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| − | '''正統主義'''（せいとうしゅぎ）は、17世紀の[[プロテスタント]]の正統神学を指す語である。批判的には「死せる正統主義」と呼ばれ、[[スコラ神学]]との類似性をもってプロテスタント・スコラ主義とも呼ばれる。
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| − | この正統主義はおもに[[ルター派]]と[[改革派教会]]にあった<ref>『福音主義キリスト教と福音派』p. 104.</ref>。ルター派にはケムニッツ、ヒューター、[[ヨハン・ゲルハルト]]らがおり、改革派にはベザ、ウォレップらがいた。
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| − | 正統主義への批判から[[敬虔主義]]が生まれたが、敬虔主義においては正統神学を保持し、[[聖書の無謬性]]、[[言語霊感]]を受け入れていた<ref>『福音主義キリスト教と福音派』p. 111.</ref>。
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| − | 正統主義の神学書は[[ラテン語]]で書かれているために、プロテスタントでもそれほど知られていなかったが、20世紀に英訳されている。
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| − | ファンダメンタルな神学的立場をとる者は、[[自由主義神学]]（リベラル）の立場から正統主義が非難されていると主張していることが多い。彼らによると、リベラルは正統[[教理]]、[[信条]]、[[信仰告白]]を否定する時に、1世紀のキリスト教と正統主義を区別することがあるが、[[ジョン・グレッサム・メイチェン]]は、リベラルが[[ジャン・カルヴァン]]や[[フランシス・トゥレティーニ]]や[[ウェストミンスター信仰告白]]を攻撃することによって、リベラルは聖書とイエス・キリスト自身を攻撃しているのであり、「この正統信仰こそ、キリスト教の愛をもって全世界を灼熱することができるような生命が宿っているのである」<ref>'' In such orthodoxy there is life enough to set the whole world aglow with Christian love.''</ref><ref>『キリスト教と自由主義神学』角田訳 pp. 80-82, 吉岡訳 pp. 66-68.</ref>と述べている。また、リベラルの理解では、ウェストミンスター信仰告白の聖書観とジャン・カルヴァンの聖書観は異なるとするが、[[聖書信仰]]の[[岡田稔]]はウェストミンスター信仰告白、ジャン・カルヴァン、そしてイエス・キリスト自身と聖書そのものの聖書観が同じであるとしている<ref>『岡田稔著作集』 {{要ページ番号|date=2015年4月}}</ref>。
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| − | [[宇田進]]は正統主義を歴史的状況から切り離して無批判に受け入れるべきではないが、プロテスタントの神学の「オリジナル版」であり、正統主義と[[福音派]]神学の連続性をはっきりと認識するべきであると述べている<ref>『福音主義キリスト教と福音派』pp. 106-107.</ref>。
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| − | 一方、[[新正統主義]]の[[エミール・ブルンナー]]は正統主義の聖書観を「紙の教皇」（ペーパー・ポープ）と呼んで非難している<ref>『聖書の真理の性格』p. 26.</ref>。
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| − | また、[[宗教多元主義]]の立場からは、敬虔主義、啓蒙主義神学、自由主義神学はすべて、正統主義との対抗関係において成立しているものであるとされる<ref>『神は多くの名前をもつ 新しい宗教的多元論』pp. 18-19.</ref>。
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| − | == 脚注 ==
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| − | {{脚注ヘルプ}}
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| − | <references />
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| − | == 参考文献 ==
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| − | {{告知|質問|参考文献の一部が情報不十分のため加筆時に参照した書籍を特定できない|ノート:プロテスタント正統主義|参考文献について}}
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| − | <!--著者姓の50音順-->
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| − | * {{Cite book|和書|author=[[宇田進]] |title=福音主義キリスト教と福音派 |publisher=[[いのちのことば社]] |date=1993年6月 |isbn=978-4-264-01423-2 }}
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| − | * [[岡田稔]]『岡田稔著作集』1-5巻、いのちのことば社、1992-1993年。
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| − | * {{Cite book|和書|author=メイチェン, J. G. |others=角田桂岳訳 |title=基督教とは何ぞや リベラリズムと対比して |publisher=長崎書店 |year=1933 |ncid=BN15041164 |id={{全国書誌番号|47030071}} }}
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| − | * メイチェン, G. J.『キリスト教とは何か リベラリズムとの対決』吉岡繁訳。
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| − | ** 上記2冊の原著：[[ジョン・グレッサム・メイチェン|メイチェン, ジョン・グレッサム]]『[[キリスト教と自由主義神学]]』（原題：''Christianity and Liberalism'' ）
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| − | * {{Cite book|和書|last=ヒック |first=ジョン |authorlink=ジョン・ヒック |others=間瀬啓允訳 |title=神は多くの名前をもつ 新しい宗教的多元論 |publisher=[[岩波書店]] |date=1986-12 |isbn=978-4-00-000314-8 }}
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| − | * [[エミール・ブルンナー|ブルンナー, エミール]]『聖書の「真理」の性格 出会いとしての真理』[[弓削達]]訳、日本基督教青年会同盟。
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| − | == 関連項目 ==
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| − | * [[信仰義認]]
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| − | * [[奴隷意志論]]
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| − | * [[カルヴィニズム]]
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| − | * [[予定説]]
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| − | * [[聖徒の永遠堅持]]
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| − | {{デフォルトソート:ふろてすたんとせいとうしゆき}}
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| − | [[Category:福音派]]
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| − | [[Category:プロテスタント|せいとうしゆき]]
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| − | [[Category:キリスト教神学]]
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