長万部町
長万部町(おしゃまんべちょう)は、北海道渡島総合振興局北部にある町。南北に伸びた町域を擁し、交通の要衝として昭和時代から栄えてきた町である。
Contents
地勢
丘陵が起伏し、長万部岳(972.4m)など大部分が山地によって占められ、内浦湾(噴火湾)沿いに平地が帯状に分布し、長万部川、紋別川、国縫川沿いに平坦で肥沃な農耕地を有する[1]。
海岸のほとんどは砂浜で、海は遠浅。気候は春から夏にかけて低温日が多い。これは海からの冷たい風によるものだとされている。冬季は東北の季節風が強く、北部と山間部を除き積雪量は比較的少なく、気温も低くない[1]。ただし、長万部町は、豪雪地帯対策特別措置法上の指定地域となっている[2]。
歴史
町名の由来
アイヌ語 | 意味 | 由来 | |
---|---|---|---|
カタカナ表記(アコロイタク式) | ラテン翻字 | ||
ウパシサマムペ | upas-samampe | 雪・カレイ類の魚 | 神が海で大ヒラメを釣り、神として山上に祭らせ、春雪解けの時に、山にヒラメの形の雪が残るときが漁期だと教えられた、という伝説がある。 |
オサマムペッ | o-samam-pet | 川尻・横になっている・川 | 現在の長万部川を指したもの。川尻が海岸線と並行しているため。 |
オサマムペ | o-samampe | 川尻・カレイ類の魚 | カレイのたくさん捕れる河口、の意。町ではこの説を採る。 |
年表
古くはこの地はアイヌの先住地であった。和人の支配地になると、渡島半島の地峡部に位置する長万部は日本海側と太平洋側を往来する交通の要衝として重視されることとなる。
- 町制施行まで
- 1604年 - 松前藩の支配を受ける[1]。
- 1669年 - シャクシャインの戦い。国縫においてシャクシャイン軍が、鉄砲を主力とする松前藩に破れる。
- 1773年 - 番屋が建てられ飯生神社も創建された。
- 1799年 - 幕命により松前藩が長万部-虻田間の道路(国道37号の前身)を開削。同年、長万部は天領となる。
- 1803年 - 津軽藩によって長万部-虻田間の道路が改修される。
- 1821年 - 松前藩領に復する。
- 1854年 - 再び天領となり、1955年南部藩が陣屋(分屯所)を築き内浦湾の警備をさせる[1]。
- 1859年 - 函館奉行が御手作場を設け、先住民ら105戸を移住させるが数年で離散し失敗に終わる[1]。
- 1856年 - 長万部から後志の歌棄(うたすつ)や寿都(すっつ)に至る黒松内越が開削された。
- 1864年 - 和人地となり、村並に列したことにより長万部村と称される[1]。
- 1866年 - 善導寺(有珠善光寺の末寺)が開山される。
- 1869年 - 9月20日、北海道11国86郡が制定され胆振国山越郡長万部村となる。管轄は開拓使。
- 同年 - 10月18日、長万部村および山越郡全域が兵部省の管轄となる。
- 1870年 - 山越郡全域が斗南藩の領地となる。
- 1871年 - 廃藩置県により再び山越郡全域が開拓使の管轄となる。
- 1873年 - 函館支庁長万部出張所が置かれ、翌年名主(竹内弥兵衛)を改め副戸長に命じられる[1]。(これが長万部町の開基である)
- 1878年 - 公立小学校が設置、長万部学校と呼ばれる。
- 1879年 - 郡区町村編制法の北海道施行により、行政区画としての山越郡が発足。
- 1880年 - 山越郡全域が茅部山越郡役所の管轄となる。長万部に電信局が設置。
- 1882年 - 山越郡全域が廃使置県により函館県の管轄となる。
- 1884年 - 森警察署の分署が長万部、八雲に設置。
- 1886年 - 1月26日、廃県置庁により北海道庁函館支庁の管轄となる。
- 1888年 - 山越郡全域が亀田郡外三郡役所(亀田上磯茅部山越郡役所)の管轄となる。
