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'''ロシア語'''(ロシアご、{{lang|ru|русский язык}} {{IPA-ru|ˈruskʲɪj jɪˈzɨk||Ru-russkiy_jizyk.ogg}})は、[[インド・ヨーロッパ語族]]の[[スラヴ語派]][[東スラヴ語群]]に属する[[言語]]。'''露語'''とも略される。[[ロシア|ロシア連邦]]の[[公用語]]。ロシア連邦の国語表記には、[[キリル文字]]を使用する。近縁の言語に[[ウクライナ語]]と[[ベラルーシ語]]がある。
+
'''ロシア語'''(ロシアご、{{lang|ru|русский язык}} {{IPA-ru|ˈruskʲɪj jɪˈzɨk||Ru-russkiy_jizyk.ogg}})
 
 
== 概要 ==
 
ロシア語は[[ヨーロッパ]]で最も[[母語]]話者が多い言語であり、母語話者数では世界で8番目に多く、[[第二言語]]の話者数も含めると世界で4番目に多い。[[国際連合]]においては、[[英語]]、[[フランス語]]、[[中国語]]、[[スペイン語]]、[[アラビア語]]と並ぶ、6つの公用語の1つである。
 
 
 
== 歴史 ==
 
{{main|{{仮リンク|ロシア語の歴史|en|History of the Russian language}}}}
 
 
 
{{節スタブ}}
 
 
 
=== スラヴ祖語 ===
 
{{main|スラヴ祖語}}
 
 
 
=== 聖キュリロス(キリル)と聖メトディオス ===
 
{{main|en:Saints Cyril and Methodius|キュリロス (スラヴの(亜)使徒) |メトディオス (スラヴの(亜)使徒) }}
 
 
 
=== 古ロシア語 ===
 
{{main|[[古東スラヴ語|古ロシア語]]}}
 
 
 
ロシア語の起源については諸説あるが、[[東スラヴ人]]が使っていた[[古東スラヴ語]]([[10世紀]] - [[15世紀]])から発展したという説が最もよく知られている。13世紀に[[キエフ大公国]]が崩壊した後、[[ルーシ]]の地は[[モンゴル帝国]]に支配([[タタールのくびき]])されており、現代ロシア語にも[[財政]]や[[金融]]に関わる単語を中心に、[[タタール語]]などの[[テュルク諸語]]や[[モンゴル語]]の影響が残っている。その後、北東ルーシの辺境(現在の[[ヨーロッパ・ロシア]])で[[モスクワ大公国]]が成立し、この国の[[公用語]]がロシア語として独自に発展していった。
 
 
 
[[ロシア帝国]]の時代には、[[1708年]]に[[ピョートル1世]]によってアルファベットが単純化されたのを皮切りに、ロシア語の改革が盛んとなった。18世紀後半には[[ミハイル・ロモノーソフ]]が初めてロシア語の文法書を著し、[[標準語]]の形成に大きく寄与した。19世紀初頭には[[アレクサンドル・プーシキン]]によって近代的な[[文語]]が確立した。また、宮廷は[[西ヨーロッパ|西欧]]諸国を模範として近代化を進めたことから、大量の専門語彙が[[オランダ語]]、[[フランス語]]、[[ドイツ語]]などから取り入れられた。その一方で、当時の上流階級はフランス語を日常的に使用しており<ref>[[#岩間他(1979)|岩間他(1979)]], pp. 260-261.<br>{{cite web|title=第5回 ロシア人と外国語――欧米文化に復帰するロシア人|url=http://www.tmu.co.jp/feature/hakamada05.html|author=[[袴田茂樹]]|publisher=[http://www.tmu.co.jp/ TMU CONSULTING]|page=|accessdate=2012-11-27}}</ref>、19世紀の小説([[レフ・トルストイ]]の『[[戦争と平和]]』など)はフランス語を交えて書かれた作品が多い。
 
 
 
=== ソ連時代 ===
 
[[ソビエト連邦]]ではロシア語が事実上の公用語であったが、公式には[[公用語]]は存在しなかった。[[ウラジーミル・レーニン|レーニン]]が[[オーストリア・マルクス主義|オーストロ・マルキシズム]]や[[カール・カウツキー|カウツキー]]の影響のもと、[[1914年]]の論文『強制的な国家語は必要か?』において[[国語|国家語]]の制定を批判した。また、自身も少数民族[[グルジア人]]の出自を持つ[[ヨシフ・スターリン|スターリン]]も[[民族]]問題の専門家として民族語奨励政策を採用した結果、ソ連は、ロシア語をその崩壊にいたるまで正式な公用語の地位につけることはついになかった(ちなみに、[[オットー・バウアー]]から借用した「形式は民族的、内容は[[社会主義]]的な文化の建設」というスターリンのテーゼはまず言語問題にまつわる[[1925年]]の演説『母語による教育』において現れた)。それゆえ、ロシア語が公的に国家語化したのはロシア連邦成立後である<ref>田中克彦『「スターリン言語学」精読』、岩波書店、2000年、171頁</ref>。
 
 
 
[[1918年]]には、[[アレクセイ・シャフマトフ]]が準備していたアルファベット改革案が[[ボリシェヴィキ]]によって実行に移され、現在のロシア語の正書法が成立した。ただし、[[Ё]]はこの時点でまだ正式なアルファベットとして認められておらず、正式に組み入れられたのは[[1942年]]のことである。なお、[[1964年]]にも[[ロシア科学アカデミー|ソ連科学アカデミー]]によって正書法の改革案が作られたが、こちらは実施されなかった。
 
 
 
=== ソ連崩壊後 ===
 
[[1991年]]末の[[ソ連崩壊]]で、ソ連を構成していた[[ソビエト連邦構成共和国|各共和国]]はそれぞれ独立し、それまでロシア語との併用という形を採っていたそれぞれの民族語が第一の公用語へと昇格したが、その後の言語状況に関しては様々である。
 
 
 
[[バルト三国]]と呼ばれる[[エストニア]]・[[ラトビア]]・[[リトアニア]]では、ソ連からの独立以降急速に各民族語([[エストニア語]]・[[ラトビア語]]・[[リトアニア語]])が使用される機会が増えている。もちろんソ連崩壊後20年程しか経過しておらず、またロシア系住民が多い地域などではロシア語が今でも使われるが、ソ連時代と比べるとロシア語はそれほど使われなくなっていると言える。特にこの3カ国が[[2004年]]に[[欧州連合|EU]]に加盟してからは、[[英語]]や[[ドイツ語]]がより広く学ばれるようになっている。ただし、ソ連時代後期にロシア語人口がラトビア語人口を逆転するのではないかと言われたラトビアでは、独立回復後に制定した[[国籍]]法で国籍取得要件にラトビア語の習得を義務付けたという経緯がある。これによって多くのロシア系住民をロシアへ移住させる事に成功したが、国籍を与えられない[[残留ロシア人]]の権利が阻害されているとするロシア政府からの抗議を受け、さらに[[欧州委員会]]からもこの言語規定が市民の平等を定める[[欧州憲法]]に違反しているという指摘を受けた。その結果、ラトビア政府によるロシア語排除策は沈静化している。
 
 
 
また、ロシア影響圏からの離脱を模索する[[ウクライナ]]や[[ジョージア (国)|ジョージア]]でも、ロシア語ではなく[[ウクライナ語]]や[[グルジア語]]がより広範に使われている。ウクライナでは、西部を中心に従来よりほとんどウクライナ語のみが使用されている地域がある一方で、ウクライナ語とロシア語両方が使われている地域もあり、また東部や[[クリミア半島]]ではロシア語の使用者が大勢である地域もあり、地域によっては将来的にもロシア語は当分使われ続けると推定されている。一方で、都市部を中心に伝統的にウクライナ語とロシア語の混交が起こっていたが、ソ連の崩壊以降、それまでロシア語が優勢であった地域を中心にウクライナ語にロシア語の要素が混じった「[[スルジク|スールジク]](混血)」と呼ばれる混交言語が広まりを見せている。現在でも、ウクライナ西部を除く広範囲でロシア語は使用、理解されており、ロシア語をウクライナ語に次ぐ第二公用語に加える動きもあるなど、今までのロシア語排除の動きから転換点を迎えようとしている。
 
 
 
ジョージアもまた長年ロシア語による支配を受けてきた国であった。ジョージア政府はロシア語教育を廃止し、ロシア語読みに基づいた国名である日本語の「グルジア」を英語読みの「ジョージア」に変更することを要請しており(グルジア語名では「サカルトヴェロ」)、日本政府も承諾している。また、ロシアに多くのジョージア人が住んでいることなどからロシア語は今でもよく使われている。
 
 
 
