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{{出典の明記|date=2012年8月14日 (火) 05:27 (UTC)}}
 
[[ファイル:Cruikshank - Snuffing out Boney.png|thumb|250px|[[1812年ロシア戦役|ロシア遠征]]に失敗した[[ナポレオン・ボナパルト|ナポレオン]]を風刺した漫画。ロウソク立てに据えられて、[[コサック兵]]に芯切りバサミで首を切られそうになっている。題名は『''Snuffing out Boney!''(墓に行け!)』]]
 
'''風刺'''(ふうし、'''諷刺'''<ref>『[[文心雕龍]]・書記』より「刺者達也 詩人諷刺」</ref>とも)とは、 多くの場合、変化を誘発あるいは阻止する意図をもって、主題(人物、組織、国家など)の愚かしさを暴きだし嘲弄する、文章・絵画・劇・映像等さまざまな文化的領域で使われる[[表現技法]]である。[[ケルト人]]の社会において、[[吟遊詩人]]の風刺は[[呪い]]と同様の物理的な効果をもたらしえると考えられていた。<!-- 風刺作家とは風刺を行う人物である -->
 
  
技法として[[パロディ]]と似ている面もあるが、同義ではない。[[パロディ]]は滑稽な効果をもたらすために、誇張された方法で他の芸術作品を模倣する[[ユーモア]]の一形式である。それゆえにパロディは何らかの模倣による表現であるが、風刺は必ずしも模倣ではない。また、ほぼ全てのパロディは必然的にユーモラスな調子を帯びているのだが、風刺はユーモラスである必要はなく、事実多くの風刺作品は[[悲劇]]に含まれる。風刺の主要な目的は政治的・社会的・倫理的な変化の誘発(もしくは抑止)であり、ユーモアは二次的な目的となる。ユーモアを含んだ風刺は、巧妙かつ偽装的であり、いわゆる「笑えない」要素を含んでいる。
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'''風刺'''(ふうし、'''諷刺'''<ref>『[[文心雕龍]]・書記』より「刺者達也 詩人諷刺」</ref>とも)
  
風刺を導入する[[バーレスク]]の形式も、2つの異なるカテゴリーへ分類することができる。自然からそのままに採用された主題を高尚な形式で扱うハイ・バーレスクと、叙事詩や詩の様式で伝統的に扱われる主題を採用し、それを貶めるロウ・バーレスクである。
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個人の愚行,政治の欠陥,社会の罪悪などに対する批判や攻撃を,機知に富んだ皮肉,あざけり,あてこすりなどの形で表現した詩文。風刺文学はまずローマで栄えたが,その代表的作家はホラチウス,ユウェナリスである ([[サトゥラ]] ) 。中世では動物譚など寓話形式の風刺物語がみられた。 18世紀は「風刺の世紀」と呼ばれ,イギリスでは詩人ポープがドライデンのあとをうけて古典的な風刺を完成させた。しかし風刺文学の本流は散文に移り,イギリスではスウィフト,フランスではボルテールが現れた。
 
 
== 歴史 ==
 
西欧の文学における風刺は、紀元前5世紀より、基本的に[[戯曲]]と[[詩]]の形式による社会論評の形式として受け入れられた。[[古代ギリシア]]の劇作家[[アリストパネス]]は、もっとも知られた風刺作家の一人である。その他の著名な古典期の風刺作家としては、[[ホラティウス]]と[[ユウェナリス]]がいる。この二人は[[ローマ帝国]]時代早期に活躍した、後世に最も大きな影響を与えた[[古代ローマ]]の風刺作家である。
 
 
 
[[中世]]初期には、風刺作品の例は僅かにしか見られない。12世紀における[[中世]]中期の到来と近世口語文学の誕生により、風刺文学は復権を成し遂げた。しかしながら、この時代の風刺作品では公の人物に対する直接の風刺は稀であり、風刺は専ら[[寓話]]的な用法に用いられていた。文学作品の登場人物は時おり風刺の題材として取り上げられたが、実在の人物や制度が取り上げられることは滅多に無かった。
 
 
 