- 1897年 - 亀田郡外三郡役所が廃止され、山越郡全域が亀田支庁の管轄となる。
- 1898年 - 戸長役場が新築。
- 1899年 - 亀田支庁が移転・改称し、山越郡全域は函館支庁の管轄となる。
- 1903年 - 北海道鉄道・森駅 - 熱郛駅間(現在は函館本線)の開通により国縫駅、長万部駅、二股駅が開業。翌年に中ノ沢駅、蕨岱駅も開設される。
- 1906年 - 二級村制施行、山越郡長万部村となる。
- 1918年 - 境界変更により弁辺村字静狩を編入[1]。
- 1922年 - 静狩湿原が国の天然記念物保有地に指定。
- 1923年 - 北海道一級村制施行。(山越郡長万部村)
- 1928年 - 長輪線・静狩 - 伊達紋別駅間が延伸開業、現在の室蘭本線にあたる路線が全通。
- 1929年 - 国有鉄道瀬棚線・国縫駅 - 花石駅間が開通、茶屋川駅が開業。
- 1932年 - 瀬棚線が全線開通。黒松内駅構内にあった黒松内機関区が長万部駅構内に移転し、長万部機関区となる。
- 1936年 - 役場庁舎が新築される。
- 1940年 - 字名改称[1]。
- 町制施行後
- 1943年 - 町制施行、山越郡長万部町に。
- 1947年 - 長万部、静狩、国縫、双葉の4地区に新制中学校設置、地方自治法の施行により、北海道渡島支庁の管轄となる。
- 1948年 - 長万部町警察署(旧警察法による自治体警察)と長万部町消防本部を設置。
- 1950年 - 北海道八雲高等学校長万部分校が開校。(定時制課程のみ)、静狩湿原が国の天然記念物指定解除。
- 1951年 - 北海道八雲高等学校長万部分校が北海道長万部高等学校(定時制)に。
- 1952年 - 1950年に静狩湿原が天然記念物指定解除された事により5月から静狩原野開発工事に着手。
- 同年 - 長万部高等学校に全日制課程設置。町立保育所設置。町警察署廃止。
- 1954年 - 長万部高等学校が北海道へ移管、道立となる。
- 1955年 - 現在の温泉町で天然ガス、温泉が噴出。翌々年には原油も噴出。
- 1962年 - 8月に二度目の静狩金山閉山。
- 1964年 - (旧)長万部町消防本部が移転。
- 1965年 - 二股温泉石灰華が北海道天然記念物に指定。人口が15349人でピークとなる。
- 1966年 - (旧)役場庁舎完成[1]。
- 1968年 - 長万部町公共上水道供用開始、長万部電報電話局設置。
- 1969年 - 長万部局の電話が自動化、し尿処理場業務開始、南部藩屯所跡が北海道文化財に指定。
- 1970年 - 国縫地区で簡易水道が給水が開始。
- 1973年 - 長万部町ごみ処理場業務が開始。
- 1974年 - 南部藩屯所跡が文部省文化財に指定。
- 1977年 - 長万部町史完成、双葉地区で簡易水道が給水開始。
- 1978年 - 老人福祉センターが完成、静狩地区で簡易水道が給水開始、長万部漁港が第一種指定。
- 1979年 - 町民センターが完成、国縫地区簡易水道水質改善事業が完成。
- 1981年 - 長万部郵便局が普通局へ昇格、長万部高等学校が現在の栄原へ移転。
- 1982年 - 長万部、静狩、国縫、双葉の4中学校を統合した(新)長万部中学校が開校。長万部郵便局舎が現在の本町に移転。
- 1983年 - 長万部町立病院開院。町花・町木制定、木村家菓子舗が閉店。
- 1984年 - 町立茶屋川小学校閉校。静狩漁港が完成。
- 1985年 - 台風13号により、本道観測史上二番目の一時間降水量90mmを記録。、長万部駅にて荷物の取扱いを廃止。五稜郭貨車区長万部支区と長万部機関区が統合し、長万部運転区設置。
- 1987年 - 東京理科大学長万部校舎(現在の東京理科大学長万部キャンパス)が開校、国鉄瀬棚線廃止、バス転換。
- 1989年 - 町立中ノ沢小学校が改築。
