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'''天然ガス'''(てんねんガス、{{lang-en-short|natural gas}}、{{lang-zh-short|天然气}}、{{lang-zh-tw-short|天然氣}})は、一般に天然に産する[[化石燃料]]である[[炭化水素]][[ガス]]で、一般に、[[メタン]]、続いて[[エタン]]といった軽い[[炭素化合物]]を多く含み、その他の炭素化合物も含む。現代においては、[[エネルギー]]源や[[化学]]品原料として広く使われる。
+
'''天然ガス'''(てんねんガス、{{lang-en-short|natural gas}}、{{lang-zh-short|天然气}}、{{lang-zh-tw-short|天然氣}}
  
広義には、地下に存在するガス、または地下から地表に噴出するガス一般を指す。この中には[[マグマ]]を原料とする[[火山]]ガスや[[化石燃料]]ガス([[可燃性ガス]])だけでなく、[[窒素]]や[[酸素]]、[[二酸化炭素|炭酸ガス]]、[[水蒸気]]、[[硫化水素]]ガス、[[二酸化硫黄|亜硫酸ガス]]、[[硫黄酸化物]]ガスなどの[[不活性ガス|不燃性ガス]]も含まれる。これら不燃性ガスの多くは火山性ガスである。
+
地下に存在し地表条件では気体である物質の総称。炭酸ガス,窒素ガスなどの不燃性のものと,炭化水素を主とする可燃性ガスがあり,狭義には後者だけをいう。その地質学的存在状況および産出状況により次のように分類される。
  
== 用途 ==
+
(1) 構造性天然ガス (石油系ガス) 原油とともに産出する油井系ガス (隋伴ガス) とガスだけを単独に産出するガス井ガス (非隋伴ガス) がある。
===燃料===
 
[[燃焼]]させて[[調理]]や[[暖房]]、[[風呂]]沸かしなどの熱源として使われる。[[日本]]では[[都市ガス]]と呼ばれる<ref>[http://www.gas.or.jp/chigai/ 都市ガス事業について]日本ガス協会(2018年4月3日閲覧)</ref>。
 
  
[[石炭]]・[[石油]]に比べて燃焼させた時に、[[大気汚染]]物質([[窒素酸化物]]や[[硫黄酸化物]]など)や[[温室効果ガス]]([[二酸化炭素]])の排出が少ない<ref>[http://www.inpex.co.jp/museum/01/08.html 天然ガスが「クリーン・エネルギー」と呼ばれるのはなぜ?]国際石油開発帝石(2018年4月3日閲覧)</ref>ため、[[火力発電所]]においても中心的な[[燃料]]となっている<ref>[http://www.tepco.co.jp/toudenhou/fp/1271950_9045.html 火力発電の主力燃料「LNG」の正体って?]東京電力ホールディングス(2018年4月3日閲覧)</ref>。
+
(2) 水溶性ガス (メタン系ガス)  おもに有機物起源のガスで比較的浅い地層の地層水中に溶解しているもの。
  
このほか[[天然ガス自動車]]や、天然ガス動力船<ref>海運3社/船舶にLNG 自ら供給網/環境規制に対応 燃料船普及視野『[[日経産業新聞]]』2018年3月15日(商社・物流面)</ref>が実用化されている。
+
(3) 炭田ガス 炭田地帯の炭層や炭層付近の地層に存在しているものがある。
  
===化学品原料===
+
これらのうち最も高い商業的稼行対象となるものは構造性天然ガスである。また水溶性ガスは採取が容易なため日本では古くから千葉,新潟などで商業的な採取が行われてきたが,世界的には例が少い。天然ガスの主成分はパラフィン系炭化水素で,炭素1個のメタンを主成分とするが,2個以上の炭素原子数をもつエタン,プロパン,ブタン,ペンタンなどを含むものもある。プロパン以上は常温常圧では液化し[[コンデンセート]]となるので,これらを含むものを湿性ガス (ウェットガス) と呼び,メタンが多くこれらを含まない乾性ガス (ドライガス) と区別する。不純分としては[[窒素]],炭酸ガス,硫化水素,アルゴンなどの希元素ガスなどを含むことがある。広く燃料として使用されるほか化学原料として[[水素]][[メタノール]][[アンモニア]],肥料などの製造に使用される。
[[メタノール]]、[[アンモニア]]、[[アセチレン]]などの製造に使われる<ref>[http://www.mgc.co.jp/compa/tennen/energy/natural_gas.html 天然ガスとは]三菱瓦斯化学(2018年4月3日閲覧)</ref>。日本国内の天然ガス田では、[[ヨウ素]]が重要な副産物として採取されている<ref>[http://www.gasukai.co.jp/iodine/ ヨウ素とは]関東天然瓦斯開発(2018年4月3日閲覧)</ref>。
+
   
 
 
== 取引 ==
 
日本では需要量に比べて国内産が極わずかであるため、歴史的に輸入に依存してきた。戦後から[[中東]]、[[マレーシア]]、[[ブルネイ]]などから仕入れている。[[原油]]に連動した価格で、[[転売]]しない条件による長期契約で輸入することが多かった。こうした輸出国有利な条件を見直す動きも出ている<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2806182013032018TJ2000/ 「東ガス、LNGコスト削減/マレーシア産、転売可能に/ガス値下げの可能性も」]『日本経済新聞』朝刊2018年3月14日</ref>。
 
 
 
