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{{再生可能エネルギー}}
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'''地熱発電'''(ちねつはつでん、じねつはつでん、{{lang-en-short|geothermal power}}
[[ファイル:Geothermal energy methods.png|right|thumb|200px|様々な地熱エネルギー]]
 
'''地熱発電'''(ちねつはつでん、じねつはつでん、{{lang-en-short|geothermal power}})とは、[[地熱]](主に[[火山]]活動による)を用いて行う[[発電]]のことである。[[再生可能エネルギー]]の一種であり、[[太陽]]の[[核融合]]エネルギーを由来としない、数少ない発電方法の一つでもある。[[ウラン]]や[[石油]]・[[石炭]]等のいずれは枯渇するエネルギーに依存せず、[[地球温暖化]]や[[大気汚染]]への対策手法ともなることから、環境保全とエネルギー安全保障の観点から各国で利用拡大が図られつつある。
 
  
== 概要 ==
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地下から得られる地熱流体を利用して発電すること。地下の蒸気,熱水のたまり場所を探査,発見し,それを掘ってパイプを挿入し,地表に蒸気や熱水を導き出し,タービンを回して電気を起す。天然蒸気でそのままタービンを回す方式と,天然蒸気を起源として蒸気を発生させ,タービンに送る方式とがある。世界的に有名なのはイタリアのラルデレロ発電所で,日本でも,1966年に日本重化学工業が岩手県松川で2万 kW,九州電力が 67年に阿蘇の大岳で 1.1万 kW,80年前後に八丁原で 5.5万 kW,東北電力が岩手県の葛根田で5万 kWの発電所を建設している。
[[ファイル:NesjavellirPowerPlant edit2.jpg|right|thumb|150px|[[アイスランド]][[レイキャヴィーク]]近郊に立地するアイスランド共和国最大の地熱発電所、Nesjavellir発電所]]
 
地熱発電は、[[地熱]]によって生成された[[水蒸気]]により[[発電機]]に連結された[[蒸気タービン]]を回すことによって[[電力]]を発生させる<ref name="ChinetsuTowa_2">[http://grsj.gr.jp/jgea/index1_1_2.html 地熱発電とは? 2.地熱発電のしくみ]</ref>。地熱という[[再生可能エネルギー]]を活用した発電であるため、運転に際していわゆる[[温室効果ガス]]の[[二酸化炭素]]の発生が[[火力発電]]に比して少なく、燃料の枯渇、高騰などの心配が少ない。また、[[太陽光発電]]及び[[風力発電]]といった他の主要な再生可能エネルギーを活用した発電と異なり、天候、季節、昼夜によらず安定した発電量を得られる。資源量も多く、特に日本のような火山国においては大きな潜在力を有すると言われる<ref name="criepi49"/><ref name="FIT">Feed-In Tariffs: Accelerating the Deplyment of Renewable Energy, Miguel Mendonca, World Future Council, ISBN 978-1-84407-466-2</ref>([[再生可能エネルギー#資源量]]を参照)。一方で「探査・開発に費用と期間を要する」「[[温泉]]の湧出湯量の減少・枯渇を懸念する[[観光]]業界や地元自治体からの反対」「初期費用が高い」「火山[[噴火]]などの自然災害に遭遇しやすい」といった難点もある。
 
  
== 技術方式 ==
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{{テンプレート:20180815sk}}
現在利用されている地熱発電の発電方式として、主にドライスチーム、フラッシュサイクル、バイナリーサイクルの3つの方式が用いられている<ref name="ENV_Teigen2010">[http://www.env.go.jp/earth/report/h22-05/index.html 低炭素社会づくりのためのエネルギーの低炭素化に向けた提言、低炭素社会づくりのためのエネルギーの低炭素化検討会、平成22年3月]</ref><ref name="DOE_EERE_TYPE">[http://www1.eere.energy.gov/geothermal/powerplants.html DOE, EERE, Geothermal Technologies Program, Hydrothermal Power Systems]</ref><ref name="INL_TYPE">[https://inlportal.inl.gov/portal/server.pt/community/geothermal/422/what_is_geothermal_energy_ Idaho National Laboratory, What is geothermal energy?]</ref>。さらに将来技術として、熱水・蒸気資源が無くとも発電可能な高温岩体発電の研究開発も行われている。また発電タービンで利用した後の蒸気の取扱いに関し、そのまま大気放出する方式を背圧式、蒸気を冷却して水に戻す方式を復水式と分類する。以下にそれぞれの詳細を説明する。
 
 
 
=== ドライスチーム ===
 
蒸気発電を行う場合、蒸気井から得られた蒸気がほとんど熱水を含まなければ、簡単な湿分除去を行うだけで蒸気タービンに送って発電を行う。このような発電方式をドライスチーム(dry steam)式と呼ぶ<ref name="DOE_EERE_TYPE"/>。日本での実施例に[[松川地熱発電所]]、[[八丈島地熱・風力発電所|八丈島発電所]]などがある。
 
 
 
=== フラッシュサイクル ===
 
[[File:Schematic-Condensing-Geothermal-PowerPlant-JP.PNG|thumb|right|250px|復水式地熱発電(シングルフラッシュ)設備の概略図<ref name="GRSJ_Chap5">[http://grsj.gr.jp/whatbook/chapter5.html 地熱学会、地熱エネルギー入門(翻訳)地熱資源の利用]</ref>]]
 
[[File:Schematic-DoubleFlash-Geothermal-PowerPlant-JP 01.PNG|thumb|right|250px|復水式地熱発電(ダブルフラッシュ)設備の概略図<ref name="METI_GE">[http://www.green-energynet.jp/energy/geothermal/index.html 資源エネルギー庁、グリーンエネルギーポータルサイト、地熱](「システム」タブをクリック)</ref>]]
 
 
 
; {{Anchor|シングルフラッシュサイクル}}
 
: 得られた蒸気に多くの熱水が含まれている場合、蒸気タービンに送る前に汽水分離器で蒸気だけを取り分ける必要がある。これを'''シングルフラッシュサイクル'''という<ref name="MHI">[http://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/451/451058.pdf 地熱発電のしくみとCO2 削減,三菱重工技報 VOL.45 NO.1: 2008]</ref>。日本の地熱発電所では主流の方式である<ref name="ENV_Teigen2010"/>。
 
; {{Anchor|ダブルフラッシュサイクル}}
 
: 蒸気を分離した後の熱水を減圧すれば、更に蒸気が得られる。この蒸気をタービンに投入すれば、設備は複雑となるが、15~25%前後の出力の向上及び地熱エネルギーの有効利用が可能となる<ref name="ENV_Teigen2010"/><ref name="METI_GE"/>。これを'''ダブルフラッシュサイクル'''という<ref name="ENV_Teigen2010"/><ref name="METI_GE"/>。日本では[[八丁原発電所]]及び[[森発電所]]で採用されている。
 
; {{Anchor|トリプルフラッシュサイクル}}
 
: 更に、ダブルフラッシュサイクルで蒸気を取り出した後の熱水を更に減圧して蒸気を取り出すトリプルフラッシュサイクルも存在する。ダブルフラッシュサイクルよりも設備は更に複雑となるが、出力の向上に伴うメリットは小さく、ニュージーランドなどに少数の例があるだけである。
 
