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{{出典の明記|date=2012年4月}}
 
'''六価クロム'''(ろっかクロム、{{Lang-en-short|hexavalent chromium}})は、[[クロム]]の[[化合物]]のうち、[[酸化数]]が +6 の Cr(VI) を含むものの総称である。
 
  
== 概要 ==
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'''六価クロム'''(ろっかクロム、{{Lang-en-short|hexavalent chromium}})
単体のクロムは安定した極めて錆びにくい無害の[[金属]]で、[[鉄]]との合金が[[ステンレス]]として広く利用されている。クロムの化合物を[[価数]]で分類したとき、Cr(III) 化合物と Cr(VI) 化合物がそれぞれ一般に「[[三価クロム]]」「六価クロム」と呼ばれる。
 
  
クロムは[[地球]]上の土中にクロム単体または三価クロムの形で広く存在する。人体を構成する[[必須元素]]の一つでもあり、体内に約2[[ミリグラム]]存在している。[[サプリメント]]の成分として使われる場合は三価クロムの形(おもに[[ピコリン酸クロム]]として)で添加される。
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酸化数6のクロム化合物の通称。クロム酸カリウムなど。酸化剤などとして広く用いられるが、触れると皮膚や鼻中に潰瘍(かいよう)を生じ、体内に蓄積すると肝臓障害や肺癌(はいがん)などを引き起こす。
 
 
一方、六価クロムは極めて強い毒性を持つ。代表的な六価クロムの二クロム酸カリウムの致死量は約0.5-1[[グラム]]である。六価クロムは非常に強い[[酸化]]能力を持つ不安定な物質で、有機物と接触するとその[[有機物]]を酸化して、自身は三価クロムに変わる性質がある。六価クロムの強い毒性はこの性質に由来するものであり、自然界に通常は存在しないのもこのためである。
 
 
 
また、家庭用品の[[めっき]]にはほとんどクロムめっきが用いられる。めっきの部分はクロム金属の薄膜である。クロムめっきには原料として現在も六価クロムが多用されているが、毒性に配慮して三価クロムへの移行も進められている。
 
 
 
三価クロムが自然界に広く安定して存在するのに対して、六価クロムは自然界ではクロム鉱石として限定的に存在するに過ぎない。六価クロムは人工的には三価クロムを高熱で焼くことによって生成される。また、[[還元剤]]によって[[還元]]されると三価クロムとなるため、六価クロムを廃棄する際には主に還元処理によって無害化される。
 
 
 
クロムは高沸点[[重金属]]の化合物なので、[[融点]]・[[沸点]]ともに高く、六価クロムそのものが[[常温]]で[[気化]]することはない。一部の六価クロム化合物には[[潮解|潮解性]]がある。
 
 
 
代表的な六価クロム化合物に[[酸化クロム(VI)|三酸化クロム]] (CrO<sub>3</sub>) や[[二クロム酸カリウム]] (K<sub>2</sub>Cr<sub>2</sub>O<sub>7</sub>) があり、酸化剤やめっき等に用いられる。また、六価クロム化合物のうちクロム酸塩(CrO<sub>4</sub><sup>2-</sup>イオンを含む化合物)は[[黄色]]のものが多く、[[水]]に可溶なものとしては[[クロム酸カリウム]] (K<sub>2</sub>CrO<sub>4</sub>) 等がある。また、水に不溶な[[クロム酸塩]]は黄色の[[顔料]]として使われる。クロム酸塩の黄色顔料でよく使われるものとしては[[黄鉛]]([[クロム酸鉛(II)|クロム酸鉛]]、PbCrO<sub>4</sub>)、[[ジンククロメート]](クロム酸亜鉛、ZnCrO<sub>4</sub>)、カルシウム黄([[クロム酸カルシウム]]、CaCrO<sub>4</sub>)、[[ストロンチウムクロメート]](クロム酸ストロンチウム、SrCrO<sub>4</sub>)、バリウムクロメート([[クロム酸バリウム]]、BaCrO<sub>4</sub>)がある。
 
 
 