[[東京商品取引所]]などが設立した「[https://www.tocom.or.jp/joe/index.html JAPAN OTC EXCHANGE株式会社]」では、LNGの店頭取引が行われている。
 
 
 
また天然ガスの輸出国から輸入先へのパイプライン敷設ルートの選定や、供給量・価格のコンロールには、外交・地政学的な要因が絡むことも多い。
 
{{see|ロシア・ウクライナガス紛争}}
 
 
 
== 天然ガス ==
 
地下から産出する状態の「天然ガス」について以下に述べる。液化したものは後半部の「液化天然ガス」を参照のこと。
 
 
 
=== 起源 ===
 
天然ガスの起源は炭素の[[同位体]]('''{{sup|13}}C'''/'''{{sup|14}}C''')、[[ヘリウム]]の同位体比('''{{sup|3}}He'''/'''{{sup|4}}He''')、窒素('''N''')・アルゴン('''Ar''')比<ref>北逸郎、長谷川英尚、神谷千紗子 ほか、[http://doi.org/10.3720/japt.66.292 CH{{sub|4}}の炭素同位体比とN{{sub|2}}/Ar比の分布に基づく天然ガスの生成プロセス] 石油技術協会誌 Vol.66 (2001) No.3 P292-302</ref>など分析することで判別することが出来るとされ、下記に大別される<ref name="japt.53.213">早稲田周、重川守(1988):[http://doi.org/10.3720/japt.53.213 本邦油•ガス田地帯における天然ガスの起源に関する地球化学的考察] 石油技術協会誌 Vol.53 (1988) No.3 P213-222</ref><ref>吉江照一:[http://doi.org/10.3720/japt.56.159 地球深層天然ガスに関する調査] 石油技術協会誌 Vol.56 (1991) No.2 P159-164</ref>。なお、「生物起源ガス」と「非生物起源ガス」に分類する考え方<ref>早稲田周、岩野裕継、武田信從、[http://doi.org/10.3720/japt.67.3 地球化学からみた天然ガスの成因と熟成度] 石油技術協会誌 Vol.67 (2002) No.1 P3-15</ref>もある。分類に関しては諸説有る。
 
* 有機成因
 
# 熱分解性ガス - 堆積物中の有機物(原油、石炭、泥質堆積物中に含まれる有機溶媒に溶けない有機物)の熱分解を起源。<br />別名:ウェットガス<ref name="japt.53.213"/>。[[エタン]]・[[プロパン]]・[[ブタン]]・[[ペンタン]]を多く含有する。
 
# バクテリアガス - 石炭<ref>[http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2016/pr20161014/pr20161014.html 石炭を天然ガスに変えるメタン生成菌を発見] 産業技術総合研究所 2016/10/14</ref>、堆積物中の有機物の低温でのバクテリア分解による。<br />別名:ドライガス<ref name="japt.53.213"/>。[[メタン]]を主成分とし、他の成分は少ない。有機物を分解する[[メタン菌]]や[[古細菌]]による'''CO{{sub|2}}'''還元反応が起源<ref>金子信行:[http://doi.org/10.3720/japt.68.450 メタン生成アーケア(古細菌)] 石油技術協会誌 Vol.68 (2003) No.5 P450-457</ref>。
 
* 無機成因<ref>坂田将、高橋誠、星野一男(1986):[http://doi.org/10.3720/japt.51.228 深部火山岩中の天然ガスの成因に関する地球化学的考察] 石油技術協会誌 Vol.51 (1986) No.3 P228-237</ref>
 
** [[流紋岩]]等の火山岩体<ref>藤田嘉彦、[http://doi.org/10.5026/jgeography.94.612 火山岩体石油鉱床の起源] 地学雑誌 Vol.94 (1985-1986) No.7 P612-619</ref>や海底[[枕状溶岩]]中に存在し、マントル中の無機炭素を起源とする<ref>北逸郎、長谷川英尚、滝沢英夫 ほか、[http://doi.org/10.3720/japt.64.438 天然ガスの起源と生成環境 N{{sub|2}}/Ar比とHe/Ar比からのアプローチ] 石油技術協会誌 Vol.64 (1999) No.5 P438-447</ref>。
 
 
 
=== 組成 ===
 
天然ガスにはメタン・エタン・プロパン・ブタン・ペンタン以上の[[炭素化合物]]や窒素が含まれ、産出する場所によってその割合は少しずつ異なる。
 
{| class="wikitable"
 
|+ 産地による成分の違いの例(単位は mol/100mol)
 
! 産地 !! メタン !! エタン !! プロパン !! ブタン !! ペンタン !! 窒素
 
|-
 
|ケナイ([[アラスカ]])
 
|align=right|99.81
 
|align=right|0.07
 
|align=right|0.00
 
|align=right|0.00
 
|align=right|0.00
 
|align=right|0.12
 
|-
 
|ルムート([[ブルネイ]])
 
|align=right|89.83
 
|align=right|5.89
 
|align=right|2.92
 
|align=right|1.30
 
|align=right|0.04
 
|align=right|0.02
 
|-
 
|ダス([[アブダビ]])
 
|align=right|82.07
 
|align=right|15.86
 
|align=right|1.86
 
|align=right|0.13
 
|align=right|0.00
 
|align=right|0.05
 
|}
 
 
 
