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{{複数の問題|
 
独自研究 = 2015年3月|
 
精度=2015年3月}}
 
'''汚い爆弾'''(きたないばくだん、ダーティー・ボム、dirty bomb )とは、[[放射性物質]]を拡散する[[爆弾]]である。[[核反応]]による被害を目的とする[[核爆弾]]と異なり、炸薬などの爆発で放射性の汚染物質を拡散させ被害を発生させる<ref name="Rickert2">{{Cite web|url=http://digitalcommons.liberty.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1049&context=gov_fac_pubs|title=The Likely Effect of a Radiological Dispersion Device|last1=Rickert|first1=Paul|publisher=Liberty University|date=2005-12-31|accessdate=2015-03-14}}</ref><ref name="wired20020612">{{Cite web|url=http://wired.jp/2002/06/12/%e3%83%86%e3%83%ad%e3%81%8c%e8%a8%88%e7%94%bb%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%a6%e3%81%84%e3%81%9f%e6%94%be%e5%b0%84%e8%83%bd%e7%88%86%e5%bc%be%e3%80%8c%e3%83%80%e3%83%bc%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%bc%e3%83%9c/|title=テロが計画されていた放射能爆弾「ダーティーボム」とは|publisher=[[WIRED (雑誌)|WIRED.jp]]|date=2002-06-12|accessdate=2015-03-14}}</ref>。
 
  
== 概要 ==
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'''汚い爆弾'''(きたないばくだん、ダーティー・ボム、dirty bomb )
爆発で内部の放射性物質を飛散させ汚染して被害を与える<ref name="wired20020612" />[[放射能兵器]]<ref name="Rickert2" />である。[[核兵器|核物質を利用した兵器]]だが、[[核爆発]]で殺傷効させる核爆弾ではなく<ref name="Rickert2" />、放射性物質を[[毒|毒物]]として利用し、[[化学兵器]]同様に汚染物質を拡散して広範に汚染する爆弾である<ref name="wired20020612" /><ref name="Rickert2" />。広義には後述するように核兵器一般でも放射性物質を拡散させ汚染を引き起こし、こと[[臨界]]に核爆弾を用いる[[テラー・ウラム型]]の[[水素爆弾]]は核汚染を引き起こすため、対して[[純粋水爆]]のような残留放射能のより少ない核融合爆弾を「きれいな水爆」とも呼ぶ<ref>[https://books.google.co.jp/books?id=DdLmx7kqD00C&pg=PA212&lpg=PA212&dq=きれいな水爆&source=bl&ots=C1JRKH97qj&sig=HweCsBWqXHUGR6Pu5FAJ8NG7Hdc&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwjFnuDQyu3aAhXBnJQKHcxKAsA4ChDoAQhIMAY#v=onepage&q=きれいな水爆&f=false]</ref>。
 
  
その構造も単純で、核物質の飛散を目的に爆弾を放射性物質で覆うだけである<ref name="jbpress20110722">{{Cite web|url=http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/16269|title=非通常型核脅威とテロ・原子力事故対策|author=井上忠雄|publisher=JBPress|date=2011-07-22|accessdate=2015-03-14}}</ref>。<!--{{独自研究範囲|date=2015年3月|運搬者の[[被曝]]を防ぐために遮蔽用[[容器]]を被せるなどの工夫は必要かもしれないが、逆に製造・設置者の被曝を気にしなければ爆発物に剥き出しの核物質を括り付けるだけである。この他、爆弾を制御するための点火装置や時限装置などを取り付けることも考えられるが、この辺りは[[時限爆弾]]の項を参照してほしい。}}-->放射性物質も種類や濃度は問わず、高度な技術計算や[[シミュレーション]]を要する[[爆縮レンズ]]の設計や、[[臨界]]を生じさせる核物質の[[精製]]などを要さず、通常爆弾と同等または格段に低い技術力と設備の「民家のガレージでも製作が可能」ともされ、[[自爆テロ]]を考慮する最も簡略な設計では時限式や遠隔式などの起爆装置も不要である。[[2018年]]現在までテロなどで使用された例はないが、未然に防がれた事例がある<ref name="hiroshima-cu200803" />。
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放射性廃棄物などに火薬を取り付けて爆発させる爆弾。放射性物質を飛散させ、生体や環境を汚染する。核爆弾のような核分裂は起きない。ダーティーボム。
 
