愛は勝つ

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愛は勝つ」(あいはかつ)は、KANの8枚目のシングル1990年9月1日ポリドールから発売された。

概要

元々はテレビ朝日系の「クイズおもしろTV」のエンディング曲に使われていたが、フジテレビ系「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」の挿入歌に起用されたことで人気を博し、ロングセラーとなる[1]。オリコンでは8週連続1位、累計売上201.2万枚。翌年1991年第33回日本レコード大賞を受賞。また、第42回NHK紅白歌合戦にも出場し、モーツァルト没後200周年にかけて、自らモーツァルトに扮装して熱唱した。

楽曲制作

友人から恋愛相談を受けたKANは、「お前そりゃどう転んでもうまくいかないだろう」と思い、「せめて歌の中ではうまくいけばいいな」と、ビリー・ジョエルの「アップタウン・ガール」を意識して歌詞を書いた。曲が出来た時は「うまくいった」と思ったが、歌詞をつけたら曲のストレートでクリアな感じがぼやっとなった気がしたという[1]

大ヒットに至る経緯

当初は1990年7月に発表されたアルバム『野球選手が夢だった。』の一曲に過ぎなかったが、開局から1年の大阪のFM局FM802が、番組を問わず流しまくるヘビーローテーションに選び、これを切っ掛けとして同年9月1日にシングルとして発売される[1]フジテレビ系「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」のプロデューサー・小畑芳和は、番組で使う曲探しのため、CD・レコードを片っ端から聴いていて、これからはピアノを弾く男が来ると思っていたこと、信じれば必ず最後に愛は勝つというストレートな歌詞は、吉田拓郎フォークで叫んでいたのと通じるものがあると感じて番組のテーマ曲に起用した[1]。フジテレビが『楽しくなければテレビじゃない』のキャッチコピーを掲げるなどで勢いがあり、バブルで浮かれていた時代の中で力強く響き、売り上げは爆発的に伸びた。

楽曲構成

変わらないリズムパターン、四分のピアノ、終始歌うコーラスなどは、KANが敬愛するアーティストの一人であるビリー・ジョエルの楽曲「アップタウン・ガール」を模倣している(因みにイントロ部分は同じくビリー・ジョエルの「愛する君に」(原題State of Grace)を思わせるものとなっている)。

KANは、歌詞を書く前の楽曲の打ち合わせでは「自分の才能が怖い」と発言するほどこの曲を気に入っていた。歌詞は、レコーディングに入る前年に友人の男性から恋愛相談を受け、男からの相談を聞く気になれず投げやりに「大丈夫、愛は勝つよ」と発言したことから発想。KANはこの曲のメロディーが気に入っていた分、歌詞をあまり複雑な内容にしたがらなかったため、抽象的な表現のみで構成している。しかし、最初の歌詞「心配ないからね」が自分であまり気に入らず、本当は歌い始めを「ア」か「オ」にしたかったKANは、歌詞ができてからは自分の中でテンションが下がったと語っている。

コーラスはイントロ以外の全ての小節に入っており、さらに同じメロディーでも歌詞の違いや転調があるため、通常よりもレコーディング量が多かった。そのため、レコーディング終了後、コーラス担当者からギャラを倍額請求されたというエピソードがある。演奏をしながらのコーラスも困難なため、ツアーではサンプリング音源を使用する場合がほとんどである。

その他

2002年には、三井住友海上自動車保険「MOST(モスト)」のCMソングとして使用された。

2009年2月、自身初となるオーケストラアレンジを施し、NHK-BS2『あなたの街で 夢コンサート』にて東京フィルハーモニー交響楽団と共演した。

2009年4月、三菱東京UFJ銀行「カードローン(バンクイック)」のCMソングで使用。

2016年8月27日、『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』(日本テレビ放送網系列)のオープニング、KANの演奏と共に全出演者が歌って幕を開けた。

カップリング

シングルのカップリングに収録されている「それでもふられてしまう男(やつ)」は、アルバム『野球選手が夢だった。』の制作初期にレコーディングされ未収録となった曲。もともとは「GUINNESS」というタイトルだったが登録商標であったため没とし、「愛は勝つ」に対する“洒落”としてこのタイトルになった。

収録曲

全作詞・作曲:KAN

  1. 愛は勝つ
    (編曲:小林信吾、KAN)
  2. それでもふられてしまう男(やつ)
    (編曲:佐藤準
  3. 愛は勝つ(オリジナルカラオケ)

カバー

がんばろうニッポン 愛は勝つ シンガーズによるカバーシングル

2011年4月9日アップフロントワークスから配信限定でリリースされ、同年6月22日に同アップフロントワークス(zetimaレーベル)からパッケージメディアCD、およびDVD)としてリリースされたシングル。日本のチャリティーユニット『がんばろうニッポン 愛は勝つ シンガーズ』の楽曲。1990年9月1日に発売されたKANの『愛は勝つ』のカヴァー曲にあたる。 歌のレコーディングは、シャ乱Qたいせいが仕切った。[6]

