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| − | [[ファイル:Yonezawa uesugi keizu.jpg|thumb|400px|戦国時代から江戸時代初期にかけての上杉氏系図。米沢藩の初代藩主・上杉景勝から第3代藩主・上杉綱勝まで。]]
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| − | [[ファイル:Uesugi Clan Family tree 17c-20c.02.jpg|thumb|400px|江戸時代中期から昭和時代までの上杉氏系図。4代藩主・上杉綱憲から現当主まで。]]
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| − | '''米沢藩'''（よねざわはん）は、[[出羽国]]（[[明治維新]]以降の[[羽前国]]）[[置賜郡]]（現在の[[山形県]]東南部[[置賜地方]]）を治めた[[藩]]。藩庁は[[米沢城]]（[[米沢市]]）。藩主は[[上杉氏]]。家格は[[外様大名|外様]]で[[国主]]、[[石高]]は30万石、のち15万石から18万7千石。
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| − | == 前史 ==
| + | '''米沢藩'''（よねざわはん） |
| − | [[画像:Date Masamune02.jpg|thumb|200px|伊達政宗]]
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| − | 米沢は[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]の[[天文 (日本)|天文]]17年（[[1548年]]）から[[伊達氏|伊達家]]の本拠地であった。当時の伊達家は第14代[[伊達稙宗]]と嫡子の[[伊達晴宗|晴宗]]による内紛（[[天文の乱]]）が起こっており、その内紛に勝利した晴宗は伊達家第15代となり米沢に本拠を移した。しかし晴宗と嫡子の[[伊達輝宗|輝宗]]も内紛を起こし、輝宗が勝利して第16代となるも、伊達家はそのために勢力拡大が大幅に遅れていた。
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| − | [[天正]]12年（[[1584年]]）10月、輝宗は隠居して嫡子の[[伊達政宗|政宗]]が第17代当主となる<ref name="米沢藩12">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P12</ref>。政宗は[[相馬氏|相馬家]]、[[畠山氏|二本松畠山家]]、[[蘆名氏|蘆名家]]など奥州南部の諸氏を攻めて勢力を拡大。天正17年（[[1589年]]）6月に[[摺上原の戦い]]で蘆名家に大勝して同家を滅ぼし<ref name="米沢藩36">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P36</ref>、以後政宗は蘆名家の本拠であった[[黒川城]]を本拠とした。さらに[[二階堂氏|二階堂家]]<ref name="米沢藩38">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P38</ref>、[[石川氏|石川家]]や[[岩城氏|岩城家]]<ref name="米沢藩39">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P39</ref>を滅ぼした政宗は奥羽66郡の内、およそ半ばを支配する<ref name="米沢藩40">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P40</ref>奥羽の覇者となった。 | + | 江戸時代，[[出羽国]]米沢地方 (山形県) を領有した藩。慶長6 (1601) 年に[[上杉景勝]]が陸奥会津 (福島県) から 30万石で入封したのに始る。寛文4 (64) 年に3代綱勝が急死したため吉良義央 (きらよしなか) の長子綱憲が襲封したが，のち 15万石に減封された。享保4 (1719) 年第5代吉憲 (よしのり) は弟勝周 (かつちか) に新墾田1万石を分与して米沢新田藩を創設。 12代斉憲の代の慶応2 (1866) 年に3万石を加増された。次の茂憲 (もちのり) の代に戊辰戦争が起り，米沢藩は[[奥羽越列藩同盟]]軍に参加したため 14万 7000石に減封されて廃藩置県にいたった。外様，江戸城大広間詰。 |
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| − | しかし天正18年（[[1590年]]）の[[小田原征伐]]で政宗は6月に小田原に参陣して[[豊臣秀吉]]に臣従した。このため伊達家の存続は許されたが、秀吉の[[奥州仕置]]により[[会津郡]]・[[安積郡]]・[[岩瀬郡]]など3郡は秀吉の発令していた奥羽両国惣無事令違反であるとして没収され<ref name="米沢藩46">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P46</ref>、政宗は再び本拠を米沢に移した<ref name="米沢藩49">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P49</ref>。だが秀吉は奥州仕置に際して厳しい検地を命じたため<ref name="米沢藩50">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P50</ref>、10月初旬に奥州仕置で[[改易]]された[[大崎氏|大崎家]]や[[葛西氏|葛西家]]の旧領で一揆を起こした<ref name="米沢藩51">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P51</ref>。この一揆は会津の新領主となった[[蒲生氏郷]]と政宗によって鎮定されたが、一揆の扇動に政宗があり、また氏郷暗殺の謀略があったとして秀吉は天正19年（[[1591年]]）秋に政宗から故地米沢をはじめ、[[伊達郡]]や[[信夫郡]]などを没収して大崎・葛西の旧領を与えた<ref name="米沢藩59">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P59</ref>。これにより伊達家の領地はさらに減少し、年貢収入に至っては従来の半分ほどになった<ref name="米沢藩59"/>。政宗は岩手沢城を新たな居城と定めて[[岩出山城|岩出山]]と改名した<ref name="米沢藩59"/>。
| + | {{テンプレート:20180815sk}} |
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| − | 政宗が移封された後、伊達家の旧領は会津の領主であった蒲生氏郷の所領となり、氏郷は米沢に[[蒲生郷安]]を入れた<ref name="米沢藩69">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P69</ref>。だが[[文禄]]4年（[[1595年]]）に氏郷が死去<ref name="米沢藩70">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P70</ref><ref name="会津藩16">野口『シリーズ藩物語 会津藩』、P16</ref>。嫡子の[[蒲生秀行 (侍従)|秀行]]が13歳で跡を継ぐ<ref name="会津藩17">野口『シリーズ藩物語 会津藩』、P17</ref>。しかし東北の鎮守として90万石もの所領を支配するのは容易ではなく、重臣間の諍い<ref name="会津藩17"/>があって18万石に減封された<ref name="宇都宮・高徳藩13">坂本『シリーズ藩物語 宇都宮藩・高徳藩』、P13。</ref><ref name="二本松藩12">糠澤『シリーズ藩物語 二本松藩』、P12</ref>。
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| − | 蒲生家に代わって会津に入封したのは[[越後国|越後]][[春日山城]]主の[[上杉景勝]]であった<ref name="会津藩19">野口『シリーズ藩物語 会津藩』、P19</ref>。領地は蒲生旧領と[[出羽国|出羽]]庄内に[[佐渡国|佐渡]]を加えた120万石であり<ref name="二本松藩13">糠澤『シリーズ藩物語 二本松藩』、P13</ref>、これは[[徳川家康]]や[[毛利輝元]]含む毛利一族<ref>小早川秀包、安国寺恵瓊など</ref>に次ぐ第3位の石高であった<ref name="米沢藩70"/>。景勝は家老[[直江兼続]]に30万石（一説には甘粕氏の[[刈田郡]]白石城を含め32万石）を与えて米沢に入れ、伊達政宗及び[[山形藩|山形]]の[[最上義光]]に対する抑えとした。ただし直江自身の所領は6万石だったといわれ<ref name="米沢藩70"/>、直江は上杉家全体を執政する立場にあったことから米沢には城代を派遣し、自らは本拠の[[若松城]]で景勝を補佐した<ref name="米沢藩70"/>。
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| − | 慶長3年（1598年）8月に秀吉が<ref name="米沢藩70"/>、慶長4年（[[1599年]]）閏3月に[[前田利家]]が死去すると<ref name="米沢藩71">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P71</ref>、徳川家康の勢力は[[豊臣政権]]内において抜きん出た立場になり、家康は政宗をはじめとする諸大名との無断婚姻を繰り返した。家康に対抗しようと[[五奉行]]の[[石田三成]]は直江兼続に接近し、直江は景勝と慶長4年（[[1599年]]）8月に会津に帰国すると<ref name="米沢藩71"/>、領内の山道を開き、武具や浪人を集め、28の支城を整備するという軍備増強に出た<ref name="会津藩20">野口『シリーズ藩物語 会津藩』、P20</ref>。景勝・兼続主従は慶長5年（[[1600年]]）2月から若松城に代わる新たな城として、若松の北西およそ3キロの地点に位置する神指村に[[神指城]]の築城を開始した<ref name="会津藩21">野口『シリーズ藩物語 会津藩』、P21</ref><ref name="米沢藩71"/>。しかしこの軍備増強は、越後の[[堀秀治]]<ref name="米沢藩71"/>や出羽の[[最上義光]]らにより家康に報告され、また上杉家中でも和平を唱える[[藤田信吉]]が出奔して[[江戸]]に落ち延びたため、家康は景勝に弁明を求める使者を出したが景勝は拒絶し、家康は諸大名を集めて[[会津征伐]]を開始した<ref name="会津藩21"/><ref name="米沢藩71"/>。
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| − | 神指城築城は6月まで続けられたが、家康率いる討伐軍が江戸にまで来たため中止し、[[白河城]]の修築が急がれた<ref name="会津藩22">野口『シリーズ藩物語 会津藩』、P22</ref>。7月24日、[[下野国|下野]][[小山城 (下野国)|小山]]で石田三成らの挙兵を知った家康は<ref name="米沢藩72">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P72</ref><ref name="会津藩22"/>、次男の[[結城秀康]]や娘婿の蒲生秀行らを[[宇都宮城]]に牽制として残し、8月に西上を開始した<ref name="会津藩23">野口『シリーズ藩物語 会津藩』、P23</ref>。直江兼続は家康を追撃しようとしたが<ref name="米沢藩72"/>、上杉領の北に位置する最上義光や伊達政宗らの攻勢もあって追撃は断念した<ref name="会津藩23"/>。一説に景勝は天下に上杉家の信を失い、恥辱を残すことを恐れて許さなかったとされている<ref name="米沢藩72"/>。直江兼続は矛先を出羽山形の最上義光に向け、9月3日に直江は米沢に帰城すると<ref name="米沢藩73">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P73</ref>、大軍を最上領に差し向けた（[[慶長出羽合戦]]）。直江は現在の[[東村山郡山辺町大字畑谷]]にあった[[畑谷城]]を落としたが、[[長谷堂城]]で最上軍の猛烈な反撃を受けて攻勢は停滞<ref name="米沢藩73"/>、その間の9月15日、[[関ヶ原の戦い]]で石田三成の西軍は壊滅したため、家康ら東軍の圧勝に終わった<ref name="会津藩23"/><ref name="米沢藩72">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P72</ref>。9月29日に景勝のもとに石田大敗の急報が入り、景勝は直江に総退却を命じた<ref name="米沢藩73"/>。この時、上杉軍と最上軍、及び最上を救援する伊達軍との間で熾烈な追撃戦が行われ、両軍合わせて3000余の戦死者が出た<ref name="米沢藩73"/>。
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| − | 景勝は家康と和睦するため、11月に重臣の[[本庄繁長]]を上洛させて謝罪させた<ref name="会津藩23"/>。自らも慶長6年（[[1601年]]）8月8日に結城秀康に伴われて[[伏見城]]において家康に謝罪した結果、8月17日に家康は上杉家の存続を許したが会津など90万石を没収して出羽米沢30万石へ減封した<ref name="米沢藩74">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P74</ref><ref name="会津藩23"/>。こうして上杉家の支配による[[幕藩体制]]下の米沢藩が成立した<ref name="米沢藩74"/>。
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| − | == 藩史 ==
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| − | === 上杉景勝の時代 ===
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| − | [[画像:Uesugi_Kagekatsu.jpg|thumb|200px|上杉景勝]]
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| − | [[画像:Naoe Kanetsugu02.jpg|thumb|200px|上杉家家老の直江兼続]]
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| − | 上杉景勝が関ヶ原の戦いで出羽米沢に減移封されたため、直江兼続は米沢城を景勝に譲った。藩領は、上杉氏の旧会津領120万石のうち、出羽置賜郡（[[置賜地方]]）18万石と陸奥国[[伊達郡]]（現[[伊達市 (福島県)|伊達市]]、[[伊達郡]]、[[福島市]]）および[[信夫郡]]（現[[福島県]][[福島市]]）12万石からなっており、米沢からは峠を隔てた陸奥側の抑えとして[[福島城]]に重臣[[本庄氏]]を城代として置いた。
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| − | 米沢は直江兼続の所領であったが、直江は上杉家全体の執政として若松城に詰めていたことが多かったため<ref name="米沢藩70"/><ref name="米沢藩75">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P75</ref>、内政はほとんど整っておらず、城下は蒲生家の時代に築かれた8町6小路の町人町と数百の侍町があるに過ぎない小さな城下町であった<ref name="米沢藩75"/>。この小さな城下町に会津に住んでいた家臣団や越後以来の寺社・職人などが大人数で移ってきたため、城下は大混乱した<ref name="米沢藩75"/>。直江は上・中級家臣は別として<ref name="米沢藩75"/>、下級家臣に対しては一軒に2、3世帯を共同で同居させてそれでも住居が無理なら掘っ立て小屋を建てたという<ref name="米沢藩76">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P76</ref>。また屋敷割りから祖の[[上杉謙信]]の霊廟を築いたりした<ref name="米沢藩77">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P77</ref>。