それ以外の地域に関しては、今でもロシア語が幅広く使われ続けている。[[ベラルーシ]]や[[カザフスタン]]・[[キルギス]]・[[ウズベキスタン]]・[[トルクメニスタン]]などでは非ロシア人でもロシア語しか喋れない人も多く、また多民族が入り混じって生活する[[中央アジア]]諸国では、ロシア語が民族を超えた共通語として使われている。[[カフカース]]地域、及び[[モルドバ]]でも、現地人同士の日常会話には現地語が用いられることが増えてきたものの、ロシア語で会話する人々は少なくない。なお、ロシアとの統合に積極的な[[アレクサンドル・ルカシェンコ]]大統領の独裁体制が続くベラルーシでは、[[ベラルーシ語]]とロシア語が公用語に指定されているが、隣国ウクライナとは逆にロシア語使用が奨励され、本来の民族語であるベラルーシ語が軽視される傾向にある。
 
 
 
[[ポーランド]]や[[ブルガリア]]など旧共産圏諸国では、[[共産主義]]体制ではロシア語が広く学習されていたが、民主化後は英語やドイツ語(歴史的には[[チェコ]]や[[ハンガリー]]など、[[オーストリア帝国]]の支配下にあった国も少なくない)など西欧の言語に押されて、ロシア語学習は下火になった。またバルト三国や東側諸国はハンガリー動乱やプラハの春などでソ連軍による民主化弾圧などがあったために、かつて第一外国語だったロシア語を使う事も拒んでいる者もいる。
 
 
 
一方、[[ウラジーミル・プーチン]]政権で経済の立て直しに成功したロシアが[[BRICs]]と呼ばれる経済成長地域の一つに加わり、天然資源を核にした諸外国との経済関係が再び拡大すると共に、ロシア語の需要は再び高まりつつある。バルト三国などでもロシア語に対するマイナスイメージもソ連時代を経験していない若い世代を中心に徐々に薄れてきており、ロシア語は[[英語]]や[[ドイツ語]]などと共に、ビジネスなどで必要な言語ととらえる人も増えてきている。また、[[宇宙開発]]においては[[国際宇宙ステーション]]の公用語になるなど、英語と並んで必要不可欠な言語の1つとなっている。
 
 
 
ロシア国内では急速な[[資本主義]]化や新技術の導入に伴い、今まで存在しなかった概念や用語が大量に導入された。これにロシア語の造語能力が追いつかず、特に英語を中心とした外来語がそのままロシア語に導入される例が多くなっている。
 
:例:[[コンピュータ]] - ロシア語では外来語の{{lang|ru|[[:wikt:компьютер#ロシア語|компьютер]]}}(カンピユーテル)がスラヴ語的な{{lang|ru|вычислитель}}(ヴィチスリーチェリ=数字出力物)より頻出。{{lang|ru|компьютер}}では本来のロシア語発音では「イェ」になる「{{lang|ru|е}}」が「エ({{lang|ru|э}})」と発音される点にも、外来語的な特徴がよく表れている。
 
 
 
== 各国におけるロシア語の状況 ==
 
[[ファイル:Russophone.svg|right|350px|thumb|'''ロシア語話者の分布''' 公用語として用いられている(濃い青)、ロシア語が頻繁に利用されている(青)、ロシア語話者の小集団が存在する(水色)
 
]]
 
 
 
=== 公用語 ===
 
* {{Flagicon|Russia}} [[ロシア]]
 
* {{Flagicon|Kazakhstan}} [[カザフスタン]](他に[[カザフ語]]
 
* {{Flagicon|Kyrgyzstan}} [[キルギス|キルギスタン]](他に[[キルギス語]])
 
* {{Flagicon|Belarus}} [[ベラルーシ]](他に[[ベラルーシ語]])
 
【事実上独立した地域】
 
* {{Flagicon|Transnistria}} [[沿ドニエストル共和国]](他に[[モルドバ語]]、[[ウクライナ語]])
 
* {{Flagicon|Abkhazia}} [[アブハジア]](他に[[アブハズ語]])
 
* {{Flagicon|South Ossetia}} [[南オセチア]](他に[[オセット語]])
 
【国際機関】
 
* {{Flagicon|UN}} [[国際連合]](他に[[英語]]、[[フランス語]]、[[中国語]]、[[スペイン語]]、[[アラビア語]])
 
* {{Flagicon|IAEA}} [[国際原子力機関]]
 
* [[国際標準化機構]](他に英語、フランス語)
 
* [[上海協力機構]](他に中国語)
 
* [[独立国家共同体]](CIS)
 
 
 
=== 日本 ===
 
{{Vertical images list|幅=200px
 
|画像1=Road traffic sign with Russian, Wakkanai, Hokkaido, Japan.jpg|説明1=[[稚内市]]の道路標識
 
|画像2=Road traffic sign with Russian, Nemuro, Hokkaido, Japan.jpg|説明2=[[根室市]]の道路標識
 
}}
 
 
 
18世紀には、すでに「[[北槎聞略]]」という書物があり、「[[大黒屋光太夫]]」の口述による、[[キリル文字]]、一部のロシア語の単語、文などの記載も見られる<ref> 桂川甫周『北槎聞略・大黒屋光太夫ロシア漂流記』亀井高孝校訂、岩波書店(岩波文庫)1993年(平成5年)、148~156頁、273~332頁</ref>。本格的なロシア語研究が始まるのは、1804年から1811年にロシア使節からもたらされた公文書の翻訳が必要となった幕府の命により、蘭語通詞の馬場左十郎らが松前藩に幽閉されていた[[ヴァシーリー・ゴロヴニーン]]から学んだのが最初<ref>[http://www.tufs.ac.jp/common/archives/TUFShistory-russian-1.pdf ロシア語の黎明期]渡辺雅司、ロシア語ロシア文学研究15号、1983-09{{リンク切れ|date=2017年9月}}</ref>。
 
 
 
1960年代までは共産主義を支持する人々を中心に[[ロシアの文化|ロシア文化]]への関心は比較的高かったが、1970年代以降は共産主義の退潮、ブレジネフ体制下でのソ連文化の硬直化などを背景にロシアへの関心は低下した。ソ連崩壊後も、ロシアとの交流は北海道や日本海側の一部の地域を除くと盛んではなく、経済的なつながりも中国や韓国、アメリカ合衆国より薄い。そのため、日本においてロシア語の重要性は低い。英語や中国語、朝鮮語に比べて語学教材も恵まれておらず、改訂も進まない結果、内容がソ連時代のままである教材も少なくない。
 
 
 
しかし[[海上保安庁]]では第二外国語として中国語・朝鮮語と並びロシア語が学ばれており、[[自衛隊]]でも第二外国語として学ばれているほか、北海道の一部の高校では、地理的に近いということもあり、ロシア語の授業が行われている。さらに[[稚内市|稚内]]や[[根室市|根室]]、[[紋別市|紋別]]や[[新千歳空港]]ではロシア語表記の看板が見られるなど、隣国としてのロシアの姿が実感できる。同様に、[[新潟港|新潟東港]]を通じての対ロ貿易の日本海側拠点である[[新潟市]]でも日本語の他英語とロシア語を併記した看板を見ることができる。新潟市ではこれ以外にも[[ロシア語スピーチコンテスト]]を行うなどしている。
 
 
 
使用話者が多いためか、今でも日本の多くの大学の第二外国語でロシア語を学ぶことができるものの、日本人でロシア語を学ぶ人々は少ない。
 
 
 
[[日本放送協会|NHK]]の語学番組では[[テレビでロシア語]]、ラジオでは[[まいにちロシア語]]が放送されている。
 
 
 
=== 旧ソ連圏 ===
 
[[ウクライナ]]東部や南部([[クリミア半島]]も含む)ではロシア語が広く使われている。[[ヨーロッパ連合]]加盟国となった[[ラトビア]]、[[エストニア]]、[[リトアニア]]などの旧ソ連諸国でも、公用語にこそなっていないもののロシア系住民を中心に広く使われているがEUの公用語には加わっていない。
 
 
 
=== イスラエル ===
 
{{main|イスラエルにおけるロシア語}}
 
 
 
[[1999年]]のデータではイスラエルへの旧ソ連からの移民は75万人にのぼり、ロシア語のテレビ・ラジオ放送局もある。イスラエルの公用語は[[ヘブライ語]]、[[アラビア語]]だけだが公用語ではない英語にならび移民の影響でロシア語も広く使われている。
 
 
 
== 文字 ==
 
ロシア語では以下の33個の[[キリル文字]]が用いられている。
 
 
 
{| class="wikitable" style="text-align:center" border="1" frame="box" rules="all" cellspacing="0" cellpadding="3"
 
