三大都市圏

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日本における三大都市圏(さんだいとしけん)とは、日本の三大都市の都市圏である首都圏中京圏近畿圏の総称である。これらを総称して東名阪(とうめいはん)とも呼ばれる。

定義

通常の解釈

都市圏は、本来は境界のあいまいな用語であるため、三大都市圏に属する各大都市圏の範囲として一元的な定義は存在しないが、一般的には以下の地域を指すことが多い。

大都市圏整備計画による定義

経済的定義

通勤圏などの経済的定義に基づいて各都市の都市圏を分析すると、東京圏は東京都区部という単一の中心都市しか持たないが、中部圏では岐阜市津市豊橋市四日市市岡崎市大垣市など、京阪神圏では京都市神戸市姫路市和歌山市草津市彦根市などにおいて昼間人口常住人口を越えており、各都市が名古屋、大阪とは個別の中心機能を持っていると考えられる。そして、京阪神圏では通勤・通学者を求心しているため、京都都市圏及び神戸都市圏大阪都市圏と異なる個別の都市圏として解釈される場合もある。このため、「大阪圏」という呼称よりも、神戸・京都各都市域まで含むことが明確な「京阪神」または「近畿圏」という呼称のほうがより好まれる。

六大都市

「六大都市」は、現在の三大都市圏における主要都市にあたるが、1922年大正11年)の「六大都市行政監督ニ関スル法律」によって定められている(→政令指定都市#沿革)。江戸時代から人口が多い東京市江戸)、大阪市大坂)、京都市)の「三都」に、名古屋市神戸市横浜市を加えたもので、明治時代から高度経済成長前までの日本(外地を除く)における人口の多い上位6都市と同じである(→日本三大都市)。戦中に東京市が東京府と共に東京都制の下に廃止された際、「六大都市行政監督ニ関スル法律」も廃止され、他の5都市を以って法的に五大都市とされた(政令指定都市制度の創設により、五大都市を定めた法律も廃止となる)。

現在は法的根拠がないものの、慣例的に「六大都市」(あるいは「六大都市圏」)と言った場合に旧六大都市を元にする都市を指すことがある。この場合、旧東京市についてはその範囲にある東京都区部を指す。

なお、路面電車の世界では、東京都電車横浜市電名古屋市電京都市電大阪市電神戸市電の6事業者を「六大都市圏の電車」とし、それらを中心として考えることが多い(上記のうち、都電荒川線のみが現存している)。

三大都市圏への集中

日本の人口企業活動・大学などの教育機関は三大都市圏に集中している。近年では東京圏では依然として人口が増加しているものの、名古屋圏や大阪圏では人口が拮抗から減少に転じ始めている。名古屋圏では愛知県は2013年の都道府県別人口増減率では東京都に次いで増加率2位になっているが、岐阜県、三重県で転出超過の為名古屋圏全体としては減少となり、大阪圏も大阪府を除く京都、兵庫、奈良の3府県で転出者が上回った為、大阪圏としては減少となっている。

三大都市圏の中でも、1970年以降、東京圏への集中が最も著しい。国内の銀行貸出残高の50%は東京圏に集中し、国内の外国法人数の91.1%が東京圏に集中、資本金10億円以上の企業の本社数は56.5%が東京圏といった統計が出ている。かつては経済の中心として東京を凌駕していた大阪圏は、昭和初期の戦時集中統制以降大手企業の相次ぐ東京移転が続き、さらに戦後はいわゆる工場三法による悪影響[2]や、中部圏開発整備法による製造業の中部圏への流出などによって東京圏との格差が広がりつつある。ただし、近年工場三法は工場立地法を除いて廃止され、大阪圏では相次いで大規模工場の建設が始まるなど復調の兆しを見せている。

こうした、人口や企業の三大都市圏への過度の集中(過密化)によって、さまざまな都市問題が起こっている。通勤ラッシュ交通渋滞、政治的統制の飽和、ヒートアイランド現象などである。 一方、地方では過疎化が進み、人口は減少して労働者不足が深刻化し、高齢者の割合が増加、経済も縮小している。

大都市への人口・経済活動の集中は、問題を多く抱える一方で、経済活動の効率化につながるメリットもある。企業が狭い範囲に集中することにより、輸送費や通信費が少なくて済み、企業間の取引が低コストになることなどである。しかしながら、過度の集中は鉄道や道路などのインフラ整備に莫大な投資が必要であり、財政を圧迫する原因となる。また、ITの発達により、輸送費や通信費の集中によるメリットはかつてよりも減っている。

文化面でも、三大都市圏には出版放送などのマスコミ各社や、商業施設・イベント施設が多く集中し、また著名人も多い。 このため流行や新語も三大都市圏から発生することが多い。

脚注

  1. 国土交通省『首都圏整備の推進』
  2. 東京圏も同様に工場三法の適用を受けたが、日本政府は国策で中央集権、経営・立案・企画・情報等の機能を東京へ積極的に集積させていたため、あまり大きな負担とはならなかった。

関連項目

外部リンク