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| − | [[大坂の役]]では徳川方についた<ref name="米沢藩78">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P78</ref>。米沢の藩政の基礎を固めた直江兼続は元和5年（[[1619年]]）12月に<ref name="米沢藩79">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P79</ref>、上杉景勝はその4年後に死去した<ref name="米沢藩79"/>。
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| − | === 男系断絶と所領の半減 ===
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| − | 景勝の死後、家督はただ1人の息子であった[[上杉定勝|定勝]]が継承した<ref name="米沢藩81">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P81</ref>。定勝時代の米沢藩は安定しており、事件は[[寛永]]17年（[[1640年]]）の数百戸を焼失した大火と寛永19年（[[1642年]]）の凶作くらいだったとされる<ref name="米沢藩82">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P82</ref>。定勝は[[正保]]2年（[[1645年]]）に死去し、家督は嫡子の[[上杉綱勝|綱勝]]が継いだ<ref name="米沢藩82"/>。だが[[寛文]]4年（[[1664年]]）閏5月に綱勝は嫡子も養子も無いままに急死した<ref name="米沢藩83">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P83</ref>。このため上杉家は無嗣断絶の危機に立たされたが、綱勝の正室の父に当たる[[会津藩]]主[[保科正之]]が奔走し、綱勝の妹[[梅嶺院|富子]]と[[高家 (江戸時代)|高家]]の[[吉良義央]]との間に生まれていた当時2歳の[[上杉綱憲|綱憲]]を[[末期養子]]とすることを訴えて幕閣に認められた<ref name="米沢藩83"/>。ただし所領に関しては、ペナルティとして信夫郡と伊達郡にあった12万石、屋代郷（現[[山形県]][[高畠町]]）3万石が没収されて置賜郡内の15万石のみとされた<ref name="米沢藩84">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P84</ref>。
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| − | === 綱憲から重定まで ===
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| − | 綱憲の時代に[[忠臣蔵]]で知られる[[赤穂藩]]浪士の討ち入りがあった（[[赤穂事件]]）<ref name="米沢藩85">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P85</ref>。これにより綱憲の実父の[[吉良義央]]は討たれ、次男の[[吉良義周|義周]]は[[信濃国|信濃]][[諏訪藩]]に流罪とされて失意の内に死んでいる<ref name="米沢藩85"/>。綱憲は事変の2年後に病気を理由に家督を長男の[[上杉吉憲|吉憲]]に譲って[[隠居]]した<ref name="米沢藩85"/>。
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| − | 吉憲は在任18年で[[享保]]7年（[[1722年]]）に死去し<ref name="米沢藩86">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P86</ref>、長男の宗憲が第6代を継ぐが、宗憲も享保19年（[[1734年]]）に死去し<ref name="米沢藩86"/>第7代を弟の[[上杉宗房|宗房]]が継ぐが、これも[[延享]]3年（[[1746年]]）に死去と、病弱な藩主が相次ぎ短期間で入れ替わった<ref name="米沢藩86"/>。
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| − | 第8代は宗房の弟の[[上杉重定|重定]]が継ぐ<ref name="米沢藩86"/>。重定は先代までのように病弱ではなかったが暗愚で、藩政を省みず遊興にふけって借財だけを増やした<ref name="米沢藩86"/>。このため、米沢藩の財政は危機的状況に陥り、重定は幕府へ領地を返上しようと真剣に考えるほどであった。
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| − | 藩主が頻繁に入れ替わったため、藩政の実権は筆頭奉行の清野内膳が掌握したが、清野は[[宝暦]]6年（[[1756年]]）に辞職するまで藩政改革に手をつけず、何ら為すところが無かった<ref name="米沢藩109">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P109</ref>。重定の時代には与板組の下級武士ながら寵愛されていた側近の[[森利真|森平右衛門利直]]が出世して実権を握った<ref name="米沢藩109"/>。森は租税の増収を図り、郷村の統制機構を整備して[[年貢]]の増徴を図ったが<ref name="米沢藩109"/>、一方で自らの親類を側近に取り立てたり人事や賞罰を独断して行うなど専横が強まり、藩政は腐敗したため、宝暦13年（[[1763年]]）2月に森は[[竹俣当綱]]により誅殺された<ref name="米沢藩110">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P110</ref>。
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| − | === 上杉鷹山の時代 ===
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| − | {{Main|上杉鷹山}} | |
| − | [[画像:上杉鷹山.jpg|thumb|200px|上杉鷹山]]
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| − | 第9代藩主の[[上杉治憲|治憲]]（鷹山）は[[日向国|日向]][[高鍋藩]][[秋月氏|秋月家]]の生まれで養子であるが、生母が[[秋月藩]][[黒田氏]]に嫁いだ上杉綱憲の孫娘なので全く上杉家と無縁というわけではない<ref name="米沢藩113">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P113</ref>。[[明和]]4年（[[1767年]]）に鷹山は家督を継ぐ<ref name="米沢藩113"/>。前述のように米沢藩は極端な財政難と政治腐敗で藩政が破綻寸前にあった。このため鷹山は、藩政と財政の再建を目指して自らが家督相続した強い決意を示し、さらに大倹約を主旨とした大倹令を発布した<ref name="米沢藩117">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P117</ref>。また自らの生活費を大幅に切り詰め、奥女中も大幅なリストラを行った<ref name="米沢藩118">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P118</ref>。他にも殖産興業政策、籍田の礼、世襲代官制度の廃止、備荒20ヵ年計画など改革は次々と実行され、鷹山の時代に米沢藩は息を吹き返すことになった。
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| − | だが鷹山の改革は上杉家譜代の老臣らから根強い反対があり、1度は[[七家騒動]]において[[須田満主]]、[[芋川正令]]らが処分されたが<ref name="米沢藩121">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P121</ref>、改革も後半になると再び老臣らが鷹山の腹心となっていた竹俣当綱を失脚させるなどした<ref name="米沢藩136">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P136</ref>。また[[天明の大飢饉]]などで改革が停滞に入ったことも事実であり、鷹山は[[天明]]5年（[[1785年]]）に隠居し、第10代は重定の四男の[[上杉治広|治広]]が継承した<ref name="米沢藩137">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P137</ref>。しかし治広と第11代藩主の[[上杉斉定|斉定]]はいずれも鷹山の後見を望んだため、以後も鷹山の改革が続行されることとなる<ref name="米沢藩138">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P138</ref>。
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| − | 鷹山は停滞した改革を再び再建するため、借財返済の延期懇請と財政支出の大幅緊縮を行った<ref name="米沢藩141">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P141</ref>。しかし外国船の日本接近による軍役や家臣が多すぎる問題などから、財政は再び悪化していた<ref name="米沢藩142">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P142</ref>。このため鷹山は[[寛政]]期に入ると、等級の区別無く有能な人材を大量に召しだして登用した<ref name="米沢藩146">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P146</ref>。また財政再建16ヵ年計画を定め<ref name="米沢藩148">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P148</ref>、農村復興計画や上書箱の設置、緊縮財政から領民保護など様々な改革を行った。一方、藩財政の悪化から事実上廃絶していた[[藩校]][[興譲館]]を再興した<ref name="米沢藩172">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P172</ref>。福祉政策も充実させて、滅亡寸前だった米沢藩を再建した名君上杉鷹山は、[[文政]]5年（[[1822年]]）3月に死去した<ref name="米沢藩185">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P185</ref>。
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| − | === 幕末 ===
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| − | [[画像:Uesugi Mochinori.jpg|thumb|200px|上杉茂憲]]
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| − | 第12代藩主[[上杉斉憲|斉憲]]の時代に、米沢藩は[[幕末]]を迎える。斉憲は[[佐幕派]]として[[文久]]3年（1863年）に上洛して[[京都]]警衛を果たし、翌年からは嗣子[[上杉茂憲|茂憲]]が上洛して2年間京都警衛を果たしたため、その功績により[[慶応]]2年9月（1866年10月）に屋代郷3万7248石を幕府より与えられ、米沢藩の知行高は19万石近くまで増加した<ref name="米沢藩188">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P188</ref>。[[大政奉還]]が行われると、藩論は佐幕派と尊皇派に分かれたが、藩主斉憲は[[保科正之]]の旧恩があるとして幕府に味方した<ref name="米沢藩189">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P189</ref>。
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| − | 慶応4年4月に[[江戸開城|江戸城の無血開城]]が成り、[[戊辰戦争]]がいよいよ東山道に波及し始めると、米沢藩はかつての[[保科正之]]への恩義もあることから会津藩と新政府軍の間に立って仲介に努めたが<ref name="米沢藩189"/>、その行動はかえって新政府軍から疑いの目を向けられる結果を招いた。するとこれを察知した米沢藩の方でも、新政府軍は会津攻撃が終了したあとも北進して東北の佐幕派諸藩を攻撃するらしいという風聞を信じて驚き慄き、双方疑心暗鬼のうちに米沢藩は[[奥羽越列藩同盟]]に加わって[[仙台藩]]や会津藩とともに新政府軍に対峙するという好ましからぬ状況にはまってしまった<ref name="米沢藩190">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P190</ref>。仙台藩が奥州街道・常磐方面を担当したのに対し、米沢藩はその故地でもある越後を担当したが、いざ新政府軍と矛を交えてみると連戦連敗の苦杯をなめた。新政府軍に羽越国境の大里峠まで迫られたところで、同年8月18日新政府軍方から思いがけない報せが藩主の正室 貞姫を経由して米沢藩にもたらされた。東山道先鋒総督府は[[土佐藩]]の[[迅衝隊]]を中心に編成された部隊だったが、その幹部である[[谷干城]]・[[片岡健吉]]・[[伴権太夫]]らは連名で米沢藩に恭順を薦める内容の書状を書き、これを土佐藩主[[山内豊資]] → その三女で米沢藩主上杉茂憲の正室となっていた貞姫 → 藩主茂憲へと送付したのである。これを受けて米沢藩は24日までに藩論をまとめて恭順した<ref name="米沢藩191">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P191</ref>。その後は新政府軍のために勤皇し、[[庄内藩]]攻撃のために兵を出し、会津藩に対してもその非を説き恭順することを諭した。
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| − | 米沢藩は戦後の処置で、[[明治]]元年（1868年）12月に4万石を減封されて14万7000石となった<ref name="米沢藩192">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P192</ref>。また藩主斉憲は隠居となり、嫡子の茂憲が家督を継いだ<ref name="米沢藩192"/>。明治2年（1869年）に蔵米支給の支藩[[#支藩（米沢新田藩）|米沢新田藩]]を併合した。
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| − | 米沢藩は[[宮島誠一郎]]の指導のもと、[[版籍奉還]]などの明治政府の改革を積極的に支持していくことで「[[朝敵]]」の汚名をそそぐことに尽力した。明治4年7月14日（1871年8月29日）[[廃藩置県]]によって[[米沢県]]となり<ref name="米沢藩193">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P193</ref>、11月に[[置賜県]]を経て<ref name="米沢藩194">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P194</ref>、山形県に編入された。
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| − | 藩主家は明治2年6月17日の版籍奉還と同時に[[華族]]に列し<!--「列す」は自動詞、「列せられる」は文法的に正しくありません。-->、明治17年（1884年）7月7日の[[華族令]]で[[伯爵]]を授けられた。<!--華族に列したのと伯爵に叙されたのは、別個の、しかし一連の出来事で、両者の間には15年もの開きがあります-->上杉茂憲は藩主退任後、[[沖縄県]]令として県政の再建に尽力している<ref name="米沢藩199">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P199</ref>。
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| − | == 藩政 ==
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| − | === 宗教 ===