!大文字
 
!小文字
 
!文字の名称<br />(ロシア語)
 
!文字の名称<br />(ラテン文字転写)
 
!文字の名称<br />(読み)
 
!音価<br /><span style="font-weight: normal;">([[国際音声記号|IPA]])</span>
 
!発音上の注意
 
|-
 
|lang="ru"|[[А]]
 
|lang="ru"|а
 
|lang="ru"|а
 
|a
 
|アー
 
|{{ipa|a}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[Б]]
 
|lang="ru"|б
 
|lang="ru"|бэ
 
|be
 
|ベー
 
|{{ipa|b}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[В]]
 
|lang="ru"|в
 
|lang="ru"|вэ
 
|ve
 
|ヴェー
 
|{{ipa|v}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[Г]]
 
|lang="ru"|г
 
|lang="ru"|гэ
 
|ge
 
|ゲー
 
|{{ipa|g}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[Д]]
 
|lang="ru"|д
 
|lang="ru"|дэ
 
|de
 
|デー
 
|{{ipa|d}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[Е]]
 
|lang="ru"|е
 
|lang="ru"|е
 
|je
 
|イェー
 
|{{ipa|je}}
 
|align=left|「イェ」に近い
 
|-
 
|lang="ru"|[[Ё]]
 
|lang="ru"|ё
 
|lang="ru"|ё
 
|jo
 
|ヨー
 
|{{ipa|jo}}
 
|align=left|「ヨ」に近い
 
|-
 
|lang="ru"|[[Ж]]
 
|lang="ru"|ж
 
|lang="ru"|жэ
 
|zhe
 
|ジェー
 
|{{ipa|ʐ}}
 
|align=left|[[そり舌音|そり舌気味]]
 
|-
 
|lang="ru"|[[З]]
 
|lang="ru"|з
 
|lang="ru"|зэ
 
|ze
 
|ゼー
 
|{{ipa|z}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[И]]
 
|lang="ru"|и
 
|lang="ru"|и
 
|i
 
|イー
 
|{{ipa|i}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[Й]]
 
|lang="ru"|й
 
|lang="ru"|и краткое
 
|i kratkoje
 
|イークラトコエ
 
|{{ipa|j}}
 
|align=left|[[半母音]]の{{IPA|j}}(短い「イ」)<ref>半母音の {{lang|ru|й}} は、主に母音の後ろでのみあらわれ、日本語のヤ、ユ、ヨのように {{IPA|j}} の音の後ろに母音が続く場合は {{lang|ru|е}}, {{lang|ru|ё}}, {{lang|ru|ю}}, {{lang|ru|я}} を用いる。</ref>
 
|-
 
|lang="ru"|[[К]]
 
|lang="ru"|к
 
|lang="ru"|ка
 
|ka
 
|カー
 
|{{ipa|k}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[Л]]
 
|lang="ru"|л
 
|lang="ru"|эль (или эл)
 
|el, elj
 
|エル
 
|{{ipa|l}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[М]]
 
|lang="ru"|м
 
|lang="ru"|эм
 
|em
 
|エム
 
|{{ipa|m}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[Н]]
 
|lang="ru"|н
 
|lang="ru"|эн
 
|en
 
|エン
 
|{{ipa|n}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[О]]
 
|lang="ru"|о
 
|lang="ru"|о
 
|o
 
|オー
 
|{{ipa|o}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[П]]
 
|lang="ru"|п
 
|lang="ru"|пэ
 
|pe
 
|ペー
 
|{{ipa|p}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[Р]]
 
|lang="ru"|р
 
|lang="ru"|эр
 
|er
 
|エル
 
|{{ipa|r}}
 
|align=left|[[歯茎ふるえ音|巻き舌]]
 
|-
 
|lang="ru"|[[С]]
 
|lang="ru"|с
 
|lang="ru"|эс
 
|es
 
|エス
 
|{{ipa|s}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[Т]]
 
|lang="ru"|т
 
|lang="ru"|тэ
 
|te
 
|テー
 
|{{ipa|t}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[У]]
 
|lang="ru"|у
 
|lang="ru"|у
 
|u
 
|ウー
 
|{{ipa|u}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[Ф]]
 
|lang="ru"|ф
 
|lang="ru"|эф
 
|ef
 
|エフ
 
|{{ipa|f}}
 
|
 
|-
 
|lang="ru"|[[Х]]
 
|lang="ru"|х
 
|lang="ru"|ха
 
|kha
 
|ハー
 
|{{ipa|x}}
 
|align=left|[[無声軟口蓋摩擦音|口の奥から出す「ハ」]]
 
|-
 
|lang="ru"|[[Ц]]
 
|lang="ru"|ц
 
|lang="ru"|цэ
 
|tse
 
|ツェー
 
|{{ipa|ʦ}}
 
|align=left|「ツァ」「ツ」「ツォ」
 
|-
 
|lang="ru"|[[Ч]]
 
|lang="ru"|ч
 
|lang="ru"|че
 
|che
 
|チェー
 
|{{ipa|ʨ}}
 
|align=left|「チャ」「チュ」「チョ」
 
|-
 
|lang="ru"|[[Ш]]
 
|lang="ru"|ш
 
|lang="ru"|ша
 
|sha
 
|シャー
 
|{{ipa|ʂ}}
 
|align=left|「シャ」「シュ」「ショ」([[後部歯茎音|そり舌気味]]で発音される {{IPA|s}})
 
|-
 
|lang="ru"|[[Щ]]
 
|lang="ru"|щ
 
|lang="ru"|ща
 
|shcha
 
|シシャー(シチャー)
 
|{{ipa|ɕː}}
 
|align=left|「ッシ」(「[[し|シ]]」の[[無声歯茎硬口蓋摩擦音|子音 {{IPA|ɕ}}]] に似ているが、やや長め)
 
|-
 
|lang="ru"|[[Ъ]]
 
|lang="ru"|ъ
 
|lang="ru"|твёрдый знак
 
|tvjordɨj znak
 
|トヴョールドゥイズナーク
 
| -
 
|align=left|[[硬音]]記号、非[[口蓋化]]する<ref name="KONAN">硬音の子音は微妙に「ウ」の音感、軟音の子音は微妙に「イ」の音感を伴う。</ref><ref>硬音記号は、現在では軟母音で始まる単語の前に硬子音で終わる[[接頭辞]]が付加される場合(例: {{lang|ru|под + ехать}} → {{lang|ru|подъехать}})にしか用いられない。ただし日本語をロシア語式に音訳する際、[[鼻音|{{IPA|n}}]]と後続の母音を分けて発音することを明示する必要がある場合など(例:欽一の「き'''んい'''ち」が「き'''に'''ち」にならないようにする)、外国語の表記に用いることがある。</ref>
 
|-
 
|lang="ru"|[[Ы]]
 
|lang="ru"|ы
 
|lang="ru"|ы
 
 
|ウィー
 
|{{ipa|ɨ}}
 
|align=left|「ウイ」
 
|-
 
|lang="ru"|[[Ь]]
 
|lang="ru"|ь
 
|lang="ru"|мягкий знак
 
|mjakhkij znak
 
|ミャーフキーズナーク
 
| -
 
|align=left|[[軟音]]記号、[[口蓋化]]する<ref name="KONAN" /><ref>軟音記号はそれが伴う直前の子音が軟音であることを現す。</ref>
 
|-
 
|lang="ru"|[[Э]]
 
|lang="ru"|э
 
|lang="ru"|э (э оборотное)
 
|e
 
|エー
 
|{{ipa|e}}
 
|align=left|「エ」
 
|-
 
|lang="ru"|[[Ю]]
 
|lang="ru"|ю
 
|lang="ru"|ю
 
|ju
 
|ユー
 
|{{ipa|ju}}
 
|align=left|「ユ」
 
|-
 
|lang="ru"|[[Я]]
 
|lang="ru"|я
 
|lang="ru"|я
 
|ja
 
|ヤー
 
|{{ipa|ja}}
 
|align=left|「ヤ」
 
|}
 
 
 
== アクセント・発音 ==
 
*日本語の[[アクセント]]([[高低アクセント]])とは異なり、[[強弱アクセント]]である。アクセントのある音は長く、強く発音する。
 
*[[疑問詞]]のない[[疑問文]]では、一番聞きたい部分の単語のアクセントで[[イントネーション]]を上げて発音する。
 
*[[W]]の[[音素]]が無く、[[V]]の音素で置き換えられる。
 
*[[子音]]{{lang|ru|й}}は通常、[[母音]]の後以外には置かないが、特に[[外来語]]では {{lang|ru|Йокога́ма}}(ヨコガマ=[[横浜市|横浜]])のように単語の先頭に置くこともある。
 