- 1990年 - 長万部町清掃センターが完成、町役場での電算システム業務開始。
- 1991年 - B&G財団長万部海洋センターが完成。
- 1992年 - 長万部町学習文化センターが完成、長万部町公共下水道の一部が供用開始。
- 1993年 - 北海道南西沖地震により多大な被害発生[1]、長万部町老人福祉計画が策定。、長万部運転区が五稜郭運転区に吸収され、廃止される。
- 1994年 - 長万部漁港、国縫漁港、国縫漁港海浜公園完成。
- 1995年 - 静狩広場緑地利用施設(パークゴルフ場)完成、労働福祉会館が完成、都市計画新用途地域に指定。
- 1996年 - ふれあい公園が完成、長万部バイパスが完成、あやめ公園がオープン。
- 1997年 - 道央道長万部インターチェンジが開通、資源ごみ分別収集が本格実施。
- 1998年 - 役場庁舎・健康センターが完成。北海道新幹線の停車駅に長万部駅が決定。
- 2000年 - 静狩振興会館が完成。
- 2001年 - 町立蕨岱小学校閉校。高齢者生活福祉センター・在宅支援センターが完成。
- 同年 - 道央道国縫インターチェンジが開通、ふれあい大橋が完成、リサイクルセンターが完成。
- 2002年 - 大浜団地「シルバーハウジング」が完成、リレーポート山越が完成。
- 2003年 - 一般廃棄物最終処分場が完成、(新)長万部町消防本部庁舎が完成、北渡島合併問題検討会が設置。
- 2004年 - 長万部町・黒松内町合併協議会が6月に設置、12月に解散。第15回全国市町村あやめサミットが長万部町で開催。
- 2005年 - 町立双葉小学校閉校。静狩漁港拡張工事が完了、さかえ保育所が新築、子育て支援センターが設置。
- 2006年 - 利用客減少のためJR室蘭本線・旭浜駅廃止。
- 2007年 - 3・4・6駅前通が開通、おしゃまんべ毛ガニロードレースが第20回をもって終了、オカダヤデパートが閉店。
- 2008年 - 町立の小中学校で二学期制が導入。
- 2009年 - 町立共立小学校閉校。サラボヤによる養殖ホタテ被害が出る。
- 2010年 - 渡島支庁が廃止され、長万部町全域が渡島総合振興局が管轄となる。町立中ノ沢小学校閉校。町営ガスのガス熱量が5Aから13Aに変更。
- 2011年 - 東日本大震災による漁業被害、長万部町職員6名を被災地の一つである宮城県多賀城市へ派遣。
- 2012年 - 北海道新幹線・新函館駅(当時の仮称)~札幌駅間建設工事起工式。局地的な豪雨と竜巻により花岡地区で被害が出た。
- 2013年 - 高齢者生活福祉センターを増築、戸籍業務がコンピュータ化。
- 2014年 - 町立国縫小学校閉校。多目的活動センターあつまんべ(長万部町商工会議所)完成。
- 2015年 - 学童保育所ななかまどが開設、長万部町地方創生サミットが開催、環水平アークが観測。人口がピーク時の50年前より約8000人減少。
- 2016年 - 町内街路灯LED取替事業を開始、シャクシャイン古戦場跡碑を設置。
- 2017年 - 農畜産物加工による製造販売工房を開設、鉄道運輸機構長万部鉄道建設所を開設、「一般社団法人北海道おしゃまんべ」が設立。
- 同年 - 利用客減少のためJR函館本線・蕨岱駅廃止。
- 2018年 - 今年で蕨岱雪まつりが30回目を迎えた。
人口
長万部町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
1960年代には人口15000人を超えていたが、急激な過疎化が進行している。男女とも18 - 19歳の人口が突出して多いが、これは町内に全寮制の東京理科大学長万部キャンパスがあるためである。
字名
現在使用されている字名
長万部町
- 字長万部(街の中心地)
- 字静狩
- 字共立
- 字大峯
- 字蕨岱