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| − | 豊臣時代の領主である蒲生氏郷が[[キリシタン大名]]であった影響から<ref name="二本松藩19">糠澤『シリーズ藩物語 二本松藩』、P19</ref>、旧蒲生領は[[東北地方]]におけるキリシタンの根拠地のような地域になっていた。米沢も氏郷の家臣の蒲生郷安が城主であり、この郷安が氏郷の影響から[[キリシタン]]であったため、米沢にも少なからずキリシタンが存在した。やがて上杉家が米沢に入封すると、慶長16年（[[1611年]]）に[[フランシスコ会]]の神父[[ルイス・ソテロ]]によって上杉謙信時代の宿老[[甘粕景継]]の子[[甘粕信綱|信綱]]が入信し<ref name="米沢藩94">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P94</ref>、以後信綱ことルイス右衛門によって米沢のキリシタンが拡大することになった<ref name="米沢藩95">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P95</ref>。
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| − | | |
| − | 江戸幕府における慶長18年（[[1613年]]）の全国禁教令を契機として、厳しいキリシタン弾圧が展開された<ref name="二本松藩19"/><ref name="米沢藩95"/>。この幕府の弾圧で京都・大坂方面のキリシタンは衰退の一途を辿るが、それら迫害されたキリシタンは主に東北地方に逃れたため、かえって東北方面のキリシタンは盛況を呈するようになり、米沢では信綱の熱心な布教活動もあって信徒が1万人を越える勢いだった<ref name="米沢藩95"/>。このため幕府は米沢にキリシタン弾圧を命じるが、上杉景勝は幕府の命令に形式的には従いながらもキリシタンにはかなり寛容な態度をとった<ref name="米沢藩95"/>。これは上杉家中にかなりキリシタン武士が存在し、有能な人材を失いたくない景勝の思惑があったためとされる<ref name="米沢藩96">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P96</ref>。だが景勝の死後、跡を継いだ定勝は幕府の度重なる圧力に屈して寛永5年（[[1628年]]）に甘粕信綱とその家族家臣など14名を処刑したのをはじめ<ref name="米沢藩96"/>、その後もキリシタン弾圧を続けて殉教者は寛永5年だけで70名以上に上った（[[北山原殉教遺跡|米沢寛永5年のキリシタン弾圧]]）<ref name="米沢藩96"/>。
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| − | | |
| − | [[島原の乱]]以後はキリシタン弾圧がさらに強化され<ref name="米沢藩96"/>、定勝の従兄弟にあたる公家[[山浦光則|山浦玄蕃]]（知行1000石）も定勝没後の[[承応]]2年（[[1653年]]）に幕府の命令で処刑されている<ref name="米沢藩97">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P97</ref>。
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| − | | |
| − | === 家臣の人数 ===
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| − | 米沢藩上杉家は他の藩と比較して下級武士の数が圧倒的に多かった<ref name="米沢藩88">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P88</ref>。これは関ヶ原の戦いに敗れて所領を4分の1に削減されたにも関わらず、家臣に暇を出すことをせず、そのまま米沢に連れて来たからである<ref name="米沢藩88"/>。必然的に家臣ひとり当たりの知行高は低く抑えられ、のちのち上杉家そのものだけでなく家臣たちひとりひとりの極端な経済的困窮につながった。大坂の役では上杉軍は2万の軍を率いて出陣しているが<ref name="米沢藩78"/>、本来は30万石であるから動員できる兵力は多く見ても7500人から9000人（そもそも1万石の動員数が250人から300人）であり、上杉家は倍以上の兵を動員している勘定になる。同じ山形県内にあった庄内藩[[酒井氏|酒井家]]14万石の家臣は約1900人であるが、米沢藩は約5000人という数から比較しても、家臣の極端な大人数が財政難の原因のひとつとなったことは確かである<ref name="米沢藩89">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P89</ref>。なお、上杉家の上級家臣（高家衆・奉行・家老・分類家）は95人で全体のおよそ2パーセント、中級家臣（上杉謙信の旗本だった馬廻組・上杉景勝の旗本だった五十騎組・直江兼続の与板衆）が930人で全体のおよそ19パーセント、残りが下級家臣でおよそ3900人であった<ref name="米沢藩89"/>。
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| − | | |
| − | === 下級武士 ===
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| − | 一般的に最下級の[[足軽]]以下の階級は技能職分として扱われ、[[士分]]階級のように[[世襲]]ではなく1代雇用が原則であった<ref name="米沢藩90">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P90</ref>。だが米沢藩は足軽（特に鉄砲足軽）は世襲とされ、扶持に関しても手明組などの徒士階級、三扶持方の下士階級とあまり変わらず、場合によってはより高い扶持をもらっていた者もいた<ref name="米沢藩90"/>。米沢藩では鉄砲の技能を重んじ、その修練を奨励しており、毎年正月には「矩（のり）の鉄砲」と呼ばれる藩主上覧の鉄砲披露があり、家臣が鉄砲の技量を競う晴れ舞台であったためだった<ref name="米沢藩90"/>。鉄砲は中級武士も撃つことを許されたが、扱うことができたのは10匁筒だけであり<ref name="米沢藩90"/>、20匁以上の大筒撃ちは専門職の足軽だけに許された特殊技能であり、特別の大筒を操作できる者には30匁撃ちに3石、40匁撃ちに4石、50匁撃ちに5石の加恩給を与えられた<ref name="米沢藩91">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P91</ref>。
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| − | | |
| − | 関ヶ原の戦い後に知行を大幅に削減されて下級武士の生活は困難になったため、米沢藩は会津口の南原、板谷口の山上、仙台口の東原に屋敷割りをして下級武士を住まわせ<ref name="米沢藩91"/>、藩境警備の任務に当たらせると同時に周辺の荒地を開墾させて半士半農の生活をさせるという屯田兵の暮らしをさせ、この集団は原方衆と呼ばれた<ref name="米沢藩92">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P92</ref>。原方衆は下級武士の半数を占める約1900人であり、農民とあまり変わらぬ生活をしていたために「原方の糞つかみ」と蔑まれたが、彼らの中には武士の矜持を忘れずに学問や武芸の修練に励む者も多かったと伝わる。また、自ら開拓した土地はそのまま与えられ、収穫した年貢も一般農民よりは軽減されていたので、城下で暮らす武士階級よりずっと生活は安定していたといわれる<ref name="米沢藩92"/>。
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| − | | |
| − | 逆に原方衆を蔑んでいたと伝わる城下集住の下級武士の生活はかなり苦しく、藩財政が逼迫して減俸されると扶持のみでは生計が成り立たなくなった<ref name="米沢藩92"/>。このため、米沢藩特産品の筆結いなどの内職を行い、それでもなお不足なので職人や日雇い人足になって収入を稼ごうとした<ref name="米沢藩92"/>。彼らの雇い主である米沢の町人は、日雇い武士に失礼のないようにと「人足様」「大工様」と敬称をつけて呼んでいたといわれ、この遺風は現在まで続いている<ref name="米沢藩92"/>。
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| − | === 財政（江戸初期から重定まで） ===
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| − | 貢租は蒲生時代以来、[[半石半永制]]をとる。これは貢租納入の半分を貨幣で納入するもので幕末まで踏襲された。また貢租の貨幣にあてる分は一定の米や[[ウルシノキ|漆]]、[[紅花]]、[[カラムシ|青苧]]、真綿といった特産物の買い上げ代金を廻すという方法が採られた。このため、早くから藩の買上制が実施された。米沢藩は120万石からの大減封を受け、しかも[[鶴子銀山|佐渡銀山]]<ref> 佐渡で金鉱が発見されたのは、上杉氏改易後の1601年である。</ref>などを失って大幅な収入減を受けた。関ヶ原の戦いの際に備えて雇った傭兵や浪人などは解雇したが、[[越後国|越後]]時代から付き従ってきた譜代家臣、並びに[[武田氏|武田家]]や[[小笠原氏|小笠原家]]、蘆名家旧臣の召し放ちを極力行わず、6000人と言われる家臣団を維持した<ref name="米沢藩74"/>。そのため、[[江戸時代]]初期から厳しい財政難に苦しめられた。
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| − | | |
| − | また米沢城は、伊達氏時代からの三階櫓を中心とした平城であったがほとんど拡張を行わなかった。また城下町は伊達家・蒲生家時代から手狭だったため、上杉家の家臣や家族が入るに及んで大混乱が起こった<ref name="米沢藩75"/>。このため上杉景勝・直江兼続らは下級武士を手狭な城下町の外に住まわせて、半農半士の生活を送らせたが、このような下級武士のことを[[原方衆]]という<ref name="米沢藩76"/>。それでも初期の米沢藩は、2代藩主上杉定勝が[[表高]]30万石に対して[[内高]]51万石と言われるまでに[[新田開発]]を進めたが、寛文4年（[[1664年]]）の15万石への半減で藩財政は再び大きな打撃を受けた。これ以降の実高は30万石程度（幕末の18万石への加増時には35万石前後）であるが、依然として家臣団は減らさなかったので、財政はますます厳しくなった<ref name="米沢藩84"/>。ちなみに、明治初年の史料をもって比較すると、[[加賀藩|加賀]]102万石の前田家の場合は、内高が120万石で、士族7,077戸、男12,414名、卒族戸数9,474戸、男14,029人であった。一方の米沢藩14万7千石（列藩同盟処分の削封後）の上杉家の場合は、内高が30万石で、士族3,425戸、男7,565名、卒族戸数3,308戸、男11,980人であった。この比較からも、米沢藩の厳しい状況は一目瞭然である。
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| − | | |
| − | このような深刻な財政難にも関わらず、第3代藩主綱勝は藩士に対して倹約を命じつつ自らは大好きな能楽にのめり込み、[[明暦]]3年（[[1657年]]）の火事では城下の東600戸を焼失したにも関わらず6000人の家臣を動員して狩りを行い、それに要した費用は代官や商人から借りることで補い、米沢藩の借金生活がこの時から開始された<ref name="米沢藩82"/>。綱憲は実父[[吉良義央]]夫妻の浪費による負債2780両を立て替えた上に<ref name="米沢藩84"/>、藩主の実父であるとして毎年6000両の援助金を送り<ref name="米沢藩84"/>、元禄11年（[[1698年]]）の鍛冶橋における吉良屋敷類焼では呉服橋に8000両の費用をかけて新邸を造築した上、米沢から大工50人を派遣した<ref name="米沢藩84"/>。さらに[[麻布]]藩邸などの新築、[[参勤交代]]などでの奢侈を行い、藩の貯金を一般会計に流用するまでに至る。
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| − | | |
| − | 7代藩主上杉宗房の代では領内農村の荒廃がすさまじく、年貢未進もかさんでいたため、[[元文]]3年（[[1738年]]）には当年分完納を条件に、それ以前7ヶ月の未納分の延納を許可する有様であった。上杉重定の代になると、派手好きで奢侈に走ったことに加え、[[寛永寺]]普請手伝いによる5万7千両超の工事費や宝暦5年（[[1755年]]）の凶作損毛高7万5800石超の被害も重なって、借財が莫大な額に上ったので、竹俣当綱（美作）の進言に従って幕府に15万石の返上を願い出ることを親族の[[尾張藩]]主に相談して<ref group="注釈">[[吉川弘文館]]の「上杉鷹山」や「山形県史」などでは[[徳川宗勝]]が諭したとしており、これが通説になっているが、そもそも宗勝は宝暦11年に死去している。</ref>、明和元年（[[1764年]]）に諭される返答をされる始末であった。
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| − | === 財政（鷹山の改革） ===
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| − | [[1767年]]（明和4年）、17歳で重定の跡を継いだ養子の[[上杉治憲|治憲]]（鷹山）は竹俣当綱と[[莅戸善政]]らを登用して[[藩政改革]]に乗り出した。倹約令発布、農村統制の強化、[[絹]]織物の[[専売制]]実施等の財政再建と、[[クワ|桑]]や漆の植樹、[[縮織]]技術の導入や[[黒井忠寄]]による灌漑事業などの殖産興業政策を行って藩財政を立て直した。また、先述のとおり特産品の青苧、紅花、蝋等も藩財政を助けた。儒学者[[細井平洲]]を招いて[[藩校]]の興譲館（現[[山形県立米沢興譲館高等学校]]）を設け、藩士の教育にもあたった。一方で、[[1773年]]（[[安永]]2年）7月には[[家老]]の[[須田満主]]や奉行の[[色部照長]]や[[千坂高敦]]らによる竹俣一派排除訴訟（[[七家騒動]]）も起こる。
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| − | | |
| − | 米沢藩では、藩主上杉家の実質上の祖である[[上杉謙信]]が藩祖として祀られ、その遺骸を納めた甕は遠く越後[[春日山城|春日山]]（[[新潟県]][[上越市]]）から米沢に運ばれて米沢城本丸内に安置されていた。上杉謙信崇拝に基づいた藩風は、越後以来の家臣の召し放ちが少なかったこともあって独特の誇り高い気風を生んだが、その一方で体面を重んじ、頑固で保守的な面があって、そのことが鷹山の藩政改革の障害となったという見方もある。しかし、鷹山隠居後も藩政改革に取り組む名君が続いたため、治憲・[[上杉治広|治広]]の代には借財を返済して5千両の囲い金（備蓄）を有するに至る。
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| − | === 財政（幕末から廃藩置県） ===
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| − | 最後の藩主[[上杉茂憲|茂憲]]は、戊辰戦後に3万両を新政府に献上して[[三条実美]]らによる改易論を封じ込め、また、[[奥羽越列藩同盟]]参加の責任を戦死した家老[[色部久長]]に転嫁することによって藩存続の危機を乗り切った。[[廃藩置県]]の際は、旧藩士らに囲金や備金などから10万両余を分与した。明治4年5月には、禄券法（家禄を売買可能な禄券に換えて、私有財産化して処分出来るものとした方法）の伺いを政府に提出した<ref>松尾正人『維新政権』</ref>。
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| − | '''米沢藩'''では、独自に発行した[[藩札]]も使用していた。金札が大半だったが、宝暦13年（1763年）に[[上杉家]]が京都屋敷を買戻してから、銀札も発行された。明治7年（1874年）、新政府による新通貨発足に伴い、回収時の引替率は、金札1両が1円であった（土佐藩の金札1両が33銭3厘、薩摩藩の32銭2厘などと比べ、破格の換金率であった）<ref>日本銀行貨幣博物館展示および公式web</ref>。
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| − | {| class="wikitable"
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| − | ! 米沢藩のPLまたはSI（フロー/歳入の部）<br>＝米納高＋金納額/年 !! 米沢藩のBS（ストック/資本の部）<br>＝資産－負債
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| − | |-