 
=== 被害 ===
 
放射性物質の飛散被害は曖昧である。
 
*放射性物質の量
 
*放射性物質の[[吸収線量|放射線量]]
 
*内容物の拡散程度
 
**拡散した放射性物質の状態 - [[エアロゾル]]として浮遊する微粒子から落下する破片まで、滞留時間に差異を生ずる。
 
**天候や爆発させた場所の問題 - 天候や地形で拡散条件が変化する。
 
*放射性物質の[[半減期]]
 
 
 
被害は被曝した線量によるが<ref name="wired20020612" />、混乱や騒擾などの社会不安を誘引する可能性もある<ref name="wired20020612" />。
 
<!--{{要出典範囲|date=2015年3月|効果範囲に関しては、飛散した放射性物質がどの程度の範囲に飛び散るか予測し難い部分も含み、加えて「どの程度なら安全か」というのも俄かに判じ難い部分もあって}}、ひとたび利用されれば[[風評被害]]等により爆心地周辺の地域に対する不信感を招きかねないとみられている<ref>{{Cite web|url=http://www.sankei.com/premium/news/150104/prm1501040011-n1.html|title=超小型化する爆弾検知器 「手のひらサイズ端末で核物質テロを感知」…激変、5年後「東京五輪」最先端警備|publisher=産経新聞|date=2015-01-04|accessdate=2015-03-14}}</ref>。-->
 
 
 
== 事案 ==
 
[[2002年]]5月8日に、[[アルカーイダ]]の一員で後にアブドラ・アル・ムジャヒルと改名したホセ・パディージャは汚い爆弾の製造および使用を企てるが[[アメリカ合衆国]]政府に拘束されて未遂となる<ref name="hiroshima-cu200803">{{Cite web|url=http://www.hiroshima-cu.ac.jp/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/peace/japanese/newsletter/uid000076_6E65777333302E706466|title=汚い爆弾の起源 ── 米軍と放射能兵器|work=HIROSHIMA RESEARCH NEWS Vol.10 No.3|author=ロバート・ジェイコブズ|publisher=広島市立大学広島平和研究所|format=PDF|date=2008-03|accessdate=2015-03-14}}</ref>。
 
 
 
使用済み[[放射性廃棄物]]の闇取引は巷間され、摘発されている。[[アメリカ合衆国原子力規制委員会|米原子力規制委員会]]は年間約300件近い放射性物質紛失の報告を受けており、被曝事故のほかに転用も懸念されている<ref name="wired20020612" />。米国の公務員らはテロを懸念して、汚い爆弾を含む放射性物質を検知するポケットベル型の携帯機器を利用している<ref name="wired20040514">{{Cite web|url=http://wired.jp/2004/05/14/%e6%94%be%e5%b0%84%e8%83%bd%e7%88%86%e5%bc%be%e3%80%8c%e3%83%80%e3%83%bc%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%bc%e3%83%9c%e3%83%a0%e3%80%8d%e3%82%92%e6%84%9f%e7%9f%a5%e3%81%99%e3%82%8b%e3%83%9d%e3%82%b1%e3%83%99/|title=放射能爆弾「ダーティーボム」を感知するポケベル、普及進む|publisher=[[WIRED (雑誌)|WIRED.jp]]|date=2004-05-14|accessdate=2015-03-14}}</ref>。
 
 
 
