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[[Image:Greek dolmades.jpg|thumb|200px|調理中のギリシア式葡萄の葉のドルマ]]
 
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'''ドルマ'''([[トルコ語]]・[[アルメニア語]]:'''dolma'''、[[ギリシャ語]]:'''dolmadaki'''/'''dolmades'''、、[[アラビア語]]:دولمة、[[ペルシア語]]・[[ダリー語]]:دلمه )は、辛味の効いた、[[米]]、[[タマネギ]]、[[挽肉]]、[[ハーブ|香味野菜]]などの混ぜものを[[キャベツ]]の葉や[[ブドウ]]の[[葉]]で包んだ料理、あるいは中をくりぬいた[[ナス]]、[[パプリカ]]、[[ズッキーニ]]、[[カボチャ|かぼちゃ]]などに詰めた料理のこと。[[中央アジア]]から[[北アフリカ]]まで広く分布する料理である。用意に手間がかかるので、古くはご馳走料理の範疇に入った。前菜([[トルコ語]]:メゼ Meze、[[アラビア語]]:マザ مزة  、[[ギリシャ語]] メゼデス Mezedes)として、あるいは野菜のおかずとして扱われる。
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'''ドルマ'''([[トルコ語]]・[[アルメニア語]]:'''dolma'''、[[ギリシャ語]]:'''dolmadaki'''/'''dolmades'''、、[[アラビア語]]:دولمة、[[ペルシア語]]・[[ダリー語]]:دلمه
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辛味の効いた、[[米]]、[[タマネギ]]、[[挽肉]]、[[ハーブ|香味野菜]]などの混ぜものを[[キャベツ]]の葉や[[ブドウ]]の[[葉]]で包んだ料理、あるいは中をくりぬいた[[ナス]]、[[パプリカ]]、[[ズッキーニ]]、[[カボチャ|かぼちゃ]]などに詰めた料理のこと。[[中央アジア]]から[[北アフリカ]]まで広く分布する料理である。用意に手間がかかるので、古くはご馳走料理の範疇に入った。前菜([[トルコ語]]:メゼ Meze、[[アラビア語]]:マザ مزة  、[[ギリシャ語]] メゼデス Mezedes)として、あるいは野菜のおかずとして扱われる。
  
 
ドルマには肉の入るものと入らないものがあり、肉の入るドルマは温菜となるが、肉の入らないドルマは[[オリーブ・オイル|オリーブ油]]で調理して冷菜として食べることもでき、[[菜食主義|菜食主義者]]向けの副菜ともなる。
 
ドルマには肉の入るものと入らないものがあり、肉の入るドルマは温菜となるが、肉の入らないドルマは[[オリーブ・オイル|オリーブ油]]で調理して冷菜として食べることもでき、[[菜食主義|菜食主義者]]向けの副菜ともなる。
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[[アゼルバイジャン]]には、[[ジャガイモ|ポテト]][[クロケット|クロケ]]に詰め物をしたドルマもある。
 
[[アゼルバイジャン]]には、[[ジャガイモ|ポテト]][[クロケット|クロケ]]に詰め物をしたドルマもある。
  
== 語源 ==
 
「ドルマ」は、トルコ語で「詰める」を意味する動詞「dolmak」の[[受動態]]であり、「詰められた」あるいは「詰めたもの」を意味する。
 
 
== 歴史 ==
 
[[サーサーン朝]][[ペルシア]]の[[ホスロー2世]]の治世には、ブドウの葉で詰め物を包んだ料理があった記録が残っている。<ref>Arthur Christensen.  ''Contes persans en langue populaire''.  Copenhagen: Andr. Fred. Høst & Son, 1918.</ref> 中世のイスラム王朝では、野菜に詰め物をする料理は「'''[[マハシー]]'''」(محشي、アラビア語で「詰められたもの」の意)と呼ばれていた。[[13世紀]]に[[アンダルス]]、[[バグダード]]、[[アイユーブ朝]]の[[歴史的シリア|シリア]]で書かれた料理書にはナスや瓜のマハシーが記録されている。当時は肉のドルマに米の代わりに去皮して砕いた[[ヒヨコマメ]]を加えてボリュームを出しており、肉のドルマに米が入るようになったのは[[オスマン帝国]]の時代からである。<ref>Nawal Nasrallah. ''Delights from the Garden of Eden.'' First Books Library, 2003. p335.</ref>
 
 
== トルコのドルマ ==
 
トルコでは肉の入らない葡萄の葉のドルマを「'''ヤランジュ・ドルマス'''」(yalancı dolması、「偽のドルマ」の意 )と呼ぶことがある。 野菜の葉で包んだタイプのドルマは「巻いたもの」を意味する「'''サルマ'''」(sarma)と呼んで区別することがある。
 
 
ドルマには「'''テルビイェ'''」(terbiye 、[[卵黄]]と[[レモン]]汁で作る[[ソース (調味料)|ソース]])や「'''サルムサクル・ヨウルト・ソス'''」(sarmısaklı yoğurt sos、[[ヨーグルト]]と[[ニンニク]]のソース)または櫛形に切ったレモンを添える。
 
 
野菜以外で「ドルマ」と呼ばれる料理に、[[ムール貝]]の外套膜の中に詰め物をした「'''ミディエ・ドルマス'''」(midye dolması)、鰓から肉を抜き取って空洞にした[[サバ]]に魚肉の詰め物をした「'''ウスクムル・ドルマス'''」(uskumru dolması)、詰め物をした鶏の丸焼きである「'''タヴク・ドルマス'''」(tavuk dolması)がある。
 