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| − | | 30万石時代…5万石＋1万両（綱勝相続時）<br>15万石時代…3万石＋3万両（治憲相続時）<br>14万7千石時代（列藩同盟処分の削封後）…6万石＋15万両 || 綱勝相続時…13万両<br>治憲相続時…マイナス20万両余<br>治広相続時…5千両<br>斉憲相続時…5万両
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| − | |}
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| − | * 絹・綿（疋）は米（石、斗）、銀（貫、匁）・銭（文）は金（両、分）に換算（江戸中期には、金1両＝銀60匁。銀1貫＝1000匁。銭1貫文＝1000文。ただし、米価は時代により相場変動あり、上記金額は概算）
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| − | * （参考文献：「御家建て直し」「上杉鷹山の失敗に学ぶ」「日本史地図」「武田一族」「米沢藩」「羽前俗謡抄」ほか）
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| − | | |
| − | === 教育 ===
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| − | 初代上杉景勝の執政直江兼続は元和4年（[[1618年]]）に禅林文庫を創設して[[足利学校]]や[[金沢文庫]]に匹敵する学問修行の道場とし、家臣の教育を図ろうとしたが、直江が翌年に病死したため実現までには至らなかった<ref name="米沢藩172"/>。第4代綱憲は将軍[[徳川綱吉]]の奨学により学問所を創設したが、以後は米沢藩の藩財政悪化により学問所自体が退廃した<ref name="米沢藩172"/>。
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| − | | |
| − | このため、米沢藩で実質的に[[藩校]]が創設されるのは上杉鷹山の改革期である<ref name="米沢藩173">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P173</ref>。鷹山は自らの師[[細井平洲]]を米沢に招聘し<ref name="米沢藩173"/>、師の命名で藩校は[[興譲館]]と名づけられた<ref name="米沢藩174">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P174</ref>。規模や内容は元和や元禄の比ではなく<ref name="米沢藩173"/>、鷹山や細井は藩校に優秀な指導者となるべき人材の育成の役割を求め<ref name="米沢藩174"/>、藩校の席次は身分ではなく長幼の序で定められて場合によっては生徒に手当として年1両の手当金、寄宿代の無料などの特典もあり、この藩校の子弟が藩の中枢にあって活躍していくことになる<ref name="米沢藩174"/>。
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| − | | |
| − | === 福祉 ===
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| − | 鷹山は仁慈の政治の実現を常とした人物であるが、財政再建が一段落した寛政4年（[[1792年]]）には家中・領民を問わずに90歳以上の老人には生涯1人扶持を与えることとする老齢年金制度、15歳以下の子供が5人以上いる家庭では末子が5歳に達するまで1人扶持の手当を支給することとするという[[子供手当]]を実施した<ref name="米沢藩181">小野『シリーズ藩物語 米沢藩』、P181</ref>。ただし、米沢藩では享保13年（[[1728年]]）から孝行、貞節などで優れた「善行者」を表彰する制度があり、鷹山はこの制度を推奨して福祉を定め、さらに善行者にはとりわけ模範的な人物に対して生涯家の門柱に名前を記して顕彰したといわれる<ref name="米沢藩174"/>。
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| − | | |
| − | == 藩法 ==
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| − | 天正9年（[[1581年]]）から[[弘化]]4年（[[1847年]]）までの歴代藩主の法令を編纂した法令集に『御代々御式目』（全41冊）がある。また、諸役職の沿革については『紹襲録』、勤務規定については『御役成勤式』がある。[[町奉行]]の職務手鑑的なものに正徳4年（[[1714年]]）の『当官紀事』がある。
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| − | | |
| − | 米沢藩は刑法典を制定することなく、判例に準拠して処罰を行った。主要な判例集には『御呵附引合』、『中典類聚』、『御裁許鈔』などがあり、それらを繋ぐと江戸時代全期の刑事判決が明らかとなる。それらに記録される刑種は約60種ほどで、中には闇討、郷替、出奉公、定価屋渡など、他藩ではあまり見られないものも含まれる。
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| − | | |
| − | == 歴代藩主 ==
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| − | ;上杉家
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| − | 外様
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| − | 家格：国主・大広間・殿上元服・一字頂戴・屋形号 30万石→15万石→18万7千石→14万7千石
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| − | # [[上杉景勝|景勝]]
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| − | # [[上杉定勝|定勝]]
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| − | # [[上杉綱勝|綱勝]]
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| − | # [[上杉綱憲|綱憲]]15万石に減知。
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| − | # [[上杉吉憲|吉憲]]
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| − | # [[上杉宗憲|宗憲]]
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| − | # [[上杉宗房|宗房]]
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| − | # [[上杉重定|重定]]
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| − | # [[上杉治憲|治憲]]
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| − | # [[上杉治広|治広]]
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| − | # [[上杉斉定|斉定]]
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| − | # [[上杉斉憲|斉憲]]18万7千石に加増。
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| − | # [[上杉茂憲|茂憲]] 14万7千石に減知。米沢新田藩1万石を併合。[[後志国]]の一部1万石を編入。
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| − | 上杉伯爵家 （1876年 - 1995年）
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| − | #[[上杉憲章|憲章]]
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| − | #[[上杉隆憲|隆憲]]
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| − | 上杉家現当主 （1995年 - ）
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| − | #[[上杉邦憲|邦憲]]
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| − | | |
| − | *※米沢藩主としては景勝が初代であるが、上杉家としては[[上杉謙信]]を初代と数えるため、上杉家、米沢市の関連文書、サイトでは注意が必要である。
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| − | == 支藩 ==
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| − | === 米沢新田藩 ===
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| − | '''米沢新田藩'''（よねざわしんでんはん）は、米沢藩の支藩。外様。柳間詰。代々駿河守を称し、[[駿府城]]加番役を務めた。[[享保]]4年（[[1719年]]）に5代藩主[[上杉吉憲|吉憲]]が弟の[[上杉勝周|勝周]]に領内の[[新田分知|新田分]]1万石を分与して成立した。藩主は2代[[上杉勝承|勝承]]以降は男子が生まれず、以後3代は宗藩の歴代藩主の弟を養子に迎えている。新田藩主は米沢藩内では「支侯」と呼ばれた。
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| − | | |
| − | 米沢城内二の丸に藩庁を置き、居所としていた。[[武鑑]]では[[江戸藩邸]]は[[麻布]]に上屋敷があったとしているが、これは宗藩の中屋敷の一部を与えられたものである。後に上屋敷の所在表記は飯倉片町となる。
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| − | | |
| − | また、[[文政]]年間の武鑑で新田藩の家老である高梨左近が宗藩の用人を兼務しているように表記されたり、上杉藩の史料「紹襲録」でも文政元年（[[1818年]]）に宗藩の側役であった留守善次郎が新田藩主の[[上杉勝義|勝義]]の[[用人]]になっているのが見られる。加えて、米沢城内に新田藩の役所や藩主御殿があり、上杉鷹山の隠居所である餐霞館は元は新田藩主の御殿であったものを流用したものであり、鷹山死去以降に支侯御殿に戻っている。
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| − | | |
| − | このように、特定の領地や城地を持たないだけでなく、支配機構や財政、家臣団、居住地、さらには後継者まで全て宗藩の米沢藩に依存しており、江戸幕府の[[御三卿]]にかなり近い[[内分分知|藩内分家]]であった。
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| − | | |
| − | [[明治維新]]後、宗藩の所領削減もあって存続が難しくなり、明治2年（1869年）に宗藩に併合された。なお、廃藩後も[[子爵]]家として存続したが、宗家の当主の弟を養子とすることが支藩時代と同様に続いた。
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| − | | |
| − | === 歴代藩主 ===
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| − | ;上杉家
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| − | 外様 1万石 （1719年 - 1869年）
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| − | #[[上杉勝周|勝周]]
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| − | #[[上杉勝承|勝承]]
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| − | #[[上杉勝定|勝定]]
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| − | #[[上杉勝義|勝義]]
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| − | #[[上杉勝道|勝道]]
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| − | 上杉子爵家 （1869年 - 1944年）
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| − | #[[上杉勝賢|勝賢]]
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| − | #[[上杉勝憲|勝憲]]
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| − | #[[上杉勝昭|勝昭]]
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| − | 麻布上杉家 （1944年 - ）
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| − | | |
| − | （当主代行 [[上杉幸子|幸子]]（夫：子爵 上杉勝憲） 1944年 - 1952年 ）
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| − | #[[上杉孝久|孝久]] 1952年 -
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| − | == 藩邸及び江戸での菩提寺 ==
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| − | [[江戸藩邸]]は[[文政]]年間当時、[[桜田門|外桜田]]御堀通り（現在の[[法務省]]敷地内）に上屋敷、[[麻布]]に中屋敷、[[白金 (東京都港区)|芝白金]]に下屋敷があった。また[[京屋敷|京都藩邸]]は[[柳馬場通]][[三条通|三条]][[京都市内の通り#通り名を用いた場所の表記|下ル西側]]に構えていた。
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| − | | |
| − | 麻布藩邸は上杉綱憲により新築された。京都藩邸は一時、[[森利真]]（平右衛門）が売却したが、竹俣当綱（美作）が買い戻している。また、[[1788年]]（[[天明]]8年）の京都の火事で一時焼失した。
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| − | | |
| − | 江戸における[[菩提寺]]は[[浅草]]新鳥越にあった（移転して現在は[[清川 (台東区)|清川]]に所在）[[新義真言宗]]寺院、金知山[[宝蔵寺|宝蔵院]]{{要曖昧さ回避|date=2016年6月}}で、米沢新田藩も同様であった。
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| − | == 藩職 ==
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| − | 横山昭男の『上杉鷹山』（吉川弘文館）や上杉文書の「紹襲録」による。
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| − | 【藩主直属】
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| − | *[[奉行]]（他藩の[[家老|国家老]]に相当、3人）
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| − | *江戸家老（2人）
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| − | *侍頭（5人）
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| − | *役屋将（5人）
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| − | *儒者
