日本の空港

提供: miniwiki
2018/8/16/ (木) 10:36時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先:案内検索

日本の空港は、空港法に基づき、空港の果たしている機能と設置・管理主体によって区分されており[1]、基本施設(滑走路、誘導路、着陸帯、エプロン)と附帯施設(排水施設、照明、護岸、道路、駐車場など)の工事費用や災害復旧費用の負担ルールなどが定められている[2]。また、旅客ターミナルや貨物取扱施設、給油施設などは、空港を設置する国や地方公共団体が、建設・管理する者を指定して行わせることができる[3]。2013年には、民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律(民活空港運営法)が制定され、国や地方公共団体が設置している空港の運営を、民間事業者に一体的に行わせることが可能となった。

空港の区分は、2008年の空港法改正により、それまでの第一種空港・第二種空港・第三種空港から変更され、次のように区分されている。各区分の空港名と位置は、空港法と空港法施行令で定められている[4]

拠点空港

国際航空輸送網又は国内航空輸送網の拠点となる空港[5]で、航空行政上「拠点空港」と呼ばれる。会社管理空港、国管理空港、特定地方管理空港があり、2008年の空港法改正までの旧第一種空港(国際航空路線に必要な飛行場)と旧第二種空港(主要な国内航空路線に必要な飛行場)が該当する。

会社管理空港

会社が設置し、管理する空港[6]で、航空行政上「会社管理空港」と呼ばれる。各空港の特別法に基づき、会社の事業として空港の設置・管理を行う。旧第一種空港のうち4か所。

国管理空港

国が設置・管理する空港。東京国際空港[7]と、政令で定める空港[8]が該当する。東京国際空港については、基本施設と附帯施設の工事費用を国が全額を負担。政令で定める空港は、附帯施設は全額を国が負担し、基本施設は3分の2を国が、3分の1を地方公共団体が負担する。北海道、沖縄、離島の空港については、空港法や地域特別法などにより、基本施設に対する国の負担割合が100分の80から100分の95までの間でそれぞれ定められている[2]。東京国際空港は旧第一種空港に、それ以外は旧第二種空港(A)に該当する。19か所。

特定地方管理空港

国が設置し、地方公共団体が管理する空港。基本施設の工事費用は、国が100分の55、地方公共団体が100分の45を負担。附帯施設は地方公共団体が負担するが、国が工事費の100分の55まで補助することができる[9]。北海道、沖縄、離島の空港については、空港法や地域特別法などにより、国が負担・補助する工事費の割合が高くなっている[2]。2008年の空港法改正時に、旧空港整備法第4条第2項の規定により、国が設置し、地方公共団体が管理していた空港[10]で、旧第二種空港(B)に該当する。5か所。

地方管理空港

国際航空輸送網又は国内航空輸送網を形成する上で重要な役割を果たす空港[11]で、地方公共団体が設置・管理する。基本施設の工事費用は、国と地方が100分の50ずつ負担。附帯施設は地方公共団体が負担するが、国が工事費の100分の50まで補助することができる。北海道、沖縄、奄美地方、離島の空港については、空港法や地域特別法などにより、国が負担・補助する工事費の割合が高くなっている[2]。旧第三種空港(地方的な航空運送を確保するため必要な飛行場)に該当する。54か所[12]

その他の空港

上記の区分のいずれにも該当しない空港。ただし、このうち八尾空港は、「当分の間、国管理空港とみなす」との経過措置が設けられている[13]。7か所。

共用空港

自衛隊の設置する飛行場もしくは在日米軍が使用している飛行場で、公共の用に供するものとして政令に定める空港[14]。自衛隊の設置する共用空港のうち5か所[15]については、空港として使用するために工事する場合は、附帯施設の工事費用は全額を国が負担し、基本施設は3分の2を国が、3分の1を地方公共団体が負担する[16]。このうち北海道の空港[17]については、基本施設の工事費用に対する国の負担割合が100分の85となっている[18][2]。8か所[19]

空港以外の飛行場など

空港以外の施設には、航空法に基づき、国土交通大臣の許可を得て設置する次の飛行場などがある。

日本の空港の特徴

狭くて急峻な国土において日本の空港は海外の基幹空港に比べて国土面積当たりの数が多く、規模が小さい傾向にある[22]。このような中規模クラスの空港は比較的市街地から近い距離に配置されており利用者の利便性については優れているが、その反面需要の集約ができず就航路線の採算性が低下する側面も併せ持つ。日本の空港の着陸料は世界で比較的高い水準にあるが[23]、利用料の多くを直接負担するのは航空会社である。一方、欧米の空港は乗客が支払う施設利用料が高額に設定されており空港利用料の大半を旅客が直接負担する。