風刺によるこれより直接的な社会論評は16世紀に再び始まり、[[フランソワ・ラブレー]]の作品のような茶番劇(ファース)がより真剣な問題に取り組み、結果として王権の怒りを買うこととなった。しかし、最も偉大な風刺作家達は、合理主義を掲げた17世紀および18世紀の思想運動である[[啓蒙時代]]と共に現れた。この時、団体や個人に対する狡猾にして辛辣な風刺化は、民衆の武器となった。<!--これらの内で最も重要な作家は、英語文学における最も偉大な散文風刺作家と考えられている[[ジョナサン・スウィフト]](1667年~1745年)である。-->[[ガリヴァー旅行記]]でイギリス社会を痛烈に批判した[[ジョナサン・スウィフト]]などが代表例である。
 
 
 
19世紀の小説家[[マーク・トゥエイン]]は、[[風刺新聞]]から長編小説に及ぶ様々な形式の風刺作品を発表した、最も有名なアメリカの風刺作家である。また同じ19世紀、[[ロシア]]においては[[イヴァン・クルィロフ]]の『寓話』が当時のロシア貴族社会を痛烈に風刺した。
 
 
 
20世紀において、風刺は[[オルダス・ハクスリー]]や[[ジョージ・オーウェル]]などの作家により、ヨーロッパを席捲する社会変動の危険性に対する、真剣かつ恐るべき論評に用いられた。よりユーモラスな風刺は、[[ピーター・クック (コメディアン)|ピーター・クック]]、[[アラン・ベネット]]、[[ジョナサン・ミラー]]、[[デヴィッド・フロスト]]、[[エレノア・ブロン]]、[[ダドリー・ムーア]]といった有名人らや、テレビ番組『[[w:That Was The Week That Was|That Was The Week That Was]]』によってリードされた風刺ブームにより、[[1960年代]]初めの[[イギリス]]で復興期を迎えた。今日でも風刺は社会的な論評と表現の形式として人気を保ち続けているが、風刺は常にユーモラスな物でなければならないという認識が広まりつつある(必ずしも風刺はユーモラスな物とは限らない)。
 
 
 
== ポップ・カルチャーおよび公共メディアにおける風刺 ==
 
いくつかの風刺作品での誇張表現は、大勢の人々に信じ込まれてしまう程に巧妙である。これらの作品における風刺の性質は、公には理解されないのかもしれない。その結果として、風刺作品の作家や制作者が激しい非難に晒された実例も存在する。[[2001年]]にイギリスのテレビ放送局[[チャンネル4]]は、[[児童性的虐待]]と[[小児性愛]]問題に翻弄される現代ジャーナリズムを揶揄し風刺する意図の、パロディ時事問題シリーズ『[[w:Brass Eye|Brass Eye]]』の特別番組を放映した。ユーモアの主題にするには「重大すぎる」と多くの人間から考えられている問題を、この番組が揶揄したことに激怒した視聴者から、放送局へ莫大な数の苦情が寄せられた。架空の馬鹿げた[[ハードロック]]・バンドのドキュメンタリーであるパロディ映画『[[w:This is Spinal Tap|This is Spinal Tap]]』は、何人かの批評家からノンフィクションと間違えられた。
 
 
 
時おり、政治的あるいは社会的な指摘に用いられる事により、風刺は社会に変化をもたらしえる。例を挙げれば、[[漫画]]『[[ドゥーンズベリー]]』が、州内でマイノリティに身分証の所持を義務付ける人種差別法を施行していた[[フロリダ州]]を風刺したすぐ後に撤廃され、改正法がドゥーンズベリー法という愛称で呼ばれるに至った。
 
 
 
2000年のカナダ国政選挙戦においては、カナダ同盟(旧改革党)による、十分な量の請願書がある場合には住民投票を義務付けるというシステムの提案が、「この1時間は22分(This Hour Has 22 Minutes)」という番組内で諷刺されたことで不評を買い、やがて撤回されてしまった。
 
 
 