== 核爆弾による汚染 ==
 
[[2007年]]7月の記事で、[[AP通信]]の軍事記者ロバート・バーンズは、米軍部上層部は少なくとも[[1948年]]7月時点までに、核兵器が引き起こす放射能汚染の軍事[[戦略]]上で無視できない「効果」を理解していたことを示唆するメモの存在を指摘している。[[ビキニ環礁]]で[[1946年]]7月1日と24日に行われた核実験は、2度目の水中爆発で深刻な核汚染が発生して予定した3度目の実験を中止したが、これに基づくと考えられるメモは「核爆弾を水中で爆発させた場合は爆発で発生する直接的な被害よりも核による汚染のほうが重要となる」「爆発で環状雲が発生し、汚染された水の粒子が風で運ばれて広い範囲に拡散して周辺の生物を速やかに死に至らしめ、飛散した放射性物質の粒子は堆積して周辺の建物を汚染し、長期的な危険を発生させる」こと<ref name="hiroshima-cu200803" />が記され、「戦略上このような汚染は大都市や工業地域の活動に影響を与える点で核兵器は優れている」<ref name="hiroshima-cu200803" />と結論している。
 
 
 
[[1947年]]に記されたビキニ実験の極秘扱いとされる公式評価資料は「核汚染が短時間ないし長期に生命を脅かす範囲を、目に見える境界線を持たず生み出すことによって、汚染と死の懸念は常に生き残った者に付いてまわり、何千から何百万の避難民は交通を麻痺させ、身に着けている衣服や荷物が汚染を拡散させる懸念、そして汚染地域から避難民へ独特な心理面で危険が生まれる」<ref name="hiroshima-cu200803" />ことを示唆している。これは「爆薬で核物質を飛散させることを目的とした爆弾」汚い爆弾に共通する<ref name="hiroshima-cu200803" />。
 
 
 
なお実際に核汚染が発生した場合に軍事的行動への影響も示唆されており、原子力災害である[[福島第一原子力発電所事故]]では[[トモダチ作戦]]に参加した在日海兵隊当局者は米軍の対応を研究する上で(同作戦は)有益だったとの認識を示している<ref>[http://jp.wsj.com/public/page/0_0_WJPP_7000-252459.html 米軍、日本での原発危機対応で貴重な教訓得る]ウオールストリート・ジャーナル2011年6月21日</ref>。
 
 
 
== 汚い爆弾を扱った作品 ==
 
=== 映画 ===
 
;『[[007 ゴールドフィンガー#映画|007 ゴールドフィンガー]]』
 
: [[1964年]]の米英合作映画。自らが保有する金の価格暴騰を目論み、アメリカ合衆国金塊貯蔵庫に保管されている膨大な金塊を放射能汚染させようとする富豪と主人公の対決を描いた作品。原作小説では金塊強奪を目論む旧ソ連諜報工作員との対決を扱っている。
 
;『[[ピースメーカー (映画)|ピースメーカー]]』
 
:[[1997年]]の米国の映画。テロリストが核兵器を汚い爆弾として使う。
 
 
 
=== 小説 ===
 
;『[[旭日の艦隊]]』
 
: 作中では後世世界」と呼称する並行世界における、[[ナチス・ドイツ]]の兵器「[[旭日の艦隊#ドイツ(艦船)|原子炉爆弾水中航行船『ホズ』]]」として登場する。[[ニューヨーク]]を標的とした軍事作戦を想定して開発・配備、実戦投入される。
 
;『[[ニセコ要塞1986]]』
 
: 物語中盤でスミノフ軍が[[北海道]]島北部の「核遺跡」から発掘した放射性物質を雄冬要塞攻略に使用し、日本列島防衛軍 (IBM軍) を撤退に追い込む。
 
 
 
== 脚注 ==
 
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== 関連項目 ==
 
* [[放射能兵器]]
 
* [[核兵器]]
 
* [[核テロリズム]]
 
* [[被爆建造物]]
 
* [[劣化ウラン弾]]
 
* [[オカマ爆弾]]
 
 
 
{{核技術}}
 
{{放射線}}
 
  
 
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[[Category:爆弾]]
 
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2019/4/25/ (木) 15:46時点における最新版

汚い爆弾(きたないばくだん、ダーティー・ボム、dirty bomb )

放射性廃棄物などに火薬を取り付けて爆発させる爆弾。放射性物質を飛散させ、生体や環境を汚染する。核爆弾のような核分裂は起きない。ダーティーボム。