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| − | *[[小姓頭]]（2人）
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| − | 米沢藩の首脳部は、奉行（3人）、江戸家老（2人）、侍頭（5人）の計10人で構成される。奉行職は上杉定勝の代に新設され、他藩の[[家老|国家老]]に相当した。侍頭は5組編成になっている侍組の各組の[[番頭]]である。これらの重職には、藩内の上士階級である侍組の中でも特に家柄の高い家である分領家のみが就任することができる。分領家は全部で14家あるが、謙信・景勝政権下では外様扱いであった[[揚北衆]]や信濃衆出身の家が多くを占めている。しかし、奉行職については[[寛政]]10年（[[1798年]]）に馬廻組出身の[[莅戸善政]]が奉行に登用され、慣行が破られることになる。
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| − | | |
| − | なお、[[宝暦]]元年（[[1751年]]）に[[中老]]職が新設されたが、一時期廃止される。[[寛政]]3年（[[1791年]]）に莅戸善政の登用をもって復活する<ref>横山昭男『上杉鷹山』参照。ただし、中老職は他藩では非常置であることが多く、単純に臨時の役職であった可能性もある。</ref>。
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| − | 小姓頭は江戸の須原茂兵衛版[[武鑑]]では『[[用人]]』と表記された職で、当初は侍組しか就任できなかったが、与板組出身で侍組に昇格した[[森利真]]（平右衛門）の登用で慣行が破られる。
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| − | | |
| − | 役屋将は、藩境の高畠（のち糠野目）、中山、鮎貝、荒砥、小国の5箇所の要地に置かれた[[陣屋]]の[[城代]]を上杉綱憲が改称したものである。侍組から任命され、30〜40人の足軽を配下に置き、藩境の警備や旅人・貨物の取締りを担当した。
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| − | | |
| − | 【奉行配下】
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| − | *[[大目付]]
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| − | *仲之間年寄（3人）
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| − | *勘定頭
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| − | *役所役
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| − | *町奉行（2人）
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| − | *[[郡奉行]]（2人）
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| − | なお、仲之間年寄は3人、町奉行は2人、郡奉行は2人であった。郡奉行は一時期廃止される。仲之間年寄は六老や六人年寄とも言われる。なお、先述の小姓頭同様に江戸中期以降の武鑑では仲之間年寄と大目付は「用人」として表記されている。[[寛政]]3年（[[1791年]]）の改革で郡奉行は六人年寄の兼務とし、勘定頭は桜田屋敷将と桜田納戸頭を兼務することになった。
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| − | 【大目付配下】
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| − | *[[使番|御使番]]（8人、寛政3年に5人に減員）
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| − | 【勘定頭配下】
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| − | *次勘定
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| − | 【郡奉行配下】
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| − | *[[代官]]（5人）
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| − | 代官は上杉定勝の時に新設されたが、当初は世襲制であった。[[安永]]元年（[[1772年]]）に代官世襲制が廃止される。
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| − | | |
| − | 【小姓頭配下】
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| − | *側役
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| − | *近習
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| − | 【役屋将配下】
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| − | *役屋付
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| − | 役屋付は、役屋を助けて領内の取締りを強化するために街道沿いの38箇所に設置された口留番所の役人で、三扶持方から各番所に1〜2名が配置された。先に設置された板谷、綱木、花沢、糠野目、掛入石中山、小滝、荻野中山、大瀬、栃窪、玉川、蓬生戸、折戸、黒鴨、筑茂、爼柳の15箇所を本口番所、後に設置された梓山、中荒井、荒井、上片子、下片子、矢木橋、新藤台、鉄砲町、芦付、一本松、上窪田、下窪田、外ノ内、福沢、大橋、椚塚、十分一、大洞、金山、高岡、田尻、烏川、平田の23箇所を藪口番所と呼んだ。
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| − | 【その他の側近職】
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| − | *傳役
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| − | *隠殿用人
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| − | *部屋住用人
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| − | *膳部番
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| − | *手廻番
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| − | | |
| − | == 家臣団 ==
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| − | *禄高は15万石時代のもの、侍組の席次は『致知嚢』（[[天保]]7年（[[1836年]]）作成）による。禄高の後の地名は主な知行地。
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| − | *上士、下士および卒の区分は『米沢藩諸士ノ組、組頭、役ノ名称調』による。
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| − | ===上士（侍組）===
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| − | ====高家衆（4〜5戸）====
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| − | *[[米沢武田氏]]（席次第1位、藩内500石）
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| − | *:[[武田信清]]（[[武田信玄]]六男）－[[武田勝信|勝信]]＝信秀（[[本庄重長]]次男）－信安（信秀次男）－信全－信久－信福－信順－信明－信篤－信一
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| − | *[[畠山氏#能登畠山家（匠作家）|能登畠山氏]]（席次第2位、藩内250石）
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| − | *:[[畠山景広]]（[[畠山義春]]長男）－政利－政束＝政永（二本松国隆長男）－茂知－茂寛＝茂輔（色部政長次男）－忠茂－茂卿－義方
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| − | *[[山本寺氏]]（席次第3位、藩内250石）
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| − | *:[[山本寺勝長]]（[[山本寺景長]]の子、[[山本寺定長]]の孫）＝[[山本寺勝政|勝政]]（[[長尾景光]]三男）－[[山本寺勝興|勝興]]－[[山本寺勝安|勝安]]－[[山本寺勝紀|勝紀]]－[[山本寺勝称|勝称]]－[[山本寺勝久|勝久]]－[[山本寺勝茂|勝茂]]－[[山本寺勝強|勝強]]
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| − | *[[二本松氏]]（席次第4位、藩内200石）
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| − | *:畠山氏分家、初め利根川氏を称する。
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| − | *:二本松国隆（畠山政利次男）＝国政（利根川正隆次男）－国茂－国雄－国当－国諶－国審＝国潤（国審の弟）
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| − | *[[山浦氏]]
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| − | *:[[山浦景国]]（[[村上義清]]の子）＝[[山浦光則|光則]]（[[上杉景勝]]側室・[[桂岩院|四辻氏]]の甥）…（断絶）＝[[色部康長|康長]]（[[色部久長]]長男）
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| − | | |
| − | ==== 分領家（14戸） ====
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| − | ;上杉氏譜代
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| − | *[[長尾氏#白井・総社長尾氏|白井長尾氏]]（席次第6位、藩内1000石：池黒）
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| − | *:[[長尾景広]]＝[[長尾景泰|景泰]]（[[中条三盛]]次男）－[[長尾景光|景光]]－景貞－景将＝景風（岩井組織次男）－景好＝[[長尾景明|景明]]（景好弟）＝景保（芋川正令四男）－景敏－景直－景孝－国丸
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| − | *[[千坂氏]]（席次第8位、藩内1565石：簗沢、朴沢）
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| − | *:[[千坂景親]]＝高信（満願寺仙右衛門）－高治（高信次男）－[[千坂高房|高房]]－尚親－安親－興親＝[[千坂高敦|高敦]]（廣居清応長男、安親外孫）－清高－高容＝興高（高容の弟）－高明（興高次男）－[[千坂高雅|高雅]]－[[千坂智次郎|智次郎]]（高雅次男）
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| − | | |
| − | ;越後衆
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| − | *[[安田氏#安田氏（大江系毛利氏）|毛利安田氏]]（席次第13位、藩内2166石：川井）
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| − | *:後に毛利に復姓。
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| − | *:[[安田能元]]（[[安田顕元]]の弟）＝俊広（那波顕宗次男）－清元－通広－宦元－貞広－[[毛利雅元]]（貞広四男）＝隆元（芋川正令の弟）－方元－興元－業広
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| − | | |
| − | ;[[揚北衆]]
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| − | *[[本庄氏#秩父党系本庄氏|本庄氏]]（席次第5位、藩内1666石：鮎川）
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| − | *:侍頭と[[福島城|福島]][[城代]]（のち鮎貝役屋将）を兼任。
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| − | *:[[本庄繁長]]－[[本庄充長|充長]]（繁長次男）＝[[本庄重長|重長]]（繁長六男）－政長－英長－義長＝職長（平林恒広次男）－祗長＝精長（職長三男）－為長－寛長－昌長－勝長＝孝長（昌長三男）
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| − | *[[中条氏#中条氏（三浦党）|中条氏]]（席次第7位、藩内900石：山口新地）
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| − | *:[[中条三盛]]（[[中条景泰]]長男、[[中条藤資]]の外曾孫）－盛直－知資＝清資（島津通忠次男）－親資－備資－総資＝[[中条至資|至資]]（竹俣秀周三男）＝達資（色部至長次男）－明資（達資の孫）－宮吉
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| − | *[[色部氏]]（席次第12位、藩内1666石：窪田）
| |
| − | *:屋敷跡は現在、[[米沢簡易裁判所]]。[[戊辰戦争]]の戦後処理で一旦断絶となるが、[[明治]]16年（[[1883年]]）に赦免。
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| − | *:[[色部光長]]（[[色部長実|色部長真]]長男、[[色部勝長]]の孫）＝利長（安田俊広次男）＝[[色部清長|清長]]（[[武田勝信]]次男）＝[[色部安長|安長]]（[[長尾景光]]次男）－隆長－政長－[[色部照長|照長]]＝至長（政長五男）－致長＝[[色部篤長|篤長]]（[[香坂好昌]]次男）－[[色部久長|久長]]－[[色部康長|康長]]
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| − | *[[竹俣氏]]（席次第17位、藩内1000石）
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| − | *:屋敷跡は現在、[[九里学園高等学校]]。屋敷門が[[林泉寺 (米沢市)|林泉寺]]の山門として現存。
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| − | *:[[竹俣利綱]]（[[竹俣慶綱]]養子）＝房綱（市川房綱次男）－吉忠＝義澄（[[竹俣義秀]]長男）－充綱－本綱（不家督）－[[竹俣当綱|当綱]]－[[竹俣厚綱|厚綱]]＝良綱（竹俣秀賢次男）－紀綱－久綱
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| − | *[[竹俣氏|竹俣西氏]]（席次第27位、藩内600石）竹俣氏分家、初め[[保科氏]]を称する。
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| − | *:[[竹俣義秀]]（竹俣房綱次男）－斉秀（竹俣義澄の弟）－森秀＝英秀（鮎川近長長男）－寿秀－周秀－忠秀＝保秀（周秀弟）＝陳秀（本間秀豊次男）－有秀＝順助（斎藤篤信次男）
