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{{Infobox 事件・事故
 
| 名称      = 東名高速飲酒運転事故
 
| 正式名称  =
 
| 画像      =
 
| 脚注      =
 
| 場所      = [[東京都]][[世田谷区]][[砧公園]]<br/>([[東名高速道路]][[東京インターチェンジ|東京IC]]付近)
 
| 緯度度 = 35|緯度分 = 37|緯度秒 = 38.6
 
| 経度度 = 139|経度分 = 37|経度秒 = 32.8
 
| 日付      = 1999年11月28日
 
| 時間      = 15時30分頃
 
| 開始時刻  =
 
| 終了時刻  =
 
| 時間帯    =
 
| 概要      =
 
| 懸賞金    =
 
| 原因      = [[飲酒運転]]
 
| 手段      =
 
| 武器      =
 
| 兵器      =
 
| 攻撃人数  =
 
| 標的      =
 
| 死亡      = 2人
 
| 負傷      = 1人
 
| 行方不明  =
 
| 被害者    =
 
| 損害      = ワゴン車1台、普通乗用車1台
 
| 犯人      = トラックの運転手
 
| 容疑      = [[業務上過失致死傷罪]]
 
| 動機      =
 
| 関与      =
 
| 防御      =
 
| 対処      =
 
| 謝罪      =
 
| 賠償      =  2億4979万5756円
 
| 遺族会    =
 
| 被害者の会 =
 
| 管轄    =
 
}}
 
'''東名高速飲酒運転事故'''(とうめいこうそくいんしゅうんてんじこ)とは、[[1999年]]([[平成]]11年)[[11月28日]]に発生した、[[飲酒運転]]の[[貨物自動車|トラック]]が[[普通乗用車]]に衝突して起きた[[交通事故]]。この事故により幼い姉妹が[[死亡]]した。事故は[[マスコミュニケーション|マスコミ]]等で大きく取り上げられ、それが[[危険運転致死傷罪]]の成立に大きく影響した。
 
 
 
== 経緯 ==
 
[[1999年]][[11月28日]]15時30分ごろ、[[東京都]][[世田谷区]]の[[東名高速道路]][[東京インターチェンジ|東京IC]]付近で、箱根からの行楽帰りの[[千葉市]]の[[会社員]](以下「夫」表記)の所有する[[普通乗用車]](妻運転、夫と3歳・1歳の2女児の3名が同乗)が[[首都高速道路|首都高速]][[用賀本線料金所|用賀料金所]]付近上り本線を走行中、料金所通過のため減速していたところ、[[高知県]][[高知市]]から[[高知港]]→[[フェリー]]→[[大阪南港]]→[[阪神高速13号東大阪線]]→[[東大阪ジャンクション]]→[[近畿自動車道]]→[[吹田ジャンクション]]→[[名神高速道路]]→[[東名高速道路]]経由で[[東京特別区|東京]]に向かっていた[[飲酒運転]]の12トン[[日産ディーゼル・ビッグサム|トラック]]に追突された(この時、別のワゴン車1台も事故に巻き込まれ損傷している。このワゴン車の運転手に怪我はなかった)。
 
 
 
乗用車は大破炎上。妻は自力で窓から脱出し、夫も救出されたが、同乗していた3歳と1歳の女児2人は[[焼死]]。夫も全身の25%を[[火傷]]する大火傷を負い、[[集中治療室]]で何度も[[皮膚移植]]することを余儀なくされた。妻は窓から逃げる直前に、夫は助け出される直前に娘2人の最期の声を聞いている。なお事故発生直後、偶然現場を通りかかった[[テレビ朝日]]のカメラマンが、事故直後の光景を[[テレビカメラ]]で撮影していたほか、現場周辺にいた[[日刊スポーツ]]のカメラマンが、近くのビルの屋上から炎上する車を[[写真]]で撮影している。
 
 
 
トラックの運転手は[[飲酒運転]]の常習者で、事故当日も高知から大阪へのフェリー内や東名高速の[[海老名サービスエリア|海老名SA]]などで合わせて[[ウイスキー]]1瓶(750ml入り)と[[チューハイ]]1缶を飲んだ。事故当時はひどく酩酊しており、真っすぐ立つことができないほどであった。呼気中のアルコール濃度は1リットルあたり0.63mgだったという。
 
 
 
事故より前、不自然な蛇行運転をする加害車に関する通報が[[日本道路公団]](現在の[[中日本高速道路|NEXCO中日本]])に次々と寄せられた。また、[[東京料金所]]では運転手が支払いに必要な[[ハイウェイカード]]を探すのに時間が掛かったことから、料金所の係員がトラックを路肩に移動させカードを探させた後、運転手を降ろしハイウェイカードを預かった。その際、料金所の職員は運転手の足元がふらついていることに気づき、「ふらついているので休憩したらどうか」と声を掛けた(飲酒運転とは思わなかったと証言)。しかし運転手は、「風邪気味だったもので、薬を飲んだから大丈夫」と言い、休憩も取らずに運転を再開した(この時、トラックより後ろを走っていた被害者達の車がトラックを追い越していた)。その後、追突事故は起きた。
 