 
 
=== バイナリーサイクル ===
 
[[File:Schematic-Geothermal-Binary-PowerPlant-JP.PNG|thumb|right|250px|地熱バイナリー発電設備の概略図<ref name="GRSJ_Chap5"/>]]
 
地下の温度や圧力が低いため地熱発電を行うことが不可能であり、熱水しか得られない場合でも、[[アンモニア]]、[[ペンタン]]、[[フロン]]など水よりも低沸点の[[熱媒体]](これを低沸点流体という)を、熱温水で沸騰させタービンを回して発電させることができる場合がある。これを'''バイナリー発電'''(binary cycle)という<ref name="ENV_Teigen2010"/>。
 
 
 
; 温泉発電(温泉水温度差発電)
 
: 直接入浴に利用するには、高温すぎる温泉(例えば70~120℃)の熱を50℃程度の温度に下げる際、余剰の熱エネルギーを利用して発電する方式である<ref name="ENV_Teigen2010"/><ref name="NEDO_Onsen">[http://www.nedo.go.jp/activities/other09/h14/h14seikatenji/04_01.pdf 自然冷媒アンモニアによる温泉水温度差発電システム]{{リンク切れ|date=November 2013}}</ref>。熱交換には専らバイナリーサイクル式が採用される。
 
 
 
: 発電能力は小さいが、占有面積が比較的小規模ですみ、熱水の熱交換利用するだけなので、既存の温泉の源泉の湯温調節設備('''温泉発電''')として設置した場合は、源泉の枯渇問題や、有毒物による汚染問題、熱汚染問題とは無関係に発電可能な方式である。 地下に井戸を掘るなどの工事は不要であり確実性が高く、地熱発電ができない温泉地でも適応可能であるなどの利点がある。
 
 
 
: 日本では[[イスラエル]]の[[:en:Ormat Industries|オーマット]]社製のペンタンを利用した発電設備が[[八丁原発電所]]で採用されている。発電設備1基あたりの能力は2MW(BWR-4型原発のおよそ400分の1の定格で一般家庭に換算して数百世帯から数千世帯分の需要を賄う)で、設置スペースは幅16メートル、奥行き24メートルとコンビニエンスストア程度の敷地内に発電設備が設置されている。朝日新聞の報道によれば、日本国内にはバイナリー発電に適した地域が多く、全国に普及すれば原子力発電所8基に相当する電力を恒久的に賄うことが可能であるとの経済産業省の見解がある<ref>[http://www.asahi.com/business/topics/economy/TKY201003070322.html Asahi.com 温泉発電広がるか 60度でOK、設備も小型 2010年3月8日1時58分配信]</ref>。
 
 
 
=== 高温岩体発電 ===
 
{{Main|高温岩体地熱発電}}
 
 
 
天然の熱水や蒸気が乏しくても、地下に高温の岩体が存在する箇所を水圧破砕し、水を送り込んで蒸気や熱水を得る'''高温岩体発電'''(hot dry rock geothermal power; HDR、またはEnhanced Geothermal System; EGS)の技術も開発されている<ref name="criepi49"/><ref name="MIT_EGS">[http://geothermal.inel.gov/publications/future_of_geothermal_energy.pdf The Future of Geothermal Energy, Massachusetts Institute of Technology, 2006]</ref>。地熱利用の機会を拡大する技術として期待されている<ref name="criepi49">[http://criepi.denken.or.jp/research/review/No49/index.html 電中研レビューNo.49 未利用地熱資源の開発に向けて -高温岩体発電への取り組み-]</ref>。既存の温水資源を利用せず温泉などとも競合しにくい技術とされ、日本では38GW (38,000MW) 以上(大型発電所40基弱に相当)におよぶ資源量が利用可能と見られている<ref name="criepi49"/>。多くの技術的課題は解決している。2000年から、2年間実証実験、発電が実施されたが、{{いつ範囲|現在は|date=2018年2月}}コスト増を理由に中止されている<ref>[http://www.env.sci.toho-u.ac.jp/topics/017235.html 東邦大学、高温岩体発電方式]</ref>。
 
また{{いつ範囲|現在の技術|date=2018年2月}}ならばコストも9.0円/kWhまで低減する可能性が指摘されているが、日本国のように地下構造の変化の大きい地域で、240MW の発電所建設が可能かどうか調査が必要としている<ref name="criepi49"/>。
 
 
 
2008年には、[[google]]がベンチャー企業などに1000万ドルを出資して話題になった<ref>[http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080820/313037/ Google.org, 地熱発電の新技術開発に1000万ドル強を投資 、2008年8月]</ref>。2010年時点では、[[オーストラリア]]のジオダイナミクス社によって75MWの大規模な高温岩体地熱発電プラントの建設が進められている<ref>[http://eco.nikkeibp.co.jp/article/special/20100721/104312/?P=2 国内全土で開発可能 日本に適した高温岩体地熱発電 、2010年7月] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20110712013830/http://eco.nikkeibp.co.jp/article/special/20100721/104312/?P=2 |date=2011年7月12日 }}</ref>。
 
 
 
=== マグマ発電 ===
 
さらに将来の構想として、[[マグマ溜り]]近傍の高熱を利用する'''マグマ発電'''の検討が行われている。開発に少なくとも50年はかかると言われる<ref name="TokyoNP_Brown"/>が、潜在資源量は6TW(6千万MW)におよぶ<ref name="criepi49"/>と見積もられ、これを用いると日本の全電力需要の3倍近くを賄えるだろうと言われている<ref name="TokyoNP_Brown"/>。
 
 
 
=== 背圧式と復水式 ===
 
[[File:Schematic-Atmospheric-Exhaust-Geothermal-PowerPlant-JP.PNG|thumb|right|250px|背圧式地熱発電(シングルフラッシュ)設備の概略図<ref name="GRSJ_Chap5"/>]]
 
地熱発電で利用されるタービンには、背圧式と復水式がある<ref name="IAE">[http://www.iae.or.jp/publish/pdf/1989-1.pdf 新エネルギーの展望 地熱発電、エネルギー総合工学研究所、12ページ(PDFの15ページ)]</ref>。
 
 
 
背圧式タービンは、タービンで利用した後の蒸気を大気に放出する。後述の復水式に比べおよそ2倍の蒸気を必要とする一方、設備が簡易で安価であり、開発・試験・予備等が目的の設備に向く<ref name="GRSJ_Chap5"/>。比較的短期間で製作・設置が可能であり、主に数MW程度の小規模設備で用いられる<ref name="GRSJ_Chap5"/>。
 
 
 
復水式タービンは、タービン利用後の蒸気を復水器で凝結させて水にする。設備が複雑で工期も長くなるが、蒸気の利用効率は高くなる<ref name="GRSJ_Chap5"/>。比較的大規模な設備で用いられる<ref name="GRSJ_Chap5"/>。
 
 
 