- 字知来
- 字美畑
- 字栗岡
- 字栄原
- 字大浜
- 字旭浜
- 字平里
- 字花岡
- 字中ノ沢
- 字国縫
- 字豊野
- 字豊津
- 字茶屋川
- 字富野
- 字双葉
過去にあった字名
長万部町は人口減少により市街地を分割する必要がなくなったため、 字名を変更し市街地に振り分けられていた10町名を廃止し、字長万部へ統一させた。
- 字本町
- 字元町
- 字大町
- 字曙町
- 字陣屋町
- 字温泉町
- 字高砂町
- 字南栄町
- 字住吉町
- 字新開町
行政
- 町長 - 木幡正志(2014年7月23日就任、通算任期数1期、前町会議長)[5]
- 2014年町長選(投票率83.84%)では町民グループ「長万部町を愛し未来のまちづくりを創造する会」の要請で出馬し、3選を目指した前町長・白井捷一と367票差で当選[6]。
- 副町長 - 佐々木伸也(2016年11月1日就任)[5]
政策
2010年12月(前町長施政下)に、長万部町は「第3次長万部町まちづくり総合計画」(輝くふれあいの郷土、協働・教育のまち)を策定。2011年(平成23年)度から2020年(平成32年)度までの計画期間で実施中である[7]。
- 福祉政策
日常生活に支障のある在宅高齢者等を対象として、給配食サービス、外出支援サービス、訪問安否確認サービス、緊急通報システムサービス、軽度生活援助サービスがあり、それらのサービス利用には所得状況に応じて費用軽減が適用されるなど、高齢者の独居貧困問題に対応した施策が運用されている[8]。
- 防災計画
町域北部の一部地域は泊原子力発電所から50km圏内に位置しているが、地域防災計画や避難計画の対象となる緊急時防護措置準備区域(原子力施設30km圏内地域=UPZ)ではない[9]。
過疎対策
長万部町は人口減少が著しく、最盛期の約15000人から約10000人減少し、町内の市街地空洞化が進んでいる。宅地固定資産の提示平均価額は、1平方メートル当たり1,918円 (平成28年度) で、渡島管区内の市町村の中では最も安くなっている[10]。
また商店の廃業も深刻で、町唯一の書店であるかとう書店が2017年に閉店したことでいわゆる書店空白地帯となった。
町は以下の地域指定を受けている[2]。
- 低開発地域工業開発促進法第2条に基づく開発地区
- 過疎法第2条1項に基づく過疎地域
- 豪雪地帯対策特別措置法に基づく特別豪雪地帯
- 山村振興法第7条に基づく振興山村の管轄町
- 農振法第6条に基づく農業振興地域
- 半島振興法第2条に基づく半島地域
- 特定農山村法第2条に基づく特定農山村地域
指定に係る事業規模は、過疎対策事業 2億3,260万円[11]。過疎対策事業債(観光施設、道路、港湾施設、教育文化施設など) 8,900万円。うち過疎地域自立促進特別事業費は 3,000万円[12]である。
- 鉄道駅廃止への対策
2017年3月4日のJR北海道のダイヤ改正に伴い、北豊津駅と蕨岱駅が廃止、路線減便となり、通院・通学者等町民の交通利便性は低下した。町は通信支援事業やスクールバスによる通学支援を検討し、経費負担についてJR北海道と協議したが、2017年町制執行方針策定時点で結論は出ていない[13]。
一般ガス事業
長万部町市街区域は、長万部町営ガス工場より町が都市ガスの供給を行っている。
1997年(平成9年)に千歳市ガス水道局(現千歳市水道局)、2006年(平成18年)に北見市企業局のガス事業が北海道ガス(以下北ガス)に譲渡されて以降、地方公営企業によるガス事業は北海道内で唯一である。
- 沿革
- 1954年 天然ガスの採掘を開始。
- 1955年 試掘中に温泉が湧出、長万部温泉として供給。
- 1959年 ガス供給開始。
- 2009年 北ガスの「北海道ブロック熱量変更共同化事業」[14]により、天然ガスへの転換作業完了(予定)。