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| − | | |
| − | ;信濃衆
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| − | *[[須田氏]]（席次第9位、藩内1000石→200石：高梨）
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| − | *:[[七家騒動]]で侍組平侍に降格。
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| − | *:[[須田長義]]（[[須田満親]]次男）－秀満－義当－義宣－義成＝知義－[[須田満主|満主]]－満清－満照＝満親（計見伝右衛門次男）－義比－義遥＝義道（本間高純次男）
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| − | *[[市河氏|市川氏]]（席次第18位、藩内1066石）
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| − | *:[[市川房綱]]－房忠（房綱三男）－房則－房行－英房－兼雄－盛房－英房－房郷－房隆－房煕－慎一郎
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| − | *[[清野氏]]（席次第19位、藩内1416石）
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| − | *:[[清野長範]]（平田常範の子）－秀範－重範＝範佑（長尾景貞次男）－[[清野秀佑|秀佑]]－[[清野祐秀|祐秀]]（不家督）－邦秀－秀将－秀貞－秀雅－秀趨（秀雅次男）＝秀彪（秀趨弟）
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| − | *[[芋川氏]]（席次第20位、藩内985石→200石）
| |
| − | *:[[七家騒動]]で侍組平侍に降格。
| |
| − | *:[[芋川正親]]＝元親（芋川守親長男）－綱親（正親長男）－高親－正親－正処－英親－[[芋川正令|正令]]－[[芋川延親|延親]]－親生－親和＝尊親（竹俣秀興の弟）－愛親＝憑親（下条親喜三男）－宗親
| |
| − | *[[信濃島津氏|信濃長沼島津氏]]（席次第21位、藩内1116石→500石→800石：一本柳）
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| − | *:[[島津忠直]]－義忠＝利忠（[[岩井信能]]の子）＝通忠（中条盛直次男）－友忠－房忠＝行忠（房忠の弟）－昌忠－知忠－親忠－玖忠－教忠－容蔵
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| − | *[[平林氏]]（席次第30位、藩内850石→1000石：笹子平、焼平）
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| − | *:[[平林正恒]]－正興（正恒次男）－正信－正包－恒広－正相－正村－[[平林正在|正在]]－正賀－正亮－正名－正国
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| − | ==== 平侍（約70戸） ====
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| − | ;上杉氏譜代
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| − | *[[斎藤氏#越後斎藤氏|越後斎藤氏]]（席次第22位、藩内200石：長手）
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| − | *:[[斎藤景信]]（[[斎藤朝信]]長男）－信成－安信－真信＝清信（本庄政長次男）－滋信－尊信－朝安＝英信（須田知義次男）－寿信－庸信－[[斎藤篤信|篤信]]
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| − | | |
| − | ;越後衆
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| − | *[[柿崎氏]]（席次第16位、藩内250石）
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| − | *:[[柿崎憲家]]（[[柿崎景家]]の子）－正家－家永＝家重（家永弟）－家親（不家督）－家豊－家孝－家斉－家審－家範－家成－家教
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| − | *[[大国氏]]（席次第25位、藩内250石）
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| − | *:[[大国実頼]]（[[直江兼続]]の弟）＝光頼（樋口秀兼長男）＝頼高（蓼沼恒高長男）－頼屋－頼継＝頼端（竹俣充綱三男）－頼泰－頼昆－頼及－頼隣－頼重
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| − | *:直系子孫に[[大國昌彦]]（[[王子製紙]]元会長）。
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| − | *[[新津氏]]（席次第26位、藩内508石）
| |
| − | *:[[新津秀祐]]（赤津弾正の子、[[新津勝資]]養子）＝続久（[[山岸尚家]]の子）－続秀－続興＝続柄（宮島家長長男）－続宣－続相－続喬－続宗
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| − | *[[甘粕氏]]（席次第41位、藩内250石：谷地）
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| − | *:[[甘粕景持]]－重政－忍重－重親－栄重－景豊－景元（景豊次男）－景武－景通－景弘－景任
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| − | *:直系子孫に[[甘粕正彦]]陸軍大尉。
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| − | *[[甘糟氏]]（席次第81位、藩内200石）
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| − | *:[[甘糟景継]]（登坂清高長男）－吉継＝安継（甘粕長継次男）＝正継（長継三男）－継信＝忠公（栗林政盛三男）－継慶＝継武（芋川正令の弟）＝継光（仁科盛大次男）－継寛－継善－[[甘粕継成|継成]]
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| − | | |
| − | ;上田衆
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| − | *[[黒金氏]]（席次第24位、藩内500石）
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| − | *:後に鉄に改姓。
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| − | *:[[黒金泰忠]]（島倉泰明長男、[[黒金景信]]養子）＝鉄泰利－泰房（泰利次男）－景泰－景雄－景達－景栄－景有－景福－景巍－景安
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| − | *[[広居氏|廣居氏]]（席次第37位、藩内500石→850石）
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| − | *:後に侍組分領家に昇格。
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| − | *:廣居忠家－忠佳＝忠清（廣居忠房長男）－忠良－佳康－[[広居清応|清応]]－忠起－忠通＝忠良（毛利方元次男）＝忠益（[[松木秀実]]次男）－忠善＝徳丸（本庄昌長次男）
| |
| − | *[[樋口氏]]（席次第42位、藩内250石）
| |
| − | *:[[樋口兼豊]]（[[直江兼続]]の父）－秀兼（兼豊三男）－長兼（秀兼次男）－兼久－兼置－兼信－兼喜－兼当－兼通－兼隆＝兼利（平林正賀三男）－兼春
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| − | | |
| − | ;与板衆
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| − | *[[志駄氏]]（席次第80位、藩内250石：上小管）
| |
| − | *:[[志駄義秀]]－義繁（義秀次男）－義知－義尭－義尉－義貴＝義和（岩井央親三男）－和義＝義勝（斎藤庸信の弟）＝義立（[[色部篤長]]次男）－竜雄
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| − | | |
| − | ;揚北衆
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| − | *[[安田氏#安田氏（桓武平氏）|大見安田氏]]（席次第14位、藩内416石：若狭）
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| − | *:[[安田堅親]]（河田元親三男、[[安田長秀]]養子）＝家親（福島秀重三男）－信親－秀積－秀精－秀村＝栄秀（岩井安親四男）－秀俊－秀政－秀疑
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| − | *[[黒川氏]]（席次第15位、藩内500石）
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| − | *:黒川為実（[[黒川清実]]の孫）－義周＝義実（為実次男）＝義忠（春日元忠三男）＝義元（本村利盛次男）－義治－義直－義知－義肥－義陳－義真－義住＝義質（清野秀貞の弟）－義府＝義挙（義府弟）－義道
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| − | *[[鮎川氏]]（席次第23位、藩内250石）
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| − | *:鮎川秀定（[[鮎川盛長]]養子）＝信重（[[本庄長房]]長男）＝高長（千坂高治次男）－房長－近長－尚長－亮長－朗長＝光長（中条至資次男）－輔長＝寿長（輔長の弟）
| |
| − | *[[下条氏]]（席次第28位、藩内250石：勧進代新地）
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| − | *:[[下条忠親]]（河田元親次男）－正親－守親＝繁親（宇留賀忠右衛門長男）－豊親－秀親－富親－親貞＝親全（親貞の弟）－親明＝親喜（島津知忠次男）－親義－親英
| |
| − | *[[水原氏]]（席次第32位、藩内200石）
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| − | *:後に杉原に改姓。
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| − | *:[[水原親憲]]（大関盛憲の子）＝憲胤（下条正親次男）＝杉原忠親（正親三男）＝次親（平林正興次男）＝方親（下条繁親次男）＝全親（平林正包次男）－親宣＝芳親（仁科盛寿三男）＝皆親（夏井範風の弟）－親好＝美親（[[莅戸政以]]次男）－親賢－親徳
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| − | *[[新発田氏|新保氏]]（席次第34位、藩内200石）
| |
| − | *:[[新発田盛喜|新保盛喜]]（[[新発田重家]]の弟）－長之（盛喜次男）－重之－定之－正之－村綱－利綱－一綱＝光綱（松木秀尋次男）＝綱領（[[色部篤長]]叔父）＝朝綱（[[色部篤長|篤長]]三男）
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| − | | |
| − | ;信濃衆
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| − | *[[高梨氏]]（席次第11位、藩内250石）
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| − | *:[[高梨頼清]]－豊泰－頼章＝頼長（頼章の弟）－頼寛－頼通－頼実－頼為－頼立＝頼昌（[[色部久長]]次男）
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| − | *[[岩井氏]]（席次第27位、藩内585石）
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| − | *:[[岩井信能]]－相高（信能三男）＝元則（相高の甥）－信門－元農－信政－信全－相信－信喜（相信次男）－信興－信賢
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| − | *[[香坂氏]]（席次第29位、藩内350石：田沢）
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| − | *:[[香坂昌能]]＝忠昌（井上達満四男）－高昌－長昌－豊昌－長興（豊昌の孫）－直昌－昌明－克昌＝昌象（克昌の弟）－昌邦
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| − | *[[春日氏]]（席次第65位、藩内500石）
| |
| − | *:[[春日元忠]]－続元－元重－方元－元直－元著（元直次男）－好元－元聴－元長－元龍－元定
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| − | | |
| − | ;武蔵衆
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| − | *[[大石氏]]（席次第35位、藩内200石）
| |
| − | *:[[大石綱元]]－兼扶－兼徳－兼高－兼般＝兼豊（長尾景貞三男）－[[大石綱豊#父・大石尚綱|尚綱]]－[[大石綱豊|綱豊]]＝徳綱（森長延次男）＝維綱（清野秀貞次男）－紀綱
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| − | | |
| − | ;その他
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| − | *[[上松氏]]（席次第10位、藩内250石）
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| − | *:初め[[長尾氏|総社長尾氏]]の名跡を継ぎ長尾氏を称する。
| |
| − | *:[[上松義次]]（[[木曾義昌]]外孫、[[上杉景勝]]正室・[[菊姫 (上杉景勝正室)|菊姫]]の甥）－義長＝義祗（西条秀明三男）－義局＝義蕃（島津知忠の弟）＝義豊（知忠三男）－義方－義道－義忠－義近
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| − | *[[吉江氏]]（席次第36位、藩内200石）
| |
| − | *:吉江長忠（[[吉江景資]]三男、[[吉江宗信]]の孫）－長次＝長延（安田清元四男）－長逸－長軌－[[吉江輔長|輔長]]＝長直（栗林政純弟）－長重－長民－長発
| |
| − | *[[狩野氏]]（席次第73位、藩内200石）
| |
| − | *:狩野秀利（[[狩野秀治]]長男）＝正朝（吉江景利次男）＝友清（吉江景淳四男）－秀厚－秀延－秀直＝秀宣（安田貞広四男）＝秀豫（貞広五男）＝秀興（千坂高豊次男）＝秀詮（吉江輔長次男）－秀鋭－実秀＝秀朗（清野秀貞の弟）－秀堅
| |
| − | *[[上泉氏]]（席次第90位、藩内250石）
| |
| − | *:[[上泉泰綱]]（[[上泉信綱]]の孫）－秀綱＝秀富（[[志駄義秀]]三男）－秀風－秀就－秀賢（秀就次男）－秀一＝秀栄（清野秀秋次男）＝秀厚（大国頼端次男）＝秀時（毛利隆元次男）＝秀寿（毛利方元弟）＝秀雅（市川房郷次男）－秀俊
| |
| − | *:傍系子孫に[[上泉徳弥]]海軍中将。
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| − | | |
| − | === 上士(三手組) ===
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| − | ==== [[馬廻]]組 ====
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| − | 上杉謙信の直臣で構成、組名は上杉謙信馬前に由来。
