップ:[[九州]]、ストロー:[[九州旅客鉄道|JR九州]]・[[高速バス]]・航空機・[[九州自動車道]]、口:[[福岡都市圏]]
 
**九州地方全体を見ても高速バス路線網が張り巡らされており、特にJR九州の新幹線や特急と競合関係にある九州各地(特に佐賀・長崎・熊本・大分)と福岡都市圏を結ぶ高速バスは便数が多く、大量の客を福岡都市圏に呼び込んでいるほか、隣接する[[福岡空港]]も東京便の大幅な増発で九州地方の空の玄関にまで成長している。このように、九州地方において福岡一極集中の様相を呈していることに九州内の各都市は危機感を募らせており、本格的にストロー効果の対策を取らざるを得ない状況にある。さらに2011年3月に全線開通した[[九州新幹線 (鹿児島ルート)|九州新幹線]]により、福岡都市圏へのストロー効果の影響が更に強くなった。これにより、[[北部九州]]各地に加え、今まで比較的ストロー効果の影響を受けていなかった[[鹿児島県]]も影響を受けはじめた([[鹿児島中央駅]]より毎時2本の新幹線が発着している)。さらに、2022年頃完成予定の[[九州新幹線 (長崎ルート)|長崎新幹線]]に関しても、地元住民からは経済効果を期待する声が聞かれる一方で、ストロー効果を懸念する声もある<ref>[http://www.nagasaki-np.co.jp/press/sinkansen/kikaku1/02.html 「ストロー効果」どうなる 長崎駅再開発に警戒心] [[長崎新聞]] 2011年4月22日閲覧</ref>。
 
**ただし、九州新幹線全線開業約半年後の調査<ref>[http://www.dik.or.jp/pdf/press_1111_hakata.pdf JR 博多駅ビル利用状況調査【要約】] 財団法人[[地域流通経済研究所]]調査 2011年11月</ref>では、熊本市や鹿児島市から[[JR博多シティ|博多シティ]]を訪れたり買い物をした人は開業前に予想されていたほどは多くなく、特に熊本市については地元商業施設への影響も軽微であり新幹線開業による購買流出など懸念されていたストロー現象はほとんど見られないとの分析結果を出している。博多シティ開業の影響があったと答えた割合が一番高かったのは新幹線沿線ではない大分市で、商店街で15.6%・百貨店で20.8%。熊本市は5.7%であり、特に百貨店においては調査した九州内7市の中で最少であった。
 
 
 
== 大都市圏・経済圏内の例 ==
 
上記のように、離れた[[都市圏]]同士に新たな高速あるいは安価な交通機関が登場して発生するもののほかに、同じ大都市圏内において、従来から鉄道で結ばれている駅前商店街同士の競争による勝ち負けを「ストロー現象」との言葉で表現する場合もある。
 
* [[中京大都市圏]]:[[一宮市]]、[[刈谷市]]、[[岡崎市]]、[[半田市]]、[[豊橋市]]など→[[名古屋市]]([[栄 (名古屋市)|栄]]・[[名駅]])
 
* [[北九州・福岡大都市圏]]:[[北九州市]]、[[飯塚市]]、[[久留米市]]→[[福岡市]]([[天神 (福岡市)|天神]]・[[博多]])
 
* [[札幌都市圏]]:札幌経済圏内の[[室蘭市]]、[[苫小牧市]]、[[小樽市]]など→[[札幌市]]([[札幌駅]]周辺、[[大通公園]]、[[すすきの]])
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[東京一極集中]]
 
* [[ドーナツ化現象]]
 
* [[地域格差]]
 
* [[極点社会]]
 
 
 
== 出典 ==
 
{{reflist}}
 
  
 +
{{テンプレート:20180815sk}}
 
{{DEFAULTSORT:すとろおこうか}}
 
{{DEFAULTSORT:すとろおこうか}}
 
[[Category:経済地理学]]
 
[[Category:経済地理学]]

2018/10/8/ (月) 12:55時点における最新版

ストロー効果(ストローこうか)あるいはストロー現象(ストローげんしょう)と

高速道路や新幹線などの整備により、地元客が大都市の商業施設に奪われて、特に途中にある諸都市が衰退し、地方の活力がなくなること。



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