「ニュンペー」の版間の差分

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[[ファイル:William-Adolphe Bouguereau (1825-1905) - The Nymphaeum (1878).jpg|thumb|400px|[[ウィリアム・アドルフ・ブグロー]]作『[[ニンファエウム (ブグローの絵画)|ニンフたち]]』(1878年) [[ストックトン (カリフォルニア州)|ストックン]]、[[ハギン美術館]]([[:en:Haggin Museum|en]])所蔵]]
 
'''ニュンペー'''({{翻字併記|grc|'''Νύμφη'''|''Nymphē''|n}}, {{Lang-en|Nymph}})、複数形'''ニュンパイ'''({{翻字併記|grc|'''Νύμφαι'''|''Nymphai''|N}})は、[[ギリシア神話]]などに登場する下級[[女神]]([[精霊]])である<ref>『幻想動物事典』1997年、225頁</ref>。
 
山や川、森や谷に宿り、これらを守っている。
 
一般に歌と踊りを好む若くて美しい女性の姿をしている<ref>『幻想動物事典』1997年、225頁</ref>。
 
[[ギリシア語]]の普通名詞としては「花嫁」や「新婦」を意味する。
 
  
'''ニュムペー''''''ニュムパイ'''、[[長母音]]を省略して'''ニュンペ''''''ニュムペ'''とも表記される。[[英語]]では'''ニンフ'''と呼ばれる。
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'''ニュンペー'''({{翻字併記|grc|'''Νύμφη'''|''Nymphē''|n}}, {{Lang-en|Nymph}})、複数形'''ニュンパイ'''({{翻字併記|grc|'''Νύμφαι'''|''Nymphai''|N}}
 
 
[[オリュンポス十二神]]のように完全な不老不死ではないが、非常に長命であるとされる。
 
また、樹木のニュンペーなどは、守護している樹木が枯れると自身も共に死ぬという。
 
 
 
庭園や牧場に花を咲かせ、家畜を見張り、狩りの獲物を提供し、守護する泉の水を飲む者に予言の力を授けたり、病を治すなど、恩寵を与える者として崇拝の対象となり、ニュンペーのいるとされる泉などには、しばしば供物が捧げられた。
 
 
 
[[ヘスペリデス]]の園を知る[[海神]][[ネーレウス (ギリシア神話の神)|ネーレウス]]の居場所を[[ヘーラクレース]]に教えたニュンペーたちは、[[ゼウス]]と[[テミス]]の間の娘であった。
 
 
 
== 暗黒面 ==
 
その一方、粗野な[[妖精]]とする伝承もあり、[[アルテミス]]や[[ディオニューソス]]などの野性的な神々に付き従い、山野などで踊り狂う。また、森の中を行く旅人を魔力で惑わせたり、姿を見た者にとり憑いて正気を失わせたりする恐ろしい一面もある。
 
 
 
また人間の若者に恋をし、しばしば攫っていく。このため女性の過剰性欲を意味する[[色情症|ニンフォマニア]](nymphomania)という言葉の語源となった。ニュンペーの恋愛譚は、神話や伝承に数多く残っているが、哀しい結末で終わることが多い。
 
 
 
== 分類 ==
 
その住居とする所により様々な種別に分化している。
 
* 海精:[[ネーレーイス]]/ネーレーイデス(複数) Nereis, Nereides
 
* 水精:[[ナーイアス]]/ナーイアデス(複数) Naias, Naiades<ref>『幻想動物事典』1997年、225頁</ref>
 
* 木精:[[ドリュアス]]/ドリュアデス(複数) Dryas, Dryades<ref>『幻想動物事典』1997年、225頁</ref>
 
* 山精:[[オレイアス]]/オレイアデス(複数) Oread, Oreades
 
* 森精:[[アルセイス]]/アルセイデス(複数) Alseid, Alseides
 
* 谷精:ナパイアー/ナパイアイ(複数) Napaea, Napaeae<ref>『幻想動物事典』1997年、225頁</ref>
 
* 冥精:[[ランパス]]/ランパデス(複数) Lampas, Lampades
 
 
 
== 脚注 ==
 
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== 参考文献 ==
 
* 草野巧『幻想動物事典』[[新紀元社]]、1997年 ISBN 4-88317-283-X
 
  
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ギリシア神話中,山,水,森,木,場所,地方,都市,国などに固有な神的力を擬人化した精で,若い乙女の形をとる女神。ホメロスはゼウスの娘としている。おおむね舞踊と音楽を好み,ディオニュソスと踊り,庭や牧場に花を咲かせ,あるいはアポロンやヘルメスとともに家畜の群れを牧し,また清い泉の主となって病を癒やし,森や山でアルテミスらに従い狩りの成功を助け,歌と予言の力によって人間を力づけたり,[[サチュロス]]や[[シレノス]],[[パン]]と愛をかわしたりする。ときに森を通る旅人を驚かせたり,乗移ったり,また人間を恋してその妻や愛人となり,また[[ヒュラス]]やボルモスのようにさらったり,愛を裏切ったとしてダフニスのように殺したり,仇をなすこともある。代表的なニンフにアルセイデス (森) ,ナパイアイ (谷間) ,[[ドリュアデス]] (木) ,オレイアデス (山) ,[[ナイアデス]] (泉,河川) らがいる。
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== 関連項目 ==
 
== 関連項目 ==
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* [[伝説の生物一覧]]
 
 
* [[ニンフ (曖昧さ回避)]]
 
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* [[ニンフォレプシー]]
 
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ニュンペーἈρχαία ἑλληνικὴ: Νύμφη, Nymphē, 英語: Nymph)、複数形ニュンパイΝύμφαι, Nymphai

ギリシア神話中,山,水,森,木,場所,地方,都市,国などに固有な神的力を擬人化した精で,若い乙女の形をとる女神。ホメロスはゼウスの娘としている。おおむね舞踊と音楽を好み,ディオニュソスと踊り,庭や牧場に花を咲かせ,あるいはアポロンやヘルメスとともに家畜の群れを牧し,また清い泉の主となって病を癒やし,森や山でアルテミスらに従い狩りの成功を助け,歌と予言の力によって人間を力づけたり,サチュロスシレノスパンと愛をかわしたりする。ときに森を通る旅人を驚かせたり,乗移ったり,また人間を恋してその妻や愛人となり,またヒュラスやボルモスのようにさらったり,愛を裏切ったとしてダフニスのように殺したり,仇をなすこともある。代表的なニンフにアルセイデス (森) ,ナパイアイ (谷間) ,ドリュアデス (木) ,オレイアデス (山) ,ナイアデス (泉,河川) らがいる。

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