== 毒性 ==
 
強い酸化作用から、六価クロムが[[皮膚]]や[[粘膜]]に付着した状態を放置すると、[[皮膚炎]]や[[腫瘍]]の原因になる。汚染された井戸水を飲むと、[[嘔吐]]を引き起こす。特徴的な[[上気道炎]]の[[症状]]として、[[クロム酸]]工場の労働者に[[鼻中隔#鼻中隔穿孔|鼻中隔穿孔]]が多発したことが知られている。これは飛散した酸化剤や顔料などの六価クロムの粉末を、長期間に亘って鼻腔から吸収し続けて、[[鼻中隔]]に慢性的な潰瘍が継続した結果と考えられる。
 
 
 
また、その非常に強い酸化力により[[DNA]]の[[DNA修復|損傷作用]]を持つため、[[発癌性]]物質としても扱われている。多量に[[肺]]に吸入すれば呼吸機能を阻害し、長期的には[[肺癌]]に繋がる。[[消化器]]系にも影響するとされ、長期間の摂取は肝臓障害・[[貧血]]・[[大腸癌]]・[[胃癌]]などの原因になりうる。
 
 
 
六価クロムを粉末状で取り扱う職場は周囲への飛散を防いだ上に、目・鼻・口に入らないよう厳重に管理し、皮膚や衣服にも付着したままで置かないように厳重管理することが必要である。
 
 
 
== 環境問題 ==
 
日本ではかつて「地盤強化剤」という名目で、クロム[[スラグ|鉱滓(スラグ)]]を埋め立てることが奨励され、[[沖積低地]]で軟弱地盤である東京の[[下町]]地域([[江東区]]など)に、広域に渡って埋め立てられていた。クロム鉱滓による[[土壌汚染]]・[[地下水汚染]]は現在でも発生している。有名な例に、[[1973年]](昭和48年)に[[地下鉄]]工事における調査で、[[都営地下鉄新宿線]]大島車両検修場用地から大量の六価クロムの鉱滓が発見され、土壌汚染問題として全国に知られることとなった一件がある。[[東京都交通局]]が買収したその用地は、元は[[日本化学工業]]の工場跡地であった。しかし、処理後の現在では同地から六価クロムは検出されなくなった。
 
 
 
国内事故では、[[日本たばこ産業|JT]]([[日本たばこ産業]])が2005年7月、JT徳島工場跡地でタンク処理の際に事故を起こし、400リットルもの六価クロムを漏洩させた事例がある。
 
 
 
[[アメリカ合衆国]]では、工場の敷地内に高濃度の六価クロム溶液を10年以上の長期に渡って大量に垂れ流していた企業があり、地域の地下水を汚染し続けた。周辺住民に癌などの健康被害が多発したことから事件として発覚し、会社は多額の賠償金を支払って和解している。これは巨額の公害賠償金支払いの最初のケースになった。大きな関心を集めた同事件は、後に[[ジュリア・ロバーツ]]主演の『[[エリン・ブロコビッチ (映画)|エリン・ブロコビッチ]]』として映画化されている。
 
 
 
インドの{{仮リンク|スキンダ|en|Sukinda}}では、クロム鉱石の露天掘りが行われており、精錬から排出される六価クロムにより飲料水の6割が汚染されている。汚染により被害を受ける人口は潜在的に260万人にのぼると見られている<ref>{{Cite web
 
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|title = Sukinda, India - The World's Most Polluted Places
 
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== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
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== 参考文献 ==
 
-->
 
== 関連項目 ==
 
<!-- {{Commonscat|Hexavalent chromium}} -->
 
* [[RoHS]]
 
* [[土壌汚染]]
 
* [[地下水汚染]]
 
* [[クロム銅ヒ素系木材保存剤]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* {{Cite web
 
|author = 東京都江東区役所
 
|date = 2012-04-26
 
|url = http://www.city.koto.lg.jp/seikatsu/kankyo/7328/7331.html
 
|title = 六価クロム鉱さい問題
 
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2018/12/22/ (土) 22:02時点における最新版

六価クロム(ろっかクロム、: hexavalent chromium

酸化数6のクロム化合物の通称。クロム酸カリウムなど。酸化剤などとして広く用いられるが、触れると皮膚や鼻中に潰瘍(かいよう)を生じ、体内に蓄積すると肝臓障害や肺癌(はいがん)などを引き起こす。



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