== 関連技術 ==
 
=== 井戸 ===
 
蒸気を採取するための坑井(蒸気井・生産井)の深さは、地下の構造や水分量などによって異なり、数10mから3,000mを超えるものまで様々である<ref name="ARGEDJ">Annual Report on Geothermal Energy Development in Japan - 2002 -</ref>。通常は1km以上3km以下である<ref name="GIA_IPCC">[http://www.geothermal-energy.org/113,news,id,11.html Fridleifsson, I.B., R. Bertani, E. Huenges, J. W. Lund, A. Ragnarsson, and L. Rybach 2008. The possible role and contribution of geothermal energy to the mitigation of climate change. In: O. Hohmeyer and T. Trittin (Eds.) IPCC Scoping Meeting on Renewable Energy Sources, Proceedings, Luebeck, Germany, 20-25 January 2008, 59-80.] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20120516114614/http://www.geothermal-energy.org/113,news,id,11.html |date=2012年5月16日 }}</ref>。掘削には[[油井]]と同様の設備、技術が多く用いられている<ref>[http://drilling-technology.jpn.com/kind_well/index3.html 掘削技術.COM]</ref>が、石油井などではやっかいなトラブルとされる逸水という現象が、地熱井においては地熱貯留層との交錯を意味するため、掘削の方針や方法は必ずしも同様であるとは言えない<ref>[http://www.sk-eng.co.jp/business/02.html エスケイエンジニアリング株式会社 事業案内 地熱掘削]</ref>。
 
 
 
蒸気発電およびバイナリー発電では、発電に使った蒸気(復水器で凝縮されて水になる)や余った熱水を地表に放出・放流させると地下の蒸気や熱水が枯渇してしまうおそれがある。また、熱水に含まれる金属などの成分が、河川や湖沼の水質に影響を与えることも懸念される。そのため、発電に使用した後の蒸気や熱水は坑井([[井戸]])を通じて地下に戻すことが行われる。これを'''還元'''という。還元用の井戸(還元井、かんげんせい)は蒸気井よりも浅いことが多い。還元井は当初から還元井として掘削される他に、勢いの衰えた蒸気井が転用されることもある。
 
 
 
一方、還元する量が多すぎたり場所が悪かったりすると、地中の温度を下げたり、地中の蒸気や熱水の流れを乱してしまい、発電に利用可能な蒸気や熱水が得られなくなることがあるため、還元の際は適切な場所や量を選定する必要がある。
 
 
 
=== 貯留層管理 ===
 
蒸気や熱水が溜まっている地中の部位は貯留層と呼ばれるが、貯留層の温度や水分を維持するために蒸気の利用や還元を計画・実施することを、'''貯留層管理'''という。貯留層管理は、地熱資源を持続的に利用するために重要な技術である。
 
 
 
== 複合的な利用 ==
 
発電に伴う余熱や温水を、複合的に利用する事例もある。余熱を温室栽培に活用<ref name="Sankei_Hachijo">[http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/110819/cpc1108190502000-n2.htm 脚光浴びる地熱発電(4)地産地消 島の生活支える、SankeiBiz、2011.8.19] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20120521035949/http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/110819/cpc1108190502000-n2.htm |date=2012年5月21日 }}</ref>したり、温水を利用すると共に発電所自体を観光資源にしている例<ref name="Sankei_Hachiman">[http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/110818/cpc1108180503000-n2.htm 脚光浴びる地熱発電(3)温泉地と対立“30年戦争”、SankeiBiz、2011.8.18] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20120521044817/http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/110818/cpc1108180503000-n2.htm |date=2012年5月21日 }}</ref>等が見られる。
 
 
 
== 環境への影響 ==
 
=== 環境性能 ===
 
地熱発電は[[地熱]]のエネルギーを利用して発電し、発電時に[[化石燃料]]を燃焼させる必要が無い。このため発電量あたりの[[二酸化炭素]]排出量が低く、建設等に要したエネルギーも通常1年程度で回収できる<ref name="METI_Chinetsu_6_1">[http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g90525c13j.pdf 地熱発電について、資源エネルギー庁・地熱発電に関する研究会における検討、資料6-1]</ref><ref name="AIST_EPT">[http://unit.aist.go.jp/rcpvt/ci/about_pv/e_source/RE-energypayback.html 再生可能エネルギー源の性能、産業技術総合研究所]</ref>。ただし、[[火山性ガス]]には二酸化炭素が含まれることが多く、例えば[[柳津西山地熱発電所]]のように、発電量あたりの二酸化炭素排出量がガス火力発電並に大きい場合もある<ref name="geothermal_power_h2304">[http://www.env.go.jp/nature/geothermal_power/conf/h2304/ref02.pdf 地熱発電事業に係る自然環境影響検討会(第4回)資料]</ref>。
 
 
 
=== 地震の誘発 ===
 
地下との熱水の出入りにより微小な地震が発生することがある。ただし、通常は高感度な地震計でしか感知できないような[[気象庁震度階級|無感地震]]である<ref name="Nyuumon_Kankyo"/>。また、大規模な地震を誘発させた例もない<ref name="Nyuumon_Kankyo">[http://grsj.gr.jp/whatbook/chapter6.html 日本地熱学会、地熱エネルギー入門 環境影響、2010年12月閲覧]</ref>。
 
 
 
小規模地震が多発した例としては[[スイス]]の[[バーゼル]]における地熱発電では、2006年から開発がすすめられたが、[[マグニチュード|M]]3クラスの地震が頻繁に発生して家屋や建物に約700 万スイスフランの被害を及ぼし、調査の結果、開発を続行した場合、最大M4.5 程度の地震の誘発が起こり得ることが指摘されたため2009年に開発中止になった。
 
 
 
=== 温泉 ===
 
日本においては影響が出た事例はないが、海外においては温泉の還元不足などから、地熱発電が温泉に影響を与えた例がいくつか確認されており、日本のように還元井での資源管理や環境対策が行われていなかったり、規模の違いが海外の事例においては指摘されている<ref>[http://www.env.go.jp/policy/assess/4-1report/file/h22_05c.pdf 影響発現事例 環境省]</ref>。これらの基本的な対策がなされた場合、原理的には温泉の湧出量減少の原因となることはない。
 
 
 
== 発電量とコスト ==
 
地熱発電は、計画から建設までに10年以上の期間を要し、井戸の穴掘りなど多額の費用がかかる<ref name="エネルギー学会2013">「平成24年における重要なエネルギー関連事項 II エネルギー資源の利用技術の進展と研究動向 5. 自然エネルギー 5.3 地熱」『日本エネルギー学会誌』 2013年、第92巻、第9号、806-808頁。</ref>。しかし稼働後は他の自然エネルギーと比しても高い費用対効果があり、2005年での調査では8.3円/kWhの発電コストが報告されている<ref name="NEDOreport_H17">[http://www.nedo.go.jp/informations/other/180929_1/21f.pdf NEDO, 「需要に応じた電源開発の着実な推進」平成17年度 事業原簿(ファクトシート)、平成18年9月]{{リンク切れ|date=November 2013}}</ref>。特に、九州電力の[[八丁原発電所]]では、燃料が要らない地熱発電のメリットが減価償却の進行を助けたことにより、近年になって7円/kWhの発電コストを実現している。
 