 
== ギリシャのドルマ ==
 
ギリシャでは、野菜の葉で包むタイプのものだけをドルマ(ドルマダキ、ドルマデス)と呼び、くりぬいた野菜に詰めものをするタイプのドルマは'''イェミスタ'''(gemista)と呼ぶ。「'''アヴゴレモノ'''」(avgolemono)というレモン汁と卵黄のソースを添える点ではトルコと同じである。
 
 
北部ギリシャでは、'''アルミア'''(armia)という乳酸発酵したキャベツの葉でドルマを作ることもある。
 
 
== アラブのドルマ ==
 
[[アルジェリア]]と[[イラク]]以外では、ドルマはアラビア語で「詰められたもの」を意味する「マハシー」の名で知られている。
 
 
アルジェリアには、普通の野菜のドルマの他にドルマ・サルディーヌ(دولمة ساردين)と呼ばれる[[イワシ]]の料理があるが、これはイワシに詰め物をした料理ではなく、イワシの肉をつぶした団子の揚げ物や煮込み料理のことである。<ref>Copeland Marks.  ''The Great Book of Couscous: Classic Cuisines of Morocco, Algeria, and Tunisia''.  Donald I. Fine, New York, 1994.  P.162−163.</ref>
 
 
イラクでは、オスマン朝時代にマハシーのほとんどがドルマと呼ばれるようになり、現在マハシーというとたっぷりの汁で煮込んだドルマのみを指すようになった。イラクのドルマはナス、[[ズッキーニ]]、[[トマト]]、ピーマン、[[ジャガイモ]]、タマネギ、[[キュウリ]]、キャベツ、ブドウの葉、[[フダンソウ|スイスチャード]]など様々な野菜を取り合わせ、詰め物をして油で炒めてから大きな鍋にきっちりと詰め込み、 塩を入れた水をひたひたに注いで弱火で[[蒸し煮]]にした料理である。骨付きのラム肉や若いソラマメのさやをドルマの間に入れることもある。イラク中部と南部では干した[[ライム]]の粉末や[[タマリンド]]で煮汁に酸味をつけるが、イラク北部(特に[[モースル]])ではトマトソースでドルマを煮込み、[[スンマーク]](''[[w:Sumac|Rhus]]'' spp.)の実を湯につけて絞った汁で酸味をつける。ソースの代わりにヨーグルトを添えて食べる。<ref>Nawal Nasrallah. ''Delights from the Garden of Eden''. First Books Library, 2003. p335-343.</ref>
 
 
エジプトでは、茄子、ズッキーニ、トマト、ピーマンなどに詰め物をして大鍋に詰め、トマトジュースと水で蒸し煮にしたものを特にドルマと呼ぶ。<ref>Samia Abdennour.  ''Egyptian Cooking: a Practical Guide''.  The American University of Cairo Press, Cairo, 1984, p124−125.</ref>
 
 
== ドルマとロールキャベツ ==
 
[[Image:Sarmale.jpg|thumb|200px|[[ルーマニア]]のロールキャベツ、[[サルマーレ]]]]
 
茹でたキャベツの葉で包んだ肉のドルマは[[ロールキャベツ]]とほとんど同じである。
 
 
オスマン朝トルコのブドウの葉やキャベツのドルマがヨーロッパ各地に伝わったものが、ロールキャベツになった。<ref>Wretman, Tore: Svensk husmanskost (Forum 1967) ISBN 9137082744</ref><ref>Anya von Bremzen & John Welchman.  ''Please to the Table: the Russian Cookbook.''  Workman, New York, 1990, p458</ref>
 
 
== 参考文献 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
<references/>
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[ロールキャベツ]]
 
* [[ギリシャ料理]]
 
* [[トルコ料理]]
 
* [[レバノン料理]]
 
* [[ルーマニア料理]]
 
 
== 外部リンク ==
 
{{Commonscat|Dolma}}
 
* [http://nikikitchen.com/syria20026-1.html "Grave leafe stuffing "ぶどうの葉のドルマのレシピ]
 
* [http://www.pak2.ein-g.co.jp/ ぱくぱく献立くん「ドルマ」で検索]
 
 
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2018/10/26/ (金) 23:23時点における最新版

調理中のギリシア式葡萄の葉のドルマ

ドルマトルコ語アルメニア語dolmaギリシャ語dolmadaki/dolmades、、アラビア語:دولمة、ペルシア語ダリー語:دلمه )

辛味の効いた、タマネギ挽肉香味野菜などの混ぜものをキャベツの葉やブドウで包んだ料理、あるいは中をくりぬいたナスパプリカズッキーニかぼちゃなどに詰めた料理のこと。中央アジアから北アフリカまで広く分布する料理である。用意に手間がかかるので、古くはご馳走料理の範疇に入った。前菜(トルコ語:メゼ Meze、アラビア語:マザ مزة 、ギリシャ語 メゼデス Mezedes)として、あるいは野菜のおかずとして扱われる。

ドルマには肉の入るものと入らないものがあり、肉の入るドルマは温菜となるが、肉の入らないドルマはオリーブ油で調理して冷菜として食べることもでき、菜食主義者向けの副菜ともなる。

アゼルバイジャンには、ポテトクロケに詰め物をしたドルマもある。




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