肘折温泉

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肘折温泉(ひじおり おんせん)は、山形県最上郡大蔵村にある温泉

地理

「肘折カルデラ」と呼ばれる直径2kmのカルデラ(凹地・窪地)の東端に位置する。カルデラの中心にある黄金温泉、最奥部の野湯である石抱温泉などとともに肘折温泉郷を形成している。

温泉街の一角にある「小松渕」は、トロイデ型(鐘状)火山の噴火口が渕になったものである。肘折カルデラは気象庁によって活火山に指定されており[1]、肘折温泉郷全体が「肘折火山」のマグマ溜りの上に位置している。

日本有数の豪雪地帯としても有名であり、冬季の積雪量は4 mを越えることもある。ニュース番組の気象情報では、時々、当地の積雪量が全国ニュースで紹介される。旅館17軒で「積雪最大記録を更新したら宿泊無料」というキャンペーン“ドカ雪割”を実施していたところ、2018年2月の豪雪で初めて適用され、予約や問い合わせが相次いだ[2]

泉質

温泉街

月山の麓、銅山川沿いに数多くの旅館が存在する。古くは湯治場であったことから、自炊部を持つ旅館が多い。木造建築の古い旅館や住宅が多く、鄙びた湯治場の雰囲気を形成している。

朝5時から、湯治客向けの朝市が行われている。

共同浴場は3軒存在する。それ以外にも日帰り入浴施設が存在する。

歴史

開湯は奈良時代大同2年(807年)である。豊後国出身の源翁がこの地を訪れた際、老僧より肘を折った際に治療した温泉を教えられた、という伝説が残る。温泉名もこれに由来して肘折温泉となったとされるが、柳田國男銅山川がここで大きく曲折していることによる地形からの命名と推測している。

江戸時代には、肘折温泉から月山を始めとする出羽三山への参道口として多くの参詣客を集めた。肘折温泉には、天台宗寺院である「阿吽(あうん)院」が建てられた。現在も、月山の登山口として「肘折口」があり、登山道が整備されている。一方、葉山修験の拠点としても、真言宗寺院である「蜜蔵院」があった。肘折温泉は出羽三山、葉山両山への参道口として多くの宿坊があった。

斎藤茂吉も訪れたことがある。

明治期より湯治場土産としてこけしが作られてきた。昭和に入ると収集家によるこけし研究が盛んになり、肘折こけしも系統の一つとして分けられて「肘折系」とされた。肘折温泉内にはかつては多くの肘折系こけし工人がいたが、現在当地の工人数は一名である。

1989年10月16日環境庁告示第48号により、肘折温泉郷として黄金温泉、石抱温泉とともに国民保養温泉地に指定。

アクセス

JR新庄駅よりバスで約60分。

脚注・出典

  1. 日本の活火山表気象庁(2018年3月21日閲覧)
  2. 初の宿泊無料に予約次々と 肘折温泉「ドカ雪割」『山形新聞』2018年2月14日

関連項目

外部リンク