しかしながら2013年度の[[固定価格買い取り制度]]においての買取価格は 15MW未満(40円+税)15MW以上(26円+税)<ref name="saiene/kaitori/kakaku" >[http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/kaitori/kakaku.html 買取価格・期間等]</ref>であり、今後新設される地熱発電所について利用者側からみた価格は他の自然エネルギーと比べても高い。
 
 
 
== 日本における地熱発電 ==
 
=== 歴史 ===
 
[[1919年]]に[[大日本帝国海軍|帝国海軍]][[中将]]・[[男爵]][[山内万寿治]]が、[[大分県]][[別府市|別府]]で地熱用噴気孔の掘削に成功し、[[1925年]]、これを引き継いだ[[東京電灯]]研究所長・[[太刀川平治]]が実験発電に成功した。これが日本での最初の地熱発電とされる<ref>[http://grsj.gr.jp/jgea/index1_4.html 地熱発電の歴史 地熱調査会]{{Cite web |title = 地熱開発の歴史|地熱発電について |publisher = [[資源エネルギー庁]] |date = 2014 |url = http://www.enecho.meti.go.jp/category/resources_and_fuel/geothermal/explanation/development/about/history/ |accessdate = 2015-1-1 |archiveurl = https://web.archive.org/web/20140613180725/http://www.enecho.meti.go.jp/category/resources_and_fuel/geothermal/explanation/development/about/history/ |archivedate = 2014年6月13日 |deadlinkdate = 2017年9月 }}[http://geothermal.jogmec.go.jp/history/history.html これまでの歴史 | JOGMEC地熱資源情報]、[http://kodomo.nishinippon.co.jp/quiz/20120820/20120820_0001.shtml 日本で初めて地熱発電が行われた場所は? / 西日本新聞]</ref>。しかし出力にして1.12kWと微力であったことから、山内の死後程なくして地熱発電の実用化は立ち消えとなった。実用の地熱発電所としては、[[1966年]][[10月8日]]に[[松川地熱発電所]]([[岩手県]][[八幡平市]])が営業運転を始めたのが最初となる。
 
 
 
=== 現状 ===
 
日本における地熱発電の発電量は、[[2010年]]段階でおよそ530MW、他の発電を含めた総発電量のわずか0.2%である<ref name="地熱学会緊急提言">{{Cite web|date=2010-06-23|url=http://wwwsoc.nii.ac.jp/grsj/proposal/proposal2010.pdf|title=経済産業省 行政事業レビュー 「中小水力・地熱発電開発費等補助金」に関する取りまとめ結果に関する緊急提言|format=PDF|publisher=地熱学会|accessdate=2011-08-31|archiveurl=https://web.archive.org/web/20110811012717/http://wwwsoc.nii.ac.jp/grsj/proposal/proposal2010.pdf|archivedate=2011年8月11日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>。これは中規模の原子炉1基分の発電量に相当する。地熱発電が比較的盛んな[[九州]]においても、総発電量の2%にすぎない。日本において地熱発電の普及が低迷してきたのは、開発に際する[[国定公園]]、[[国立公園]]の規制と、温泉地からの反発が主な理由だと言われている(詳細後述)。
 
 
 
それでも日本列島は火山の多い環境のため、日本国内の地熱発電の埋蔵量は多く、約33GW(33,000MW)にもなると見積もられている<ref name="Env_Potential_H22">[http://www.env.go.jp/earth/report/h23-03/index.html 平成22年度 再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査調査報告書、環境省、平成23年3月]</ref><ref>地形や法規制等の制約を考慮した「導入ポテンシャル」は約14.2GW(14,200MW)、経済的要因等の仮定条件に沿った「シナリオ別導入可能量」では1.08〜5.18GW</ref>。燃料の大部分を国外からの輸入に頼る日本としては貴重な国産エネルギーともなりうるため<ref name="Goo20071220">[http://eco.goo.ne.jp/news/law/law_20071220_79.html Gooニュース 2007年12月20日の記事](経産省が新エネルギーに小水力と地熱を追加)</ref>、地熱発電の開発を積極的に進めるべきとの指摘がなされている<ref name="TokyoNP_Brown">[http://s01.megalodon.jp/2008-0624-0418-23/www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2008062302000111.html 「日本はもっと地熱発電を 米国の環境学者 レスター・ブラウン氏提言」]『中日新聞』2008年6月23日 2008年6月24日にWebアーカイブ 2009-10-29閲覧</ref>。
 
 
 
また地熱発電に関わる日系企業の技術は高く、140MWと1基としては世界最大出力の地熱発電プラント(ナ・アワ・プルア地熱発電所-[[:en:Nga Awa Purua Power Station|英語版]])を[[富士電機システムズ]](現在は[[富士電機]](旧富士電機HD)に吸収合併)、さらにそれを上回る166MWのタービン発電機(テ・ミヒ地熱発電所-[[:en:Te Mihi Power Station|英語版]])を東芝が[[ニュージーランド]]に納入するなど<ref name="Fuji Electric Holdings">[http://www.fujielectric.co.jp/about/news/10051702/index.html 世界最大の地熱発電設備の運転開始について] 富士電機ホールディングス株式会社 2010年5月17日</ref><ref name="エネルギー学会2013"/>、2010年の時点で、富士電機、[[東芝]]、[[三菱重工業|三菱重工]]の日本企業3社が世界の地熱発電設備容量の70%のプラントを供給している<ref name="地熱学会緊急提言"/><ref>加納浩志「地熱発電で世界を席巻する日本企業の戦略」『月刊 ビジネスアイ エネコ』2011年8月号、第44巻、36-39頁。</ref>。
 
 
 