これらの他に[[不純物]]として、[[水]]・炭酸ガス・[[硫黄酸化物]]・硫化水素・[[二酸化炭素]]などを含む<ref name = "LNG船がわかる本"/>。例外的に[[北アメリカ]]産・[[アルジェリア]]産の天然ガスには 1〜7 mol/100mol もの[[ヘリウム]]が含まれており、世界の数少ないヘリウムの供給源となっている<ref>『[[サイエンス]]』日本語版 2007年12月号</ref>。
 
 
 
=== 特性 ===
 
[[揮発性]]が高く、[[常温]]では急速に蒸発する性質。主成分の[[メタン]]や[[エタン]]が空気よりも軽いため、大気中に[[拡散]]しやすい。この点では、常温で空気より重く低い場所に滞留しやすい[[プロパン]]や[[ブタン]]ガスに比べれば、人が扱ううえでの危険性は低いといえる。またプロパンと同様、メタンやエタンも無臭だが、人がガス漏れに気付きやすくするため燃料用ガスでは意図的に匂い成分を混ぜている場合が多い。
 
 
 
=== 物性 ===
 
以下に天然ガスに含まれる主なガスの物性を示す<ref name = "LNG船がわかる本"/>。
 
 
 
{|class=wikitable
 
!名称!!メタン!!エタン!!プロパン!!ブタン<br />(ノルマル/イソ)
 
|-
 
|分子式
 
|CH{{sub|4}}
 
|C{{sub|2}}H{{sub|6}}
 
|C{{sub|3}}H{{sub|8}}
 
|C{{sub|4}}H{{sub|10}}
 
|-
 
|分子量
 
|align=right|16.04
 
|align=right|30.07
 
|align=right|44.09
 
|align=right|58.12
 
|-
 
|沸点(℃)
 
|align=right|−161.5
 
|align=right|−88.7
 
|align=right|−42.2
 
|align=right|−0.5/−11.7
 
|-
 
|臨界温度(℃)
 
|align=right|−82.6
 
|align=right|32.2
 
|align=right|96.7
 
|align=right|152/135
 
|-
 
|臨界圧力
 
|align=right|45.4
 
|align=right|48.8
 
|align=right|42
 
|align=right|37.5/36
 
|-
 
|比重 液体(沸点、1気圧)
 
|align=right|0.425
 
|align=right|0.546
 
|align=right|0.580
 
|align=right|0.605/0.590
 
|-
 
|比重 気体(0℃、1気圧)
 
|align=right|0.554
 
|align=right|1.047
 
|align=right|1.522
 
|align=right|2.006
 
|-
 
|燃焼範囲 上限<br />(空気中容積%)
 
|align=right|15.0
 
|align=right|12.5
 
|align=right|9.5
 
|align=right|8.4
 
|-
 
|燃焼範囲 下限<br />(空気中容積%)
 
|align=right|5.5
 
|align=right|3.0
 
|align=right|2.2
 
|align=right|1.8
 
|-
 
|気体/液体容積比<br />(0℃、1気圧)
 
|align=right|595
 
|align=right|432
 
|align=right|292
 
|align=right|277/231
 
|-
 
|毒性
 
|align=right|なし
 
|align=right|なし
 
|align=right|なし
 
|align=right|なし
 
|-
 
|腐蝕性
 
|align=right|なし
 
|align=right|なし
 
|align=right|なし
 
|align=right|なし
 
|}
 
 
 
常圧下でのメタンの沸点は-161.5℃であり、LNGの沸点は-160℃程度になる。このため常圧下で液化するには極低温が必要になる。また、加圧して沸点を上昇させたとしても、[[臨界点|臨界温度]]は-82.6℃であり、この温度以上ではいくら加圧しても液化はしない。
 
[[File:液化ガス蒸気圧曲線.PNG|thumb|400px|'''液化ガス蒸気圧曲線''']]
 
メタンの液体での比重は0.43であり、LNGになると他の成分の割合に応じて0.43〜0.48になる。原油の比重約0.85と比べても液体メタンはかなり軽いため、運搬時には重量に比べて大きな体積を必要とする。
 
 
 
気体のメタンは空気と比べて約55%の比重でありかなり軽いが、気体でも低温の状態では-113℃で空気と同じ重さとなり、それ以下の温度では空気より重くなる。
 
 
 
事故などにより極低温状態のメタンが漏れて-161.5℃以上で気体になると空気の1.4倍程度の重さとなりまず地上に漂うことになる。このガスと周囲の空気との境界で空中の水分を凍らせ白い雲を作る。これが蒸気雲(ベイパークラウド)と呼ばれ、透明なガスが間接的に人の目に触れることになる。この状態においては、爆発的な燃焼や凍傷、窒息の危険がある。しばらくは地上に留まった低温メタンガスも、温度が-131℃を超えると空気よりも軽くなり、空中へと上昇・拡散していく。
 
 
 
5%-15%の燃焼範囲は、他の可燃性ガスと比べれば比較的狭いため、爆発の危険性は低いと言える。気体のメタンが液体になると体積は約{{分数|1|600}}になるため、運搬には適している。
 
 
 
燃焼による発熱量は13,300kcal/kgで、炭化水素中では最大である。これは5,000-7,000の石炭や9,250の石油よりも大きい。メタンもLNGも共に人体への毒性はない<ref name = "LNG船がわかる本"/>。
 
 
 
=== 分類 ===
 
天然ガスに対する名称は産出場所および精製方法によって変わる。詳細を下にて示す。
 
 
 
