KC-135 (航空機)

提供: miniwiki
2018/9/7/ (金) 00:46時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版 (1版 をインポートしました)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先:案内検索

KC-135 ストラトタンカー

KC-135は、アメリカ空軍などが運用している空中給油輸送機。愛称はストラトタンカー(Stratotanker:成層圏の燃料輸送機という意味)。

概要

民間旅客機であるボーイング707の姉妹機として知られるが、実際には先行設計されていた輸送機型の367-80をベースにしつつ、開発中であったボーイング707の設計を反映させる形で造られた。このため、ボーイング707よりも就役は先である。

空中給油機としては主翼と胴体床下タンクに計88.452t(115,562ℓ)の燃料を搭載可能だが、主翼内の燃料の一部は給油に使用できず別枠で管理されている。給油装置はフライングブーム方式で、プローブアンドドローグ方式の機体に給油する際には給油ブームの先端にドローグ方式のアタッチメントを取り付ける必要があるが、後の改修によって両翼端にMk.32B ドローグポッドが追加された機体もある。給油オペレーター席は胴体後部にあり、うつ伏せになって操作を行う。

輸送機としては最大38tのペイロードを持つが、貨物室床面にローラー・パレット用の装備が施されていないため、湾岸戦争後、一部の機体にはC-5などに備えられている貨物ローラー・システムが追加されている。また、搭載燃料全量を自己消費することで長い滞空時間が得られるため、多くの機体がVIP輸送機(VC-135)や空中指揮管制機(EC-135)、テスト機(NKC/JKC-135)、SR-71偵察機JP-7特殊燃料タンカー(KC-135Q)などに改造された。

1970年代末からKC-135A近代化計画がスタートした。まず、エンジンを余剰となったボーイング707から取り外したJT3D ターボファンエンジン(軍正式名称TF33-PW-102、推力8,160kgfスラストリバーサー付き)に換装したKC-135E1982年1月以降空軍州兵空軍予備役軍団に引き渡された(約160機)。

そして、もう1つの近代化計画として、エンジンをCFM56 ターボファンエンジン(軍正式名称:F108-CF-100、推力:9,980kgf)に換装し、燃料搭載量の増加とAPUの追加が行われたKC-135Rは、1984年6月から戦略航空軍団への引き渡しが始まった。また、KC-135QのCFM換装型はKC-135Tと呼ばれ、R/T型あわせて389機改造された。リエンジンに合わせて主翼、脚などの強化とアビオニクス更新も行われた。E型とR型を比較すると、APUを装備するR型は地上支援施設の援助なしで自立運用ができるが、スラストリバーサーを装備するE型は着陸性能でR型に勝る。

1990年代後半には後継機計画であるKC-X(次期空中給油機選定計画)が開始され、紆余曲折の末2011年2月にKC-767をベースにしたKC-46Aが後継機に選定された。計画では179機を調達予定で、まず18機を2017年までに調達するとしている。

ギャラリー

採用国

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
NASAではアメリカ空軍の払い下げを嘔吐彗星として使用していた。
フランスの旗 フランス
C-135Fとして新造機を12機導入。うち11機は後にエンジン換装によりC-135FRとなる。後に旧米空軍のKC-135Rも3機取得。
トルコの旗 トルコ
1994年より旧米空軍のKC-135Rを9機導入[1]
シンガポールの旗 シンガポール
1999年より旧米空軍のKC-135Rを4機導入[2]
 チリ
2010年より旧米空軍のKC-135Eを3機導入[3]

バリエーション

KC-135A
KC-135E

C-135も参照。ここには空中給油機型のみ記載。

KC-135A
量産型。搭載エンジンはJ57。732機製造。
KC-135B
A型をC-135B規格にしたもの。全てEC-135C/Jへ改造された。
KC-135D
RC-135Aを空中給油機に改造したもの。
KC-135E
空軍州兵空軍予備役軍団向け改修機。A型のエンジンをTF33に換装し、KC-135 ファミリーで唯一スラストリバーサーを装備する。
KC-135Q
SR-71偵察機用のJP-7燃料の空中給油機。
KC-135R
A型のエンジンをF108に換装し、燃料搭載量の増加とAPUの追加が行われた改修機。
KC-135T
Q型を通常燃料搭載機として改修した機体。基本的にR型と同じ。
C-135F
フランス向け。後にKC-135Rと同様の改修が施され、C-135FRとなった。

仕様

KC-135A
  • 全長:41.5 m
  • 全高:12.7 m
  • 全幅:38.9 m
  • 自重:48 t
  • エンジン:P&W J57 ターボジェット推力:6.2 tf )4基
  • 最大速度:940 km/h
KC-135R
  • 全長:41.53 m
  • 全高:12.7 m
  • 全幅:39.88 m
  • 最大離陸重量:146.285 t
  • 最大燃料搭載量:118,388 ℓ(F-15E:8.9機、F-22:8機、F-35:11機が満タンになる)


登場作品

沈黙のステルス
KC-135Qが登場。主人公らがアフガニスタンへ向かうために搭乗するSR-71戦略偵察機に対して空中給油を行う。
博士の異常な愛情
KC-135Aが登場。オープニングにて、B-52戦略爆撃機に対して空中給油を行うシーンが映されている。

脚注

関連項目


テンプレート:Boeing support aircraft テンプレート:アメリカ空軍の輸送機