「トルクコンバータ」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2017年8月}}
 
[[ファイル:Torque-converter.jpg|thumb|250px|トルクコンバータ構成部品の展開モデル]]
 
[[ファイル:Torque-converter-cutbox-model.jpg|thumb|250px|トルクコンバータのカットモデル]]
 
'''トルクコンバータ'''({{Lang-en|torque converter}})は、[[流体]]の力学的作用を利用した変速機である。「トルコン」と略されることも多い。
 
  
== 解説 ==
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'''トルクコンバータ'''({{Lang-en|torque converter}})
トルクコンバーターは類似の装置である[[流体継手]]とは異なり、[[入力]]側と[[出力]]側の回転差により[[トルク]]の増幅作用が発生する。これが単なる継手ではなく[[コンバーター|コンバータ]]と呼ばれる所以である。
 
  
流体継手同様、「[[液体]]」を介しているため、動作に柔軟性があり、一時的に出力側だけを止めることができるなど、自動[[クラッチ]]のように利用することもできる。出力軸が停止した状態を[[ストール]]といい、その間の入力はすべて[[熱]]に変換されている。このため、システムによっては[[オイルクーラー]]等の液体冷却器が必要となる。機械接続された継ぎ手と比較して、トルクコンバータは負荷が大きくなると滑りが多くなり、伝達効率が落ちる傾向がある。
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流体変速装置の一種。流体を媒介として,動力伝達を行い,トルクの変換を伴う変速装置。作動流体としては液体が使われ,一般には鉱物油が用いられる。歯車やベルトによる機械的変速装置と異なり,液体の特性が生かされて,2軸間の回転比を無段階に変えることができる。普通は駆動羽根車 (ポンプ羽根車) と受動羽根車 (タービン羽根車) と案内羽根車 (ステータ) の3種の羽根車で構成され,ポンプ羽根車から流出した液体がタービン羽根車を通り,ステータを経てポンプ羽根車に戻る。ステータが受けるトルクの分だけ入力軸と出力軸との間にトルク差が生じる。変速の必要な自動車,車両用の自動変速機として,歯車変速機と組合せて用いられる。 ([[流体継手]] )  
 
 
単体では大きな[[歯車比|減速比]]を効率的に得られないので、幅広い速度域に対応させるためには、機械式の[[トランスミッション|変速機]]と組み合わせて使われる。
 
 
 
自動車の[[オートマチックトランスミッション]]では重要な部品だが、[[日産自動車|日産]]の[[日産・Y51|フーガハイブリッド]]、[[日産・スカイラインセダン V37 | スカイラインハイブリッド]]などのように、起動時からトルクが大きく回転制御もたやすい[[電動機]]にその役割を代替させ、[[燃費]]低減のため省かれる例もある。
 
 
 
== 構造 ==
 
外殻は[[環状体|トーラス形]]の容器で、内部は'''ポンプインペラ'''、'''タービンランナ'''、'''ステータ(固定翼)'''より構成され、比較的[[粘度]]の小さい[[油|オイル]]が満たされ、循環する。
 
 
 
入力側に接続されたポンプインペラがオイルの流れを生み出し、それに向き合ったタービンランナがその流れの[[慣性力]]を受けて出力軸を駆動する。
 
 
 
両者の間に位置するステータは、タービンランナからの排出流(戻り)を整流し、残っている[[運動エネルギー]]をポンプインペラに還元することでトルク増幅作用を発生させる。
 
 
 
ポンプインペラとタービンランナの回転速度が近づくと(乗り物などでは、ある程度速度が上がった状況)、ステータによるトルク増幅効果が薄れて流れの妨げとなるので、[[ラチェット|ワンウェイクラッチ]]を設けてステータをタービンランナと共に回転させ、効率を維持する。
 
 
 
AT専業メーカーであるアイシン・ワーナー(現[[アイシン・エィ・ダブリュ]])と日本自動変速機(現[[ジヤトコ]])が設立された[[1970年代]]頃から、本格的な日本メーカーのAT開発が始まり、[[1973年]](昭和48年)の[[オイルショック]]を契機に、省[[資源]]・[[省エネルギー]]が叫ばれた。変速作用が必要ない領域で機械式クラッチにより入出力軸を直結して伝達効率を上げるロックアップ機構ができ、ロックアップ機構がAT装着車に搭載された事で流体の[[粘度|粘性]]や滑りによるロスを補う燃費性能が確立した。
 
 
 
スポーツ走行での伝達効率をさらに上げるために、既存のATを使いながら制御する[[コンピュータ]]の[[プログラム (コンピュータ)|プログラム]]を改良し、1速と変速時以外で常時ロックアップさせる制御も行われている場合がある([[レクサス・IS F|レクサスIS-F]]等)。ロックアップによりトルク増幅作用がなくなることがデメリットとされることがあるが、トルク増幅作用は伝達ロスエネルギーの回収であり、直結となるロックアップ時のロスゼロとは伝達効率の面では比較にならない。なお、常時ロックアップはエンジンの[[トルク]]変動が吸収されずに伝わり、特に低速域では[[振動]]と[[騒音]]が増大することから、適したギア比の設定かつマニュアルシフトのクラッチと同様にロックアップ機構に[[ダンパー]]機構を持つことが前提となる。
 
 
 
[[マツダ]]が[[マツダ・アクセラ|アクセラ]]で初採用した[[ガソリンエンジン]]のみで[[ハイブリッドカー]]に匹敵する燃費を目指したAT「SKYACTIV-DRIVE」でも、伝達効率向上と燃費の抑制を図るため発進直後以外の全変速段で常時ロックアップさせている。ロックアップ時の弊害対策として、制御コンピュータのプログラムの工夫以外にロックアップ機構自体に大容量のダンパー機構を設けている。
 