{| class="wikitable"
 
|+ 天然ガスの分類
 
! 産出場所 !! 産出場所に対する呼称 !! 詳細説明
 
|-
 
! [[油田]]地帯
 
| 「油田ガス」・「石油系天然ガス」・「湿性ガス」 || 10-15[[立方メートル|m<sup>3</sup>]]のガスから1[[リットル]]程度の[[ガソリン]]が採取できるため「湿性ガス」とも呼ばれ、幅広い組成を持つこのガスは中東などでは従来はすぐに[[ガスフレア]]によって廃棄されていたものだが、現在はこれも液化によって回収されている。この湿性ガスはメタン成分が多ければ液化されて油田由来のLNGとなり、少ない時は[[液化石油ガス|LPG]]の原料となる石油ガスであり液化されてLPGとなる。このような天然ガス鉱床は油溶解性ガス鉱床と呼ばれる<ref name = "天然ガスの本"/>。
 
|-
 
! [[炭田]]地帯
 
| 「炭田ガス」・「炭層ガス」||
 
|-
 
! 遊離型ガス鉱床
 
| 「水溶性ガス」 ||
 
|-
 
! [[ガス田]]
 
| 「乾性ガス」 || メタンが85%-95%と主体を占めその他のエタン、プロパン、ブタンなどは比較的少ない。ガス田ガスは液化されてガス田由来のLNGとなる。このような天然ガス鉱床は遊離性ガス鉱床と呼ばれる<ref name = "天然ガスの本"/>。[[メタンハイドレート]]参照。
 
|-
 
! 原油の精製[[プラント]]から生まれるガス
 
| 「炭田ガス」・「炭層ガス」・「精製ガス」|| 液化されてLPGとなる<ref name = "LNG船がわかる本"/>。
 
|}
 
 
 
=== 環境への影響 ===
 
{{see also|化石燃料#化石燃料の使用が引き起こす公害・環境問題}}
 
燃焼したときの[[二酸化炭素]]排出量はカロリー当りで、[[石油]]より少ない。ただし、主成分であるメタンの[[温室効果ガス#地球温暖化係数|地球温暖化係数]]は、「'''21'''」と大きいため、大気への放出は避ける必要がある。
 
 
 
=== 採ガス井 ===
 
天然ガスを採掘するガス用の井戸を「採ガス井」と呼び、液体の原油を生産する「油井」「油生産井」「採油井」と区別される。採ガス井は一般に原油用の井戸に比べて[[:en:Christmas_tree_(oil_well)|クリスマスツリー]]など、使用される機器類の耐圧が高く設計されているために、大きくなる傾向がある。これは、天然ガスの存在する地層が油田に比べて深く、また、液体と気体では地下の高圧力環境から地上にまで持ち上げられた時の圧力が大きく異なるためでもある<ref name = "天然ガスの本"/>。
 
 
 
=== 生産工程 ===
 
;分離工程1
 
:採ガス井で地表へと取り出されたものにはガス・油・水などが混ざっているため、まず、ガス原油セパレータに送られて、ガス、原油が分離される。ガス原油セパレータは単純に重さの違いによって分けるものである。
 
;分離工程2
 
:ガス原油セパレータで分離されなかった油分は、コンデンセート<ref>'''コンデンセート'''とは地下では気体であったものが地上の圧力や温度の低下によって凝縮した液体のことをいう。</ref>・セパレータで分離される。[[コンデンセート]]はLPGや石油化学の原料として扱われる。残った水は環境汚染物質を除いた後に多くが地下へ圧入される。ガス成分だけが次の工程に送られる。
 
;脱湿処理工程
 
:グリコール・[[デハイドレータ]]で、ガス成分にグリコールを接触させて残った水の成分である湿気を除去する。
 
;不純物除去工程
 
:重質炭化水素、硫黄、硫化水素、二酸化炭素、水銀を除去する。硫化水素(H{{sub|2}}S)や二酸化炭素(CO{{sub|2}})はアミン溶液を使って、[[水銀]]は活性炭によって除去される。[[ハイドレート]]<ref>'''ハイドレート'''とはガスの水分が凍結したもの。</ref>は配管を詰まらせる原因となり、硫化物は配管を含むあらゆる下流工程での処理装置を腐蝕させるため、硫化水素では4ppm以下、二酸化炭素では100ppm以下、水は1ppm以下にまで除去される。最終製品となった時の公害防止にも役立つ。
 
:ヘリウムが多く含まれる(0.4%以上程度の)ガスでは、この工程で分離される。産出されるガス成分や下流工程での要求性状の違いによって処理内容が変わってくる。
 
;冷凍工程
 
:LNGとして流通させる場合には-162℃以下に冷却して液化してから製品として出荷する。パイプラインによる出荷では、気体のままで製品とされる<ref name = "天然ガスの本"/>。
 
 
 
2007年12月の世界の液化天然ガスの生産設備は15ヶ国に79トレインが稼動していて、総生産設備能力は年間18,930万トンであった。2006年に世界一のLNG輸出国となった[[カタール]]では1トレインで年間780万トンという巨大液化プラントを複数建設中である。
 
 
 
=== 生産量 ===
 
2006年の世界の天然ガス生産量は28,700億m<sup>3</sup>であった。
 
* ロシア:6,120億m<sup>3</sup>
 
* 米国:5,240億m<sup>3</sup>
 
* その他:17,340億m<sup>3</sup>
 
 
 
