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[[Image:RiodeJaneiro-Favela.jpg|250px|thumb|right|[[リオデジャネイロ]]のスラム、「[[ファヴェーラ]]」]]
 
[[Image:Jakarta slumlife42.JPG|250px|thumb|right|[[ジャカルタ]]の[[ゴミ]]捨て場のスラム]]
 
[[Image:Jakarta slumhome 1.jpg|250px|thumb|right|ジャカルタの[[高速道路]]下の[[違法]][[住宅]]]]
 
[[Image:Jakarta slumlife8.JPG|250px|thumb|right|ジャカルタの[[鉄道]]敷地のスラム]]
 
'''スラム'''({{lang-en-short|Slum}})とは、[[都市]]部で極貧層が居住する過密化した地区のことであり、[[都市]]の他の地区が受けられる[[公共サービス]]が受けられないなど、居住者やコミュニティの健康や安全、道徳が脅かされている荒廃した状況を指す<ref>永野征男『都市地理学研究ノート』冨山房インターナショナル 2009 [https://books.google.co.jp/books?id=fVa04LubTY0C&pg=PA72 Google Books版] 2017年7月14日閲覧。
 
</ref>。世界中のほとんどの[[大都市]]にスラムがある。'''スラム街'''、'''退廃地区'''、'''貧民窟'''などとも表現する。
 
  
世界のスラム住民の数は増加傾向にあり、[[国際連合人間居住計画]]の統計によれば、[[21世紀]]初頭でのおよそ10億人から、[[2030年]]には倍の20億人に増えるとされる。<ref>[http://www.unhabitat.org/downloads/docs/4631_46759_GC%2021%20Slum%20dwellers%20to%20double.pdf Slum Dwellers to double by 2030:Millennium Development Goal Could Fall Short] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20130317043415/http://www.unhabitat.org/downloads/docs/4631_46759_GC%2021%20Slum%20dwellers%20to%20double.pdf |date=2013年3月17日 }}</ref>。
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'''スラム'''({{lang-en-short|Slum}}
  
== 概要 ==
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大都市において必然的に形成される貧しい階層の過密居住地域,ないしは不良住宅地域。スラム居住者は貧困に根ざす種々の社会的特性を共有している。たとえば,同一階層内での社会的移動の頻繁性,保護者としての十分な能力をもつものがいない家庭環境,教育水準の低位,地域的移動の高さなどである。今日ではスラムを一掃し高層住宅やビルを造るなどの地域再開発 (スラム・クリアランス) が世界の大都市で行われつつある.
スラムの特徴として、高い[[失業]]率と[[貧困]]があり、このため[[犯罪]]や[[麻薬]]、[[アルコール依存症]]や[[自殺]]などが多発する傾向にある。特に[[悪事]]や犯罪などがしばしば行われる無法地帯と化した[[地域]]に対しては'''暗黒街'''と称されることが通例となっている。[[開発途上国|発展途上国]]の多くでは、非衛生的な環境のため[[伝染病]]が流行していることが多い。貧困状態にある[[少数民族]]の居住区を指して、[[ゲットー]]と呼ぶこともあるが、[[日本語]]でのゲットーの意味は主に[[ユダヤ人]]居住区を指すことが多い。
 
  
発展途上国の多くのスラムは、農村部などからの[[スコッター]]と呼ばれる移住者が首都などの大都市に押し寄せ、需要を超えた労働力の超過によって行き場を失い、環境の悪い町外れなどの未開発地域に住み着いた結果発生する。無計画、無秩序に住居が建てられることで[[消防車]]や[[救急車]]といった緊急車両が進入できないほど道が狭く、建物が混み入っている。これらは火事が広がって多くの犠牲者を出す、急病患者や怪我人が助からないなど生活環境を悪化させる要因になっている。
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道の狭さから[[ゴミ収集車]]も立ち入れず、地区全体が回収作業の対象とされない場合、さらに衛生状態を悪化させる要因になっている。いくつかのスラムは、ゴミ処理場の近くや中に作られており、ゴミの[[リサイクル]]で生活費を稼いでいる。
 
 
 
