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− | [[位相空間論]]<!--原文では topology だが位相幾何学と言うのは大袈裟-->において、'''開写像''' (open map) は2つの[[位相空間]]の間の[[開集合]]を開集合に写す[[関数]]である<ref>{{cite book | last=Munkres | first=James R. | authorlink=James Munkres | title=Topology | edition=2nd | publisher=[[Prentice Hall]] | year=2000 | isbn=0-13-181629-2}}</ref>。つまり、関数 ''f'' : ''X'' → ''Y'' が開であるとは、''X'' の任意の開集合 ''U'' に対して、[[像 (数学)|像]] ''f''(''U'') が ''Y'' において開であるということである。同様に、'''閉写像''' (closed map) は[[閉集合]]を閉集合に写す関数である。
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− | 閉写像の概念を[[閉作用素]]の概念と混同してはいけない。さらに、開写像が閉写像であるとは限らないし、閉写像が開写像であるとも限らない<ref>http://math.stackexchange.com/questions/242010/is-a-continuous-mapping-which-is-also-open-closed-must-be-closedopen?rq=1</ref>。
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− | 開写像も閉写像も[[連続関数|連続]]であるとは限らない。それらの定義はより自然に見えるが、開写像や閉写像は連続写像よりはるかに重要でない。定義によって関数 ''f'' : ''X'' → ''Y'' が連続であるとは ''Y'' のすべての開集合の[[像 (数学)|原像]]が ''X'' において開であるということであることを思い出そう。(同じことであるが、''Y'' のすべての閉集合の原像が ''X'' において閉であるということである。)
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− | == 例 ==
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− | すべての[[同相写像]]は開、閉、連続である。実際、[[全単射]]な連続写像が同相写像であることと開写像であること、あるいは同じことだが、閉写像であることは[[同値]]である。
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− | ''Y'' が[[離散位相]]を持っていれば(すなわちすべての部分集合が開かつ閉であれば)すべての関数 ''f'' : ''X'' → ''Y'' は開写像かつ閉写像である(が連続であるとは限らない)。例えば、'''[[実数|R]]''' から '''[[整数|Z]]''' への[[床関数]]は開かつ閉だが、連続でない。この例は[[連結空間]]の開あるいは閉写像による像が連結であるとは限らないことを示している。
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− | 位相空間の[[積位相|積]] ''X''=Π''X''<sub>''i''</sub> があるときにはいつでも、自然な射影 ''p''<sub>''i''</sub> : ''X'' → ''X''<sub>''i''</sub> は開である(連続でもある)。
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− | [[ファイバー束]]の射影と[[被覆写像]]は積の局所的に自然な射影であるから、これらもまた開写像である。射影はしかしながら閉であるとは限らない。例えば第一成分への射影 ''p''<sub>1</sub> : '''R'''<sup>2</sup> → '''R''' を考えよ。''A'' = {(''x'',1/''x'') : ''x''≠0} は '''R'''<sup>2</sup> において閉だが、''p''<sub>1</sub>(''A'') = '''R''' − {0} は閉でない。しかしながら、コンパクトな ''Y'' に対して、射影 ''X'' × ''Y'' → ''X'' は閉である。これは本質的に [[:en:tube lemma|tube lemma]] である。
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− | [[単位円]]上のすべての点に、正の ''x''-軸の、原点とその点を結ぶ半直線との[[角度]]を割り当てることができる。単位円から半開[[区間 (数学)|区間]] <nowiki>[0, 2π)</nowiki> へのこの関数は全単射、開、閉だが、連続でない。これは[[コンパクト空間]]の開あるいは閉写像による像がコンパクトとは限らないことを示している。これを単位円から実数への関数と考えれば開でも閉でもないということにも注意しよう。[[終域]]を指定することは本質的である。
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− | ''f''(''x'') = ''x''<sup>2</sup> で定まる関数 ''f'' : '''R''' → '''R''' は連続かつ閉だが開でない。
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− | == 性質 ==
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− | 関数 ''f'' : ''X'' → ''Y'' が開であることとすべての ''x'' ∈ ''X'' と ''x'' のすべての(いくらでも小さい)[[近傍 (位相空間論)|近傍]] ''U'' に対して ''f''(''x'') のある近傍 ''V'' が存在して ''V'' ⊂ ''f''(''U'') であることは[[同値]]である。
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− | ''X'' の[[基底 (位相空間論)|基底]]について開かどうかを調べれば十分である。つまり、関数 ''f'' : ''X'' → ''Y'' が開であることと ''f'' が基本開集合を開集合に写すことは同値である。
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− | 開写像と閉写像は[[閉包 (位相空間論)|開核作用素と閉包作用素]]によって特徴づけることもできる。''f'' : ''X'' → ''Y'' を関数とする。このとき
