解剖治療化学分類法

提供: miniwiki
2018/9/1/ (土) 12:00時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版 (1版 をインポートしました)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先:案内検索

解剖治療化学分類法(かいぼうちりょうかがくぶんるいほう、Anatomical Therapeutic Chemical Classification System)は医薬品の分類に用いられる。普通はATC分類またはATCコードと呼ばれる。

WHOの医薬品統計法共同研究センター (Collaborating Centre for Drug Statistics Methodology) によって管理されており、1976年に発行が開始された[1]。この分類法では、医薬品は効果をもたらす部位・器官、および作用能・化学的特徴によって5つのレベルでグループ分けされる。

分類

以下の5つのレベルによる分類法が適用される。

第1レベル
解剖学的部位に基づいた分類で、アルファベット1文字で表される。14のメイングループからなる。
第2レベル 
治療法メイングループによる分類。2個の数字で示される。
第3レベル 
治療法・薬学サブグループによる分類。1個のアルファベットで示される。
第4レベル 
化学・治療法・薬学サブグループによる分類。1個のアルファベットで示される。
第5レベル 
化学構造サブグループによる分類。2個の数字で示される。

用例

アスピリン(アセチルサリチル酸)を例にとって説明する。ATCコード B01AC06 は解熱薬としての番号である。

  1. アルファベット B — 血液、および血液を生成する器官に作用することを示す
  2. 数字 01 — 抗血栓剤サブグループに属すことを示す
  3. アルファベット A — 抗血栓剤サブグループに属すことを示す。このサブサブグループ名は1つ上位のサブグループ(第2レベル)の名称と同一だが、これは上位グループの全て範囲を包含することを意味するわけではない。抗血栓剤はこれ以上細分化できないためである
  4. アルファベット C — ヘパリンを除く解熱剤のグループに属すことを示す
  5. 数字 06 — 活性を持つ基質がアスピリンであることを示す。つまり、ATCコード B01AC06 を持つ全ての医薬品にはアスピリンが含まれることを意味する

アスピリンは鎮痛薬としての機能も持つため、もう1つのATCコード N02BA01 も与えられている。

  1. アルファベット N — 神経系に作用することを示す
  2. 数字02 — 鎮痛薬であることを示す
  3. アルファベット B — 「その他の鎮痛剤および解熱薬」サブグループに属すことを示す
  4. アルファベット A — サリチル酸またはその誘導体であることを示す
  5. 数字01 — アセチルサリチル酸であることを示す

ATCvet

ATCvet(Anatomical Therapeutic Chemical Classification System for veterinary medicinal products)は、獣医学のためのATCコードである。

ATCvetコードは主に人間向け医薬品の分類に使われるATCコードの頭にQを付けて表される。例えば、フロセミドはATCコードでC03CA01、ATCvetコードでQC03CA01となる。また、QIは免疫学薬、QJ51は乳房内で使用する抗菌薬、QN05AX90はアムペロジドEnglish版、など幾つかのコードは独占的に使用されている[2]

脚注

  1. ATC/DDD Methodology: History”. WHO Collaborating Centre for Drug Statistics Methodology. . 2018閲覧.
  2. ATCvet”. WHO Collaborating Centre for Drug Statistics Methodology. . 2015閲覧.

外部リンク

テンプレート:Major drug groups