*軟子音・母音([[口蓋化]]した発音)と硬子音・母音(口蓋化のない発音)が明確に区別される。
 
*硬子音の前の軟子音は硬音化し、軟子音と前と単語の末尾にある硬子音は軟音化する。但し、[[接続詞]]や[[助詞]]は直後の単語と連結して発音される。
 
*{{lang|ru|ё}}には必ずアクセントがある(アクセントがなくなった場合、文字上は{{lang|ru|е}}に変化する)。
 
*{{lang|ru|у}}以外の母音はアクセントが無いと音が[[母音弱化|弱化]]する。アクセントの前後、位置で音は変わる。{{lang|ru|а}}, {{lang|ru|о}}は{{IPA|ə}}、{{lang|ru|и}}と{{lang|ru|э}}は{{IPA|ɪ}}({{lang|ru|и скло́нно к э}}「エに傾いたイ」)、{{lang|ru|я}}と{{lang|ru|е}}は{{IPA|jɪ}}になる(ただし、厳密には音節によって弱化の度合いが異なり、従って実際の発音も異なる)。そのため、アクセントのない {{lang|ru|о}}, {{lang|ru|е}} はそれぞれ「ア」、「イ」のように聞こえる(例: {{Lang|ru|хорошо́}} [[ハラショー]])。ロシアにおける標準語の発音とされるが、元はモスクワの方言であり、地方や個人によっては {{lang|ru|о}}, {{lang|ru|е}} をそのまま「オ」、「イェ」で発音することもある。
 
*西欧語にはない {{IPA|zn}} や {{IPA|nr}} など、子音連続が多様である
 
*:例: {{lang|ru|зна́ние}} {{IPA|zna-}}(知識)
 
*:語頭に現れるもの
 
*:*{{lang|ru|зв, зд, зн, зл, зм, зр, мгл, мгн, мл, мн, нр}}... など
 
*一部の子音は[[派生]]語などで規則的に別の子音に変化する。
 
**{{lang|ru|г}} - {{lang|ru|ж}} など
 
*[[音素]]{{IPA|j}}は[[母音]]が後に続き、かつアクセントがある場合、[[摩擦音]]が生じ{{IPA|ʝ}}で発音される傾向がある。
 
*正書法の規則により、{{lang|ru|к, г, х, ж, ч, ш, щ}}の後には{{lang|ru|я, ы, ю}}を置かず、代わりに{{lang|ru|а, и, у}}を用いる。ただし、この規則が適用されないケースもある。
 
 
 
== 文法 ==
 
{{main|{{仮リンク|ロシア語の文法|en|Russian Grammar}}}}
 
{{節スタブ}}
 
=== 文 ===
 
主語がない[[無人称文]]({{lang|ru|[[:ru:Безличные предложения]]}})がある。無人称文では意味上の主語は与格で表される。
 
 
 
[[不定人称文]]({{lang|ru|[[:ru:Неопределённо-личные предложения]]}})では動詞は[[三人称]][[複数]]となる。
 
 
 
[[普遍人称文]]({{lang|ru|[[:ru:Обобщённо-личные предложения]]}})では動詞は[[二人称]][[単数]]となる。
 
 
 
=== 名詞 ===
 
[[名詞]]は、男性、中性、女性の3つの[[性 (文法)|性]]に分かれている。ロシア語の名詞は、例外はあるものの総じて、男性名詞(単数)は子音、{{lang|ru|-й, ь}}で、女性名詞は{{lang|ru|-а, -я, -ь}} で、中性名詞は{{lang|ru|-о, -е, -мя}}で終わる。そのため、名詞の性の判別が比較的容易である。これに加えて名詞は言葉の意味によって、人や[[動物]]を表す活動体とそれ以外のものを表す不活動体に分けられる。
 
 
 
[[数 (文法)|数]]は、複数形の場合、男性及び女性名詞は語尾の硬・軟で-{{lang|ru|ы}}と-{{lang|ru|и}}で終わり、中性名詞は{{lang|ru|-а}}と{{lang|ru|-я}}で終わる。歴史的には、他にハサミやズボンなど、二つ一組のものに用いられる組数(双数)があったが、現在は数詞との結合の中にその痕跡を残すのみである。
 
 
 
名詞の[[格]]は[[主格]]、[[属格|生格]]、[[与格]]、[[対格]]、[[造格]]、[[前置格]]の6種類である。一部には[[呼格]](例:{{lang|ru|Боже!}} 神よ!)、[[処格]]、物主格({{lang|ru|притяжательный падеж}})、分離格({{lang|ru|разделительный падеж}})が残る。[[格変化]]は語尾によって表され、性・数・体に合わせて変化を見せる。例外的に語尾が変化しない名詞もあるが、ほとんどは語順で格を示す必要がないため、語順は比較的自由に変えられる。
 
 
 
他にも大きな特徴として'''出没母音'''がある。これは語形変化に合わせて出現あるいは消滅する母音であり、主に{{lang|ru|о, е}}が用いられる。例えば、{{lang|ru|пирожок}}([[ピロシキ]])を複数形にすると、最後の{{lang|ru|о}}が消滅して{{lang|ru|пирожки}}になる。
 
 
 
[[数詞]]とそれに関連する名詞は特殊な変化をみせる。1 は単数主格だが、2-4 は単数生格、5以上が複数生格をとる。2-4 の単数生格は古い[[双数形]]の名残りである。
 
 
 
=== 人称代名詞 ===
 
{| class="wikitable"
 
! rowspan="3"|
 
| rowspan="10"|
 
! style="background:#C0C0C0" colspan="5"|単数
 
| rowspan="10"|
 
! style="background:#C0C0C0" colspan="3"|複数
 
| rowspan="10"|
 
! style="background:#C0C0C0" colspan="2" rowspan="3"|再帰
 
|-
 
! style="background:#C0C0C0" rowspan="2"|一人称
 
! style="background:#C0C0C0" rowspan="2"|二人称
 
! style="background:#C0C0C0" colspan="3"|三人称
 
! style="background:#C0C0C0" rowspan="2"|一人称
 
! style="background:#C0C0C0" rowspan="2"|二人称
 
! style="background:#C0C0C0" rowspan="2"|三人称
 
|-
 
! style="background:#C0C0C0" | 男性
 
! style="background:#C0C0C0" | 女性
 
! style="background:#C0C0C0" | 中性
 
|- style="background:#E0E0E0"
 
|  '''(日本語)''' || 私 || 君 || 彼 || 彼女 || それ || 私たち || あなた、あなたたち || 彼ら、彼女ら、それら || 自分自身
 
|-
 
|  style="background:#C0C0C0" | '''[[主格]]''' || {{lang|ru|я}} || {{lang|ru|ты}} || {{lang|ru|он}} || {{lang|ru|она}} || {{lang|ru|оно}} || {{lang|ru|мы}} || {{lang|ru|вы}} || {{lang|ru|они}} ||сам
 
|-
 
|  style="background:#C0C0C0" | '''[[生格]]''' || {{lang|ru|меня}} || {{lang|ru|тебя}} || {{lang|ru|его}} || {{lang|ru|её}} || {{lang|ru|его}} || {{lang|ru|нас}} || {{lang|ru|вас}} || {{lang|ru|их}} || {{lang|ru|себя}}
 
|-
 
|  style="background:#C0C0C0" | '''[[与格]]''' || {{lang|ru|мне}} || {{lang|ru|тебе}} || {{lang|ru|ему}} || {{lang|ru|ей}} || {{lang|ru|ему}} || {{lang|ru|нам}} || {{lang|ru|вам}} || {{lang|ru|им}} || {{lang|ru|себе}}
 
|-
 
|  style="background:#C0C0C0" | '''[[対格]]''' || {{lang|ru|меня}} || {{lang|ru|тебя}} || {{lang|ru|его}} || {{lang|ru|её}} || {{lang|ru|его}} || {{lang|ru|нас}} || {{lang|ru|вас}} || {{lang|ru|их}} || {{lang|ru|себя}}
 
|-
 
|  style="background:#C0C0C0" | '''[[造格]]''' || {{lang|ru|мной}}<br />({{lang|ru|мною}}) || {{lang|ru|тобой}}<br />({{lang|ru|тобою}}) || {{lang|ru|им}} || {{lang|ru|ей}}<br />({{lang|ru|ею}}) || {{lang|ru|им}} || {{lang|ru|нами}} || {{lang|ru|вами}} || {{lang|ru|ими}} || {{lang|ru|собой}}<br />({{lang|ru|собою}})
 
|-
 
|  style="background:#C0C0C0" | '''[[前置格]]''' || {{lang|ru|мне}} || {{lang|ru|тебе}} || {{lang|ru|нём}} || {{lang|ru|ней}} || {{lang|ru|нём}} || {{lang|ru|нас}} || {{lang|ru|вас}} || {{lang|ru|них}} || {{lang|ru|себе}}
 
|}
 
* {{lang|ru|его}} の {{lang|ru|г}} は「{{lang|ru|в}}」と発音する。
 
* 三人称の生格・与格・対格・造格は、前置詞があると、前に {{lang|ru|н}} を付けることがある(例:{{lang|ru|у него}}、{{lang|ru|с неё}})。
 
