南宮大社
南宮大社(なんぐうたいしゃ)は、岐阜県不破郡垂井町にある神社。旧称は南宮神社。式内社(名神大社)、美濃国一宮。旧社格は国幣大社で、現在は神社本庁の別表神社。
Contents
概要
岐阜県西部、南宮山の山麓に鎮座する。「国府の南に位置する宮」として「南宮」を名乗るようになったとされる。鉱山を司どる神である金山彦命を祭神としており、全国の鉱山・金属業の総本宮として古くから信仰を集めている。境内には江戸時代の遺構18棟が残っており、国の重要文化財に指定されている。式年遷宮は51年毎に行われる。
祭神
- 主祭神
- 金山彦命 (かなやまひこのみこと)
- 配神
- 彦火火出見命
- 見野命
歴史
社伝では、崇神天皇の時代に創建されたとされる。
平安時代中期の『延喜式神名帳』には「美濃国不破郡 仲山金山彦神社」と記載され名神大社に列している。また、美濃国一宮とされた。
1600年(慶長5年)、関ヶ原の戦いで焼失し、1642年に徳川家光が再建した。
1868年、神仏分離により神宮寺が分離移転した(現 朝倉山真禅院)。
近代社格制度のもとで、1871年に「南宮神社」として国幣中社に列し、1925年に国幣大社に昇格した。戦後、「南宮大社」と改称した。
神階
- 承和3年(836年)11月4日、従五位下 (『続日本後紀』) - 表記は「仲山金山彦大神」
- 承和13年(846年)5月8日、正五位下 (『続日本後紀』) - 表記は「中山金山彦神」
- 貞観元年(859年)正月27日、正三位 (『日本三代実録』) - 表記は「中山金山彦神」
- 貞観6年(864年)5月21日、従二位 (『日本三代実録』) - 表記は「中山金山彦神」
- 貞観15年(873年)4月5日、正二位 (『日本三代実録』) - 表記は「中山金山彦神」
- 康平5年(1062年)、正一位
境内
- 建造物
- Nangū Taisha shrine , 南宮大社 - panoramio (27).jpg
拝殿(重要文化財)
- 南宮大社 舞殿.JPG
高舞殿(重要文化財)
- 南宮大社 楼門.JPG
楼門(重要文化財)
- 本殿 - 重要文化財
- 幣殿 - 重要文化財
- その他
- 聖武天皇旧跡 - 大仏建立勅願所碑 など
- 南宮大社 瓦塚.JPG
瓦塚
社殿の古瓦を集めた塚。 - NanguuTaisya1.jpg
神社入口
- 南宮大社 大鳥居.JPG
大鳥居(高さ21m)
摂末社
境内社
本殿回廊内
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境内後方 境内前方
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- 樹下神社と隼人神社 (南宮大社境内社).JPG
樹下神社(左)と隼人神社
(重要文化財、間は矢竹) - 高山神社 (南宮大社境内社).JPG
高山神社(重要文化財)
- 南大神社 (南宮大社境内社).JPG
南大神社(重要文化財)
- 荒魂社 (南宮大社境内社).JPG
荒魂社
- 伊勢両宮 (南宮大社境内社).JPG
伊勢両宮
(本殿旧鎮座地) - 東照宮 (南宮大社境内社).JPG
東照宮
- 南宮稲荷神社 (南宮大社境内社).JPG
南宮稲荷神社
- 金敷金床神社 (南宮大社境内社).JPG
金敷金床神社
- 数立神社 (南宮大社境内社).JPG
数立神社
- 落合神社 (南宮大社境内社).JPG
落合神社
境外社
いずれも摂社。
- 美濃国二宮とされる。
- 現在は御旅所。美濃国総社とも伝えられる。
- Dairyo Jinja Tarui01.jpg
- Nanguu-otabi jinja2007-3.jpg
南宮御旅神社
(本社旧鎮座地)
主な祭事
- 2月 節分祭(大的神事)
- 5月4日 御田植祭
- 5月5日 例大祭(神行式、蛇山神事、還幸舞などの「南宮の神事芸能」:重要無形民俗文化財に指定)
- 6月30日 茅の輪くぐり(夏越の大祓式)
- 11月8日 ふいご祭(金山祭)
文化財
重要文化財(国指定)
建造物
(以上昭和41年指定)
(以上昭和46年指定) |
工芸品
(大正13年指定) 康光は、備前国長船の名匠。 室町時代の1398年(応永5年)、美濃守護・土岐頼益が奉納したものではないかとされている。厚さが八分(2.4㎝)と、普通の刀の3倍程もある大業物である。
(昭和9年指定) 日本で5本しかない平安時代の名刀「三条」の内の1振。「三条」は、平安時代の京都の名匠・三条宗近初代の作で県内随一の名刀とされている。年に一回、11月3日(文化の日)に一般公開される。
(大正14年指定) 鉾(無銘)二口は、奈良時代の鉄製の鉾。槍に似た形状をしているが、奈良時代に槍は存在しなかったため「鉾」と呼ばれている。 |
重要無形民俗文化財(国指定)
- 南宮の神事芸能 - 昭和54年指定
岐阜県指定重要文化財
- 刀剣
刀(銘 兼元) 二代兼元は不破郡赤坂(現在の大垣市赤坂町)に住み、刀匠として名をあげ、後に孫六と称した。「兼元」は通称「関係六」と呼ばれる。 [1]
- 紅糸中白威胴丸[2]
交通アクセス
- 鉄道
- バス
- 車
現地情報
- 所在地
- 参拝時間
- 5:00-18:00(祈祷・朱印は9:00-16:30)
- 周辺
脚注
参考文献
- 『日本歴史地名大系 岐阜県の地名』(平凡社)不破郡垂井町 南宮神社項
関連図書
- 安津素彦・梅田義彦編集兼監修者『神道辞典』神社新報社、1968年、44頁
- 白井永二・土岐昌訓編集『神社辞典』東京堂出版、1979年、259頁
- 上山春平他『日本「神社」総覧』新人物往来社、1992年、122-123頁
外部リンク