一部の空港では正式な名称とは別に愛称を付与している。

日本の空港分類

空港名に付記した括弧内の呼称は、通称・愛称などである。

拠点空港

会社管理空港

4箇所

国管理空港

19箇所

特定地方管理空港

5箇所

地方管理空港

54箇所

その他の空港

7箇所

共用空港

8箇所
千歳飛行場※航空自衛隊と共用
岩国飛行場(岩国錦帯橋空港)※アメリカ海兵隊・海上自衛隊と共用
  • 四国:徳島飛行場(徳島空港、徳島阿波おどり空港)※海上自衛隊と共用

公共用ヘリポート

非公共用ヘリポート

非公共用飛行場

地域一覧

北海道地方

新千歳と札幌の両空港(飛行場)は、運航会社によりマルチエアポートとして対応がなされている。

東北地方

関東地方

東京と成田の両空港は、国際航空運送協会 (IATA) 公認のマルチエアポートとして対応がなされている。

栃木県・群馬県・埼玉県・神奈川県には空港が存在しない。

中部地方

中部と名古屋の両空港(飛行場)は IATA 公認のマルチエアポートとして対応がなされている。

山梨県・岐阜県・三重県には空港が存在しない。

近畿地方

大阪・関西・神戸の関西三空港は、IATA 公認のマルチエアポートとして対応がなされている。

滋賀県・京都府・奈良県には空港が存在しない。

中国地方

広島と岩国の両空港(飛行場)は、個々の運航会社または企業グループによりマルチエアポートとして対応がなされている。

四国地方

九州地方

福岡・北九州・佐賀の各空港は、個々の運航会社または企業グループによりマルチエアポートとして対応がなされている。

沖縄地方

自衛隊・在日米軍などの飛行場

自衛隊・在日米軍が使用する、いわゆる軍用飛行場(三沢飛行場などの軍民共用の飛行場も含む)