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| − | *[[莅戸氏]]（席次第38位、藩内150石→550石
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| − | *:後に侍組分領家に昇格。
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| − | *:莅戸秀政－政吉－政長－政共－英政（不家督）－[[莅戸善政|善政]]－[[莅戸政以|政以]]－政在－政養－政寛
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| − | *[[河田氏]]（藩内25石）
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| − | *:河田貞親（志賀清親の子、[[河田長親]]の甥）－吉次－吉重－義慰－達親－胤親－明親＝親賢（野呂久寛次男）－信親－親順
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| − | ==== 五十騎組 ====
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| − | 上田長尾衆で構成、組名は上杉景勝の直参五十騎に由来。
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| − | *[[山岸氏]]（藩内50石）
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| − | *:[[山岸尚家]]（深沢尚重次男）－家久（尚家次男）－家智＝正祐（赤津権左衛門の弟）－光之－光寛－光利－光
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| − | *[[桜井氏]]（藩内50石）
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| − | *:[[桜井吉晴]]－勘左衛門（不家督）－義直（勘左衛門次男）－義茂＝勘兵衛（河田五郎兵衛次男）＝義重（山田弥五右衛門の弟）－義知＝義孝（吉池貴達次男）－義益－義賢－義昌＝義起（下平忠勤次男）
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| − | *[[泉沢氏]]（藩内25石）
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| − | *:[[泉沢久秀]]＝直久（青木左内次男、久秀の甥）－満久＝前秀（笹生吉秀次男）－秀浄＝尚秀（上山八郎右衛門次男）＝秀詮（青木新蔵の弟）＝秀就（黒井小源太次男）＝秀雄（下平敬政次男）＝秀発（鈴木長香四男）＝秀成（大石道綱次男）
| |
| − | *[[安部氏]]（藩内25石）
| |
| − | *:安部政親（岩船忠吉次男、[[安部政吉]]の甥）－政次－政高－政乗－政安－政常＝政織（林政実次男）＝政敏（高梨頼実の弟）＝政忠（山宮忠豊四男）
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| − | *黒井氏
| |
| − | *:黒井繁之－[[黒井忠寄|忠寄]]
| |
| − | *山吉氏（分家）
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| − | *:[[山吉盛侍]]
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| − | *神保氏
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| − | *:[[神保忠昭]]－[[神保綱忠]]
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| − | ==== 与板組 ====
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| − | 直江兼続の直臣で構成、組名は与板衆に由来。
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| − | *森氏（後に侍組平侍に昇格、改易）
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| − | *:森直義＝[[森利真|利真]]（森平太夫の次男）
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| − | === 上士(三手組格) ===
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| − | ==== 御小納戸 ====
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| − | 上杉謙信、景勝の頃に剛直の者数人選ばれ、御床番として寝室を警備したことに由来。上杉定勝の頃に御小納戸と名称が改められ、参勤交代行列の準備、年末年始の式台準備、藩主の用度品準備などを行うようになる。
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| − | *青木氏（藩内35石）
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| − | ==== 厩方 ====
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| − | 藩主の召馬の飼育や乗馬指南、将軍家への献上馬の検査や飼育を行う役職。
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| − | *山下氏（藩内50石、後に分家し25石）
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| − | === 上士(その他) ===
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| − | ==== 大小姓 ====
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| − | ==== 外様法体 ====
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| − | 藩主直属の医師。髷を結わず総髪の体とし、法体に見えることから、その名前がついた。
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| − | === 下士 ===
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| − | ==== 三扶持方 ====
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| − | ===== 猪苗代 =====
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| − | 侍組から漏れた越後の国人衆及び信濃衆で構成、組名は会津移封後に猪苗代で知行地を与えられたことに由来。
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| − | ===== 組外御扶持方 =====
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| − | [[関ヶ原の戦い]]の際に集められた浪人で構成。
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| − | *[[前田利益]]
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| − | *[[車斯忠]]
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| − | *[[岡定俊]]
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| − | ===== 組付御扶持方 =====
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| − | 侍組・三手組の分家で構成
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| − | ==== 芸者組 ====
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| − | 藩主が能、狂言を催す際に、太鼓、鼓、笛、囃子方などを勤める士分。地謡の得意な士卒から選ばれた。
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| − | ==== 御徒 ====
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| − | 上杉謙信譜代の徒に由来。
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| − | ==== 外様外科 ====
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| − | 外様法体同様、髷を結わず総髪の体とし、法体に見えることから、その名前がついた。ここでいう外科とは、外様法体の次席という意味で、外科医の外科とは異なる。参勤交代の際に列に加わり、士卒へ医療行為を執り行う。
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| − | ==== 御守 ====
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| − | 上杉謙信直属の長柄組に由来。謙信が春日山参拝の折に神前の守備を命ぜられたことから、御守組と呼ばれるようになった。
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| − | ==== 本手明 ====
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| − | 長尾政景譜代の手明衆に由来。政景死去後は、景勝直臣となる。参勤交代の際は、御先立、中押、後押の先導役を勤める。
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| − | ==== 御堂俗番 ====
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| − | 上杉謙信の遺骸を会津、その後米沢へ移した折に遺骸を安置する御堂の番を勤める役。
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| − | ==== 奉行同心 ====
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| − | 奉行付の士分。ここで言う、同心とは[[足軽]]ではなく、中世に用いられていた「一味」や「一族」と同等の意。
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| − | ==== 江戸家老同心 ====
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| − | 江戸家老付の士分。参勤交代の折、江戸屋敷にて大御門役や作事屋役を勤める。
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| − | ==== 御膳部 ====
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| − | 藩主の御膳献立の作成を勤める。
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| − | ==== 御台所組 ====
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| − | 藩主の御膳に使用する食材や日用品の買い物を勤める。
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| − | ==== 御金蔵番 ====
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| − | 二ノ丸にある金蔵の番を勤める。
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| − | ==== 金山役人 ====
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| − | 金山、鉱山に関する諸業務を勤める。
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| − | ==== 御細工組 ====
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| − | 藩主の用度品の細工を行う士分。仕立ての上手な者は一代に限り、御小納戸への昇進があった。
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| − | ==== 御鷹師 ====
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| − | 藩主の鷹狩の際に指南を行う者。
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| − | ==== 新手明 ====
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| − | 直江兼続直参の手明衆に由来。本手明と同じく、参勤交代の際に御先立、中押、後押の先導役を勤める。
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| − | ==== 御掃除坊主 ====
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| − | 法体すなわち坊主の格好で城内大広間や式台などの掃除を勤める。参勤交代の際には御茶道役も勤める。
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| − | ==== 三十人段母衣 ====
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| − | 上杉景勝が天正14年に鉄砲組の中から練達の者を集めたことに由来。大阪冬の陣の折、金の母衣を纏ったことから、以来、組の名前となった。
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| − | ==== 御留守番組 ====
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| − | 上杉定勝が、上田出身の徒から集めたこと始まる。参勤交代の際に小間使いを行う。
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| − | ==== 百挺鉄砲組 ====
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| − | 三十人段母衣と同様、鉄砲練達の者を集めたことに由来。
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| − | ==== 外張番組 ====
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| − | 城下町の要所に設置された番所に勤める者。
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| − | ==== 御泊 ====
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| − | 本丸に泊り、番を勤める者。
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| − | ==== 御土蔵番 ====
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| − | 土蔵の番を勤める者。
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| − | ==== 御弓組 ====
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| − | 寛永4年に弓練達の者を集めたことに由来する。
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| − | ==== 三十挺鎗組 ====