イベント

2011年4月9日、東日本大震災救援「がんばろうニッポン 愛は勝つ」〜From Yokohama with love〜と題したイベントが行われ、「愛は勝つ」も同イベント内で合唱された[7][8]

2011年12月7日放送の『2011 FNS歌謡祭』(フジテレビ)のトップバッターで披露された[9]

参加アーティスト

(50音順・敬称略)

主旨賛同アーティスト(レコーディング未参加)

シングルCD収録曲

  1. 愛は勝つ(作詞・作曲:KAN 編曲:KAN、矢代恒彦
  2. 愛は勝つ(Instrumental)(編曲:KAN、矢代恒彦)

シングルDVD収録曲

  1. 愛は勝つ(がんばろうニッポン 愛は勝つ シンガーズ PVバージョン)
  2. メイキング映像、イベントドキュメント(2011年4月9日、山下公園でのイベント風景)

演奏メンバー

  • ドラムス:清水淳
  • ギター:中野豊
  • ベース:西嶋正己
  • キーボード:矢代恒彦

   このメンバーは、KANのツアーサポートメンバーである。[6]

エピソード

この曲の替え歌として「最後にチキンカツ」「最後に勝海舟」「最後に桂三枝」といったバージョンが『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』の番組内で歌われていた。特に「愛はチキンカツ」は番組放送期間内に何度と無く登場しただけでなく、本人も『アタックヤング』(STVラジオ)の番組内で「食べ物系の替え歌でこれだけ話題になったのは『ブルー・シャトウ』(ジャッキー吉川とブルー・コメッツ)以来」と発言するなど、お気に入りの一曲だった。これらの替え歌の歌詞は、全てフジテレビの美術プロデューサーである清水淳司が作詞したもの。

スーパーファミコンのゲーム「スーパーマリオRPG」内の中ボスに「カン」というキャラクターがいるが、このキャラクターに「マロ」の【なにかんがえてるの】という技をかけ、アクションコマンドを成功させると、「アイハカツ。」というメッセージが表示される。

スピッツの2004年のシングル「正夢」の歌詞に「愛は必ず最後に勝つだろう」というフレーズがあり、CDのSpecial ThanksにもKANの名前がクレジットされている。なお、スピッツの草野マサムネはKANの高校の後輩にあたる。

2010年に日本ケンタッキー・フライド・チキンが受験シーズンに実施したキャンペーン・「『I和カツ』応援ソングプロジェクト」のテーマソングとなったが、これは同社のメニュー「和風チキンカツサンド」を験担ぎメニューとして曲名を掛けたものである。

2013年に放映されたPanasonicのCM「20歳のリフォーム」において、撮影当時満20歳だった女優の石塚かえでが「愛は勝つ」を歌っている。また、このCMでは石塚と実の両親が共演している。

読売ジャイアンツ所属の大竹寛投手の2014年度シーズンからの登場曲でもある。

脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 木村尚貴 (2016年5月21日). “(もういちど流行歌)「愛は勝つ」KAN バブル崩壊の足音とともに”. 朝日新聞 be on Saturday (朝日新聞デジタル). オリジナル2017年5月4日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170504100257/http://www.asahi.com/articles/DA3S12364779.html . 2017閲覧. 
  2. 全131名中、田中義剛めんこい内村はスケジュールの都合により収録不参加。
  3. がんばろうニッポン 愛は勝つ シンガーズ「愛は勝つ」のPVが公開- BARKS、2011年4月7日
  4. がんばろうニッポン 愛は勝つ CD+DVDパッケージで発売! - アップフロントプロモーション, 2011年5月14日閲覧
  5. “山崎育三郎カバーアルバムに「女々しくて」「モーツァルト!」劇中歌など11曲”. ステージナタリー. (2016年6月22日). http://natalie.mu/stage/news/191709 . 2016閲覧. 
  6. 6.0 6.1 KANオフイシャルウェブサイト「金曜コラム」No.306「ご賛同いただければ」より
  7. モー娘。:東日本大震災募金活動に元メンバー勢ぞろい(MANTANWEB(まんたんウェブ))”. 毎日新聞社 (2011年4月8日). . 2011閲覧.
  8. 森高千里「心ひとつに」必ず最後に愛は勝つ(デイリースポーツ)”. 神戸新聞社 (2011年4月10日). . 2011閲覧.
  9. 2011FNS歌謡祭”. フジテレビ (2011年12月7日). . 2014閲覧.
  10. この楽曲のレコーディングに参加した当時のメンバーは矢島舞美中島早貴鈴木愛理岡井千聖萩原舞
  11. この楽曲のレコーディングに参加した当時のメンバーは和田彩花前田憂佳福田花音小川紗季
  12. この楽曲のレコーディングに参加した当時のメンバーは清水佐紀嗣永桃子徳永千奈美須藤茉麻夏焼雅熊井友理奈菅谷梨沙子
  13. この楽曲のレコーディングに参加した当時のメンバーは高橋愛新垣里沙道重さゆみ田中れいな光井愛佳譜久村聖生田衣梨奈鞘師里保鈴木香音

関連項目

外部リンク

テンプレート:曲調


テンプレート:オリコン月間シングルチャート第1位 1990年代前半

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