2006年の世界の天然ガス貿易量は7,480億m<sup>3</sup>であった。
 
* パイプライン:5,370億m<sup>3</sup>
 
* タンカー:2,110億m<sup>3</sup><ref name="天然ガスの本">藤田和男ほか監修 佐々木詔雄ほか編著 『天然ガスの本』 日刊工業新聞 2008年3月25日初版1刷発行 ISBN 978-4-526-06024-3</ref>
 
 
 
=== 地下貯蔵 ===
 
天然ガスは原油と異なり、地上で大量に貯蔵するには極低温状態のLNGとする他にはあまり良い方法が無く、LNGでは施設や冷却の維持などにコストがかかる。このため、多くの国では一度地上に取り出した天然ガスを別の地下ガス層へと再び圧入する事で地下に貯蔵する方法を採用している。欧米では600ヶ所以上存在し、日本でも数ヶ所が稼動している。地下貯蔵に使用されるガス層にはその上部がキャップロックと呼ばれる浸透性の無い緻密な地層で覆われていなければならない。冬季の需要期に備えて、夏季に貯蔵しておいたり、パイプラインの事故に備えるなどがその目的である<ref name = "天然ガスの本"/>。
 
 
 
=== 埋蔵量 ===
 
[[File:世界の天然ガス地域別確認埋蔵量 2005.PNG|300px|thumb]]
 
2006年末の世界の天然ガスの確認[[可採埋蔵量]]は約181.46兆立方メートルといわれており、国別には旧ソ連が一番多く、[[イラン]]、[[カタール]]などがそれに続く。なお[[東京ガス]]は輸入する天然ガスの大半を[[マレーシア]]、[[オーストラリア]]から輸入している。
 
今後採鉱が盛んになることで、確認可採埋蔵量の増加が期待されている。BP統計2016年版では確認可採埋蔵量は約190兆立方メートルという報告がなされた([[可採年数]]は53年)。
 
 
 
日本では、関東地方だけでも埋蔵量は4千億立方メートル以上あると推定され、[[埼玉県|埼玉]]・[[東京都|東京]]・[[神奈川県|神奈川]]・[[茨城県|茨城]]・[[千葉県|千葉]]の一都四県にまたがる地域で[[南関東ガス田]]を形成している。しかし、東京の直下にあるため多くの地域で採掘は厳しく規制されており、房総半島でわずかに採掘されているのみである。東京都や千葉県では南関東ガス田から自然放出される天然ガスによって事故がたびたび起きている<ref>金子信行、佐脇貴幸、棚橋学、「[https://www.jstage.jst.go.jp/article/geosocabst/2008/0/2008_0_426/_article/-char/ja/ 関東平野下に賦存する可燃性天然ガスについて]」 日本地質学会 第115年学術大会(2008秋田)セッションID: P-90, {{DOI|10.14863/geosocabst.2008.0.426.0}}</ref>。
 
 
 
日本の東部南海トラフには[[メタンハイドレート]]が約40兆立方フィートあると推定されている<ref name = "天然ガスの本"/>。深海底に存在するメタンハイドレートは、採掘技術が確立されていないため2008年現時点では未利用資源に留まる。このため、今日の日本では[[原油]]同様に可採埋蔵量としてはごく限られているのが実情である。
 
 
 
=== 紛争 ===
 
各国で天然ガス資源の使用や開発をめぐる紛争がある。
 
* [[インドネシア]]: [[アチェ]]([[アチェ独立運動]])
 
* [[イエメン]]、[[エリトリア]]: [[ハニーシュ群島紛争]]
 
* [[ボリビア]]国内: [[ボリビアガス紛争]]
 
* [[日本]]、[[中華人民共和国]]: [[東シナ海ガス田問題]]
 
* [[ロシア]]、[[ウクライナ]]: [[ロシア・ウクライナガス紛争]]
 
* [[東南アジア]]、[[中華人民共和国]]: [[南シナ海]]ガス田問題
 
 
 
== 液化天然ガス ==
 
'''液化天然ガス'''(えきかてんねんガス、'''LNG(Liquefied Natural Gas)'''<ref>[http://www.nihonkai-lng.co.jp/02_jigyo_2_2.html LNGとは]</ref><ref>{{lang-en-short|liquefied natural gas}}</ref>)は、気体である天然ガスを-162℃以下に冷却して[[液体]]にしたもの。体積は[[気体]]の約{{分数|1|600}}となる事から輸送・貯蔵を目的として液化される<ref name = "LNG船がわかる本"/>。
 
 
 
=== 液化 ===
 
天然ガスは主成分であるメタンの他にもエタン、プロパン、ブタンなどのガスが含まれているが、LNGへの液化の過程でこれらのガスも同時に液化されるために、LNGも元となる天然ガスの産地によってこれら炭化水素の構成比に違いがある。LNGの液化の初期段階過程では、水和物を作ってパイプを閉塞させる炭酸ガスや、プラントを腐蝕する硫黄酸化物などの不純物が除去されるため、LNGは人体にとって無害となる<ref name = "LNG船がわかる本"/>。
 
 
 
液化には「{{lang|en|C3-MCR}}」「{{lang|en|TEALARC}}」「{{lang|en|PRICO}}」「{{lang|en|CASCADE}}」の4つの方式が存在する。{{lang|en|CASCADE}} では冷媒にメタン、[[エチレン]]、プロパンの純成分を個別に3段階で使用しており、他の3方式は窒素、メタン、エタン、プロパンを混合して使用している。液化プラントで使用されているのは {{lang|en|C3-MCR}} 方式が多い<ref name="よくわかる天然ガス">日本エネルギー学会編 「よくわかる天然ガス」 社団法人 [[日本エネルギー学会]] 2000年2月16日初版発行 ISBN 4-339-08232-5</ref>。
 
