「遷宮」の版間の差分

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{{Redirect|式年遷宮|[[伊勢神宮]]で行われる式年遷宮|神宮式年遷宮}}
 
[[File:式年遷宮記念神宮美術館.jpg|thumb|300px|式年遷宮記念神宮美術館]]
 
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'''遷宮'''(せんぐう)とは、[[神社]]の[[本殿]]の造営または修理の際に、[[神体]]を従前とは異なる本殿に移すことである。
 
  
== 概要 ==
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'''遷宮'''(せんぐう)
本殿が従前とは異なる[[境内]]に新築移転したり、同じ境内で別の位置に新築移転したりする際のほか、本殿の修理や新築の際に一時的に神体を移動する場合にも遷宮という。たいてい[[祭礼]]を伴う。
 
  
定期的な遷宮を'''式年遷宮'''(しきねんせんぐう)と言う。「式年」とは「定められた年」の意。単に「式年遷宮」という時、[[伊勢神宮]]([[三重県]][[伊勢市]])の[[神宮式年遷宮]]を指すことが多い。式年遷宮は[[式年祭]]の一種といわれる。社殿を建て替えるだけでなく、[[氏子]]の[[信仰]]心を再確認する意味がある<ref name="krs">「祭りを守る ①津市の香良洲神社 変化受け入れ遷座維持」河北彬光 [[2012年]][[1月3日]] [[中日新聞]][[朝刊]]、三重版16ページ</ref>。
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神体を遷(うつ)し奉ることをいう。とくに伊勢(いせ)神宮20年一度の式年遷宮をさしていう場合が多い。遷宮と遷座とは同じ意味であるが、一般神社の場合は遷座祭といい、伊勢神宮の遷宮祭と区別した。伊勢神宮では臨時に行う神殿修理のための遷宮のほか、20年一度の式年遷宮制が天武(てんむ)朝(673~686)に定められ、次代の持統(じとう)朝(686~697)から恒例化した。神殿は社殿地の東西に交互に建て替えられ、旧殿から新殿へ神体を遷す祭儀が執り行われてきた。20年という期間は、木造建築の耐久年限にかかわるとともに、人間の1世代に相当し、大神(おおかみ)の新たな生まれ変わりを意味している。式年遷宮祭は天皇即位後に行われる大嘗祭(だいじょうさい)と並ぶ朝廷の重儀であり、平安末期には全国一律に遷宮費用を捻出(ねんしゅつ)するため役夫工米(やくぶたくまい)が課せられた。中世後期に一時中絶はあったが、1973年(昭和48)までの間に60回を数えた。最新遷宮は2013年、62回目が行われている。遷宮の斎行される8年前から諸祭儀が始まり、山口祭(やまぐちさい)、木本祭(このもとさい)、御杣始祭(みそまはじめさい)、御樋代木奉曳式(みひしろぎほうえいしき)、御船代祭(みふなしろさい)、御木曳初式(おきひきぞめしき)、木造始祭(こづくりはじめさい)、仮御樋代木伐採式(かりみひしろぎばっさいしき)、鎮地祭(ちんちさい)、立柱祭(りっちゅうさい)、上棟祭(じょうとうさい)、甍祭(いらかさい)、心御柱奉建(しんのみはしらほうけん)などを終わって遷御(せんぎょ)となる。遷御は現在、内宮(ないくう)が10月2日、外宮(げくう)が10月5日に行われる。
  
予定通りの遷宮を'''正遷宮'''、[[天災]]・[[人災]]により予定外の本殿の修繕・建て替えが必要になった場合に仮の建物に移す遷宮を'''仮殿遷宮'''、予定外に本殿を新たに建てた上で正遷宮と同様の儀式を行ない移す遷宮を'''臨時遷宮'''と区別する場合がある。
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;遷座
 
なお、本殿を造営・修理することなく、神体を遷すことを'''遷座'''(せんざ)といい、仏([[本尊]])を他の場所に移転する場合にも用いる言葉である。また、[[天皇]]についても用いることがある<ref>[http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/126213/m0u/ デジタル大辞泉 小学館(遷座)]2013年9月5日閲覧</ref>。
 
 
 
古材は、[[宇治橋 (伊勢市)|宇治橋]]の鳥居のように[[伊勢神宮]]内で使われたり、戦災や災害の被災神社の再建・復興に使われる。[[熱田神宮]]では、社殿は伊勢神宮の式年遷宮の際の古用材を譲り受け、[[1955年]](昭和30年)10月に再建された。[[皇學館大学]]の[[櫻井治男]]教授によると、[[2013年]]の伊勢神宮の式年遷宮の古材も[[東日本大震災]]で津波に流された東北地方の神社社殿復興に使われる予定<ref>[http://www.nhk.or.jp/nagoya/kintoku/archives/2013/20130927/index.html 20年に一度!伊勢神宮・式年遷宮大百科]</ref>。
 
 
 
== 式年遷宮を行っている神社の例 ==
 
式年遷宮の周期はそれぞれの神社で異なる<ref name="krs"/>。
 
* [[鹽竈神社]]([[宮城県]][[塩竈市]]。20年毎。[[1704年]]以降は修理のみ)
 
