PL/I

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PL/I
パラダイム 構造化命令型
登場時期 1964
開発者 IBM (Hursley)
型付け 強い静的型付け
主な処理系 コンパイラ
方言 PL/M, XPL, PL/P, PL/C, IBM PL/S, PL/AS, PL/X, PL/8, Early PL/I
影響を受けた言語 COBOLFORTRANALGOL
影響を与えた言語 SP/k, B, REXX, AS/400 Control Language
プラットフォーム z/OS, z/VM, z/VSE, AIX, Windows ほか
ライセンス プロプライエタリ(IPLA)
ウェブサイト http://www-01.ibm.com/software/awdtools/pli/
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PL/I(ピーエルワン)は、汎用プログラミング言語の一つ。名前は英語の「programming language one」に由来する。

PL/Iは科学技術用、工業用、商業用などにデザインされた命令型プログラミング言語である。1964年に生まれ、教育機関、商用、工業で使用されてきた。2015年現在も使われている。

PL/Iの主要な用途はデータ処理で、再帰および構造化プログラミングに対応する。言語の構文は英語に似ており、検証や操作が可能な幅広い機能のセットを持ち、複合的なデータ型を記述することに適している。

呼称

提案当時は「NPL」[1]と呼ばれていた。初期には「PL/1」と表記していたが、その後「PL/I」が正式名称となった(I はローマ数字)。同時期の「DL/I」(ディー・エル・ワン、IBMの階層型データベース照会言語)と同じネーミングと考えられる。

特徴

言語としての特徴

  • FORTRANの記述形式
  • COBOLのレコード構造や入出力機能
  • ALGOLのアルゴリズム記述能力

を同時に持っている。

予約語が無いのも特徴。

長所

  • 商用計算と科学技術計算を、1つの言語で記述できる
  • 最初から構造化されている
  • 積み木構造(初歩的機能から入門し、徐々に高度な機能を学習できる)
  • IBMメインフレーム(OS/390z/OSIMSCICSなど)で広く使われている

短所

  • 言語仕様が複雑で大規模なため、当時の小型機では性能的に厳しく、大型機以外に広まらなかった

歴史

1963年 IBMとそのユーザー団体(SHARE)が提案

1965年 IBMが完成させた

1979年 ISOで標準化

2009年現在でも、IBMメインフレーム上の業務処理では広く使われているが、今後の新規開発はJavaなどに移行していくと思われる。なお、国産メーカー系汎用機ではCOBOLが使われているケースが多い。

科学技術計算向けのFORTRAN、ビジネス処理向けのCOBOLと言われていた時代に、ALGOL並のアルゴリズム記述能力も加え、ひとつの言語であらゆるニーズを満たすために開発されたプログラミング言語。主としてIBMの大型機で利用された。

言語仕様が複雑なため、大型計算機以外では余り使われなかったが、デジタルリサーチ社のゲイリー・キルドールが、インテルのi8080のために、サブセット版のPL/M[2]および、一部をPL/Mで記述し、オペレーティングシステムCP/Mを作った。また、CP/M上で動作するPL/I(PL/I-80)も作成している。

UNIX開発のきっかけとなったMulticsは、PL/Iで書かれていた。Multicsの失敗はPL/Iが原因ではなかったものの、記述言語においても簡潔極まるC言語を生んだ事は皮肉である。

エピソード

IBMのPL/Iコンパイラでは、メッセージIDが「IBM」で始まる。IBMが当時PL/Iに力を入れていたためと言われている。

コードの実例

HELLO:PROC OPTIONS(MAIN);
 DCL HELLO1        CHAR(12)  INIT('HELLO WORLD!');
 DCL 1 HELLO2,
      2 *                 CHAR(12)  INIT('HELLO WORLD!');
 DISPLAY('HELLO WORLD!');
 DISPLAY(HELLO1);
 DISPLAY(HELLO2);
END HELLO;

脚注

  1. 英語「new programming language」に由来する名前。
  2. 英語「programming language for microcomputers」に由来する名前。

外部リンク