 
 
一般的なガス田の液化施設は、多くの生産地に近接した場所に設置されるが、海上[[ガス田]]の場合には浮体構造の洋上液化設備(FLNG)や積み出し用保管設備等が設置される場合がある。2013年に進水した[[ロイヤル・ダッチ・シェル]]の船型構造物(自力航行装備を持たない)は、排水トン数は60万トン以上と世界最大級の[[空母]]6隻分に相当する巨大なものとなった<ref>{{Cite news|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3004524|title=「世界最大の浮遊施設」が進水、エンパイアステートビルより巨大|work=AFP|publisher=フランス通信社|date=2013-12-05|accessdate=2013-12-06}}</ref>。
 
 
 
=== 輸送 ===
 
[[File:LNG_Carrier.jpg|thumb|200px|モス方式のLNGタンクを持つLNGタンカー]]
 
LNGの大量輸送方法は二つある。一つが[[パイプライン輸送|パイプライン]]による気体つまり[[CNG]]での輸送で、[[1930年代]]頃に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で始まった。現在では[[ロシア連邦]]や[[北アフリカ]]から[[ヨーロッパ]]諸国へのLNG輸出のほか、[[中央アジア]]、[[中東]]、[[中華人民共和国]]などで使用されている。
 
{{main|天然ガスパイプライン}}
 
もう一つが[[LNGタンカー]]で、中東や[[オーストラリア]]、[[東南アジア]]から[[日本]]や[[韓国]]への輸送に多用されている。[[日本]]の場合、タンカーで搬入されたLNGは、港湾部を起点とするパイプラインで火力発電所や都市ガス事業者に送られる。
 
{{see|Category:日本の天然ガスパイプライン}}
 
世界初のLNG船舶による国際輸送は、[[1959年]][[1月25日]]米国[[ルイジアナ州]]から[[イギリス|英国]]キャンヴェイ・アイランド向けの"Methane Pioneer"によるものだった。この船は元々海軍用の船舶を改造したもので、2000トンのLNGを輸送した<ref name="BriefHistoryofLNG">[https://web.archive.org/web/20130728071833/http://www.beg.utexas.edu/energyecon/lng/LNG_introduction_06.php Center for Energy Economics, BEG/UT-Austin](2013年7月28日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。LNG船の海難事故は極めて少なく、大規模なガス爆発やガス漏洩を含む環境破壊事故は一度も発生していない。また、[[メタンハイドレート]]にして輸送する方法が開発中である。実現した場合はLNGに比べ温度が高くても体積を減らすことができ、輸送効率の向上が見込める。更に、原産地で[[GTL]]法によって[[メタノール]]等の液体に変換して輸送する方法も実用化段階にある。
 
 
 
パイプラインや都市ガス配管が直結していない需要者に対しては、天然ガスを[[タンクローリー]]や[[鉄道]]コンテナに積み替えて運ぶ<ref>[http://www.tng-gas.co.jp/lng.html LNG供給(タンクローリー・タンクコンテナ輸送)]東北天然ガス株式会社(2018年3月15日閲覧)</ref>。鉄道によるLNG輸送は、日本の[[石油資源開発]]株式会社が2000年に[[新潟県]]で始めたのが世界初とされており、海外へのノウハウ販売を計画している<ref>【注目グリーン技術】石油資源開発/世界初のLNG鉄道輸送 鉄道網発達の欧米照準『[[日経産業新聞]]』2018年3月13日(環境・エネルギー・素材面)</ref>。
 
 
 
=== 設備 ===
 
LNGを利用するためには、上流のガス井に始まり、パイプライン、液化プラント、LNGタンカー、受け入れ基地、再ガス化設備、下流での輸送網に至るまで、「LNGヴァリュー・チェーン」と呼ばれる一連の設備が必要である。
 
 
 
;LNG受入れ基地・再ガス化設備(ターミナル)
 
LNG受入れ基地は、LNG船舶を受け入れる[[桟橋]]が必要であることと、[[海水]]によってLNGを暖めることで、再ガス化プロセスつまり気体に戻す作業を行う場合が多いことから、そのほとんどが海に面している。世界初のLNG受入れ基地は英国キャンヴィー・アイランドにおけるもので、[[アメリカ合衆国]]や[[アルジェリア]]からのLNGを輸入する拠点だった<ref name="BriefHistoryofLNG" />。[[2013年]]に[[シンガポール]]の[[ジュロン島]]で稼動したLNG受入れ基地は、受入れ設備と再輸出設備を兼ね備えた世界初のターミナルである<ref>[https://web.archive.org/web/20140308072729/http://www.slng.com.sg/newsroom-press-release.html SLNG - Singapre LNG Corporation](2014年3月8日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。
 
 
 
[[冷熱]]利用は再ガス化の際の[[気化熱]]を冷熱源とする施設を設置し、冷熱エネルギーの利用効率を高めることである。[[東京ガス]][[根岸 (横浜市)|根岸]]工場では、[[冷熱発電]]、[[マグロ]]の冷凍倉庫、空気分離装置、[[液化炭酸ガス]]の製造設備が隣接しており、熱交換の効率化に活用している。[[阪神港]][[泉北]][[コンビナート]]では、[[キンレイ]](かつては[[大阪ガス]]傘下)の冷凍うどん製造工場や業務用冷凍庫などの他に、[[大阪府立臨海スポーツセンター]]のスケートリンクなどが存在する。
 