空港名に付記した括弧内の呼称は使用者による呼称(基地名)を示す。また、括弧内の使用者略称は以下の凡例をもって示す。

北海道・東北

※航空自衛隊の代替滑走路として管理され、航空機等の配備はない。一部は別海フライトパークとして再利用される。

関東

中部・北陸

関西・中国・四国

九州・沖縄

過去に存在していた主な空港

廃港(廃止)後の跡地は、再開発・転用されたもののほか、場外離着陸場として航空機の離着陸の機能を残しているものもある。

過去に存在していた主なヘリポート

建設中の空港

2016年現在、沖縄本島キャンプ・シュワブ辺野古(普天間飛行場機能の移転)を除き、新規建設中の空港はない。

統計情報

空港

  • (※印):空港連絡鉄道がある空港。
  • チャーター便の旅客数を含む。
  • 単位 : 旅客数の単位は「人」、着陸回数の単位は「回」で表記。
  • 背景の棒グラフは対数。紫色は国際線を示す。
2014年 旅客数順の空港一覧[25]
順位 空港 合計 国内線 国際線 種別
旅客数 着陸数 旅客数 着陸数 旅客数 着陸数
1 東京
72,743,763
212,802 62,162,813 185,132 10,580,950 27,670 国管理空港
2 成田
32,866,898
115,521 5,943,570 26,222 26,923,328 89,299 会社管理空港
3 福岡
19,707,769
85,821 16,236,618 74,114 3,467,151 11,707 国管理空港
4 新千歳
19,270,922
69,301 17,717,548 64,666 1,553,374 4,635 国管理空港
5 関西
19,218,083
70,787 6,300,877 24,183 12,917,206 46,604 会社管理空港
6 那覇
17,293,780
76,987 15,849,316 70,488 1,444,464 6,499 国管理空港
7 大阪
14,526,575
69,542 14,526,575 69,539 0 3 会社管理空港
8 中部
9,755,531
45,597 5,399,377 29,169 4,356,154 16,428 会社管理空港
9 鹿児島
5,154,250
32,860 5,026,164 32,214 128,086 646 国管理空港
10 仙台
3,213,337
28,157 3,046,420 27,372 166,917 785 国管理空港
11 熊本
3,045,345
19,845 3,017,540 19,593 50,084 252 国管理空港
12 長崎
2,964,474
15,852 2,902,314 15,559 62,160 293 国管理空港
13 宮崎
2,852,009
20,758 2,780,239 20,460 71,770 298 国管理空港
14 松山
2,838,910
15,965 2,803,000 15,708 35,910 257 国管理空港
15 広島
2,677,134
11,474 2,388,726 10,045 288,408 1,429 国管理空港
16 神戸
2,497,755
14,106 2,497,733 14,099 22 7 地方管理空港
17 石垣
2,325,230
13,743 2,307,564 13,657 17,666 86 地方管理空港
18 小松
2,313,403
8,915 2,135,674 8,025 177,729 890 共用空港
19 大分
1,732,422
10,937 1,711,826 10,828 20,596 109 国管理空港
20 高松
1,725,227
9,315 1,609,290 8,758 115,937 557 国管理空港
21 函館
1,703,953
8,470 1,524,764 8,047 161,983 423 国管理空港
22 岡山
1,348,209
5,411 1,187,530 4,598 160,679 813 地方管理空港
23 高知
1,335,214
9,083 1,333,356 9,075 1,858 8 国管理空港
24 宮古
1,298,304
8,069 1,297,627 8,066 677 3 地方管理空港
25 北九州
1,277,177
8,784 1,229,983 8,457 47,734 327 国管理空港
26 秋田
1,219,815
9,685 1,192,241 9,537 27,574 148 特定地方管理空港
27 旭川
1,098,230
3,912 954,355 3,486 143,875 426 特定地方管理空港
28 新潟
1,011,945
14,206 872,285 13,456 139,660 750 国管理空港
29 徳島
1,011,853
5,479 1,011,853 4,087 0 1 共用空港
30 富山
994,134
4,468 897,101 3,913 97,033 555 地方管理空港
31 青森
912,990
7,131 878,525 6,943 34,465 188 地方管理空港
32 美保
864,528
5,142 835,255 4,961 27,574 181 共用空港
33 山口宇部
863,421
3,959 857,699 3,934 5,722 25 特定地方管理空港
34 出雲
783,626
6,100 782,127 6,093 1,499 7 地方管理空港
35 女満別
737,504
5,044 736,350 5,039 1,154 5 地方管理空港
36 釧路
680,607
5,052 669,739 5,015 10,868 37 国管理空港
37 名古屋
653,766
20,709 653,766 20,640 753 69 その他の空港
38 奄美
603,762
7,514 603,762 7,514 0 0 地方管理空港
39 帯広
583,480
5,923 579,246 5,908 4,234 15 特定地方管理空港
40 茨城
513,852
2,846 405,932 2,507 107,920 339 共用空港
41 静岡
506,950
3,658 303,017 2,770 203,933 888 地方管理空港
42 佐賀
497,223
4,544 420,830 4,231 76,393 313 地方管理空港
43 花巻
395,329
5,888 380,459 5,834 14,870 54 地方管理空港
44 庄内
368,618
2,040 368,004 2,038 614 2 地方管理空港
45 鳥取
335,333
2,645 335,152 2,643 181 2 地方管理空港
46 対馬
261,169
3,013 261,169 3,013 0 0 地方管理空港
47 福島
251,034
4,113 245,375 4,087 5,659 26 地方管理空港
48 久米島
243,349
2,689 243,349 2,689 0 0 地方管理空港
49 三沢
242,013
1,781 242,013 1,781 0 0 共用空港
50 中標津
198,401
1,553 198,401 1,553 0 0 地方管理空港
51 山形
187,743
2,946 186,561 2,939 1,182 7 特定地方管理空港
52 八丈島
183,350
2,125 183,350 2,125 0 0 地方管理空港
53 稚内
181,850
1,326 181,850 1,326 0 0 国管理空港
54 屋久島
173,891
2,689 173,891 2,689 0 0 地方管理空港
55 札幌
173,471
8,041 173,471 8,041 0 0 共用空港
56 徳之島
156,683
2,484 145,545 2,482 284 2 地方管理空港
57 能登
151,414
1,673 147,768 1,659 3,646 14 地方管理空港
58 福江
137,077
2,618 137,077 2,618 0 0 地方管理空港
59 大館能代
123,356
817 123,356 817 0 0 地方管理空港
60 南紀白浜
106,568
2,282 105,882 2,277 686 5 地方管理空港
61 石見
102,447
830 101,738 824 709 6 地方管理空港
62 松本
93,764
3,433 93,271 3,425 493 8 地方管理空港
63 沖永良部
90,888
1,971 90,888 1,971 0 0 その他の空港
64 調布
87,516
8,016 87,516 8,016 0 0 その他の空港
65 与那国
79,901
1,545 79,901 1,545 0 0 地方管理空港
66 種子島
77,830
1,822 77,830 1,822 0 0 その他の空港
67 喜界
73,470
1,937 73,470 1,937 0 0 地方管理空港
68 与論
65,983
1,411 65,983 1,411 0 0 地方管理空港
69 紋別
65,957
393 65,957 393 0 0 地方管理空港
70 天草
61,046
1,531 61,046 1,531 0 0 その他の空港
71 隠岐
54,788
852 54,788 852 0 0 地方管理空港
72 南大東
43,661
786 43,661 786 0 0 地方管理空港
73 大島
40,714
3,323 40,714 3,323 0 0 地方管理空港
74 利尻
37,244
511 37,244 511 0 0 地方管理空港
75 多良間
36,042
726 36,042 726 0 0 地方管理空港
76 壱岐
31,407
822 31,407 822 0 0 地方管理空港
77 新島
30,170
1,576 30,170 1,576 0 0 地方管理空港
78 但馬
28,592
2,092 28,592 2,092 0 0 その他の空港
79 神津島
20,625
1,067 20,625 1,067 0 0 地方管理空港
80 北大東
17,279
394 17,279 394 0 0 地方管理空港
81 三宅島
16,359
969 16,359 969 0 0 地方管理空港
82 粟国
12,811
1,174 12,811 1,174 0 0 地方管理空港
83 奥尻
10,486
396 10,486 396 0 0 地方管理空港
84 慶良間
720
163 720 163 0 0 地方管理空港
85 伊江島
8
42 8 42 0 0 地方管理空港
八尾
0
13,749 0 13,749 0 0 その他の空港
福井
0
4,840 0 4,840 0 0 地方管理空港
岡南
0
3,580 0 3,580 0 0 その他の空港
大分県央
0
964 0 964 0 0 その他の空港
下地島
0
443 0 443 0 0 地方管理空港
小値賀
0
100 0 100 0 0 地方管理空港
上五島
0
92 0 92 0 0 地方管理空港
佐渡
0
65 0 65 0 0 地方管理空港
波照間
0
16 0 16 0 0 地方管理空港
礼文
0
0 0 0 0 0 地方管理空港
千歳
0
0 0 0 0 0 共用空港