 
 
== 裁判 ==
 
=== 刑事訴訟 ===
 
トラックの運転手は、[[業務上過失致死傷罪]]などの罪に問われた(事件当時は[[危険運転致死傷罪]]は未制定)。
 
 
 
[[東京地方検察庁]]は[[刑法 (日本)|刑法]]第211条に定める同罪の法定刑で、最高刑に当たる[[懲役]]5年を[[求刑]]したが、[[2000年]][[6月8日]]、[[東京地方裁判所]](伊藤雅人[[裁判官]])は運転手に対し、懲役4年の[[判決]]を言い渡した。検察はこの判決を不服として、飲酒運転の事件としては異例の[[控訴]]に踏み切った。[[2001年]][[1月12日]]、[[東京高等裁判所]]の[[裁判長]][[仁田陸郎]]が控訴を[[棄却]]し、運転手に懲役4年を命じた東京地裁判決が[[確定判決]]となった。
 
 
 
=== 民事訴訟 ===
 
[[2002年]][[10月23日]]、両親が当時のトラック運転手およびその勤務先だった高知通運(本社:高知市)などを相手取って約3億5600万円の[[損害賠償]]を、一部を女児たちの「毎命日に分割して支払う」よう求め<ref>一括して支払うと、被告は損害賠償の支払責任から即座に解放されることになるが、「分割払いにすることで、終生にわたりその責任を忘れさせない」ようにする意図がある。</ref>東京地方裁判所に提訴した<ref>{{Cite news | url = http://www.47news.jp/CN/200210/CN2002102301000255.html | title = 両親が運転手らを提訴 東名の女児2人死亡事故 | agency = [[共同通信社]] | publisher = [[47NEWS]] | date = 2002-10-23 | accessdate = 2013-08-18 }}</ref>。死亡逸失利益についてのこのような定期金賠償方式による支払請求は異例で、裁判において争われたが、東京地方裁判所はこれを認めた。この裁判で、判決で東京地裁は被告らに対して、原告へ総額約2億5000万円を支払うことを命じた<ref name=j150724>{{Cite 判例検索システム
 
| 事件名 = 損害賠償請求
 
| 裁判所 = 東京地方裁判所
 
| 法廷 = 民事第27部
 
| 裁判形式 = 判決
 
| 裁判年 = 2003
 
| 裁判月 = 7
 
| 裁判日 = 24
 
| 事件番号 = 平成14(ワ)22987
 
| 全文URI = http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/CF21401E811F272C49256D7F00188ACD.pdf
 
| 検索結果詳細画面URI = http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=5641&hanreiKbn=04
 
| 閲覧日時 = 2012-8-4
 
}}</ref>。
 
* 判決の要約:加害運転手および高知通運(被告)は、原告に対し賠償金2億4979万5756円を連帯して支払うこと。
 
** 死亡による逸失利益については、2女児が18歳から67歳まで49年間就労したものとして算定し、その部分の金員は、亡くなった女児らがそれぞれ19歳の誕生日を迎える年の翌年の命日に初めて支払い、以降15年間毎命日ごとに分割して支払うこと。
 
** 女児らが34歳の誕生日を迎える年の命日には、34歳から67歳までの金額をそれぞれ一括して支払うこと(年5パーセントの[[金利]]を含む)。
 
 
 