こうした冷熱利用により、LNG事業者は再ガス化にかけるコスト、関連事業者は製造コストの削減を可能にし、結果として電力使用を抑え[[省エネ]]に繋げている。
 
 
 
=== 用途 ===
 
* 原料 - [[都市ガス]]、化学工業
 
* 燃料 - [[火力発電所]]
 
 
 
日本国内では都市ガス用と火力発電用の比率は約35:65である。
 
;都市ガス
 
:日本での天然ガス利用は、関東では[[東京ガス]]が[[東京電力]]と共同で、[[横浜市]][[磯子区]]根岸に日本初のLNG基地を建設。[[1969年]](昭和44年)11月に[[アラスカ州|アラスカ]]から初めてのLNGタンカーが入港し、[[1970年]](昭和45年)より東京電力[[南横浜火力発電所]]へ燃料として供給するとともに、東京ガスは[[1972年]](昭和47年)から[[1988年]](昭和63年)までの16年間で石油系ガス(6B)からの転換を完了した。関西では、[[大阪ガス]]が[[1969年]](昭和44年)に導入を決定し、[[1975年]](昭和50年)から[[1990年]](平成2年)までの16年間で[[石炭]]改質系からの転換を完了した。あわせて[[堺泉北港]]に天然ガスコンビナートを形成した。[[都市ガス]][[都市ガス#種類|12A]]・[[都市ガス#種類|13A]]である。
 
;火力発電
 
:[[火力発電]]用燃料としては、東京電力の南横浜火力発電所が世界初のLNG専焼火力として建設された。以降、発電用燃料として多く使用されるようになり、高出力の[[ガスタービン]]を用いた発電所が全国に建設。特に東京電力は近年[[韓国ガス公社]](KOGAS)に抜かれるまで世界最大のLNG輸入者であった。[[中華人民共和国|中国]]では[[石炭火力発電所|石炭火力]]発電への依存度を下げ、[[有害物質]]排出を抑えるための環境対策として、天然ガスの輸入を増やし[[2016年]]以降に新設する大部分の発電所をガス火力に切り替える方針。
 
 
 
=== 事故 ===
 
万一、大量のLNGが漏洩する事故が起きれば液化の為の-162℃以下の超低温状態から-113℃以上に暖められるまでは空気よりも重く、極低温のガスが地上に滞留する。LNGタンクが作られた初期の1944年10月20日、[[アメリカ合衆国]]の[[オハイオ州]][[クリーブランド (オハイオ州)|クリーブランド]]で起きたLNG漏洩事故では防液堤を備えなかったために大量のLNGが市中に広がり、下水溝内で爆発・燃焼するなど死者128人を出した<ref>Johnson, Jeff. [http://pubs.acs.org/cen/coverstory/83/8317LNG.html LNG WEIGHS ANCHOR]. ''Chemical & Engineering News''. Vol.83. No.17. pp.19-22. 2005年4月25日.</ref>。この大事故を教訓に、現在はLNGタンクの周りは防液堤で囲われており、万一漏洩事故が発生しても周辺被害はそれほど拡大しないと期待されている<ref name="LNG船がわかる本">糸山直之著 「LNG船がわかる本」 成山堂出版 2005年1月18日 増補改訂初版発行 ISBN 4-425-32123-5</ref>。
 
 
 
=== LNG受け入れ基地 ===
 
日本国内の基地について記載する。
 
*釧路基地([[JXグループ]]、[[釧路市]])
 
*石狩LNG基地([[北海道ガス]]、[[石狩市]])
 
*八戸LNGターミナル(JXグループ、[[八戸市]])
 
*秋田基地([[東部ガス]]、[[秋田市]])
 
*港基地([[仙台市ガス局]]、[[仙台市]][[宮城野区]])
 
*相馬LNG基地([[石油資源開発]]、[[福島県]][[新地町]])
 
*東新潟基地([[東北天然ガス]]、[[新潟県]][[聖籠町]])
 
*直江津LNG基地([[国際石油開発帝石]]、[[上越市]])
 
*日立基地(東京ガス、[[日立市]])
 
*根岸基地([[東京ガス]]・[[東京電力]]、[[横浜市]][[磯子区]]根岸地区)
 
*扇島基地(東京ガス、[[川崎市]][[川崎区]][[扇島]]・横浜市[[鶴見区 (横浜市)|鶴見区]]扇島)
 
*東扇島基地(東京電力、川崎市川崎区[[東扇島]])
 
*袖ケ浦基地(東京ガス・東京電力、[[袖ケ浦市]])
 
*富津基地(東京電力、[[富津市]])
 
*袖師基地([[清水エル・エヌ・ジー]]、[[静岡市]][[清水区]][[袖師町]])
 
*知多LNG共同基地([[東邦ガス]]・[[中部電力]]、[[知多市]])
 
*知多基地(中部電力、知多市)
 
*知多緑浜基地(東邦ガス、知多市)
 
*四日市基地(東邦ガス・中部電力、[[四日市市]])
 
*川越基地(中部電力、[[三重県]][[川越町]])
 
*堺LNGセンター([[堺LNG]]、[[堺市]][[西区 (堺市)|西区]])
 
*泉北I基地([[大阪ガス]]、堺市西区)
 
*泉北II基地(大阪ガス、堺市西区)
 
*姫路製造所(大阪ガス、[[姫路市]])
 