風刺はコメディにおいて、頻繁に使用されつつあるように見える。多くの現代コメディ番組がある程度の風刺を用いており、コメディアニメも同様である。これらには『[[ザ・シンプソンズ]]』『[[ファーザー・オブ・ザ・プライド]]』『[[ファミリー・ガイ]]』『[[フューチュラマ (アニメ)|フューチュラマ]]』、更にオスカー賞を受賞した『[[ウォレスとグルミット]]/ペンギンに気をつけろ!』その他が含まれる。これらの作品はいずれも違ったタイプのコメディであるが、どれもある程度の風刺の上に成り立っている。その風刺の範囲は、『ザ・シンプソンズ』の社会時評から、『ファーザー・オブ・ザ・プライド』のジークフリード&ロイの人造ジャングルでの動物たちの生活にまで及ぶ。
 
 
 
<!-- ==インターネット上における風刺== -->
 
== 著名な風刺作品の例 ==
 
* [[オウィディウス]] - 『恋愛術(恋の技法)Ars amatoria』
 
* [[ペトロニウス]](c. A.D. 27-66) - 『[[サテュリコン]]』
 
* [[ユウェナリス]](c. A.D. 55-140) - 『サトュラエ(風刺詩)』
 
* [[ルキアノス]](c. A.D. 160) - 『[[本当の話]]』『偽予言者アレクサンドロス』
 
* Nigel of Canterbury - 『Speculum Stultorum (愚者のための鏡)』 12世紀の修道士と大学についての風刺を描写。
 
* 『De Nugis Curialibus (廷臣の冗談)』 12世紀のイングランド宮廷生活についての風刺を描写。
 
* [[ジョナサン・スウィフト]] - 『[[桶物語]]』『[[ガリヴァー旅行記]]』『[[アイルランドの貧民の子供たちが両親及び国の負担となることを防ぎ、国家社会の有益なる存在たらしめるための穏健なる提案|穏健なる提案]]』
 
* [[アレクサンダー・ポープ]] - 『[[髪盗人]]』
 
* [[ビル・ヒックス]] - 後年のヒックスは革新的な風刺家でありコメディアンであった。
 
* [[ヴォルテール]] - 『[[カンディード]]』 楽天主義に対する風刺小説。
 
* [[デジデリウス・エラスムス]] - 『[[痴愚神礼讃]]』 聖職者の腐敗への風刺を描写。
 
* [[ジョージ・オーウェル]] - 『[[1984年 (小説)|1984年]]』 最も基本的な風刺の文学形式でもある[[ディストピア]]小説。
 
* ジョージ・オーウェル - 『[[動物農場]]』 [[ロシア]][[スターリン主義]]への風刺小説。
 
* [[ジュール・ヴェルヌ]]-『[[二十世紀のパリ]]』 行きすぎた機械文明への風刺を描写。
 
* [[アナトール・フランス]] - 『[[ペンギンの島]]』 [[ユートピア]]小説とされている。
 
* [[オルダス・ハクスリー]] - 『[[すばらしい新世界]]』 [[ディストピア]]小説とされている。
 
* [[マーク・トウェイン]] - 『ハドリバーグを堕落させた男』に代表される後期作品。
 
* [[イヴァン・クルィロフ]] - 『寓話』ロシアの貴族社会を痛烈に批判した寓話集。
 
* [[フラナリー・オコナー]] - 『[[賢い血]]』 同時代の宗教者の姿勢に対する風刺を描写。
 
* [[トマス・ナスト]] - [[ニューヨーク]]市政界の大物[[ウィリアム・マーシー・トゥィード]]に対する政治風刺漫画。
 
* [[ヤロスラフ・ハシェク]] - 『兵士シュヴェイクの冒険』ハシェクの実体験にもとづき、第1次世界大戦当時の[[オーストリア=ハンガリー帝国]]や軍隊が抱える矛盾を描く。
 