 
 
敬称としての {{lang|ru|вы}} は、文中でも {{lang|ru|Вы}} のように大文字で書き始めることがある。なお、ロシア語ではほとんどの動詞が語尾から人称と数がわかるので、特に必要がなければ主格人称代名詞は省略できる(例:{{lang|ru|Читаю книгу.}} 「(私は)本を読む」)。
 
 
 
=== 動詞 ===
 
[[動詞]]は1回限りの動作や、その開始と終了がはっきりと意識できるひとまとまりの動作など(日本語で言えば「食べてしまう」「読み切る」のような)を表す完了体({{lang|ru|совершенный вид}})と、進行・継続・反復する動作または動作そのものなど(「食べている」「読む」のような)を表す不完了体({{lang|ru|несовершенный вид}})(未完了体とも)の2つの体([[相 (言語学)]]参照)に分類され、多くの動詞で対になっている。一部には対になる体をもたないものや、完了体でもあり不完了体でもあるものなど、変則的な動詞も存在しているが、いずれにも属さない動詞は存在しない。
 
 
 
[[時制]]は、単純に過去・現在・未来の3つだけである。基本的に全ての動詞は過去形と現在形しかもたない(唯一の例外は[[英語]]のbe動詞に当たる {{lang|ru|быть}} であって、過去形・現在形・未来形の3形態をもつ)。現在形は[[主語]]の人称・数により、過去形は性・数によって変化する。未来形は完了体と不完了体で表現の方法が異なり、完了体の場合は、その現在形がそのまま意味上の未来を表すのに対し、不完了体では助動詞 {{lang|ru|быть}} の未来形との結合で表される。
 
 
 
[[コピュラ]]動詞(…'''である'''){{lang|ru|быть}} の現在形は基本的には明示されない(例:{{lang|ru|Я чайка.}} 「私はかもめ」)。かつては、主語の人称と数に一致した {{lang|ru|быть}} が用いられていたが、そのような機能は現在の {{lang|ru|быть}} からはほぼ完全に失われており、現在形が用いられる局面は、所有を表す場合に限定されると言っても過言ではない。その際には、所有される側が文法的な主語に当たるので、{{lang|ru|быть}} の三人称単数形 {{lang|ru|есть}}(例:{{lang|ru|У меня есть сын.}}「私には息子がいる(私の許には息子がいる)」)を用いることになる。所有される側が複数の場合、以前は {{lang|ru|быть}} の三人称複数形に当たる {{lang|ru|суть}} を使用していたが、現在では数に関係なく {{lang|ru|есть}} を使う傾向にあるようである。
 
 
 
さらに、{{lang|ru|есть}} は存在だけを問題としているので、存在することが前提となっている場合は不要になる(例:{{lang|ru|У меня маленький сын.}} 「私には小さな息子がいる」→息子の有無についてではなく、それがどのような息子なのかが問題となっている)。
 
 
 
なお、否定の表現(…'''がない'''、…'''がいない''')は {{lang|ru|нет}} を使い、存在を否定する名詞を生格に変える(例:{{lang|ru|У меня нет сына.}} 「私に息子はいない」)。この {{lang|ru|нет}} は、{{lang|ru|не есть}} の音便形であり、"{{lang|ru|Да}}(はい)"、"{{lang|ru|Нет}}(いいえ)" の "{{lang|ru|Нет}}" とは、別物である。
 
 
 
動詞が変化したものとして[[形動詞]](西欧語の分詞のように形容詞の働きをする)や[[副動詞]](副詞の働き)がある。{{lang|ru|ся}}動詞と呼ばれる一群の動詞(語尾に再帰代名詞 {{lang|ru|ся}} がつく)はフランス語などの[[再帰動詞]]と同様に用いられ、また相互の動作や[[受動態|受動表現]]にも用いられる。
 
 
 
=== 形容詞 ===
 
[[形容詞]]は名詞と同様に性・数・格によって変化し、限定的用法(名詞につく場合)はそれらが[[一致]]する。叙述的用法では語尾が短い「短語尾形」も用いられる。
 
 
 
==== 格変化 ====
 
形容詞の格変化の基本形は以下の通りである。なお、ロシア人の形容詞型の[[姓]]([[ピョートル・チャイコフスキー|チャイコフスキー]]、[[レフ・トルストイ|トルストイ]]など)も同じ格変化になる。
 
 
 
{| class="wikitable"
 
|+ '''硬音型'''
 
| rowspan="2"|
 
| rowspan="8"|
 
! colspan="3" align="center" | 単数
 
| rowspan="8"|
 
! rowspan="2" valign="center" | 複数
 
|-
 
! 男性
 
! 女性
 
! 中性
 
|-
 
! 主格
 
| -{{lang|ru|ый}} || -{{lang|ru|ая}} || -{{lang|ru|ое}} || -{{lang|ru|ые}}
 
|-
 
! 生格
 
| -{{lang|ru|ого}} || -{{lang|ru|ой}} || -{{lang|ru|ого}} || -{{lang|ru|ых}}
 
|-
 
! 与格
 
| -{{lang|ru|ому}} ||  -{{lang|ru|ой}} || -{{lang|ru|ому}} || -{{lang|ru|ым}}
 
|-
 
! 対格
 
| -{{lang|ru|ый}} または -{{lang|ru|ого}} || -{{lang|ru|ую}} || -{{lang|ru|ое}} || -{{lang|ru|ые}} または -{{lang|ru|ых}}
 
|-
 
! 造格
 
| -{{lang|ru|ым}} || -{{lang|ru|ой}} || -{{lang|ru|ым}} || -{{lang|ru|ыми}}
 
|-
 
! 前置格
 
| -{{lang|ru|ом}} || -{{lang|ru|ой}} || -{{lang|ru|ом}} || -{{lang|ru|ых}}
 
|}
 
 
 
{| class="wikitable"
 
|+ '''軟音型'''
 
| rowspan="2"|
 
| rowspan="8"|
 
! colspan="3" align="center" | 単数
 
| rowspan="8"|
 
! rowspan="2" valign="center" | 複数
 
|-
 
! 男性
 
! 女性
 
! 中性
 
|-
 
! 主格
 
| -{{lang|ru|ий}} || -{{lang|ru|яя}} || -{{lang|ru|ее}} || -{{lang|ru|ие}}
 
|-
 
! 生格
 
| -{{lang|ru|его}} || -{{lang|ru|ей}} || -{{lang|ru|его}} || -{{lang|ru|их}}
 
|-
 
! 与格
 
| -{{lang|ru|ему}} ||  -{{lang|ru|ей}} || -{{lang|ru|ему}} || -{{lang|ru|им}}
 
|-
 
! 対格
 
| -{{lang|ru|ий}} または -{{lang|ru|его}} || -{{lang|ru|юю}} || -{{lang|ru|ее}} || -{{lang|ru|ие}} または -{{lang|ru|их}}
 
|-
 
! 造格
 
| -{{lang|ru|им}} || -{{lang|ru|ей}} || -{{lang|ru|им}} || -{{lang|ru|ими}}
 
|-
 
! 前置格
 
| -{{lang|ru|ем}} || -{{lang|ru|ей}} || -{{lang|ru|ем}} || -{{lang|ru|их}}
 
|}
 
* 男性および複数の対格は、名詞が活動体であれば生格と同じになり、不活動体であれば主格と同じになる。
 
 
 
== 方言 ==
 
[[ファイル:Dialects of Russian language.png|300px|thumb|ロシア語の方言図(1964年)]]
 
