くま川鉄道湯前線
停車場・施設・接続路線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
湯前線(ゆのまえせん)は、熊本県人吉市の人吉温泉駅から熊本県球磨郡湯前町の湯前駅に至るくま川鉄道の鉄道路線である。
旧国鉄特定地方交通線であった九州旅客鉄道(JR九州)湯前線を転換して開業した路線。人吉盆地の東西を結んでいる。
路線データ
- 路線距離(営業キロ):24.8km
- 軌間:1067mm
- 駅数:14駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:タブレット閉塞式(人吉温泉 - あさぎり間)、スタフ閉塞式(あさぎり - 湯前間)
- 交換可能駅:1(あさぎり)
利用状況
沿線に複数の高等学校があり、高校生の通学利用が8割と大半を占める[1]。
輸送人員は減少傾向にあるが、沿線の県立多良木高等学校が統廃合のため2017年度をもって募集を停止したことにより、近隣から高等学校が消滅した多良木町・湯前町から人吉温泉駅方面への利用が増え、定期利用者に限っては2015年の約51万9千人から、2017年には約60万2千人に増加している[1]。
運行形態
転換前は八代駅までの肥薩線直通運転があり、さらに1993年頃まで急行「くまがわ」上り1本が湯前線内を普通列車として運転されていたが、以後はすべて線内折り返し運転であり、1 - 2時間に1本程度(2014年3月15日改正時点で1日あたり定期列車14往復と後述の観光列車1往復。平日、休日とも同じダイヤ)の運行になっている。日中は並行する産交バスの方が本数が多い。また、転換後から22時台に上り最終列車として途中多良木駅・免田駅(現:あさぎり駅)・相良藩願成寺駅の3駅のみに停車する快速が運転されていたが、2009年3月14日のダイヤ改正で各駅停車になった。1両編成(単行運用)の列車はワンマン運転を実施し、2両編成以上の列車には車掌が乗務する。
観光列車
2009年4月から2016年6月まで一部の列車に観光車両「KUMA1」「KUMA2」が使用されていた[2]。
2014年3月15日からは昼間に観光列車「田園シンフォニー」が1往復運転されている。下り人吉温泉発湯前行きは他の列車よりも速度を落として運転する。当初、下り列車は相良藩願成寺駅・肥後西村駅・東免田駅・公立病院前駅・新鶴羽駅を通過していたが、2015年3月14日のダイヤ改正時点では全駅に停車するようになっている[3]。下り列車は全車座席指定で指定席券(300円)が必要。上り湯前発人吉温泉行きは予約不要で乗車できる。車両はKT-500形が使用される。
歴史
改正鉄道敷設法によって湯前駅から妻線の杉安駅まで延伸が計画されていたが、建設されぬまま宮崎県側の佐土原 - 杉安間の妻線は1984年に廃止された。湯前駅から西米良村の村所を経て杉安駅・西都バスセンター間を結んでいたJR九州バスの日肥線も1996年に湯前駅 - 村所が西米良村営バス、1998年に村所 - 西都バスセンター間が宮崎交通バスに移管された。
- 1924年(大正13年)3月30日 湯前線として人吉 - 湯前間が開業、肥後西村・一武・免田・多良木・湯前の各駅を新設。
- 1937年(昭和12年)4月1日 東人吉駅を新設。
- 1953年(昭和28年)7月15日 川村・木上の両駅を新設。
- 1963年(昭和38年)4月5日 東免田・東多良木の両駅を新設。
- 1974年(昭和49年)10月1日 多良木 - 湯前間の貨物営業を廃止。
- 1980年(昭和55年)6月1日 人吉 - 多良木間の貨物営業を廃止。
- 1987年(昭和62年)
- 2月3日 第3次特定地方交通線として廃止承認。
- 4月1日 国鉄分割民営化にともない九州旅客鉄道が承継。
- 1989年(平成元年)
- 2月27日 第三セクター鉄道への転換が決定。
- 10月1日 くま川鉄道に転換、東人吉駅を相良藩願成寺駅に改称、おかどめ幸福・公立病院前・新鶴羽の各駅を新設。
- 2009年(平成21年)4月1日 免田駅をあさぎり駅に、人吉駅を人吉温泉駅にそれぞれ改称。
駅一覧
駅名 | 駅間 営業 キロ |
累計 営業 キロ |
接続路線 | 所在地 |
---|---|---|---|---|
人吉温泉駅 (人吉駅) |
- | 0.0 | 九州旅客鉄道:肥薩線(人吉駅) | 人吉市 |
相良藩願成寺駅 (東人吉駅) |
1.5 | 1.5 | ||
川村駅 | 2.9 | 4.4 | 相良村 | |
肥後西村駅 | 1.4 | 5.8 | 錦町 | |
一武駅 | 3.4 | 9.2 | ||
木上駅 | 2.1 | 11.3 | ||
*おかどめ幸福駅 | 1.7 | 13.0 | あさぎり町 | |
あさぎり駅 (免田駅) |
2.0 | 15.0 | ||
東免田駅 | 2.4 | 17.4 | ||
*公立病院前駅 | 1.1 | 18.5 | 多良木町 | |
多良木駅 | 1.3 | 19.8 | ||
東多良木駅 | 1.9 | 21.7 | ||
*新鶴羽駅 | 1.6 | 23.3 | ||
湯前駅 | 1.5 | 24.8 | 湯前町 |
- 14ある駅のうち、改札業務などを行う有人駅は、人吉温泉・相良藩願成寺・あさぎり・多良木・湯前の5駅。その他の駅は無人駅である。
文化財
以下の施設が国の登録有形文化財に登録されている。
- 御溝橋梁
- 大王川橋梁
- 石清水アーチ橋
- 川村駅待合所
- 球磨川第四橋梁
- 第一高柱川橋梁
- 第二高柱川橋梁
- 内門橋梁
- 第二覚井橋梁
- 木上駅待合所及びプラットホーム
- 崖下橋梁
- 免田川橋梁
- 井口川橋梁
- 宮田橋梁
- 平原アーチ橋
- 東多良木駅待合所及びプラットホーム
- 百太郎橋梁
- 高橋川橋梁
- 湯前駅本屋
脚注
- ↑ 1.0 1.1 “乗車率130%、ローカル線の謎 都会並みの大混雑 皮肉なラッシュの背景とは 熊本のくま川鉄道”. 西日本新聞社. (2018年7月22日) (2018-07-22発行). オリジナルの2018年7月23日時点によるアーカイブ。 . 2018閲覧.
- ↑ 熊本)くま川鉄道「KUMA」、26日ラストラン - 朝日新聞デジタル、2016年6月18日
- ↑ 『JTB時刻表』2014年3月号 p.465、同2015年3月号 p.467、JTBパブリッシング