長万部町の都市ガスは、町内から採掘される天然ガスと液化石油ガスを混合したものを供給しており[15]、この事業は液化石油ガス部分を勇払ガス田から採掘された天然ガスに切り替えるもの。
財政
主な財政指標は以下の通り[16]。
- 標準財政規模 3,257,576円 (平成27年度)
- うち標準税収入額等 752,276円 (平成27年度)
- 財政力指数(3ヶ年平均) 0.195 (平成27年度)
- 実質収支比率 4.2% (平成27年度)
- 経常収支比率 82.4% (平成27年度)
- 人件費23.6%、扶助費2.3%、公債費16.5%、物件費16.5%、維持補修費4.7%、補助費等6.6%、繰出金12.1%。
- 実質公債費比率(3ヶ年平均) 13.6% (平成27年度)
- 自主財源比率 29.2% (平成27年度)
- 将来負担比率 52.2% (平成27年度)
- 普通交付税:普通態容種地Ⅱ-1、農業行政費2級、林野水産行政費5級、隔遠地2級、寒冷度3級、積雪度4級。
- 普通交付税 基準財政需要額合計 29億1,220万円 (平成28年度決定額、対前年度伸率 マイナス1.1%)[17]
市町村合併
平成の大合併期には寿都郡黒松内町との合併協議会を設置したが、合併に至ることなく解散し、単独町制を維持している。
合併の詳細
- 2002年 - 5月2日、長万部町・八雲町・森町・砂原町・今金町の5町で研究会「渡島戦略F」を設置
- 2003年 - 5月30日、長万部町・八雲町・森町・砂原町の4町で検討会「北渡島合併問題検討会」を設置。
- 2003年 - 11月29日、長万部町・八雲町・森町・砂原町・今金町の5町で任意協議会「北渡島任意合併協議会」を設置。
- 2003年 - 12月7日、森町・砂原町が「北渡島任意合併協議会」から離脱。
- 2004年 - 3月、長万部町の合併の枠組みを問う住民アンケートの結果、所属が「八雲町及び渡島管内」が良いと答えた人が全体の30.5%、「黒松内町及び後志管内」が良いと答えた人が全体の55.1%という結果になった。
- 2004年 - 4月2日、3月に行った住民アンケートの結果を踏まえ、長万部町は「北渡島任意合併協議会」から離脱
- 2004年 - 「北渡島任意合併協議会」離脱から14日後の4月16日、長万部町・黒松内町で準備会「長万部町・黒松内町合併協議会設置準備会」を設置。
- 2004年 - 6月21日、法定協議会「長万部町・黒松内町合併法定協議会」を設置。
- 合併予定期日:2006年3月1日
- 新町名:長万部町(おしゃまんべちょう)
- 所属振興局(当時は支庁):後志総合振興局
- 合併後の本庁舎:現在の黒松内町役場
- 2005年 - 1月31日、長万部町の合併反対派が半数以上を占め、2町での合併を断念。「長万部町・黒松内町合併法定協議会」を解散。
長万部町内で合併反対派が半数以上を占めた理由としては、1998年に建て替え完了したばかりであった長万部町役場を本庁舎としなかった=新・長万部町の中心街が長万部地区の2分の1の人口しかいない黒松内地区となることであった。
経済
産業
酪農、林業、漁業(ホタテ、カニ)が盛ん。
漁業
立地企業
- 有限会社かにめし本舗かなや(旧長万部駅構内立売商会)
- 株式会社青華堂
- 株式会社長万部北勝水産
- 北海道イーグル株式会社
- 株式会社佐々木配管
- 株式会社山本組
- 株式会社マタツ水産
- 株式会社東和電機製作所
- 静狩金山興業株式会社
- 株式会社堀川清掃
商業施設
交通
鉄道
- 廃止された路線
- 廃止された駅
かつて長万部駅は札幌 - 函館間を結ぶ函館本線、および室蘭本線、瀬棚線の接続地点として重要な役割を担い、長万部運転区(機関区)も置かれていたが現在は廃止されている。
バス
