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放射能兵器(ほうしゃのうへいき、: Radiological weapon, radiological dispersion device, RDD)は、放射性物質の散布による破壊や負傷を引き起こすことを意図して設計された、核爆発を起こさない兵器。しばしば汚い爆弾と呼ばれる。[1][2]

概要

アメリカ国防総省では、RDDの定義として以下を用いている。[1]

any device, including any weapon or equipment, other than a nuclear explosive device, specifically designed to employ radioactive material by disseminating it to cause destruction, damage, or injury by means of the radiation produced by the decay of such material — アメリカ国防総省、[1]

この定義では、核爆発を起こさないことと、放射性物質による被害の発生を意図していることが挙げられている[1]。核爆発を起こさないことという定義から、放射性物質を撒き散らす副次的効果は存在するが、通常の核兵器はRDDとはされない[1]。逆も同様で、RDDも核兵器とは分類されない[1]大量破壊兵器 (Weapon of Mass Destruction) の一種として分類されることがある一方[3]、一般的な大量破壊兵器の分類には含まないとすることもある[1]。また、大量妨害兵器 (Weapon of Mass Disruption) などと呼ばれることもある[1]

効果に即時性が無く、汚染が長期間残留することから、国家間の戦争では役に立たないと考えられており、2006年現在までに放射能兵器を実戦配備した国は無いと考えられている。だが、核兵器よりも遥かに製造が容易であるため、テロリストにより使用される可能性が懸念されている。[1]

その他

弾丸の一種である劣化ウラン弾には、密度が高く重量が極めて重いという弾体に向いた特性ならびに材料コストが極めて安いという理由から、低レベル放射性廃棄物である劣化ウランが用いられている[4]。劣化ウラン弾の使用を巡っては、その放射線や毒性から、健康被害が指摘されている[4]。こうした健康被害を根拠として、日本では劣化ウラン弾を放射能兵器と呼んでいる事例が存在する[5]

脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 The Likely Effect of a Radiological Dispersion Device”. Liberty University (2005年12月31日). . 2015閲覧.
  2. テロが計画されていた放射能爆弾「ダーティーボム」とは”. WIRED.jp (2002年6月12日). . 2015閲覧.
  3. 井上忠雄 (2011年7月22日). “非通常型核脅威とテロ・原子力事故対策”. JBPress. . 2015閲覧.
  4. 4.0 4.1 研究報告No.29 武力紛争における劣化ウラン兵器の使用”. IPSHU 研究報告シリーズ. 広島大学平和科学研究センター (2002年11月). . 2015閲覧.
  5. 劣化ウラン弾 被曝深刻”. 中国新聞. . 2015閲覧.

関連項目

外部リンク



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