ヘリポート

  • 単位 : 着陸回数の単位は「回」で表記。
  • 背景の棒グラフは対数
2008年度
順位 ヘリポート 着陸回数
1 東京
11,129
2 舞洲
2,808
3 静岡
2,033
4 群馬
1,413
5 神戸
1,301
6 つくば
1,280
7 津市伊勢湾
972
8 栃木
814
9 奈良県
715
10 佐伯
114
11 若狭
77
12 ニセコ
74
13 砂川
57
14 高崎
53
15 米沢
52
16 豊富
41
17 占冠
29
18 足寄
21
19 乙部
14
20 播磨
9
21 増毛
6
22 湯村温泉
3

脚注

  1. 国土交通省航空局:空港の一覧
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 交通政策審議会航空分科会第5回空港整備部会資料”. 参考資料9 空港整備事業費における国の負担率及び補助率等一覧表. 国土交通省. . 2018閲覧.
  3. 空港法第15条第1項、同第23条
  4. 空港法施行令 別表第1から別表第3、附則別表
  5. 空港法第4条第1項
  6. 空港法第4条第1項、同第4条第3項及び第4条第4項
  7. 空港法第4条第1項第2号
  8. 空港法第4条第1項第6号、空港法施行令別表第2
  9. 空港整備法及び航空法の一部を改正する法律(平成20年法律第75号)附則3条1項、旧空港整備法第8条
  10. 空港整備法及び航空法の一部を改正する法律(平成20年法律第75号)附則3条1項
  11. 空港法第5条
  12. 空港法施行令別表第3
  13. 空港法施行令(平成20年6月18日政令第197号)改正附則「(経過措置) 2 第一条の規定による改正前の空港整備法施行令別表第二に規定する八尾空港は、当分の間、空港整備法及び航空法の一部を改正する法律第一条の規定による改正後の空港法(昭和三十一年法律第八十号。次項において「新空港法」という。)第四条第一項第六号に掲げる空港とみなす。」
  14. 空港法附則第2条第1項
  15. 空港法施行令附則第3条第1項に定める札幌飛行場、百里飛行場、小松飛行場、美保飛行場、徳島飛行場
  16. 空港法附則第3条第1項
  17. 該当するのは札幌飛行場(丘珠空港)
  18. 空港法施行令附則第3条第3項
  19. 空港法施行令附則第2条
  20. 航空法第38条
  21. 航空法第79条
  22. 滑走路の本数が少なく、距離も短い。ひとつしかターミナルビルを持たない空港がほとんどである。
  23. 着陸料は機体種別によるが関西国際空港が世界6位、成田国際空港は世界17位である。
  24. 旧上本部飛行場跡地利用 農業、観光で地域振興 - 琉球新報(2012年10月19日付、2013年6月26日閲覧)
  25. 【参考資料】平成26年(暦年)空港別順位表(PDF形式)国土交通省航空局。2014年度)

関連項目

外部リンク