一方、日本国内の地熱発電に関わる研究は長年冷遇されており、[[1997年]]の[[電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法|新エネ法]]で地熱発電が新エネルギーから除外され、国内での研究がほとんど行われない状態が続いていた。[[2003年]]から始まった「[[電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法|電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)]]」の対象となる地熱事業は「熱水を著しく減少させないもの」という条件付きで、実質的に蒸気フラッシュ型が認定を受けにくい制度であったことから、日本国内の市場展開も滞り、文字通り2000年代は地熱の「冬の時代」が続いていた<ref name="jref_hensen">[http://jref.or.jp/energy/geothermal/develop.php 日本の地熱発電容量の変遷]</ref>2008年にバイナリー発電のみ新エネルギーに復帰し、地熱発電の主要をなすフラッシュ発電の可能性が制度上なくなった。<ref name="iae200901Vol31">[http://www.iae.or.jp/publish/kiho/pdf/200901_Vol31_No4.pdf 世界と日本の地熱エネルギー開発動向]</ref>。同年、経済産業省で地熱発電に関する研究会を発足<ref>[http://www.meti.go.jp/committee/materials2/data/g81201aj.html 経済産業省、地熱発電に関する研究会(第1回)-配付資料]</ref><ref>[http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004561/index01.html 経済産業省、地熱発電に関する研究会議事要旨(第1回)-議事要旨]</ref><ref>[http://www.meti.go.jp/committee/materials2/data/g90130bj.html 経済産業省、地熱発電に関する研究会(第2回)-配付資料]</ref><ref>[http://www.meti.go.jp/committee/materials2/data/g90312aj.html 経済産業省、地熱発電に関する研究会(第3回)-配付資料]</ref>、2010年度には、地熱発電の開発費用に対する補助金を引き上げを検討はしたものの、実現には程遠い状態であった。<ref>[http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090324AT3S2302023032009.html 「地熱発電、補助引き上げ 経産省、3分の1程度に」『日経新聞』2009年3月24日朝刊] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20090327101105/http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090324AT3S2302023032009.html |date=2009年3月27日 }}</ref>。2010年には民主党政権の[[事業仕分け (行政刷新会議)|事業仕分け]]の対象に「地熱開発促進調査事業」と「地熱発電開発事業」が含まれることになり存続そのものが危ぶまれたが<ref>[http://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/koukaiprocess.html 行政事業レビュー「公開プロセス」(METI/経済産業省)「中小水力・地熱発電開発費等補助金」]</ref>、[[2011年]]の[[東日本大震災]]とそれに伴う[[福島第一原子力発電所事故]]により、再生可能エネルギー開発の一環として、地熱発電の新規開発に向けた規制緩和に関心が持たれるようになった。例えば、環境省は同年6月にも地熱発電所設置における二大課題である「国定・国立公園に関わる規制」および「温泉施設に対する影響評価」の見直しを始めた<ref>{{Cite web|url=http://www.env.go.jp/nature/geothermal_power/index.html|title=地熱発電事業に係る自然環境影響検討会(平成23年度)|publisher=環境省|accessdate=2011-12-09}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.env.go.jp/nature/onsen/council/index.html|title=審議会等 [温泉の保護と利用]「地熱資源開発に係る温泉・地下水への影響検討会」|publisher=環境省|accessdate=2011-12-09}}</ref>。翌[[2012年]]には、地熱発電を含む再生可能エネルギーによる電力の買取価格を、15年間の間1kWあたり42円と決定した。さらに国定・国立公園に関わる規制の緩和も進み、後述する小規模地熱発電の稼働に向け多数調査、計画が始められている。
 
 
 
=== 国定・国立公園との関係 ===
 
地熱発電の設立が、日本で積極的に進まなかった大きな理由の一つとして、発電所の候補地の多くが[[国定公園]]、[[国立公園]]に指定されていることがあった。[[1972年]](昭和47年)に当時の[[経済産業省|通商産業省(現・経済産業省)]]と[[環境省]]の間で交わされた「既設の発電所を除き、国立公園内に新たな地熱発電所を建設しない」ことを約する覚書<ref>{{cite news |title=地熱エネルギーブームに乗り遅れる日本 九州大学の江原教授に聞く|author=編集委員 滝順一|newspaper=日経新聞 |date=2011-08-31 |url=http://www.nikkei.com/tech/ecology/article/g=96958A9C889DE1E6E1EAE4E3E1E2E1E2E2EAE0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;dg=1;df=2;p=9694E2E4E2E7E0E2E3E2E3E7E5E7|accessdate=2011-08-31}}</ref>により、事実上発電所の新設が認められていなかったのである。
 
 
 
日本地熱学会などの推進派は、国立公園内にも巨大ダムや大型施設が立地していることから、環境省の裁量次第で地熱発電の建設ができると反論していた。<ref name="地熱学会">
 
[http://staff.aist.go.jp/toshi-tosha/geothermal/gate_day/presentation/METI1-Noda.pdf 地熱発電所の周辺温泉への影響について]</ref>)。環境庁も前述の通り2011年から見直しに入り、2012年には国立公園内の開発工事が届出が不要になるなど、規制緩和が進んでいる。
 
 
 
=== 温泉地との争い ===
 
地熱発電の開発が進まないもう一つの大きな理由として、周辺の温泉地からの反対があった。これは、地熱発電の新設により、温泉の枯渇、湯量の低下、温泉の温度低下、景観を損なうおそれがある反発が根強い。実際、日本温泉協会が地熱開発に反対を表明している<ref>[http://www.ryoko-net.co.jp/modules/headline/index.php?page=article&storyid=1248 ヘッドライン : 『温泉と地熱開発、“共存できない”(日本温泉協会)』]</ref>。また、[[群馬県]]の[[嬬恋村]]では[[2008年]](平成20年)に地熱発電の計画が浮上したが、その予定地が[[草津温泉]]の源泉から数[[キロメートル|km]]しか離れていないため、温泉に影響が出る可能性が必ずしも排除できないとして[[草津町]]が反対を表明した<ref name="Mainichi">[http://mainichi.jp/area/gunma/news/20080619ddlk10010155000c.html 毎日新聞、2008年6月19日の記事]{{リンク切れ|date=November 2013}}(財政再建を願う嬬恋村が発電所建設を求めるも、温泉を擁する草津町が反対)</ref>。草津温泉では、地熱発電と温泉との因果関係の有無を検証するための地下ボーリング調査等を行うことにも反対している。
 
 
 
しかし、地熱発電推進派からは、地下の地熱エネルギーおよび温泉資源についての科学的調査の結果、日本においては地熱発電所の開発規模が外国と比較して小さいこ
 
とや地熱資源の維持に細心の注意が払われているから、地熱発電所が温泉などの周辺環境に影響を与えた事例が一例もない<ref>ただし、海外においては地熱発電所が温泉などの周辺環境に影響を与えた事例として、ニュージーランドのワイラケイやフィリピンのティウィなどの例が確認されている。もっとも前述の通り資源管理や規模の違いなど一概に比べられるものでもないとされている。</ref>とも反論されている<ref name="地熱学会"/>。また、地熱発電所と温泉・観光地との共存共栄は可能であるとの見解を示している<ref>[http://staff.aist.go.jp/toshi-tosha/geothermal/onsen/report/Final_130510.pdf 日本地熱学会、報告書「地熱発電と温泉利用との共生を目指して」、2010年6月(PDF)]</ref>。
 
 
 
温泉地からの反対は、地下熱源の利用を巡り、地熱発電所と周辺の温泉とを調停する仕組みが確立されていないため解決が難しくなっている、という指摘もある<ref>『毎日新聞』2012年8月25日。</ref>。例えば、利水利用に当っては、[[水争い]]といわれるような歴史があり、上流の地域が利水権を独占することはなく、上流と下流とが調停する習慣が古くからあった。しかし地下熱源に関しては、これまで温泉業者だけが、[[温泉権]]を独占し既得権益としてきた。そのため地下熱源を巡っても、地熱発電と温泉地との間で協議できる調停の仕組みが、新たに必要だと言う。
 
 
 
=== 日本の地熱発電所 ===
 
{{座標一覧|節=日本の地熱発電所}}
 
[[ファイル:Plant YanaduNishiyama 01.jpg|right|thumb|150px|柳津西山地熱発電所]]
 
 
 
[[火山]]の多い[[東北地方]]や[[九州地方]]の一部に集中している。
 
北海道電力、九州電力の発電所名には『[[地熱]]』がつかない。[[八丁原発電所]]では、近年になって7円/kWhの発電コストを実現している。
 
 
 