*姫路LNG基地([[関西電力]]、姫路市)
 
*水島基地(JXグループ、[[倉敷市]][[水島地域]])
 
*廿日市基地([[広島ガス]]、[[廿日市市]])
 
*柳井基地([[中国電力]]、[[柳井市]])
 
*坂出基地([[四国電力]]・[[四国ガス]]、[[坂出市]])
 
*戸畑基地([[九州電力]]・[[新日鐵住金]]、[[北九州市]][[戸畑区]])
 
*響灘基地([[西部ガス]]・九州電力、北九州市[[若松区]])
 
*福岡基地(西部ガス、[[福岡市]][[東区 (福岡市)|東区]])
 
*長崎基地(西部ガス、[[長崎市]])
 
*新大分基地(九州電力、[[大分市]])
 
*鹿児島基地([[日本ガス]]、[[鹿児島市]])
 
*吉の浦LNG受け入れ設備([[沖縄電力]]、[[沖縄県]][[中城村]])
 
{{Main|日本のLNG基地一覧}}
 
 
 
===LNG発電船===
 
島々によって構成される国や地域には大規模な発電基地を建設することが困難な場合もある。その為、ディーゼル発電などが主になるが環境や費用の高さが問題となる。これを解消するためLNG発電船から電力を供給する方法がある<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ24I4G_V20C17A5TJ2000/ 商船三井がLNG発電船 事業化検討、収益安定狙う ]</ref><ref>[http://www.yomiuri.co.jp/economy/20171014-OYT1T50099.html LNG発電船、インドネシアに初配備…政府検討]</ref>。
 
 
 
== 圧縮天然ガス ==
 
'''圧縮天然ガス'''(あっしゅくてんねんガス、'''CNG'''<ref>{{lang-en-short|compressed natural gas}}</ref>)は、高い圧力で圧縮された[[#top|天然ガス]]のこと。燃焼させた時に発生する排気ガスが比較的良いので、自動車の燃料として注目を浴びるようになった。天然ガスに仮に[[オクタン価]]を付ければ135になる<ref>ケネス・S・ディフェス著 秋山淑子訳 「石油が消える日」 パンローリング株式会社 2007年8月5日初版第一刷発行 ISBN 978-4-7759-7088-1</ref>。
 
 
 
{{main|天然ガス自動車}}
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{Reflist|2}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commons&cat|Natural gas|Natural gas}}
 
* [[液化石油ガス]] - LPG
 
* [[GTL]] - 液化燃料
 
* [[ガス燃料]]
 
* [[シェールガス]]
 
* [[勇払ガス田]]
 
* [[南長岡ガス田]]
 
* [[片貝ガス田]]
 
* [[南関東ガス田]]
 
* [[天然ガスパイプライン]]
 
* [[国鉄キハ07形気動車]] - 一部が天然ガス仕様に改造されて使用された。
 
* [[日本のLNG基地一覧]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
<!-- * [http://www.cpng.or.jp/ 財団法人天然ガス導入促進センター]-[http://www.naturalgas.jp/index.html 天然ガス解説] -->
 
<!-- リンク切れのため一旦コメントアウト。現在は「一般財団法人 コージェネレーション・エネルギー高度利用センター」という名称。天然ガス関連情報は少ない模様。-->
 
* [http://www.jogmec.go.jp/ 石油天然ガス・金属鉱物資源機構] (探鉱、備蓄)
 
* [http://www.japex.co.jp/ 石油資源開発株式会社] (探鉱、生産、パイプライン)
 
 
{{自動車用燃料}}
 
{{自動車用燃料}}
 +
{{テンプレート:20180815sk}}
 
{{デフォルトソート:てんねんかす}}
 
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[[Category:エネルギー]]
 
[[Category:エネルギー]]

2018/8/29/ (水) 18:10時点における最新版

天然ガスの採掘現場

天然ガス(てんねんガス、: natural gas: 天然气: 天然氣

地下に存在し地表条件では気体である物質の総称。炭酸ガス,窒素ガスなどの不燃性のものと,炭化水素を主とする可燃性ガスがあり,狭義には後者だけをいう。その地質学的存在状況および産出状況により次のように分類される。

(1) 構造性天然ガス (石油系ガス) 原油とともに産出する油井系ガス (隋伴ガス) とガスだけを単独に産出するガス井ガス (非隋伴ガス) がある。

(2) 水溶性ガス (メタン系ガス)  おもに有機物起源のガスで比較的浅い地層の地層水中に溶解しているもの。

(3) 炭田ガス 炭田地帯の炭層や炭層付近の地層に存在しているものがある。

これらのうち最も高い商業的稼行対象となるものは構造性天然ガスである。また水溶性ガスは採取が容易なため日本では古くから千葉,新潟などで商業的な採取が行われてきたが,世界的には例が少い。天然ガスの主成分はパラフィン系炭化水素で,炭素1個のメタンを主成分とするが,2個以上の炭素原子数をもつエタン,プロパン,ブタン,ペンタンなどを含むものもある。プロパン以上は常温常圧では液化しコンデンセートとなるので,これらを含むものを湿性ガス (ウェットガス) と呼び,メタンが多くこれらを含まない乾性ガス (ドライガス) と区別する。不純分としては窒素,炭酸ガス,硫化水素,アルゴンなどの希元素ガスなどを含むことがある。広く燃料として使用されるほか化学原料として水素メタノールアンモニア,肥料などの製造に使用される。




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