おこわ

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おこわ(御強)はもち米を蒸した[1]。元々は強飯(こわめし)をあらわす女房詞が一般化したものである[2]。強飯とはこわい(堅い)飯の意で、うるち米の飯に比べ、独特のもちもちとした食感と甘味がある。赤飯もおこわに含まれ、狭義では赤飯のことを指す。

古くは糯米(もちごめ)でも粳米(うるちまい)でも、蒸したものを強飯といい、十分な水を加えてて炊(かし)いだものは弱飯(ひめ)または姫飯(ひめいい)と言った。なお、「炊(た)く」は、「赤飯(強飯)を炊く」のように、蒸すことも含むことから、区別するため「炊(かし)ぐ」とする。江戸時代になって炊ぐことが一般的になると、炊いだものを飯(はん、めし)と呼ぶようになり、糯米(もちごめ)を蒸したものを強飯またはおこわというようになった[3]。現在はもち米を用いてさえいれば、普通に炊き上げたものや、もち米とうるち米を混ぜて用いたものをおこわと呼ぶこともある。

昔はもち米は貴重品であり、もち米を蒸したおこわは慶事や祭り、正月など晴れの日しか口にすることができない祝いの席のご馳走であった。また、肉類を含まないものは、精進料理として僧侶に好まれた。

調理法

おこわの調理例[4]

  1. 4人分として、もち米3を用いる
  2. もち米は洗って、たっぷりの水に8時間ほど浸ける。
  3. 蒸気のあがった蒸し器に絞った濡れ布巾を敷き、水を切ったもち米を中央を窪ませて広げる。布巾を端をたたんでかぶせ蓋をし、強火で蒸す。
  4. 10分ほどたったら水を適量全体にかける。これを10分おきに3〜4回繰り返し、40分ほど強火で蒸す。
  5. 蒸しあがったおこわを盤台に移し、しゃもじで切るように混ぜる。
  6. 盛り付け、ごま塩を振り提供する。

おこわのバリエーション

  • 赤飯(小豆大角豆を入れたおこわ。祝いの席のごちそうとして知られる)
  • 栗おこわ
  • 山菜おこわ
  • 鯛おこわ
  • きのこおこわ
  • 鰻おこわ
  • 鶏おこわ
  • 五目おこわ
  • 梅おこわ
  • しらむし
  • こわい…飛騨地方の方言で、強飯(こわいい)に由来する。「飛騨の栗こわい」は飛騨金山駅の名物駅弁として知られた。(現在は販売終了)
  • 御霊(みたま)…北陸では「御霊」(みたま)という、小豆で炊いた御赤飯のかわりに黒豆でもち米で炊いたおこわが通夜や法要、上棟式で用意される。上棟式では赤飯の小豆が火に通じるとされ、白米で作るみたまを振る舞う習慣がある。
  • 小籠飯(中国おこわ。海老椎茸貝柱、中国ソーセージ等を入れる)
  • クロラン(カンボジアおこわ。もち米にあずき・ココナッツミルクを混ぜ竹筒で炊いたもの)

など。

そのほか、鮭、じゃこ、松茸、筍など旬のものが好まれる傾向がある。また、コンビニエンスストアなどではおこわをそのまま“おにぎり”とした商品が販売されているところもある。

脚注

  1. 広辞苑第5版
  2. 日本国語大辞典第2版(小学館)、「おこわ」の項。
  3. 日本大百科全書(小学館)、「こわ飯」の項。
  4. 『和食宝典』世界文化社 ISBN 978-4-418-08113-4