フェラーリ・F430

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フェラーリ・F430Ferrari F430 )は、イタリア自動車メーカーフェラーリが製造、販売していたミッドシップスポーツカー

解説

2004年、販売に成功した360モデナの後継モデルとしてモンディアル・ド・ロトモビルでデビュー。同年欧州モデルを発売、翌年の2005年に右ハンドル仕様、アメリカ仕様が発売された。

シャシーは360を基本に設計されV8エンジンは4.3Lとなり(車名はこの排気量に由来する)、F355と360に採用されていた1気筒5バルブは廃され4バルブとなる。360と比べて出力は90PS、トルクは9.4kgf·m高められ、490PSと47.4kgf·mを発生する。

トランスミッションはMTF1マチック(パドルシフトを備えたセミAT)から選ぶことができ、いずれも6速である。左/右ハンドルが選べる。

日本での価格はクーペのMTが2,400万円、F1マチックが2,547万円。スパイダーのMTが2,600万円、F1マチックが2,755万円であった(2009年5月時点)。

スタイリング

ボディデザインはピニンファリーナのチーフデザイナー、フランク・ステファンソンが手掛け、基本的に先代360を踏襲したかたちになっているが、ボディはより煮詰められ空力特性が向上している。空気抵抗値は360と変わらず、しかし360のネックだったダウンフォースが大幅に高められている。特徴的なフロントノーズ回りは1961年F1を制した156F1、および1961年ル・マン24時間レース優勝車250TR61シャークノーズと呼ばれるデザインをモチーフとし、ライトは1つのプロジェクターランプでハイ/ロービームを切り替えるバイキセノンヘッドライトが採用された。テスタロッサを思わせるサイドミラーには『F430』の文字が刻まれている。

テール部分はフェラーリ・エンツォフェラーリと同じく尾灯上面が露出した造形となっており、意匠的に新しく生まれ変わっている。

リアエンド下部には大型のディフューザーが装着され、走行時のダウンフォース発生に大きく寄与している。

また、タイヤも、490PSの大出力に対応するため360モデナよりもサイズアップされ、フロント225/35ZR19、リア285/35ZR19となっている。

メカニズム

F430で新しく取り入れられた技術として以下のものがある。いずれもF1参戦で培われた技術をフィードバックしたものである。

  • Launchcontrol
ローンチコントロールの採用。CSTを解除しLCボタンで設定、左足でブレーキを踏み回転数を上げた所でブレーキを離すとクラッチが繋がり発進するシステム。
  • E-Diff
エレクトリック・ディファレンシャルの略で、電子制御の差動装置。従来の差動装置に比べると、駆動力の損失が少ないと謳われている。

この他にも、(すでにフェラーリ・360チャレンジ・ストラダーレ、エンツォ・フェラーリで採用済みの)カーボンブレーキも採用されている。このブレーキは、冷間時の制動性は甘いが耐フェード性が高く、スポーツ走行に適している。

F430をベースとしたモデル

430スクーデリア

F430をベースによりスポーツドライビングを好むオーナーのために製作され、2007年フランクフルトモーターショーミハエル・シューマッハによって発表された。 エンジンはV型8気筒自然吸気4,308ccで375kW(510ps)/8,500rpmを発生する。車重はF430より約200kg軽い1,250kg、0-100km/h加速は3.6秒以下、最高速度は320km/h以上。 トランスミッションには60msでシフトチェンジできるF1スーパーファストを搭載、またF1-TracやE-Diffを搭載する。 F430との外見の違いに、ボディの中心に2本のグレイの線が入っている。フロントノーズ左右に設けられたエアインテーク開口部の形状変更。リアエキゾーストがF430ではテール下部で4本出しであったものが430スクーデリアではナンバープレートの高さまで持ち上げられ上方配置2本出しとなっている点などがある。 2008年5月には日本でも3,026万円で発売が開始された。

スクーデリア・スパイダー16M

フォーミュラ1においてスクーデリア・フェラーリコンストラクターズタイトル(自動車製造者部門)を史上最多の16回獲得した記念モデルである。430スクーデリアベースのオープンモデルで、世界で499台のみ製造され、日本には50台前後が正規輸入された。車名に430は付かない。430スクーデリアのシルエットを踏襲したオープンモデルであるが、外見の違いに、ボディ中心にブラックとそれを縁取るようにシルバーの細いラインが4本(標準)が入っている、また車体のラインをイタリアの国旗を現す緑・白・赤のライン(トリコロールカラー)に変更することやラインを抜くことも可能である(新車オーダー時)、他には左右のフェラーリ・エンブレムの下に“16M SCUDERIA”のエンブレム、テールには“F1 CONSTRUCTORS 16 2008 WORLD CHAMPIONSHIPS”のエンブレム、またセンターコンソールの上部には“16M SCUDERIA SPIDER LIMITED 499”と499台の限定生産を表すエンブレムが付く。 最高出力380kW(510英馬力)/8,500rpm、車重は1,340kg、パワーウェイトレシオは2.6kg/PS、0-100km/h加速は3.7秒以下、最高速度は315km/h以上、スクーデリア・スパイダー16Mは最短60msでのシフトチェンジを可能にしたF1スーパーファースト2ギアボックスを採用することにより、フィオラノサーキットにて1995年同社より発表されたフェラーリF50のサーキットタイムを上回った史上最速のフェラーリのオープンスポーツであると発表された。

F430Bio Fuel

F430Bio Fuelは2008年、北米国際オートショーで発表されたバイオエタノール車である。 燃料はE85というエタノール85%、ガソリン15%の混合燃料を使用する。

SP1

名古屋市在住のフェラーリコレクター、平松潤一郎のオーダーにより50年ぶりにフェラーリ社内で製作されたワンオフモデル。デザイナーはレオナルド・フィオラバンティ

モータースポーツへの参戦

レース仕様の「F430GT」がル・マン24時間レースなどに参戦するために作られている(なお、この場合レギュレーションの関係で排気量は4,000cc弱となる)。360の事実上の後継車のため、ワンメイクレースのベースカーもこの車にバトンタッチした。名称は「F430チャレンジ」。 また、SUPER GTでは2008年度第5戦から参戦予定だったが[注釈 1]、実際に開始するのは次年度初戦からとなった[注釈 2]

トピック

注釈

  1. ただし360改のF430は初戦から参戦していた。
  2. この時はジムゲイナーが自社開発のJAF-GT規定のF430、チームダイシンがFIA-GT2仕様のF430で参戦していたが、2011年現在はJIMゲイナー、LMPモータースポーツ、チームタイサンの3チームにより、後者のみが参戦している。

出典

参考文献

関連項目

外部リンク

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