現在高速はこだて号の停留所は町内に存在しないが、高速せたな号の停留所は平里地区の長万部物産センター前に停車する。
ハイヤー
有限会社おしゃまんべ交通 この1社のみである。
道路
現在、長万部中央商店街が存在する本町通を町道から道道への格上げが検討されているが、実行には至っていない。(本町通は長万部バイパスが供用開始まで国道5、37、230号線として使用されていた。)
町内の公共機関・施設
国の出先機関
- 林野庁渡島森林管理署・長万部森林事務所(長万部・国縫地区)
教育
- 大学
- 東京理科大学長万部キャンパス
- 高等学校
- 中学校
- 長万部町立長万部中学校
- 小学校
- 長万部町立長万部小学校
- 長万部町立静狩小学校
- 廃校された小学校
- 長万部町立国縫小学校
- 長万部町立豊津小学校
- 長万部町立上ノ沢小学校
- 長万部町立中ノ沢小学校
- 長万部町立茶屋川小学校
- 長万部町立双葉小学校
- 長万部町立蕨岱小学校
- 長万部町立共立小学校
かつては静狩金山市街にも村立小学校の分校が存在した。
- 廃校された中学校
- 長万部町立国縫中学校
- 長万部町立双葉中学校
- 長万部町立静狩中学校
警察
- 北海道警察函館方面
- 八雲警察署・長万部交番(長万部地区)
- 同・国縫駐在所(国縫地区)
- 同・静狩駐在所(静狩地区)
- 函館機動警察隊・高速道路交通警察隊(長万部地区、長万部インターチェンジに併設)
1951年までは長万部町警察署(自治体警察)が存在したが、住民投票で廃止となった。また長万部駅構内に鉄道警察隊長万部詰所があったがこれも廃止されている。
農協・漁協
- 新函館農業協同組合(JA新はこだて)
- 八雲基幹支店-長万部支店(長万部地区)
- 株式会社新はこだて協同-ホクレン長万部給油所(長万部地区)
- 長万部漁業協同組合(旭浜地区)
- マリノス長万部長万部漁協直販店(旭浜地区)
物流・郵便
- ヤマト運輸
- 函館主管支店長万部センター(長万部地区)
金融機関
国縫地区に北海信用金庫国縫支店が存在したが、利用客減少のため廃止された。
かつては長万部信用金庫があったが、1991年(平成3年)に北海信用金庫と合併して消滅、その北海信金も札幌信用金庫、小樽信用金庫との合併により2018年(平成30年)から北海道信用金庫(しんきん北海道)となった。
その他公共施設など
- 長万部地区
- 長万部町役場
- 長万部町消防本部
- 長万部町立病院
- 新開寿の家
- 新開公園
- みなみ児童公園
- ふれあい公園
- 平和祈念館
- 長万部町青少年会館
- 植木蒼悦記念館
- 高砂振興会館
- 特別母と子の家
- ファミリースポーツセンター
- 南栄町老人いこいの家
- 長万部振興会館
- 長万部町営ガス工場
- 長万部町学習文化センター
- 長万部町学校給食センター
- 長万部町勤労者研修センター
- 長万部町図書館
- 長万部町労働福祉会館
- 長万部町福祉センター
- 長万部町教育委員会
- 長万部町民センター
- 長万部町立保育所(さかえ保育所)
- 長万部町子育て支援センター
- 長万部町営温泉(おしゃまんべ温泉ホテル)
- 長万部町商工会議所
- 長万部町観光協会
- ふれあい健康センター
- 長万部町営スキー場
- 国縫地区
- 国縫振興会館
- 国縫海浜公園
- 長万部町国縫ポンプ場
- 長万部町消防団国縫分団機械器具置場
- 静狩地区
- 静狩振興会館
- 静狩ポンプ場
- 長万部町消防団静狩分団機械器具置場
- 長万部町立静狩小学校
- 中ノ沢地区
- 中ノ沢振興会館
- 双葉地区
- 双葉振興会館
- 双葉浄水場
- 長万部町清掃センター
- 富野地区
- 長万部町斎場・長万部町霊園
- 富野振興会館
- 長万部公園・とみのの森・キャンプ場
- 長万部上水道浄水場
- 旭浜地区
- 長万部町漁業協同組合