地下の地熱貯留層を管理し、地熱を枯渇させないためには、プラント1基あたりの発電能力は一般的な[[水力発電]]と同等の数十MW程度と小規模となる。プラントは小規模ながら、計画的な消耗品の交換と貯留層の管理を行うことによって、長期間にわたって安定した電力を供給でき、なおかつ事故のリスクも小さいことから、エンジニアリングに精通している極少数の労働者によって運転や保守点検が行われている。現在、消耗品や貯留層の管理にかかるコストの高さが、国内での地熱発電の普及を妨げる障害となっている。
 
 
 
その他、[[カウンターテロリズム]]の観点から地熱発電に注目すると、[[重要防護施設]]としての性質上、[[ゲリラコマンド]]や[[不審船]]からの襲撃に備えて[[原子力関連施設警戒隊]]の常駐が行われている原子力発電所や、防災上、一定の能力を有する[[自衛消防組織 (危険物)|自衛消防組織]](自衛消防隊)の常駐が必要な火力発電所など、他の発電方式と比べてセキュリティ上の懸念も少ないことから、無人で運転されている発電所が多い。
 
 
 
無人の発電所の様子は、遠隔地にある施設に勤務しているオペレーターから[[データ通信]]を用いて常時監視され、必要に応じて専門家が現地に赴いて管理や修繕作業等を実施する。
 
 
 
{|class="wikitable sortable mw-datatable"
 
|+日本の地熱発電所一覧
 
|-
 
!都道県
 
!都市
 
!発電会社
 
!class="unsortable"|発電所
 
!class="unsortable"|位置
 
!容量<br />(MW)
 
|-
 
|[[北海道]]||[[森町 (北海道)|森町]]||[[北海道電力]]||[[森発電所]]||{{ウィキ座標|42|8|1.5|N|140|27|19.2|E|region:JP|地図|name=北海道電力 森発電所}}||{{0}}{{0}}25
 
|-
 
|rowspan="2" |[[岩手県]]||[[八幡平市]]||[[東北水力地熱]]||[[松川地熱発電所]]{{sup|†}}||{{ウィキ座標|39|52|19|N|140|55|14.4|E|region:JP|地図|name=東北水力地熱 松川地熱発電所}}||{{0}}{{0}}23.5
 
|-
 
|[[雫石町]]||[[東北電力]]||[[葛根田地熱発電所]]||{{ウィキ座標|39|49|44.9|N|140|51|53.6|E|region:JP|地図|name=東北電力 葛根田地熱発電所}}||{{0}}{{0}}80
 
|-
 
|[[宮城県]]||[[大崎市]]||[[電源開発]]||[[鬼首地熱発電所]]||{{ウィキ座標|38|48|35.5|N|140|42|30.3|E|region:JP|地図|name=電源開発 鬼首地熱発電所}}||{{0}}{{0}}15
 
|-
 
|rowspan="3" |[[秋田県]]||[[湯沢市]]||東北電力||[[上の岱地熱発電所]]||{{ウィキ座標|39|0|6.2|N|140|36|14.6|E|region:JP|地図|name=東北電力 上の岱地熱発電所}}||{{0}}{{0}}28.8
 
|-
 
|rowspan="2" |[[鹿角市]]||東北電力||[[澄川地熱発電所]]||{{ウィキ座標|39|58|53.4|N|140|46|55.3|E|region:JP|地図|name=東北電力 澄川地熱発電所}}||{{0}}{{0}}50
 
|-
 
|[[三菱マテリアル]]||[[大沼地熱発電所]]{{sup|†}}||{{ウィキ座標|39|59|8.6|N|140|48|18.7|E|region:JP|地図|name=三菱マテリアル 大沼地熱発電所}}||{{0}}{{0}}{{0}}9.5
 
|-
 
|[[福島県]]||[[柳津町]]||東北電力||[[柳津西山地熱発電所]]||{{ウィキ座標|37|26|24.9|N|139|41|39|E|region:JP|地図|name=東北電力 柳津西山地熱発電所}}||{{0}}{{0}}65
 
|-
 
|[[東京都]]||[[八丈町]]||[[東京電力]]||[[八丈島地熱・風力発電所]]||{{ウィキ座標|33|4|28.8|N|139|48|46|E|region:JP|地図|name=東京電力 八丈島地熱・風力発電所}}||{{0}}{{0}}{{0}}3.3
 
|-
 
|[[長崎県]]||[[雲仙市]]||[[洸陽電機]]||[[小浜温泉バイナリー発電所]]||||{{0}}{{0}}{{0}}0.18
 
|-
 
|[[熊本県]]||[[小国町 (熊本県)|小国町]]||[[廣瀬商事]]||[[岳の湯発電所]]{{sup|†}}||{{ウィキ座標|33|9|23.8|N|131|8|3.8|E|region:JP|地図|name=廣瀬商事 岳の湯発電所(詳細な所在地不明)}}||{{0}}{{0}}{{0}}0.05
 
|-
 
|rowspan="6" |[[大分県]]||[[別府市]]||[[杉乃井ホテル]]||[[杉乃井ホテル#杉乃井地熱発電所|杉乃井地熱発電所]]{{sup|†}}||{{ウィキ座標|33|16|55.1|N|131|28|14.5|E|region:JP|地図|name=杉乃井ホテル 杉乃井地熱発電所}}||{{0}}{{0}}{{0}}1.9
 
|-
 
|rowspan="5" |[[九重町]]||[[九州電力]]||[[大岳発電所]]||{{ウィキ座標|33|7|17.9|N|131|11|24.8|E|region:JP|地図|name=九州電力 大岳発電所}}||{{0}}{{0}}12.5
 
|-
 
|九州電力||[[八丁原発電所]]||{{ウィキ座標|33|6|18.1|N|131|11|15.2|E|region:JP|地図|name=九州電力 八丁原発電所}}||{{0}}112
 
|-
 
|九州電力||[[滝上発電所]]||{{ウィキ座標|33|12|41.1|N|131|16|23|E|region:JP|地図|name=九州電力 滝上発電所}}||{{0}}{{0}}27.5
 
|-
 
|[[牧の戸温泉|九重観光ホテル]]||[[九重地熱発電所]]{{sup|†}}||{{ウィキ座標|33|6|33|N|131|13|12.4|E|region:JP|地図|name=九重観光ホテル 九重地熱発電所}}||{{0}}{{0}}{{0}}1
 
|-
 
|[[九電みらいエナジー]]||[[菅原バイナリー発電所]]||||{{0}}{{0}}{{0}}5
 
|-
 
|rowspan="3" |[[鹿児島県]]||[[指宿市]]||九州電力||[[山川発電所]]||{{ウィキ座標|31|11|27|N|130|36|51.2|E|region:JP|地図|name=九州電力 山川発電所}}||{{0}}{{0}}30
 
|-
 
|rowspan="2" |[[霧島市]]||九州電力||[[大霧発電所]]||{{ウィキ座標|31|55|54.6|N|130|47|52.3|E|region:JP|地図|name=九州電力 大霧発電所}}||{{0}}{{0}}30
 
|-
 
|[[大和紡観光]]||[[霧島国際ホテル地熱発電所]]{{sup|†}}||{{ウィキ座標|31|53|40.4|N|130|49|42.4|E|region:JP|地図|name=大和紡観光 霧島国際ホテル地熱発電所}}||{{0}}{{0}}{{0}}0.2
 
|- class="sortbottom"
 
