エアバスA319

提供: miniwiki
2018/9/7/ (金) 20:42時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版 (1版 をインポートしました)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先:案内検索
エアバスA320 > エアバスA319


エアバスA319Airbus A319)はエアバス社が開発・販売している小型ジェット旅客機である。エアバス社のナローボディ機であるエアバスA320ファミリーの1つであり、A320の短胴型。日本航空会社では運航されていないが、日本以外の航空会社(中国南方航空など)にはA319で日本の空港に乗り入れてきている便もある。

概要

当初からファミリー化が計画されていたA320の胴体短縮版で、“A320マイナス7”として1992年5月に計画発表された。“マイナス7”とは胴体を主翼前後で7フレーム(3.73m)短縮する事から取られている。1993年6月の正式ローンチと共に名称もA319となった。胴体短縮とともに、推力減少型エンジンの搭載や非常口の削減を含む各種変更が行われている。

初号機はCFM56-5を装備の上で1995年8月に初飛行。シリーズ546機目となるこの機材はエンジンをIAE V2500に換装し、同エンジン装備初号機としても1996年5月に初飛行した[1]

初めての引き渡しは1996年4月スイス航空に対して行われた。他に燃料タンクを追加して航続距離を延ばしたタイプがある(後述)。

A319neoが開発されたことにより、現行型のA319はA319ceo(current engine option)と呼ばれるようになった。

派生機

A319CJ(ACJ/Airbus Corporate Jet)

ボーイング・ビジネス・ジェット(BBJ)への対抗策として、A319をビジネスジェット仕様に改装したのがA319CJACJ319という表記もあり、エアバス社公式サイトではこちらが使われている)である。CJはCorporate Jetの略で、「企業向けジェット機」を意味する。

BBJがベースとした737NGに大きく手を加えたものになっているのに対し、A319CJは機体そのものには手を加えず、内装のみを変えており、貨物室にコンテナ型の燃料タンクを搭載して最大航続距離を11,667kmに伸ばしている。そのため、不要になれば旅客仕様に戻して売却できるメリットがある。BBJ同様、近年小型化が進んでいる政府専用機としても多数採用されている。

なお、ACJはA319以外のA320ファミリーなど他のエアバス製旅客機からも作られる。

A319LR

A319CJを改良し、さらにETOPS-180の認証を受けることで長距離の飛行を可能にしたタイプ。4基の燃料タンクを装備する標準モデルで約10,400kmの飛行が可能であるが、燃料タンクは最大6基まで増設が可能となっている。燃料タンクを6基装備した場合では、12,000kmを超える連続飛行の実績がある。ルフトハンザドイツ航空エールフランス等のキャリアが欧州アメリカ合衆国間をビジネスクラスオンリーの機材として飛ばしている他、カタール航空は標準的な2クラス110席の装備で運航している。競合機種に、ボーイング737-700ERがある。

A319 MPA

P-8ポセイドンの対抗機としてエアバス・ミリタリー社が計画中の対潜哨戒機型。MPAはMaritime Patrol Aircraftの略。後部の貨物室の部分に爆弾槽を設置、主翼にはハードポイントが追加される[2]。インドに対して提案していたがP-8に敗れた。

シャークレット装着機

従来のウイングチップ・フェンスに代わって燃料消費を改善すべく開発されたウイングレットの一種。装着1号機は2013年6月23日アメリカン航空に引き渡された。シャークレットを装着したA320シリーズの100機目にあたり、またアメリカン航空が発注した(経営統合したUSエアウェイズ保有分は除く)同シリーズの1号機でもある[3]

A319neo

A320と同様、エンジンの変更を行った改良モデルの開発が発表され、カタール航空が最初の顧客となった[4]。シャークレットは標準装備される。

ACJneo

ACJneoは、富裕層に向け、快適性や移動と空間の自由を提供する新型長時間小型専用機で、新興国の政府専用機や大企業社用機としての需要を狙って企画された特別改装機種。原型はA319neoからエンジン改良などでさらなる省電力化及び快適性の向上を特徴としており、現行の一般航空機より長い連続飛行時間15時間を達成する機種とされている。ドイツ連邦共和国のK5アビエーションなどから確定発注を受けて実現した。

機体仕様 (仕様による差異あり)

  • 基本座席数:124席前後(2クラス制、モノクラスの場合最大156席)
  • 全長:33.84m
  • 全幅:34.09m
  • 全高:11.76m
  • 胴体直径:3.96m
  • 最大客室幅:3.70m
  • 最大離陸重量:64.0t
  • 最大燃料容量:23,860l
  • 基本空虚重量:40.1t
  • エンジン:CFM56-5,IAE V2500
  • エンジン推力:22,000 - 27,000lb
  • 最大巡航速度:約マッハ0.82
  • 航続距離:3,300km前後(最大6,800km)
  • 貨物:バルク(バラ積み)27.46m3,コンテナLD-3-46/46Wx4

脚注

  1. 青木謙知『旅客機年鑑2014-2015』117ページ - イカロス出版
  2. EADS proposes maritime variant of Airbus A319 with bomb bay doors for India
  3. American Airlines takes delivery of its first A320 Family aircraft”. エアバス (2013年7月23日). . 2014閲覧.
  4. Qatar Airways ends Airbus impasse with $6.5b order”. Czech Trade (2012年5月20日). . 2014閲覧.

関連項目

外部リンク