* [[スタンリー・キューブリック]] - [[映画]]『[[博士の異常な愛情]]』『[[時計じかけのオレンジ]]』
 
* [[ロバート・クラーク・ヤング]] - 『[[:en:One of the Guys|One of the Guys]]』 論争の的となった小説。
 
* [[ダリオ・フォ]] - [[演劇]]を『あるアナーキストの事故死』
 
* [[カート・ヴォネガット|カート・ヴォネガット・ジュニア]] - 『[[猫のゆりかご]]』 SFモチーフを用いた政治風刺小説。
 
* [[ドン・デリロ]] - 『[[ホワイト・ノイズ]]』 現代社会と消費主義への風刺。
 
* [[ヴィトルド・ゴンブローヴィッチ]] - 『[[フェルディドゥルケ]]』 現代社会への風刺を描写
 
* [[ジョーゼフ・ヘラー]] - 『[[キャッチ=22]]』 軍隊、戦争、消費主義、資本主義、共産主義に対する風刺小説。
 
* [[チャック・パラニューク]] - 『[[ファイト・クラブ]]』 男性性、消費主義、ニヒリズムに対する風刺小説。
 
* [[ジャック・ウォマック]] - 「アンビエント」シリーズ 19〜21世紀の世界に対する風刺を含んだディストピア小説。
 
* [[リチャード・コンドン]] - 『[[影なき狙撃者]]』 東西[[冷戦]]下における狂気と愛国主義を風刺した小説。
 
* [[ジョルジュ・ビゴー]] - 『猿まね(社交界に出入りする紳士淑女)』 明治維新後、急激な欧米化を図る日本に対する風刺画。
 
* [[テックス・アヴェリー]]- 『[[未来シリーズ]]』、『[[へんな体験記]]』、『名人エド』 痛烈な社会風刺の込められた[[アニメーション]]作品。
 
* [[ヒュー・ハーマン]]- 『[[動物たちの国づくり]]』 戦争に突き進む世界を風刺したアニメーション作品。[[1939年]]公開。
 
* [[芥川龍之介]] - 『[[河童 (小説)|河童]]』 河童の社会に仮託して人間社会の出産や恋愛、宗教等を風刺した小説
 
* [[沼正三]] - 『[[家畜人ヤプー]]』 [[日本]]人の[[欧米コンプレックス]]を風刺した[[マゾヒズム]]&[[サディズム]]小説。
 
* [[ジョージ・A・ロメロ]] - 『[[ナイト・オブ・ザ・リビングデッド]]』『[[ゾンビ (映画)|ゾンビ]]』『[[死霊のえじき]]』『[[ランド・オブ・ザ・デッド]]』 その時代のアメリカ社会を比喩し風刺している。
 
 
 
== 脚注 ==
 
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<!-- == 参考文献 == -->
 
 
 
== 関連項目 ==
 
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* [[風刺画]]
 
* [[風刺漫画]]
 
* [[ブラックジョーク]]
 
* [[落首]]
 
* [[落書]]
 
* [[川柳]]
 
* [[狂歌]]
 
* [[タブロイド思考]]
 
* [[怪文書]]
 
* [[ジャーナリズム]]
 
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* [[アネクドート]]
 
 
 
<!-- == 外部リンク == -->
 
 
 
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19世紀以後は,たとえばバイロン,G.B.ショーらにたくましい風刺精神が認められるが,伝統的な風刺文学は分散する傾向にある。日本では特異な風刺詩として川柳や狂歌があり,広く大衆に愛好されたが,質量ともに本格的な風刺といえるものは少なかった。
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[[Category:哲学の概念]]
 
[[Category:哲学の概念]]

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風刺(ふうし、諷刺[1]とも)

個人の愚行,政治の欠陥,社会の罪悪などに対する批判や攻撃を,機知に富んだ皮肉,あざけり,あてこすりなどの形で表現した詩文。風刺文学はまずローマで栄えたが,その代表的作家はホラチウス,ユウェナリスである (サトゥラ ) 。中世では動物譚など寓話形式の風刺物語がみられた。 18世紀は「風刺の世紀」と呼ばれ,イギリスでは詩人ポープがドライデンのあとをうけて古典的な風刺を完成させた。しかし風刺文学の本流は散文に移り,イギリスではスウィフト,フランスではボルテールが現れた。

19世紀以後は,たとえばバイロン,G.B.ショーらにたくましい風刺精神が認められるが,伝統的な風刺文学は分散する傾向にある。日本では特異な風刺詩として川柳や狂歌があり,広く大衆に愛好されたが,質量ともに本格的な風刺といえるものは少なかった。



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  1. 文心雕龍・書記』より「刺者達也 詩人諷刺」