!colspan="5"|合計
 
|514.88
 
|}
 
*†印が付されたものは自家用発電所
 
*八丈島の地熱発電は、2014年度に発電量を3倍に増設し、[[揚水発電]]も併設される予定<ref>[http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2013/01/20n14100.htm 東京都、八丈島における地熱発電の大幅拡大]2013年1月4日</ref>であったが、その後揚水発電をとりやめて蓄電池を活用することに変更、また工事の時期も延期されている。
 
このほか、検討中・工事中等のものとしては、下記のものがある。
 
*[[栃木県]](調査):温泉発電の調査中。発電コストは20円/kW以下の見通し<ref>東洋経済オンライン、大分・湯布院の温泉旅館に神戸製鋼のバイナリー発電ユニットを、初導入、2012/03/27</ref><ref>栃木県、「温泉発電」導入へ調査、 県が本年度、事業化協議 (10月22日)</ref>。発電量に比例するが、小規模買取価格42円で大きな利益がみこまれている。
 
* 大分県[[別府温泉]](実施?):大分県別府市では、以前から住宅地に温泉供給していたが、この供給前の100度以上の温泉熱エネルギーによりバイナリー発電を「瀬戸内エナジー」が実施し九州電力に40-50kWの売電を2013年明けから予定<ref>大分県、別府市、地熱で初の固定価格買い取り(2012年12月3日07時47分  読売新聞。</ref><ref>スマートジャパン>自然エネルギー:温泉水が冷めても蒸気で加熱、日本初の温泉発電施設の建設開始</ref>。機器は、神戸製鋼所の小型バイナリー発電システム「MB-70H」。1台当たりの最大出力は60kW。
 
* 大分県[[湯布院温泉]](工事中)<ref name="jiji201203">[http://www.jiji.com/jc/zc?k=201203/2012032700460 神戸製鋼、湯布院温泉旅館に地熱発電機を納入=年内稼働、時事通信、2012.3.27]{{リンク切れ|date=November 2013}}</ref><ref name="Nikkei201203">[http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=306169&lindID=4 神戸製鋼、湯布院温泉旅館「ゆふいん庄屋の館」向けに小型温泉発電システムを受注、日経新聞プレスリリース、2012.3.27]</ref>
 
* 福島県・磐梯地域(検討中)<ref name="Sankei20121204">[http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120403/biz12040313040017-n1.htm 福島に地熱発電所の建設で協議 出光など、国内最大級、2012.4.3、MSN産経ニュース] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20120403225104/http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120403/biz12040313040017-n1.htm |date=2012年4月3日 }}</ref><ref name="Asahi201204">[http://www.asahi.com/business/update/0403/TKY201204020650.html 福島で国内最大の地熱発電所開発へ 出光興産など9社、朝日新聞、2012.4.3]</ref>
 
* 北海道・[[上川町]](検討中)<ref name="Doshin201203">[http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki4/360915.html 地熱発電開発へ熱い視線 上川、北海道新聞、2012.3.28] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20120331044952/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki4/360915.html |date=2012年3月31日 }}</ref>
 
*北海道・[[標津町]][[武佐岳]]地域(調査):2013年6月から地熱発電事業の調査、石油資源開発の発表。15,000kW規模で2023年ごろ発電開始予定<ref>出典、時事、北海道で地熱発電調査=23年ごろの運転目指す―石油資源開発、時事通信 1月21日(月)19時0分配信</ref>。
 
*北海道・[[奥尻島]](計画):2016年稼働開始、出力500kW程度で島内の電力25%を補う予定<ref>北海道新聞6月8日夕刊掲載出力500キロワット程度</ref>。
 
*秋田県・湯沢市([[山葵沢地熱発電所]](工事中)):規制緩和後、国立・国定公園内で初めて掘削調査<ref>[http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130705/k10015816951000.html 地熱発電 規制緩和後、初の掘削調査へ NHKニュース - NHKオンライン]</ref><ref>[http://www.jpower.co.jp/news_release/news100412.html 「湯沢地熱株式会社」の設立について〜3社共同で山葵沢・秋ノ宮地域の地熱調査・事業化検討を推進〜 、2010年4月]</ref>。[[2015年]][[5月25日]]、[[電源開発|Jパワー]]、[[三菱マテリアル]]、[[三菱ガス化学]]の3社が共同で建設開始<ref name="nikkei20150526">{{cite news|title = 23年ぶり大型地熱発電 Jパワーなど秋田で着工 |url = http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ25HYA_V20C15A5EA2000/|publisher = [[日本経済新聞]]|date = 2015年5月26日| accessdate = 2015年6月21日}}</ref>。発電能力4万2千キロワットで事業費は約300億円<ref name="nikkei20150526"/>。
 
 
 
== 世界の地熱発電 ==
 
[[File:Puhagan geothermal plant.jpg|thumb|150px|right|フィリピン[[東ネグロス州]]の地熱発電所]]
 
=== 歴史 ===
 
世界最初の地熱発電は、[[1904年]]7月4日に[[イタリア]]の[[ラルデレロ]]において天然蒸気を利用した実験運転が行われ(0.75馬力)、[[1913年]]に発電所としての商業発電が始まった(250kW)。1942年には総出力12万kWにもなったが、このときの発電所は戦災で焼失した。戦後あらためて発電所が建設され、2010年現在、同発電所の発電能力は543MW、年間発電量は約50億kWhと、中規模の火力や原子力発電所1基分に匹敵する電力を供給している<ref>{{Cite news |title= 地熱エネルギー技術の進歩|newspaper= swissinfo.ch|date=2010-01-11|author= ルイギ・ジョリオ|url= http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=7803542|accessdate=2014-06-04}}</ref>。
 
 
 
=== 現状 ===
 
[[2005年]]の世界の地熱発電設備容量の合計は8878.5MW(原子炉にしておよそ8基分)である。全世界の総発電設備のうち地熱発電の割合は約0.3%になっている。
 
 
 
国別首位は[[アメリカ合衆国]]で、このうち約9割が[[カリフォルニア州]]に集中している。他に[[ネバダ州]]、[[ユタ州]]、[[ハワイ州]]で地熱発電が行われているが、[[アメリカ合衆国エネルギー省|エネルギー省]]では西部・南部の州で地熱エネルギー開発を進め、2006年までには地熱発電所のある州を8州にまで増やす計画である。
 
 
 
アメリカに次いで発電容量が多いのは火山国[[フィリピン]]。フィリピンは国内に建設を進めていた2基の原子力発電所を運転開始の直前になって廃絶し、代わりに同じ発電設備容量の地熱発電所を建設した。フィリピンは国内総発電量の約4分の1を地熱でまかなう「地熱発電大国」である。
 
 
 