* [[穂高神社]]([[長野県]][[安曇野市]]。20年毎。現制は[[江戸時代]]から)
 
* [[香良洲神社]]([[三重県]][[津市]]。20年毎)<ref>『みえまんなか学のすすめ vol.2』みえ歴史街道構想津安芸久居一志地域推進協議会、[[2002年]]3月、79pp.(27ページより)</ref>
 
* [[伊勢神宮]](三重県[[伊勢市]]。20年毎。[[690年]]から) - 「[[神宮式年遷宮]]」参照
 
* [[神明神社 (三重県)|神明神社]](三重県[[志摩市]]。20年毎。[[1764年]]から)
 
* [[賀茂別雷神社]](上賀茂神社)([[京都府]][[京都市]]。21年毎<ref>{{cite web|url=http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2015/07/30/kiji/K20150730010839370.html|title=上賀茂神社で奉納舞台 10月の式年遷宮、宮本亜門さん演出|publisher=[[スポニチ]]|date=2015-07-30|accessdate=2015-07-30}}</ref>)
 
* {{要出典範囲|[[豊受大神社]](京都府[[福知山市]]。60年毎。[[平安時代]]から)||date=2012年10月}}
 
* [[住吉大社]]([[大阪市]][[住吉区]]。30年毎。[[1810年]]以降は修理のみ)
 
* [[天照皇大神宮]]([[福岡県]][[糟屋郡]]。20年毎)
 
 
 
かつては[[香取神宮]]・[[鹿島神宮]]・[[宇佐神宮]]・[[春日大社]]・[[諏訪大社]](⇒[[御柱祭]])などでも行われた。[[賀茂御祖神社]]は21年ごとに行われてきたが、東・西本殿とも国宝に指定されたため、現在は一部を修復するのみである<ref>伊勢神宮は20年に一度という短さもあって国宝になっていないが、国宝になると建て替えに制限がなされる可能性があるからである ([[五十嵐太郎]]『おかしな建築の歴史』[[エクスナレッジ]] [[2013年]]p.169)。</ref>。春日大社ではほぼ20年に一度、本殿の位置を変えずに建て替えもしくは修復を行ってきたため「式年遷宮」ではなく「式年造替」と呼称している<ref>[http://www.kasuga-houshuku.jp/zoutai/ 春日大社 第六十次 式年造替記念 奉祝行事実行委員会]</ref>。
 
 
 
また、[[出雲大社]]は概ね60〜70年毎に建て替えられてきた<ref>[http://www.izumooyashiro.or.jp/sengu.top.html 出雲大社 平成の大遷宮](出雲大社ホームページ)</ref>が、必ずしも定期的ではないので「式年遷宮」に該当しない<ref>『出雲大社』千家尊統、[[2012年]]</ref>。
 
 
 
== 脚注 ==
 
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== 関連項目 ==
 
* [[刈田嶺神社 (蔵王町遠刈田温泉)#季節遷座|季節遷座]](遷座の例)
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://www.sengu.info/index.html 伊勢神宮式年遷宮 広報本部](公式ウェブサイト)
 
 
 
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2018/12/26/ (水) 09:09時点における最新版

遷宮(せんぐう)

神体を遷(うつ)し奉ることをいう。とくに伊勢(いせ)神宮20年一度の式年遷宮をさしていう場合が多い。遷宮と遷座とは同じ意味であるが、一般神社の場合は遷座祭といい、伊勢神宮の遷宮祭と区別した。伊勢神宮では臨時に行う神殿修理のための遷宮のほか、20年一度の式年遷宮制が天武(てんむ)朝(673~686)に定められ、次代の持統(じとう)朝(686~697)から恒例化した。神殿は社殿地の東西に交互に建て替えられ、旧殿から新殿へ神体を遷す祭儀が執り行われてきた。20年という期間は、木造建築の耐久年限にかかわるとともに、人間の1世代に相当し、大神(おおかみ)の新たな生まれ変わりを意味している。式年遷宮祭は天皇即位後に行われる大嘗祭(だいじょうさい)と並ぶ朝廷の重儀であり、平安末期には全国一律に遷宮費用を捻出(ねんしゅつ)するため役夫工米(やくぶたくまい)が課せられた。中世後期に一時中絶はあったが、1973年(昭和48)までの間に60回を数えた。最新遷宮は2013年、62回目が行われている。遷宮の斎行される8年前から諸祭儀が始まり、山口祭(やまぐちさい)、木本祭(このもとさい)、御杣始祭(みそまはじめさい)、御樋代木奉曳式(みひしろぎほうえいしき)、御船代祭(みふなしろさい)、御木曳初式(おきひきぞめしき)、木造始祭(こづくりはじめさい)、仮御樋代木伐採式(かりみひしろぎばっさいしき)、鎮地祭(ちんちさい)、立柱祭(りっちゅうさい)、上棟祭(じょうとうさい)、甍祭(いらかさい)、心御柱奉建(しんのみはしらほうけん)などを終わって遷御(せんぎょ)となる。遷御は現在、内宮(ないくう)が10月2日、外宮(げくう)が10月5日に行われる。



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