- マリノス長万部漁協直売店
- 旭浜振興会館
- 長万部町終末処理場
- 平里地区
- 老人福祉センター
- 長万部温泉スタンド
- 長万部町天然ガス事業所
- 豊津地区
- 山越郡衛生処理組合
- うちうらクリーンセンター
- リレーポート山越
- 栄原地区
- 栄原会館
- 長万部町立長万部中学校
- 北海道長万部高等学校
- あやめ公園パークゴルフ場
- 共立地区
- 長万部町営共立牧場
- 共立会館
- 栗岡地区
- 栗岡会館
- 蕨岱地区
- 蕨岱会館
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
文化財など
- 東蝦夷地南部藩陣屋跡 ヲシャマンベ陣屋跡(国の史跡)
- 二股温泉の石灰華 - 北海道指定天然記念物
- 円空作「観音菩薩坐像」1体
- アイヌ民族衣装「ルウンペ」2着
- アイヌ民族衣装「チヂリ」2着
- 丸木舟
観光
- 長万部温泉(長万部地区)
- 二股ラヂウム温泉(大峯地区)
- おしゃまんべ毛がにまつり(長万部地区、ふれあい公園)
- 長万部海岸(長万部地区、遊泳禁止)
- 平和祈念館(長万部地区)
- 植木蒼悦記念館(長万部地区)
- 町民センター(長万部地区、郷土資料室/鉄道村)
- 静狩湿原(静狩地区)
- 二股渓谷(大峯地区)
- 静狩鳴き砂海岸(静狩地区)
- 長万部公園・とみのの森(富野地区)
- 長万部海岸(長万部・大浜・旭浜地区)
- ほたるの里(蕨岱地区)
- 茶屋川の滝(茶屋川地区、役場に連絡が必要)
- 長万部飯生神社・南部藩屯所跡地(長万部地区)
- あやめ公園(栄原・長万部地区)
- 写万部山(共立・静狩地区)
- 長万部岳(大峯地区)
- 豊浦小幌海岸(静狩・小幌地区、一部が長万部町域)
- 大峯ぶなの巨木(大峯地区)
神社・寺院
- 神社
- 長万部飯生神社
- 静狩稲荷神社
- 栄原金刀比羅神社
- 富野八幡神社
- 中ノ沢出雲神社
- 中ノ沢稲荷神社
- 静狩金山神社
- 花岡稲荷神社
- 栗岡稲荷神社
- 美畑神社
- 旭浜浮嶋龍神神社
- 国縫神社
- 共立神社
- 蕨岱稲荷神社
- 南栄猿田彦神社
- 双葉神社
- 寺院
- 日蓮正宗 本久寺(大浜地区)
- 真言宗醍醐派 修法寺(長万部地区)
- 日蓮宗 法華寺(長万部地区)
- 浄土宗 善導寺(長万部地区)
- 曹洞宗 大慈寺(静狩地区)
- 曹洞宗 大円寺(長万部地区)
- 真宗大谷派 西念寺(長万部地区)
- 高野山真言宗 春岳院(長万部地区)
- 日蓮正宗 説道寺(富野地区)
- 曹洞宗 円通寺(国縫地区)
- 浄土真宗本願寺派 乗蓮寺(長万部地区)
- 天理教長万部分教会(長万部地区)
- 天理教瀬棚分教会(長万部地区)
- 真宗大谷派 国縫教会(国縫地区)
主な行事
- 7月 - おしゃまんべ毛がにまつり
- 7月 - 静狩稲荷神社例大祭 (神輿海中みそぎが行われる)
- 8月 - 飯生神社例大祭(9~11日。10日に夜みこし行列が行われる)
名物
- かにめし
- 黒ホッキ・ホタテ・黄金毛ガニ
- サンミート木村のホルモン
- 浜ちゃんぽん
- あめせん・ミニせんべい
- コーキーズ生クッキー
- 雪花精(クッキー)
- 合田のもりそば(駅そば)
- おしゃまんべ物語(佃煮)
- シャマンの翁(ブランド鮭)
- カニ最中
出身有名人
その他
- 長万部町はもともとNHK函館放送局の管轄である。しかし、単独中継局すらなかったため(八雲町と森町にはあった)、2007年(平成19年)9月までは函館放送局の総合テレビを視聴することができなかった。同年10月1日に開局したNHK函館デジタル渡島中継局によって、渡島・檜山地方で唯一NHK函館放送局が視聴困難とされていた長万部町でも視聴可能となった。