産油国であり、また500-600の火山が存在し世界の地熱埋蔵量の4割を有している[[インドネシア]]では<ref name="voice of russia 20140531">{{Cite news |title= インドネシア 世界最大規模の地熱発電所の建設へ|newspaper=Jakarta Globe|date= 2014-05-31|url= http://japanese.ruvr.ru/news/2014_05_31/273018008/|accessdate= 2014-05-31|publisher= [[VOICE OF RUSSIA]]|language= 日本語}}</ref>、化石燃料の枯渇後を見据え、2015年までに国内の電力のうち4.5GW(4,500MW)を地熱発電で賄い、2025年までに9.5GW(9,500MW)の地熱発電を実現させることで化石燃料を節約するエネルギー安全保障戦略を国として打ち出している。2014年には[[スマトラ島]]北部のサルーラ地区で出力330MWの地熱発電所の建設が始まっている<ref name="voice of russia 20140531"/>。[[インドネシアの地熱発電]]も参照のこと。
 
 
 
[[アイスランド]]にある[[スヴァルスエインギ地熱発電所]]では、発電用に汲み上げた地熱海水を利用して、世界最大の露天温泉[[ブルーラグーン]]が運営されている。アイスランドでは、地熱発電と水力発電だけで電力を賄うことを目指すエネルギー安全保障戦略を追求している。さらに、将来において[[燃料電池]]で稼働する車両や船舶が一般にも普及した場合は、その燃料となる[[水素]]を調達するために地熱発電所を更に開発するとの国策が示されている。
 
 
 
[[ニュージーランド]]では、原子力発電をしないことを国策としている。そのため、原発に代わる発電方法として地熱発電を推進している。
 
 
 
=== 国別地熱発電設備容量 ===
 
国別の地熱発電容量の合計は、発電容量の合計順に下記の様になっている<ref>[http://www.geothermal.co.jp/etc/geo04.htm 地熱発電の基礎知識(4)、地熱エンジニアリング株式会社]。データは社団法人 火力原子力発電技術協会『地熱発電の現状と動向』2007年版から引用。明らかにおかしいデータのみ、社団法人 火力原子力発電技術協会『地熱発電の現状と動向』2005年版から引用して訂正。</ref>。(「地熱発電割合」は、「地熱発電容量計」を「総電力設備容量」で割ったもの。)
 
{|class="wikitable sotable"
 
|-
 
!国名
 
!地熱発電容量計<br />([[メガ|M]][[ワット|W]])
 
!総電力設備容量<br />(MW)
 
!地熱発電割合<br />([[パーセント|%]])
 
|-
 
|[[アメリカ合衆国]]||align=right|2,534.1||align=right|1,031,692||align=right|0.2
 
|-
 
|[[フィリピン]]||align=right|1,930.8||align=right|13,434||align=right|14.4
 
|-
 
|[[メキシコ]]||align=right|953.0||align=right|43,536||align=right|2.2
 
|-
 
|[[インドネシア]]||align=right|797.0||align=right|24,706||align=right|3.2
 
|-
 
|[[イタリア]]||align=right|790.5||align=right|78,249||align=right|1.0
 
|-
 
|[[日本]]||align=right|535.0||align=right|272,701||align=right|0.2
 
|-
 
|[[ニュージーランド]]||align=right|435.5||align=right|8,555||align=right|5.1
 
|-
 
|[[アイスランド]]||align=right|172.1||align=right|1,510||align=right|11.4
 
|-
 
|[[コスタリカ]]||align=right|162.5||align=right|1,715||align=right|9.5
 
|-
 
|[[エルサルバドル]]||align=right|151.0||align=right|1,133||align=right|13.3
 
|-
 
|[[ケニア]]||align=right|127.0||align=right|1,129||align=right|11.2
 
|-
 
|[[ロシア]]||align=right|79.0||align=right|216,000||align=right|0.0
 
|-
 
|[[ニカラグア]]||align=right|77.5||align=right|641||align=right|12.2
 
|-
 
|[[グアテマラ]]||align=right|33||align=right|1,697||align=right|1.9
 
|-
 
|[[中国]]||align=right|28.8||align=right|391,408||align=right|0.0
 
|-
 
|[[トルコ]]||align=right|20.4||align=right|28,332||align=right|0.1
 
|-
 
|[[ポルトガル]]||align=right|16.0||align=right|11,240||align=right|0.1
 
|-
 
|[[フランス]]||align=right|14.7||align=right|115,975||align=right|0.0
 
|-
 
|[[エチオピア]]||align=right|7.0||align=right|501||align=right|1.4
 
|-
 
|[[パプアニューギニア]]||align=right|6.0||align=right|---||align=right|---
 
|-
 
|[[台湾]]||align=right|3.3||align=right|34,598||align=right|0.0
 
|-
 
|[[ギリシャ]]||align=right|2.0||align=right|11,360||align=right|0.0
 
|-
 
|[[オーストリア]]||align=right|1.2||align=right|18,030||align=right|0.0
 
|-
 
|[[タイ王国|タイ]]||align=right|0.3||align=right|50,532||align=right|0.0
 
|-
 
|[[オーストラリア]]||align=right|0.2||align=right|44,852||align=right|0.0
 
|}
 
 
 
=== 世界の地熱発電所 ===
 
2011年、火山など地熱資源のとぼしいドイツで、バイナリー発電がすでに実用化されている。地下1キロでは30度温度が上がり、深さ4キロの井戸を掘れば100度の地熱エネルギーが得られる。ドイツでは3ヶ所の地熱発電所が稼動している<ref>[http://facta.co.jp/article/201111017002.html 温泉と共存共栄も可能 地熱発電で東北を元気に!] FACTA ONLINE</ref>。
 
 
 
* [[:en:List_of_geothermal_power_stations]]を参照
 
 
 
== 題材とした作品 ==
 
* [[マグマ (小説)]] - [[2012年]]に[[テレビドラマ]]化
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{reflist|colwidth=30em}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commonscat|Geothermal energy|地熱エネルギー}}
 
* [[電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法]] - '''RPS制度'''について
 
* [[地熱]]
 
* [[地中熱]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://www.geothermal-energy.org/ International Geothermal Association (国際地熱協会、IGA)]
 
* [http://www.iea-gia.org/ The International Energy Agency (IEA) Implementing Agreement for a Cooperative Programme on Geothermal Energy Research and Technology, or Geothermal Implementing Agreement (GIA)] …[[国際エネルギー機関]]の専門組織。<!--和訳が不明-->
 
*[http://grsj.gr.jp/jgea/index1_2.html 日本地熱学会]
 
* [http://www.chikaikyo.com/index.html 日本地熱開発企業協議会]
 
 
 
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{{デフォルトソート:ちねつはつてん}}

2019/4/28/ (日) 18:47時点における最新版

アイスランドの地熱発電所.jpg

地熱発電(ちねつはつでん、じねつはつでん、: geothermal power

地下から得られる地熱流体を利用して発電すること。地下の蒸気,熱水のたまり場所を探査,発見し,それを掘ってパイプを挿入し,地表に蒸気や熱水を導き出し,タービンを回して電気を起す。天然蒸気でそのままタービンを回す方式と,天然蒸気を起源として蒸気を発生させ,タービンに送る方式とがある。世界的に有名なのはイタリアのラルデレロ発電所で,日本でも,1966年に日本重化学工業が岩手県松川で2万 kW,九州電力が 67年に阿蘇の大岳で 1.1万 kW,80年前後に八丁原で 5.5万 kW,東北電力が岩手県の葛根田で5万 kWの発電所を建設している。



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