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− | *''f'' が開であることとすべての ''A'' ⊆ ''X'' に対して ''f''(''A''°) ⊆ ''f''(''A'')° であることは同値である
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− | *''f'' が閉であることとすべての ''A'' ⊆ ''X'' に対して ''f''(''A'')<sup>−</sup> ⊂ ''f''(''A''<sup>−</sup>) であることは同値である
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− | 2つの開写像の[[合成関数|合成]]はまた開である。2つの閉写像の合成はまた閉である。
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− | 2つの開写像の[[積 (位相空間論)|積]]は開であるが、2つの閉写像の積は閉とは限らない。
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− | 全単射な写像が開であることと閉であることは同値である。全単射連続写像の逆写像は全単射開/閉写像である (and vice-versa<!--全単射開/閉写像の逆写像は連続-->)。
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− | 全射開写像は閉写像であるとは限らず、同様に全射閉写像は開写像であるとは限らない。
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− | ''f'' : ''X'' → ''Y'' を開または閉な''連続''写像とする。このとき
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− | * ''f'' が[[全射]]であれば[[商写像]]であり、
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− | * ''f'' が[[単射]]であれば[[位相的埋め込み]]であり、
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− | * ''f'' が[[全単射]]であれば[[同相写像]]である。
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− | 最初の 2 つのケースでは、開あるいは閉であることは結果が従うための[[十分条件]]に過ぎない。3 つ目のケースでは[[必要条件]]でもある。
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− | ==開および閉写像の定理==
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− | いつ写像が開あるいは閉であるかを決定するための条件を持っていることは有用である。以下はこれらのラインに沿ったいくつかの結果である。
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− | '''閉写像補題''' (closed map lemma) は次のように述べている。[[コンパクト空間]] ''X'' から[[ハウスドルフ空間]] ''Y'' へのすべての連続関数 ''f'' : ''X'' → ''Y'' は閉かつ [[:en:proper map|proper]] (すなわちコンパクト集合の逆像はコンパクトである)である。この結果の変種は次のように述べている。[[局所コンパクト]]ハウスドルフ空間の間の連続関数が proper であれば閉でもある。
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− | [[関数解析]]において、[[開写像定理 (函数解析)|開写像定理]]は次のように述べている。[[バナッハ空間]]の間のすべての全射連続[[線型作用素]]は開写像である。
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− | [[複素解析]]において、同じ名前の[[開写像定理 (複素解析)|開写像定理]]は次のように述べている。[[複素平面]]の[[連結空間|連結]]開部分集合上定義されたすべての非定数[[正則関数]]は開写像である。
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− | {{仮リンク|定義域の不変性|en|invariance of domain}}定理は次のように述べている。2 つの ''n''-次元[[多様体|位相多様体]]の間の連続かつ局所単射関数は開でなければならない。
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− | == 関連項目 ==
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− | * [[:en:Quasi-open map]]
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− | * [[:en:Proper map]]
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− | == 参考文献 ==
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− | {{reflist}}
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− | {{DEFAULTSORT:かいしやそうとへいしやそう}}
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− | [[Category:一般位相]]
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− | [[Category:連続写像]]
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− | [[Category:補題]]
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− | [[Category:数学に関する記事]]
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