*北部の方言
 
{{legend|#587942|1. [[アルハンゲリスク]]([[白海]])の訛り}}
 
{{legend|#3E7D6D|2. [[オロネツ]]の訛り}}
 
{{legend|#45AD96|3. [[ノヴゴロド]](北西)の訛り}}
 
{{legend|#69A74B|4. [[キーロフ|ヴャトカ]](北東)の訛り}}
 
{{legend|#61C57A|5. [[ウラジーミル (ウラジーミル州)|ウラジーミル]]・[[ヴォルガ川|ヴォルガ]]の訛り}}
 
*中部(中間)の方言
 
{{legend|#F587C1|6. [[モスクワ]](中東)の訛り}}
 
{{legend|#D172A2|7. [[トヴェリ]](中西)の訛り}}
 
*南部の方言
 
{{legend|#FF9B06|8. [[オリョール]]([[ドン・コサック|ドン]])の訛り}}
 
{{legend|#FF7D26|9. [[リャザン]](南東)の訛り}}
 
{{legend|#FFAA71|10. [[トゥーラ]]の訛り}}
 
{{legend|#F2D273|11. [[スモレンスク]](南西)の訛り}}
 
*その他
 
{{legend|#40956C|12. [[ベラルーシ語]]の影響を受けたロシア北部の訛り}}
 
{{legend|#ECBD00|13. [[ウクライナ語]]の訛り([[スロボダ・ウクライナ|スロボダ]]の訛り、[[草原]]の訛り)}}
 
{{legend|#FFD93E|14. ロシア語の影響を受けたウクライナ語の草原([[クバーニ・コサック|クバーニ]])の訛り}}
 
 
 
=== ロシア領時代からアラスカに残存するロシア語方言 ===
 
アラスカがロシアの領土であった時代に{{仮リンク|ニニルチク|en|Ninilchik, Alaska}}<small>('''露''': {{lang|ru|[[:ru:Нинилчик (Аляска)|Нинилчик]]}})</small>村に定住して現地の民族と融合した[[ロシア人]]は、1867年の[[アラスカ購入]]以降、ロシアとの接触が減少し、標準語のロシア語から完全に隔離された状態で約100年にわたって独自の発達を遂げてきた。[[シベリア]]の方言、[[英語]]、[[エスキモー・アレウト語族|エスキモー諸語]]、[[アサバスカ諸語]]の単語が混ざり、中性名詞が消えていて、女性名詞もかなり少なくなっている。2013年現在、ニニルチク村では英語が使われていて、ロシア語を覚えている住人はわずか20人であり、全員が75歳以上となっている<ref>[http://m.roshianow.jp/arts/2013/05/30/43261.html アラスカでロシア語の方言発見]、ロシアNOW、2013年5月30日</ref>。
 
 
 
== 文例 ==
 
{|class="wikitable sortable"
 
!日本語!!ロシア語!!class=unsortable|備考
 
|-
 
|こんにちは||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Здравствуйте}}!|ズドラーストヴイチェ|rblang=ru|lang=Ja}}||
 
|-
 
|やあ!||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Привет}}.|プリヴィェート|rblang=ru|lang=Ja}}||親しみを込めた「こんにちは」
 
|-
 
|やあ!||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Здравствуй}}.|ズドラーストヴイ|rblang=ru|lang=Ja}}||親しみを込めた「こんにちは」
 
|-
 
|はじめまして||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Очень}} {{lang|ru|приятно}}.|オーチニ プリヤートナ|rblang=ru|lang=Ja}}||名前を言った後に言う
 
|-
 
|おはよう||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Доброе}} {{lang|ru|утро}}.|ドーブライェ ウートラ|rblang=ru|lang=Ja}}||
 
|-
 
|こんにちは||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Добрый}} {{lang|ru|день}}.|ドーブルィイ ヂェーニ|rblang=ru|lang=Ja}}||
 
|-
 
|こんばんは||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Добрый}} {{lang|ru|вечер}}.|ドーブルィイ ヴィェーチェル|rblang=ru|lang=Ja}}||
 
|-
 
|お休みなさい||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Спокойной}} {{lang|ru|ночи}}.|スパコーイナイ ノーチ|rblang=ru|lang=Ja}}||
 
|-
 
|さようなら||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|До}} {{lang|ru|свидания}}!|ダスヴィダーニヤ|rblang=ru|lang=Ja}}||「また会いましょう」
 
|-
 
|さようなら||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Прощайте}}.|プラシャーイチェ|rblang=ru|lang=Ja}}||当分会えない場合
 
|-
 
|さようなら||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|До}} {{lang|ru|завтра}}.|ダザーフトラ|rblang=ru|lang=Ja}}||「また明日」
 
|-
 
|ありがとう||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Спасибо}}!|スパシーバ|rblang=ru|lang=Ja}}||
 
|-
 
|すばらしい||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Хорошо}}.|ハラショー|rblang=ru|lang=Ja}}||
 
|-
 
|はい||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Да}}.|ダー|rblang=ru|lang=Ja}}||
 
|-
 
|いいえ||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Нет}}.|ニェート|rblang=ru|lang=Ja}}||
 
|-
 
|すいません 、ごめんなさい||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Извините}}.|イズヴィニーチェ|rblang=ru|lang=Ja}}||
 
|-
 
|どういたしまして||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Не}} {{lang|ru|за}} {{lang|ru|что}}.|ニェー ザ シュトー|rblang=ru|lang=Ja}}||
 
|-
 
|お名前は?||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Как}} {{lang|ru|Вас}} {{lang|ru|зовут}}?|カーク ヴァース ザヴート|rblang=ru|lang=Ja}}||
 
|-
 
|私は&hellip;です。||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Меня}} {{lang|ru|зовут}} &hellip;.|ミニャー ザヴート|rblang=ru|lang=Ja}}||「&hellip;」の部分は名前
 
|-
 
|私はあなたを愛しています。||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|Я}} {{lang|ru|тебя}} {{lang|ru|люблю}}.|ヤー チビャー リュブリュー|rblang=ru|lang=Ja}}||
 
|-
 
|おかえりなさい||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|С}} {{lang|ru|возвращением}}.|ス ヴァズヴラシェーニイム|rblang=ru|lang=Ja}}||
 
|-
 
|喜んで||{{読み|subst=2015-03
 
        |{{lang|ru|С}} {{lang|ru|удовольствием}}.|スダヴォーリストヴイム|rblang=ru|lang=Ja}}||英語:With pleasure
 
|}
 
 
 
=== 日本語かなのキリル文字表記 ===
 
{{main|日本語のキリル文字表記}}
 
以下に日本語かなの[[キリル文字]]表記を示す<ref>ソ連科学アカデミー東洋学研究所『和露大辞典』[[ニコライ・コンラド]]監修、1976年、[[ナウカ]]、裏表紙の表の表記に基づいた。</ref>。
 
 
 
{|class=wikitable
 
|+日本語かなのキリル文字表記
 
! !!あ列<br>{{lang|ru|а}}!!い列<br>{{lang|ru|и}}!!う列<br>{{lang|ru|у}}!!え列<br>{{lang|ru|э}}!!お列<br>{{lang|ru|о}}!!ゃ列<br>{{lang|ru|я}}!!ゅ列<br>{{lang|ru|ю}}!!ょ列<br>{{lang|ru|ё}}
 
|-
 
!style="text-align:left"|あ行<br>
 
|あ<br>{{lang|ru|а}}||い<br>{{lang|ru|и}}||う<br>{{lang|ru|у}}||え<br>{{lang|ru|э}}||お<br>{{lang|ru|о}}||{{N/A}}||{{N/A}}||{{N/A}}
 
|-
 
!style="text-align:left"|か行<br>{{lang|ru|к}}
 
|か<br>{{lang|ru|ка}}||き<br>{{lang|ru|ки}}||く<br>{{lang|ru|ку}}||け<br>{{lang|ru|кэ}}||こ<br>{{lang|ru|ко}}||きゃ<br>{{lang|ru|кя}}||きゅ<br>{{lang|ru|кю}}||きょ<br>{{lang|ru|кё}}
 
|-
 
!style="text-align:left"|さ行<br>{{lang|ru|с}}
 
|さ<br>{{lang|ru|са}}||し<br>{{lang|ru|си}}||す<br>{{lang|ru|су}}||せ<br>{{lang|ru|сэ}}||そ<br>{{lang|ru|со}}||しゃ<br>{{lang|ru|ся}}||しゅ<br>{{lang|ru|сю}}||しょ<br>{{lang|ru|сё}}
 
|-
 
!style="text-align:left"|た行<br>{{lang|ru|т}}
 
|た<br>{{lang|ru|та}}||ち<br>{{lang|ru|ти}}||つ<br>{{lang|ru|цу}}||て<br>{{lang|ru|тэ}}||と<br>{{lang|ru|то}}||ちゃ<br>{{lang|ru|тя}}||ちゅ<br>{{lang|ru|тю}}||ちょ<br>{{lang|ru|тё}}
 
|-
 
!style="text-align:left"|な行<br>{{lang|ru|н}}
 
|な<br>{{lang|ru|на}}||に<br>{{lang|ru|ни}}||ぬ<br>{{lang|ru|ну}}||ね<br>{{lang|ru|нэ}}||の<br>{{lang|ru|но}}||にゃ<br>{{lang|ru|ня}}||にゅ<br>{{lang|ru|ню}}||にょ<br>{{lang|ru|нё}}
 