また、金銭損害賠償等を求める民事判決においては異例の踏み込んだ表現として、被告の行為について「左側壁の縁石や中央分離帯にぶつかりかねないほど大きく蛇行走行するという、まさに走る凶器による危険極まりない運転行為」、「[[未必の故意]]による傷害行為とさえ評価され得る」、「被告が常日ごろから自分の運転するトラックに酒を持ち込み、常習的に飲酒運転をするという、(略)非常に悪質で強い非難に値する行為を習慣とし(略)本件のような重大な事故はいつ発生してもおかしくない状況であった」、『ろれつの回らぬ口調で、「何で止まったんだ」、「急に止まるからぶつかったんだ」、「まーえーじゃないか」、「逃げるんじゃない、会社に電話をかけてくる」、「酒なんか飲んでいねえよ、風邪薬飲んだだけだ」などと強弁』と厳しく指弾し、事故の有り様について「当時、まだ3歳と1歳の幼児であり、(略)限りない可能性を有していたはずであったのに、突然、本件事故により命を奪われた同人らの無念さは、計り知れない。しかも、後部座席に幼い2人のみで身動きもできないまま取り残され、意識を失うこともなく、炎に取り巻かれ、熱さ・痛さに悲鳴を上げながら我が身を焼かれ死んでいったものであり、死に至る態様も極めて悲惨かつ残酷である。」、「我が子の助けを求める叫び声、泣き声を間近に聞きながらも、燃え盛る火炎の勢いのため、為すすべもなく、ただ最愛の2人の娘が目の前で焼け死んでいくのを見ているほかはなかったという原告らの痛恨の思いと無力感には、想像を絶するものがある。」、「原告らが(略)一命を取り留めたのは、被害車両の電源が衝突によっても切れることなく通じており、原告B側の電動の窓ガラスが開いたという全くの偶然によるものであって(略)、このような偶然がなければ、原告ら(まだ原告Bのお腹の中にいた三女も含む。)についても焼死という、さらに悲惨な結果を招いていたであろう」のように評価したうえで、死亡に関連する慰謝料として、被害者である幼児2名本人分に各々2600万円、両親2名各々の幼児2名各々に対する遺族固有の慰謝料として各々800万円、併せて各々3400万円を認定した。{{要出典範囲|これは交通事故における独身者の死亡賠償額としては過去最高額である。|date=2016年12月}}
 
 
 
== 社会的影響 ==
 
[[2000年]]6月、[[神奈川県]][[座間市]]で飲酒及び無免許、かつ無車検の暴走車によって大学に入学したばかりの一人息子を奪われた([[小池大橋飲酒運転事故]])造形作家が悪質ドライバーに対する[[量刑]]が余りにも軽すぎること、今の日本の法律に命の重みが反映されていないことに憤りを覚え、法改正を求める[[署名運動]]を始めた。
 
 
 
被害者たちもこの運動の趣旨に心から賛同し、全国各地で街頭署名を重ね、[[2001年]]10月に[[法務大臣]]へ最後の署名簿を提出した時には合計で37万4,339名の署名が集まった。[[世論]]に後押しされ、[[2001年]]6月には[[道路交通法]]改正法案が、11月には刑法改正法案が全会一致で[[国会]]を通過し、最高刑を懲役15年とする[[危険運転致死傷罪]]が刑法に新設された。
 
 
 
2007年1月20日、[[テレビ朝日]]の「[[ドスペ!]]」には被害者家族が出演し、再現ドラマも放送された<ref>[https://web.archive.org/web/20080122165622/http://www.tv-asahi.co.jp/dosp/contents/story/0094/ ドスペ 過去の放送内容]「飲酒運転〜あの世田谷東名高速トラック炎上事故多元同時再現ドラマ〜2人の幼娘が焼死…法と戦った母親730日」</ref>。なお、再現ドラマには被害者家族が乗っていたのと同型の乗用車を使用していた(加害者が運転していたトラックも年式は異なるものの同型である)。
 
 
 
ちなみに[[2003年]]には、被害者家族が高知通運の従業員に対して飲酒運転の根絶を訴える講演をしたわずか3週間後に<ref name="j150724" />被告が勤務していた高知通運の取締役が酒気帯び運転で追突事故を起こしている<ref>[http://response.jp/article/2003/05/14/50877.html 高知通運元取締役の酒気帯び事故で、国交省が厳重注意] - レスポンス自動車ニュース (Response.jp), 2003年5月14日</ref>。この事情も慰謝料算出にあたって斟酌されている<ref name="j150724" />。
 
 
 
[[運転免許証]]更新時に配布される[[交通の教則|教則本]]「自動車を運転される皆様へ 安全運転BOOK」の32頁に[[福岡海の中道大橋飲酒運転事故]]と共に本事故が飲酒運転の悲惨例として取り上げられている。
 
 
 
==脚注==
 
{{reflist}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[飲酒運転]]
 
* [[業務上過失致死傷罪]]
 
* [[危険運転致死傷罪]]
 
* [[香港落馬洲酒後運転事故]]
 
* [[福岡海の中道大橋飲酒運転事故]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://www.ask.or.jp/ddd_inoue.html 被害者夫妻の手記]
 
 
 
{{日本の高速道路}}
 
 
 
{{DEFAULTSORT:とうめいこうそくいんしゆうんてんしこ}}
 
[[Category:日本の交通事故]]
 
[[Category:1999年の日本における災害]]
 
[[Category:1999年の日本の事件]]
 
[[Category:裁判例]]
 
[[Category:飲酒運転]]
 
[[Category:東京都の交通史]]
 
[[Category:世田谷区の交通]]
 
[[Category:世田谷区の歴史]]
 
[[Category:1999年11月]]
 
[[Category:戦後の東京]]
 

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