=== 日本のスラム ===
 
[[江戸時代]]から[[明治時代]]にかけて[[江戸]]・東京の三大貧民窟と呼ばれていたのは、下谷万年町(現・[[台東区]][[東上野]]四丁目)、芝新網町(現・[[港区 (東京都)|港区]][[浜松町]]二丁目)、四谷鮫河橋(現・[[新宿区]][[若葉 (新宿区)|若葉]])であり<ref>[http://d-arch.ide.go.jp/je_archive/society/book_x1_d02.html 東京の都市下層社会と「細民」住居論]『都市と技術』石塚裕道、国連大学出版局・国際書院、1995年 </ref>、いずれも徳川時代の旧[[非人]]系の被差別部落に起源があった<ref>川元祥一・藤沢靖介『東京の被差別部落』p.119、三一書房、1984年</ref>。その他には、深川の霊岸、麻布の新網町、浅草の玉姫町、本所の三笠町などが著しい貧民窟として知られていた<ref>[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/764098/283 東京の貧民窟]『東京学』石川天崖(育成会, 1909)</ref>。明治20年代には、調査された地域においてだけでも、東京には少なくとも115の貧民窟があった<ref>[http://d-arch.ide.go.jp/je_archive/society/another_win/x1_d03_p068_h01.html 旧市域における都市下層の分布の変化]『都市と技術』中川清、国連大学出版局・国際書院、1995年 </ref>。1897年の調査では、下谷万年町で875戸、芝新網町で532戸、四谷鮫河橋谷町で1370戸の細民長屋が確認されていたが、日露戦争後に地価が高騰すると貧民は[[日暮里]]や[[三河島]]など場末の細民街への移転を余儀なくされた。[[1923年]]には[[関東大震災]]で場末の細民街の多くも壊滅し、東京市外に移る者も現れた。
 
 
 
== 対策と評価 ==
 
スラムを解体したり、活性化さることで問題を解決しようとする試みは古くから行われてきたが、必ずしも成功を収めていない。[[文化大革命]]時に大量に中国大陸から[[香港]]に難民が押し寄せた際、不衛生なスラムが至るところに出来、犯罪や暴動が頻発した。当時の英国行政府は膨大な量の[[高層住宅]]を建設して住民を収容したり、[[郊外]]に新たな居住区を建設し、住民を移住させるといった対策で一定の成果を得た。しかし、他の開発途上国では、失業者対策が行われないなど、スラムの存在する根本的な理由を解決していないことが多いため、[[プルーイット・アイゴー]]のように、団地自体がスラム化する場合がある。また、[[賄賂]]や[[横領]]など対策を取る側に問題があることもある。
 
 
 
ある地域をスラムと呼ぶとき、異なる[[アイデンティティ]]をもつ外部の人々が自分たちの文化景観の基準から外れた地域に対して、その地域の人々の文化や[[ライフスタイル]]と関係なく、秩序が無い(ように見える)、建材が現代的で無い、など文化摩擦や誤解から一方的にスラムの[[ラベリング|レッテル]]を与えてしまう場合があり、行政によって[[都市再開発]]の対象とされてしまうケースもある<ref name="Rapoport">エイモス・ラポポート『文化・建築・環境デザイン』大野隆造、横山ゆりか訳 彰国社 2008年 ISBN 9784395051014 pp.60-65,120-121.</ref>。例えば、[[アメリカ]]では、プエルトリコ人やロシア移民など、特定の民族集団が固まって居住する地域のライフスタイルや空間の使い方が、アングロサクソン系アメリカ人の許容できる水準に達していないとして、スラムと定義した例がある<ref name="Rapoport"/>。
 
 
 
スラムを民間部門の自由な社会経済活動の場と捉えて、住民を[[草の根民活]]として、肯定的に評価する立場もある。[[農村]]にあっても十分な収入を期待できない場合、[[都市]]に流入する貧困者が多いが、都市に転居しても、工場労働者や事務員のように正規の雇用機会は得られない。そこで、自らが、露天、靴磨き、[[廃品回収]]などの小規模で、元手があまりかからない仕事を創出する。こうして、スラムの未熟練労働者が多数就業する[[都市インフォーマル部門]]が[[開発途上国]]の大都市で成長している。
 