- 2003年から「まんべくん」というイメージキャラクターを導入しているが、2011年にツイッターで失言をしてしまったため、ツイッターの活動はやめたが、非公式に元管理者が活動を再開したとの事。
- 長万部駅付近(旧字住吉町)には鉄道官舎街が存在していたが、国鉄民営化後の人員削減により官舎街が取り壊されたため、現在住民は皆無である。
関連項目
- 日本の地方公共団体 (お)
- 日本の地方公共団体一覧
- 白井捷一
- はこだて観光圏
- 和人地
- まんべくん
- 由利徹 - 同町の出身ではなく地縁もないが、代表する持ちギャグに「オシャ、マンベ」があり、葬儀の際には長万部町から弔電が送られている。
- 古畑任三郎 - 今泉の飼い猫の名前が「長万部」である。
脚注
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 渡島総合振興局 (2017-03-31). 渡島総合振興局管内市町村行財政概要平成29年3月 (Report). 北海道. p. 32.2017年6月28日閲覧
- ↑ 2.0 2.1 渡島総合振興局 (2017-03-31). 渡島総合振興局管内市町村行財政概要平成29年3月 (Report). 北海道. p. 38.2017年6月28日閲覧
- ↑ “アイヌ語地名リスト エン~オニシ P21-30P”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). . 2017閲覧.
- ↑ オ・シャマンペ 解説6.
- ↑ 5.0 5.1 渡島総合振興局 (2017-03-31). 渡島総合振興局管内市町村行財政概要平成29年3月 (Report). 北海道. p. 39.2017年6月28日閲覧
- ↑ 函館新聞 (2014年7月14日). “長万部町長に木幡氏初当選”. e-HAKODATE (函館市: 株式会社函館新聞社) . 2017閲覧.
- ↑ 渡島総合振興局 (2017-03-31). 渡島総合振興局管内市町村行財政概要平成29年3月 (Report). 北海道. p. 45.2017年6月28日閲覧
- ↑ 長万部町 (2016年3月1日). “在宅福祉支援事業”. 長万部町. . 2017閲覧.
- ↑ 長万部町 (2017年3月16日). “よくある御質問 : 原子力防災 - 内閣府”. 長万部町. . 2017閲覧.
- ↑ 渡島総合振興局 (2017-03-31). 渡島総合振興局管内市町村行財政概要平成29年3月 (Report). 北海道. p. 118.2017年6月29日閲覧。なお函館市の宅地固定資産の提示平均価額は1平方メートル当たり22,142円。
- ↑ 渡島総合振興局 (2017-03-31). 渡島総合振興局管内市町村行財政概要平成29年3月 (Report). 北海道. p. 91.2017年6月29日閲覧
- ↑ 渡島総合振興局 (2017-03-31). 渡島総合振興局管内市町村行財政概要平成29年3月 (Report). 北海道. p. 94.2017年6月29日閲覧
- ↑ 木幡正志 (2017年3月16日). “平成29年度町政執行方針 (PDF)”. 長万部町. p. 3. . 2017閲覧.
- ↑ 北海道ガス株式会社 2007年度事業計画について(PDFファイル)
- ↑ 長万部町水道ガス課 ガスの製造方法
- ↑ 渡島総合振興局 (2017-03-31). 渡島総合振興局管内市町村行財政概要平成29年3月 (Report). 北海道. pp. 84-86.2017年6月29日閲覧
- ↑ 渡島総合振興局 (2017-03-31). 渡島総合振興局管内市町村行財政概要平成29年3月 (Report). 北海道. p. 103.2017年6月29日閲覧
参考文献
- “『金の夢』 解説”. 長万部町. . 2017閲覧.
外部リンク