|-
 
!style="text-align:left"|は行<br>{{lang|ru|х}}
 
|は<br>{{lang|ru|ха}}||ひ<br>{{lang|ru|хи}}||ふ<br>{{lang|ru|фу}}||へ<br>{{lang|ru|хэ}}||ほ<br>{{lang|ru|хо}}||ひゃ<br>{{lang|ru|хя}}||ひゅ<br>{{lang|ru|хю}}||ひょ<br>{{lang|ru|хё}}
 
|-
 
!style="text-align:left"|ま行<br>{{lang|ru|м}}
 
|ま<br>{{lang|ru|ма}}||み<br>{{lang|ru|ми}}||む<br>{{lang|ru|му}}||め<br>{{lang|ru|мэ}}||も<br>{{lang|ru|мо}}||みゃ<br>{{lang|ru|мя}}||みゅ<br>{{lang|ru|мю}}||みょ<br>{{lang|ru|мё}}
 
|-
 
!style="text-align:left"|や行<br>{{lang|ru|й}}
 
|や<br>{{lang|ru|я}}||{{N/A}}||ゆ<br>{{lang|ru|ю}}||{{N/A}}||よ<br>{{lang|ru|ё}}||{{N/A}}||{{N/A}}||{{N/A}}
 
|-
 
!style="text-align:left"|ら行<br>{{lang|ru|р}}
 
|ら<br>{{lang|ru|ра}}||り<br>{{lang|ru|ри}}||る<br>{{lang|ru|ру}}||れ<br>{{lang|ru|рэ}}||ろ<br>{{lang|ru|ро}}||りゃ<br>{{lang|ru|ря}}||りゅ<br>{{lang|ru|рю}}||りょ<br>{{lang|ru|рё}}
 
|-
 
!style="text-align:left"|わ行<br>
 
|わ<br>{{lang|ru|ва}}||{{N/A}}||{{N/A}}||{{N/A}}||を<br>{{lang|ru|о}}||{{N/A}}||{{N/A}}||{{N/A}}
 
|-
 
!style="text-align:left"|が行<br>{{lang|ru|г}}
 
|が<br>{{lang|ru|га}}||ぎ<br>{{lang|ru|ги}}||ぐ<br>{{lang|ru|гу}}||げ<br>{{lang|ru|гэ}}||ご<br>{{lang|ru|го}}||ぎゃ<br>{{lang|ru|гя}}||ぎゅ<br>{{lang|ru|гю}}||ぎょ<br>{{lang|ru|гё}}
 
|-
 
!style="text-align:left"|ざ行<br>{{lang|ru|дз}}
 
|ざ<br>{{lang|ru|дза}}||じ<br>{{lang|ru|дзи}}||ず<br>{{lang|ru|дзу}}||ぜ<br>{{lang|ru|дзэ}}||ぞ<br>{{lang|ru|дзо}}||じゃ<br>{{lang|ru|дзя}}||じゅ<br>{{lang|ru|дзю}}||じょ<br>{{lang|ru|дзё}}
 
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!style="text-align:left"|だ行<br>{{lang|ru|д}}
 
|だ<br>{{lang|ru|да}}||ぢ<br>{{lang|ru|дзи}}||づ<br>{{lang|ru|дзу}}||で<br>{{lang|ru|дэ}}||ど<br>{{lang|ru|до}}||ぢゃ<br>{{lang|ru|дзя}}||ぢゅ<br>{{lang|ru|дзю}}||ぢょ<br>{{lang|ru|дзё}}
 
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!style="text-align:left"|ば行<br>{{lang|ru|б}}
 
|ば<br>{{lang|ru|ба}}||び<br>{{lang|ru|би}}||ぶ<br>{{lang|ru|бу}}||べ<br>{{lang|ru|бэ}}||ぼ<br>{{lang|ru|бо}}||びゃ<br>{{lang|ru|бя}}||びゅ<br>{{lang|ru|бю}}||びょ<br>{{lang|ru|бё}}
 
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!style="text-align:left"|ぱ行<br>{{lang|ru|п}}
 
|ぱ<br>{{lang|ru|па}}||ぴ<br>{{lang|ru|пи}}||ぷ<br>{{lang|ru|пу}}||ぺ<br>{{lang|ru|пэ}}||ぽ<br>{{lang|ru|по}}||ぴゃ<br>{{lang|ru|пя}}||ぴゅ<br>{{lang|ru|пю}}||ぴょ<br>{{lang|ru|пё}}
 
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!撥音
 
|ん<br>{{lang|ru|н}}||{{N/A}}||{{N/A}}||{{N/A}}||{{N/A}}||{{N/A}}||{{N/A}}||{{N/A}}
 
|}
 
 
 
母音の後に続く「い」は {{lang|ru|и}} ではなく {{lang|ru|й}} を用いる。例えば{{読み|subst=2015-03|3=補助表示|愛知|あいち}}は {{lang|ru|Аити}} ではなく {{lang|ru|Айти}} である。
 
 
 
== ロシア語由来の日本語外来語 ==
 
()内は、ロシア語での本来の意味である。
 
 
 
* [[アジト]] - {{lang|ru|агитпункт}}(扇動本部)
 
* [[イクラ]] - {{lang|ru|икра}}(魚卵)
 
* [[インテリ]](インテリゲンツィア、インテリゲンチャとも) - {{lang|ru|интеллигенция}}(知識層)
 
* [[ウォッカ]] - {{lang|ru|водка}}(ジャガイモの[[蒸留酒]])
 
* [[カンパ]] - {{lang|ru|кампания}}(キャンペーン)
 
* [[グラスノスチ]] - {{lang|ru|гласность}}(情報公開)
 
* [[コミンテルン]] - {{lang|ru|Коминтерн}} ← {{lang|ru|'''Ком'''мунистический '''интерн'''ационал}}(国際共産党・第三インター)
 
* [[コルホーズ]] - {{lang|ru|колхоз}} ← {{lang|ru|'''кол'''лективное '''хоз'''яйство}}(集団農場)
 
* [[コンビナート]] - {{lang|ru|комбинат}} (企業集団)
 
* [[サモワール]] - {{lang|ru|самовар}}(ロシア式湯沸かし器)
 
* [[ステップ (植生)|ステップ]] -  {{lang|ru|степь}}(草原)
 
* [[セイウチ]] - {{lang|ru|сивуч}}(トド)
 
* [[ソビエト]](ソヴィエト、ソヴェトとも) - {{lang|ru|Совет}}(会議)
 
* [[ソフホーズ]] - {{lang|ru|совхоз}} ← {{lang|ru|'''сов'''етское '''хоз'''яйство}}(ソビエトの農場)
 
* [[タイガ]] - {{lang|ru|тайга}}(密林)
 
* [[ツァーリ]](ツァーとも) - {{lang|ru|царь}}(皇帝・王)
 
* [[ツンドラ]]([[サーミ語]]からロシア語を経由) - {{lang|ru|тундра}}
 
* [[トーチカ]] - {{lang|ru|точка}}(点、地点)
 
* [[トロイカ]] - {{lang|ru|тройка}}(3つ組、3頭立ての馬車)
 
* [[トロツキスト]](しばしば軽蔑の意味をこめて) - {{lang|ru|троцкист}}
 
* [[ノーメンクラトゥーラ]]- {{lang|ru|номенклатура}}(支配的階級に属する人々)
 
* [[ノルマ]] - {{lang|ru|норма}}(生産や製造の基準量)
 
* [[バラライカ]] - {{lang|ru|балалайка}}
 
* [[ピロシキ]] - {{lang|ru|пирожки}}
 
* [[ナロードニキ|ヴ・ナロード]] - {{lang|ru|в народ}}(人民の中へ)
 
* [[オーブン|ペチカ]] - {{lang|ru|печка}}(暖炉、ストーブ)
 
* [[ペレストロイカ]] - {{lang|ru|перестройка}}(建て直し)
 
* [[ボリシェヴィキ]](ボルシェヴィキとも) - {{lang|ru|большевики}}(多数派)
 
* [[メンシェヴィキ]](メニシェヴィキとも)- {{lang|ru|меньшевики}}(少数派)
 
 
 