 
 
ロックアップは伝達効率を向上させるがショック等を生じやすく、快適性を損ないやすい。特にトルク変動が大きい低速域ではダンパーでの吸収にも限界があるため、快適性を確保しつつロックアップ領域を拡大するのは難しかった。そこで従来ロックアップを行わなかった低速領域や減速時に、ロックアップクラッチを微少に滑らせる(スリップさせる)程度に接続し、ロックアップクラッチの摩擦特性に大きく影響する[[オートマチックトランスミッションフルード|ATF]]もスリップ制御を行うATに対応する品を使用した。これによりロックアップ時により生じるショックを抑制し、快適性と伝達効率の両立を図ったスリップ制御付ロックアップ機構が開発され、ロックアップ領域が低速側に拡大でき、実用域でのロックアップ作動率は大きく向上した。アクセルオフ時にロックアップを行いやすくなりエンジンの'''フューエルカット機能'''(エンジン回転数が一定以上でアクセルがOFFである場合エンジンへの燃料供給が自動で止まり燃料消費を抑制する機能)を使いやすくする、[[ジャダー]]の発生確率が少なくなるというメリットもある。各社ATで摩擦材や制御などが異なるため、同じスリップ制御に対応したATFでも仕様の違いが存在する。このため汎用品ではなく純正品もしくは確実な適合確認が取れているATFの使用が好ましい。
 
 
 
[[無段変速機|無段変速]]のトルクコンバータ付CVT車では、[[遠心力|遠心]]式や[[電磁石|電磁]]式などの自動クラッチの代わりとしてトルコンを使っているため、停止、低速走行時以外では、ロックアップさせることが一般的である。これらの車種ではロックアップ機構のオンオフがショックとして伝わることがある。トルクコンバーター付CVTにおいても前述のスリップ制御は取り入れられている。
 
CVT以外にも低速走行時の挙動など問題を生じやすい[[デュアルクラッチトランスミッション|DCT]]にトルコンを適用する事で対応するケースもある{{efn|[[アキュラ・TLX]]・[[アキュラ・ILX]]の8速DCTモデル}}。
 
 
 
以上のように自動車分野においてのトルクコンバータは伝達効率向上、ステップATの多段化、CVTへの適用などから流体継手を含めたトルクコンバータ本来の機能よりもロックアップ運用を前提とした冗長性の高い湿式クラッチという側面が強くなりつつある。このためトルクコンバータに係る要素(ポンプインペラ、タービンランナ、ステータ)の縮小・薄形化、代わりにロックアップに係る要素(クラッチ、ダンパー)が占める割合が大きくなってきている。
 
 
 
== 応用 ==
 
カウンターシャフトを用いたギア機構や[[遊星歯車機構]]と組み合わせて[[乗用車]]や鉄道用[[気動車|ディーゼルカー]]、液体式[[ディーゼル機関車]]の[[自動変速機]]に用いられる。[[1990年代]]後半以降、乗用車用としては[[無段変速機#ベルト式CVT|ベルト式CVT]]と組み合わせる例も増えている。この組み合わせでは発進時にトルク増幅効果を活用してレスポンスを向上させることや、クリープなど従来のAT同様の挙動をさせることができる。
 
 
 
なお、日本の鉄道用としては初期には機械式変速機構を持たず、中低速域はすべてトルクコンバータが受け持ち、高速域では直結とする形式(2速手動切替式)が普及していた。この方式は2018年(平成30年)現在も旧国鉄時代に製造された気動車の多くで実用されている([[国鉄キハ183系気動車|キハ183]]・[[国鉄キハ185系気動車|キハ185]]・[[国鉄キハ40系気動車 (2代)|キハ40]]など)。詳細は「[[気動車・ディーゼル機関車の動力伝達方式#液体式(流体式)]]」を参照。ちなみに鉄道用変速機における「変速」と「直結」の表現は自動車における「変速」(変速比>1.000)と「直結」(変速比=1.000)とは異なり、「変速」はトルクコンバータを用いた動力伝達、「直結」はロックアップによる動力伝達を指す。
 
 
 
また[[大型自動車]]の補助ブレーキとして搭載される流体式[[リターダ]]はこのトルクコンバータを応用したものである。
 
 
 
== 注釈 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
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== 外部リンク ==
 
{{commonscat|Torque converters}}
 
* [http://www.yutakagiken.co.jp/products/drive/tq_movie.html トルコンとは?|動画で見るトルクコンバータのしくみ] - [[ユタカ技研]]による、動画を使用したトルクコンバータの解説。
 
 
 
{{自動車部品}}
 
  
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2019/5/1/ (水) 21:53時点における最新版

トルクコンバータ英語: torque converter

流体変速装置の一種。流体を媒介として,動力伝達を行い,トルクの変換を伴う変速装置。作動流体としては液体が使われ,一般には鉱物油が用いられる。歯車やベルトによる機械的変速装置と異なり,液体の特性が生かされて,2軸間の回転比を無段階に変えることができる。普通は駆動羽根車 (ポンプ羽根車) と受動羽根車 (タービン羽根車) と案内羽根車 (ステータ) の3種の羽根車で構成され,ポンプ羽根車から流出した液体がタービン羽根車を通り,ステータを経てポンプ羽根車に戻る。ステータが受けるトルクの分だけ入力軸と出力軸との間にトルク差が生じる。変速の必要な自動車,車両用の自動変速機として,歯車変速機と組合せて用いられる。 (流体継手 )  



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