こうしたスラム住人は小規模自営の労働集約的な[[生業]]に就くことで、[[貧困]]状態にはあっても、[[失業者]]や[[犯罪者]]とは異なる[[地域コミュニティ]]を形成している。
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
<!--以下、出版年順-->
 
*田野橘治[http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/767276  『暗黒の倫敦』] (広文堂, 1903)
 
*[[唐十郎]]『下谷万年町物語』、中央公論新社 1981年 - 戦後[[男娼]]の巣窟になった上野のスラム街を描いた自伝的小説
 
* [[ウラジーミル・ギリャロフスキー]] 『帝政末期のモスクワ』 [[村手義治]]訳、[[中央公論新社]]、[[1985年]]。 / 〈[[中公文庫]]〉、[[1990年]]。 - [[帝政ロシア]]時代の貧民窟[[ヒトロフカ]]についての記述がある。
 
* [[布野修司]] 『カンポンの世界 - ジャワの庶民住居誌』、[[PARCO出版]]、[[1991年]](ISBN 4-89194-288-6)
 
* [[中西徹]] 『スラムの経済学 フィリピンにおける都市インフォーマル部門』、[[東京大学出版会]]、[[1991年]](ISBN 4-13-046042-0)
 
* [[鳥飼行博]] 『地域コミュニティの環境経済学 - 開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』、[[多賀出版]]、[[2007年]](ISBN 9784811571317)
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[乞食谷戸]]
 
* [[権田保之助]]([[大正|大正時代]]の東京の貧民街の研究)
 
* [[横山源之助]]([[明治|明治時代]]の阪神地区の貧民街の研究)
 
* [[九龍城砦]]
 
* [[バンリュー]](フランス)
 
* [[ゲジェコンドゥ]]
 
* [[フーバービル]]
 
* [[ファヴェーラ]](ブラジルにおける貧民街)
 
** [[ファヴェーラの丘]]
 
** [[シティ・オブ・ゴッド]]
 
** [[バス174]]
 
* [[トンド]]・ [[スモーキー・マウンテン]](フィリピン・マニラ)
 
* [[パヤタス・ダンプサイト|スモーキー・バレー]](フィリピン・ケソン)
 
* [[水道局山タルトンネ博物館|タルトンネ]](韓国)
 
* [[プルーイット・アイゴー]] - [[ワールドトレードセンター (ニューヨーク)|ニューヨーク世界貿易センタービル]]の設計者として有名なアメリカの[[建築家]][[ミノル・ヤマサキ]]の初期の代表作。都市計画の失敗例として有名。
 
* [[ハーレム (ニューヨーク市)]]
 
* [[貧困の文化]]
 
* [[都心の荒廃]]
 
* [[ドヤ街]] - 日雇い労働者の寄せ場・宿泊需要に発祥を持つ点で、住民構成や社会的課題のあり方がスラムとは異なる。
 
* [[スラムツーリズム]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
{{Commons&cat|Slum|Slums}}
 
* [http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/seikatsu/sanya/index.html 東京都福祉保健局山谷対策(日本語版)]
 
* [http://www002.upp.so-net.ne.jp/k-kinroukyou/ 財団法人寿町勤労者福祉協会(日本語版)]
 
* [http://www.npokama.org/ NPO法人釜ヶ崎支援機構(日本語版)] - 大阪・あいりん地区
 
* [http://www.victorianlondon.org/houses/slums.htm Slums of Victorian London(英語版)]
 
* [http://www.stltoday.com/stltoday/news/special/pd125.nsf/0/AB4B1191EB6948C186256E04006BBBCD?OpenDocument Pruitt-Igoe Housing Complex(英語版)]
 
 
 
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スラム: Slum

大都市において必然的に形成される貧しい階層の過密居住地域,ないしは不良住宅地域。スラム居住者は貧困に根ざす種々の社会的特性を共有している。たとえば,同一階層内での社会的移動の頻繁性,保護者としての十分な能力をもつものがいない家庭環境,教育水準の低位,地域的移動の高さなどである。今日ではスラムを一掃し高層住宅やビルを造るなどの地域再開発 (スラム・クリアランス) が世界の大都市で行われつつある.



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