ロシア語から日本語に入った単語は、18世紀以降の両国間の接触によってロシアの文物が日本に紹介されたものと、[[1917年]]の[[ロシア革命]]とその後のソビエト体制の成立によって社会主義(共産主義)思想と共に日本に導入されたものの2種類が多い。前者は日常生活の中で使用されている例があるが(イクラなど)、後者はむしろソ連・ロシア社会の特定の組織や現象を指す[[固有名詞]]としてとらえられるものが多い(コルホーズ、ペレストロイカなど)。ただし、後者にもロシアから離れ、日本社会の事象を説明するときに使われる用語もある(コンビナート、ノルマなど)。<BR />文字 {{lang|ru|в}} {{IPA|v}} は、古くから入った外来語の場合「ワ・ウィ・ウ・ウェ・ウォ」と転写し、比較的新しいものは「ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ」と転写する。ただし、女性の姓末尾の -{{lang|ru|ва}} は現在でも「ワ」と転写する慣用が残っている(例:[[マリア・シャラポワ]])。
 
 
 
== 日本語由来のロシア語単語 ==
 
*[[:ru:Дзюдо|{{lang|ru|Дзюдо́}}]] - [[柔道]]
 
*[[:ru:Карате|{{lang|ru|Карате́/каратэ́}}]] - [[空手道]]
 
*[[:ru:Джиу-джитсу|{{lang|ru|Джи́у-джи́тсу/джи́у-джи́цу/дзюдзю́цу}}]] - [[柔術]]
 
*[[:ru:Сумо|{{lang|ru|Сумо́}}]] - [[相撲]]
 
*[[:ru:Камикадзе|{{lang|ru|Камика́дзе}}]] - [[特別攻撃隊|特攻隊]](神風特攻隊から)
 
*[[:ru:Ката|{{lang|ru|Ка́та}}]] - 柔道や空手の[[形]]
 
*[[:ru:Кимоно|{{lang|ru|Кимоно́}}]] - [[着物]]
 
*[[:ru:Гейша|{{lang|ru|Ге́йша}}]] - [[芸者]]
 
*[[:ru:Кабуки|{{lang|ru|Кабу́ки}}]] - [[歌舞伎]]
 
*[[:ru:Хайку|{{lang|ru|Ха́йку}}]] - [[俳句]]
 
*[[:ru:Танка|{{lang|ru|Та́нка}}]] - [[短歌]]
 
*[[:ru:Цунами|{{lang|ru|Цуна́ми}}]] - [[津波]]
 
*[[:ru:Сакура|{{lang|ru|Са́кура}}]] - [[サクラ|桜]]
 
*[[:ru:Бонсай|{{lang|ru|Бонса́й}}]] - [[盆栽]]
 
*[[:ru:Сайра|{{lang|ru|Са́йра}}]] - [[サンマ|秋刀魚]]
 
*[[:ru:Иваси|{{lang|ru|Иваси́}}]] - [[イワシ|鰯]]
 
*[[:ru:Саке|{{lang|ru|Саке́}}]] - [[日本酒]]
 
*[[:ru:Суши|{{lang|ru|Су́ши}}]] - [[寿司]]
 
*[[:ru:Самурай|{{lang|ru|Самура́й}}]] - [[侍]]、[[武士]]
 
*[[:ru:Катана|{{lang|ru|Ката́на}}]] - [[日本刀]]
 
*[[:ru:Харакири|{{lang|ru|Хараки́ри}}]] - [[切腹]](腹切りから)
 
*[[:ru:Ниндзя|{{lang|ru|Ни́ндзя}}]] - [[忍者]]
 
*[[:ru:Кайдзен|{{lang|ru|Кайдзе́н}}]] - [[改善]]
 
*[[:ru:Банзай|{{lang|ru|Банза́й/бандза́й}}]] - [[万歳]]
 
*[[:ru:Минтай|{{lang|ru|Минта́й}}]] - [[スケトウダラ]]の地方別名から
 
*[[:ru:Рикша|{{lang|ru|Ри́кша}}]] - [[力車]]
 
*[[:ru:Фудзияма|{{lang|ru|Фудзия́ма}}]] - [[富士山]]の誤読
 
*[[:ru:Иокогама|{{lang|ru|Иокога́ма}}]] - [[横浜市|横浜]](「ヤカガーマ」古い時期の表記でハ行音にхでなくгを使用している)
 
*[[:ru:Аниме|{{lang|ru|Аниме́}}]] - [[アニメ]]
 
*[[:ru:Манга|{{lang|ru|Ма́нга}}]] - [[日本の漫画]]
 
*[[:ru:Отаку|{{lang|ru|Ота́ку}}]] - [[おたく]]
 
*[[:ru:Каваий|{{lang|ru|Кава́ий}}]] - [[可愛い]](形容詞)
 
*[[:ru:Хентай|{{lang|ru|Хента́й}}]] - [[ヘンタイ]]
 
*[[:ru:Якудза|{{lang|ru|Яку́дза}}]] - [[ヤクザ]]、[[暴力団]]
 
*[[:ru:Микадо (игра)|{{lang|ru|Мика́до}}]] - [[ミカド (ゲーム)]]
 
*[[:ru:Татами|{{lang|ru|Тата́ми}}]] - [[畳]]
 
 
 
日本語からロシア語への単語移入は、日本文化の文物がロシアで紹介された時に単語が使われる場合が多く、技術用語や学術用語では例が少ない。
 
 
 
== 脚注 ==
 
<references/>
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Wikipedia|ru}}
 
{{Wiktionary|Category:ロシア語|ロシア語}}
 
{{Commonscat|Russian language}}
 
*[[Wikipedia:外来語表記法/ロシア語]]
 
*[[欧州連合の言語]] - ロシア語は同連合の公用語に指定されていないものの、同連合に加盟する旧[[東側諸国]]の一部において広く使用されている
 
*[[ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧]]
 
*[[ロシア文学]]
 
*{{仮リンク|ロシア語の人名|en|Russian given name}}
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://www.yakuru.net/ Yakuru和露・露和オンライン辞書]
 
* [http://warodai.ru/ オンライン和露・露和辞書]
 
* [http://www.prodtp.ru/virtual_keyboard.html Virtual Russian Keyboard]
 
* [http://roshianow.jp/arts/2013/09/22/45213.html ロシア語を学ぶのは難しいのか] ロシアNOW
 
 
 
 
 
{{国際連合公用語}}
 
{{スラヴ語派}}
 
{{印欧語族}}
 
{{language-stub}}
 
  
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ロシアの公用語であり,また旧ソ連の公用語として用いられ,今日も約2億人の話し手をもつ言語。近い関係にある[[ウクライナ語]] (小ロシア語) や[[ベラルーシ語]] (白ロシア語) と区別するために大ロシア語と呼ぶことがある。[[スラブ語派]]に属し,ウクライナ語,ベラルーシ語とともに東スラブ語群をなす。 12世紀頃までは古期東スラブ語と呼ぶことのできる言語状態にあったが,13世紀にウクライナ語が分化し,16世紀頃にベラルーシ語が分れた。 11世紀の書簡類から当時の言語を知ることができるが,文章語として長い間用いられてきたのは教会スラブ語で,ロシア語の文章語が確立したのは 18世紀以後のことである。北,中,南の3方言に大別され,中部方言に属するモスクワ方言が標準語となっている。摩擦音・破擦音の多いこと,口蓋化音の系列と非口蓋化音との対立があることが音韻上の特色としてあげられ,名詞・形容詞が6つの格と2つの数に従って[[曲用]]すること,動詞に完了体と不完了体という[[アスペクト]]の対立があることなどが文法上の特色としてあげられる。[[ロシア文字]]を用いる。
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{{テンプレート:20180815sk}}
 
{{デフォルトソート:ろしあこ}}
 
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[[Category:ロシア語|*ろしあこ]]
 
[[Category:ロシア語|*ろしあこ]]

2018/10/16/ (火) 23:54時点における最新版


ロシア語(ロシアご、русский язык [ˈruskʲɪj jɪˈzɨk]

ロシアの公用語であり,また旧ソ連の公用語として用いられ,今日も約2億人の話し手をもつ言語。近い関係にあるウクライナ語 (小ロシア語) やベラルーシ語 (白ロシア語) と区別するために大ロシア語と呼ぶことがある。スラブ語派に属し,ウクライナ語,ベラルーシ語とともに東スラブ語群をなす。 12世紀頃までは古期東スラブ語と呼ぶことのできる言語状態にあったが,13世紀にウクライナ語が分化し,16世紀頃にベラルーシ語が分れた。 11世紀の書簡類から当時の言語を知ることができるが,文章語として長い間用いられてきたのは教会スラブ語で,ロシア語の文章語が確立したのは 18世紀以後のことである。北,中,南の3方言に大別され,中部方言に属するモスクワ方言が標準語となっている。摩擦音・破擦音の多いこと,口蓋化音の系列と非口蓋化音との対立があることが音韻上の特色としてあげられ,名詞・形容詞が6つの格と2つの数に従って曲用すること,動詞に完了体と不完了体というアスペクトの対立があることなどが文法上の特色としてあげられる。ロシア文字を用いる。



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