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| − | 三十人段母衣、百挺鉄砲と同様、鎗練達の者を集めたことに由来。
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| − | ==== 伏嗅組 ====
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| − | 慶長年間に直江兼続が武功優れる者を集め、諜報活動をさせたことに始まる。寛永年間には鉄砲練達の者も加えた。寛永20年頃に伏嗅の名称となる。その後は、城下において犯罪人の捕縛を勤めた。
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| − | ==== 角御蔵番 ====
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| − | 宝物蔵の番をする士分。二ノ丸の角に蔵があったことから、角御蔵と呼ばれた。
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| − | ==== 会番所組 ====
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| − | 南町にあった番所に勤める者。
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| − | ==== 下條鮎川辻番 ====
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| − | 桜田上屋敷の辻番を行う者。
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| − | === 卒 ===
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| − | ==== 十八組足軽 ====
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| − | 米沢藩では戦闘員にあたる足軽を十八組足軽もしくは十八組と称した。文献によっては、江戸御小道具から餌差までを十八組に含めない場合もある。
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| − | ===== 大筒組 =====
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| − | ===== 長手鎗組 =====
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| − | ===== 御馬廻鉄砲組 =====
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| − | ===== 五十騎鉄砲組 =====
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| − | ===== 与板鉄砲組 =====
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| − | ===== 御馬廻鎗組 =====
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| − | ===== 五十騎鎗組 =====
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| − | ===== 与板鎗組 =====
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| − | ===== 奉行同心下番 =====
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| − | 奉行付の足軽。
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| − | ===== 江戸家老同心下番 =====
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| − | 江戸家老付の足軽。江戸屋敷の門番として参勤交代の列に加わった。
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| − | ===== 御城代同心 =====
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| − | 城代付の足軽。ここでいう同心は足軽の意味。
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| − | ===== 御能蔵番 =====
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| − | 能で使用する丁度品を保管する蔵の番を行う足軽。
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| − | ===== 日小屋同心 =====
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| − | 台所に勤め、番をする足軽。
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| − | ===== 江戸御小道具 =====
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| − | 参勤交代の行列および平時の行列にて、長刀、十文字鎗、鳥毛鎗、長柄傘、挟箱などを持つ足軽。
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| − | ===== 御小道具 =====
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| − | 江戸御小道具と同様、参勤交代の行列および平時の行列にて、調度品を持つ足軽。
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| − | ===== 御小者 =====
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| − | 江戸御小道具と同様、参勤交代の行列および平時の行列にて、調度品を持つ足軽。小間使いを行う場合もあった。
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| − | ===== 早飛脚 =====
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| − | 参勤行列に加わり、米沢-江戸間を連絡する際に荷物や文の運搬を行う足軽。
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| − | ===== 餌差 =====
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| − | 鷹狩に用いる鷹を飼育する鳥屋を番する足軽。
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| − | ==== 御兵具蔵番組 ====
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| − | 兵具蔵の番をする足軽。
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| − | ==== 御本丸御門番組 ====
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| − | 本丸御門の番をする足軽。
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| − | ==== 二ノ丸御門番組 ====
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| − | 東西南北に位置する二ノ丸門の番をする足軽。
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| − | ==== 御中間組 ====
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| − | 景勝譜代の中間から構成される組であり、職制が組の名前の由来となった。一般的に知られている[[武家奉公人]]の中間とは異なり、家格は足軽と三扶持方並の間であった。さらには、足軽とは異なり幕府の[[五役]]である御中間と同様に江戸初期から世襲制であった。平時は二の丸北に位置する御厩での馬飼育や馬苦労口町で開かれる馬市の警備を行った。また、参勤行列や平時の行列に加わり、召馬の先立や口取りも行った。
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| − | ==== 代官所足軽 ====
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| − | 代官所に勤める足軽。米蔵の番や年貢米の検査を行った。
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| − | ==== 籾代官足軽 ====
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| − | 飢饉に備えた籾蔵の番を行う足軽。
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| − | ==== 御廟番 ====
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| − | 城下西に位置する歴代藩主の遺骸を祭る廟所の番を行う足軽。
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| − | ==== 金山山廻 ====
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| − | 金山役人の下役として山の巡回を行う足軽。
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| − | == 上杉家一門 ==
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| − | ;藩士
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| − | *[[山浦上杉家]] 犬懸・[[越後国|越後]][[守護]]家庶流。
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| − | *[[山本寺上杉家]] 越後守護家庶流。
| |
| − | *[[米沢武田家]] [[武田信清]]（[[甲斐武田氏]][[武田信玄]]の六男）の子孫。
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| − | *[[能登畠山氏]] [[畠山景広]]（[[畠山義春|上条義春]]の長男）の子孫。
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| − | | |
| − | ;幕臣
| |
| − | *[[加賀爪上杉家]] [[犬懸上杉家]]庶流の[[譜代大名]]。
| |
| − | *[[深谷上杉家]] [[山内上杉家]]庶流の[[旗本]]。
| |
| − | *[[宅間上杉家]] [[宅間上杉家]]嫡流の旗本。
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| − | | |
| − | ;[[高家 (江戸時代)|高家]]
| |
| − | *[[上条上杉家]] [[上条長員]]（上条義春の次男）の子孫。
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| − | *[[能登畠山氏]] [[畠山義真]]（上条義春の三男）の子孫。
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| − | == 幕末の領地 ==
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| − | * [[出羽国]]（[[羽前国]]）
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| − | ** [[置賜郡]] - 294村
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| − | 上記以外に、[[明治維新]]後に[[後志国]][[磯谷郡]]の一部が所領に加わった。また、[[越後国]][[岩船郡]]91村の[[天領|幕府領]]を預かったが、全域が[[村上藩]]に編入された。
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| − | == 注釈 ==
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| − | {{Reflist|group="注釈"}}
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| − | == 出典 ==
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| − | {{脚注ヘルプ}}{{Reflist}}
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| − | == 参考文献 ==
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| − | * 大石学『近世藩制・藩校大事典』[[吉川弘文館]]
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| − | * 横山昭男『上杉鷹山』吉川弘文館
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| − | * 藩政史研究会『藩制成立史の綜合研究 米沢藩』吉川弘文館
| |
| − | * [[小野榮]]『シリーズ藩物語 米沢藩』（[[現代書館]], [[2006年]][[2月]]）
| |
| − | * 米沢温故会『上杉家御年譜 第23・24巻 御家中諸士略系図』[[原書房]]、1988年
| |
| − | * [[坂本俊夫]]『シリーズ藩物語 宇都宮藩・高徳藩』（[[現代書館]], 2011年9月）
| |
| − | * [[野口信一]]『シリーズ藩物語 会津藩』（[[現代書館]], [[2005年]][[6月]]）
| |
| − | * [[糠澤章雄]]『シリーズ藩物語 二本松藩』（[[現代書館]], [[2010年]][[4月]]）
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| − | == 関連項目 ==
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| − | {{Commonscat|Yonezawa Domain}}
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| − | * [[掛塚藩]]
| |
| − | * [[西根堰]]
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| − | {{s-start}}
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| − | {{s-bef|before=（[[出羽国]]）|表記=前}}
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| − | {{s-ttl|title=行政区の変遷|years=[[1601年]] - [[1871年]]|years2=米沢藩→米沢県}}
| |
| − | {{s-aft|after=[[置賜県]]|表記=次}}
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| − | {{出羽国の藩}}
| |
| − | {{奥羽越列藩同盟}}
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| − | {{江戸時代の藩}}
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| | {{デフォルトソート:よねさわはん}} | | {{デフォルトソート:よねさわはん}} |