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− | '''教会史'''(きょうかいし、[[英語]]:Church History, [[ドイツ語|独語]]:Kirchengeschichte)は、[[キリスト教]]の[[歴史]]を今後の教会形成と教会観の確立のための視点で研究する[[神学]]の一部門。それに対して[[キリスト教史]]、[[キリスト教思想史]]はキリスト教の歴史を[[宗教史]]、[[文化史]]、[[精神史]]の視点から考察して研究する学問。 | + | '''教会史'''(きょうかいし、[[英語]]:Church History, [[ドイツ語|独語]]:Kirchengeschichte) |
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− | == 定義 ==
| + | [[キリスト教]]の[[歴史]]を今後の教会形成と教会観の確立のための視点で研究する[[神学]]の一部門。 |
− | *[[カトリック教会|ローマ・カトリック]]においては、J・ロルツら古典的な学者によっては、教会はキリストの贖罪の業を終末まで保つために組織された救世主の神秘体であるとして、教会史は歴史学と似ているが、自然科学とは本質を異にしている、啓示の原理で学ばれるものであると定義されており、キリスト教史とは異なると定義されている。しかし、近年の学者H・イェーデンらは、教会史を固定した教会観から考察する事と批判して、一般史学の実証科学的方法を用いて教会を研究する神学部門であると定義している。
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− | *[[プロテスタント]]においては、F・C・バウアは教会史を一概念の弁証的展開の歴史と見て、[[ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル|ヘーゲル]]の歴史的観念を反省させた。H・ボルンカムは世界における福音の感化の歴史を捉えた。G・エーベリングは教会史を聖書解釈の歴史であると捉えた。K・D・シュミットは教会史とは活動を続けているキリストの歴史であると捉えた。
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− | == 歴史 ==
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− | === 古代 ===
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− | *[[初代教会]]成立とその後についての資料は「[[福音書]]」と「[[使徒行伝]]」である。
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− | *最初の教会史家は[[エウセビオス]]である。全10巻の「教会史」を著した。
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− | *[[アウグスティヌス]]が『[[神の国 (アウグスティヌス)|神の国]]』を著して救済論的歴史観を展開した。
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− | === 中世 ===
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− | *5世紀の法律家[[コンスタンティノープルのソクラテス|ソクラテス]]と教会史家[[ソゾメノス]]はエウセビオスの後編を編んだ。
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− | *修道士[[アクイレイアのルフィヌス|ルフィヌス]]はエウセビオスを[[ラテン語]]訳して、後編を付けた。
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− | *中世では[[カッシオドルス]]がそれまでの教会史を要約して『教会史3部作』を著し、[[グレゴリウス1世 (ローマ教皇)|グレゴリウス1世]]が[[フランク教会史]]を編纂した。
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− | *8世紀に[[ベーダ]]が『イギリス教会史』を編纂した。
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− | *14世紀にはトロメーオが24巻の『教会史』を編纂した。
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− | === 宗教改革 ===
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− | *[[マティアス・フラキウス・イリリクス|フラキウス・イリリクス]]は宗教改革期における論争のために『教会史』を著した。
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− | *カトリックでは、[[カエサル・バロニウス|バロニウス]]が12世紀までの教会史を論述して『教会年代記』を著した。
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− | *「近代教会史の父」と呼ばれるJ・L・フォン・モースハイムは、教会史を教派間の葛藤から解放して、教義や制度などを歴史学的に確立した。
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− | === 近代 ===
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− | *[[フェルディナント・クリスティアン・バウア|F・C・バウア]]は[[テュービンゲン学派]]の指導者で[[ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル]]の歴史哲学の影響を受けて、弁証法的解釈を展開した。その思想は、[[アルブレヒト・リッチュル]]、[[アドルフ・ハルナック]]などに受け継がれた。
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− | === 現代 ===
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− | *アメリカではP・シャッフやW・ウォーカーの『教会史』がよく読まれる。
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− | == 参考文献 ==
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− | *『キリスト教辞典』いのちのことば社、1991年
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教会史(きょうかいし、英語:Church History, 独語:Kirchengeschichte)
キリスト教の歴史を今後の教会形成と教会観の確立のための視点で研究する神学の一部門。
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