オリックス (企業)
オリックス株式会社(英:ORIX Corporation)は、大阪府大阪市に本社を置く、日本の大手総合リース企業である。祖業であるリースをはじめ、不動産、銀行、クレジット、ベンチャーキャピタル、プロ野球球団(オリックス・バファローズ)など多くの事業を手掛けており、グループを通して多角的金融サービス業を提供している。
三水会及びみどり会の会員企業であり、三和グループに属している[1][2]。ブランドスローガンは、「ほかにはないアンサーを。」。
Contents
概要
1964年4月17日、日綿実業(現双日)と三和銀行(UFJ銀行を経て、現三菱UFJ銀行)を主体に、日本で2社目のリース会社、オリエント・リース株式会社として大阪府大阪市にて設立された[3]。資本金1億円、社員13人、初代社長は福井慶三であった。
1969年10月に株式額面変更目的での合併を経て、1970年4月1日に大阪証券取引所第二部上場(証券コード:8591)、1971年4月10日に東京証券取引所第二部上場、1972年3月に名古屋証券取引所第二部上場。1973年2月1日には、東京・大阪・名古屋証券取引所第一部に指定替えされた。
1986年以降、他企業の買収による事業の多角化(リース部門だけでなく信託銀行・保険・証券・消費者金融)が活発となる。
1988年10月、阪急ブレーブスを買収しプロ野球界に参入。
1989年4月1日、CI導入により、商号をオリエント・リース株式会社からオリックス株式会社に変更した。1998年9月16日にはニューヨーク証券取引所に上場を果たす。ティッカーシンボルはIX、日本の金融業としては三菱UFJフィナンシャル・グループ(当時:三菱銀行)に次いで2番目であった。
2004年10月、名古屋証券取引所第一部上場廃止。
2009年5月29日、オリックスグループ(CPI2008投資事業組合)傘下(持株比率39.2%)の不動産業者ジョイント・コーポレーションが会社更生法を申請した、とリリースされた。
2014年6月24日、宮内義彦が当時の役職である取締役 兼 代表執行役会長・グループCEOを退任。新たにシニア・チェアマンに就任したが、1980年12月の社長就任以来担ってきた経営の第一線から退くこととなった。
歴代所在地
- 登記上本店
- 〒105-6135 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿易センタービル
- 大阪本社
- 東京本社
- 〒108-0014 東京都港区芝四丁目1番23号 三田NNビル
歴代経営陣
シニア・チェアマン、グループCEO、会長、社長
期間 | (非取締役) | (取締役) | |||
---|---|---|---|---|---|
シニア・チェアマン | グループCEO | 会長 | 社長 | ||
代 | |||||
1964年4月17日 - 1967年 | (役職なし) | 初 | 福井慶三 | ||
1967年 - 1980年12月 | 2 | 乾恒雄 | |||
1980年12月 - | 乾恒雄 (在任中に 死亡?) |
3 | 宮内義彦 | ||
- 2000年3月31日 | (空席) | ||||
2000年4月1日 - 2007年12月31日 | 宮内義彦 | 4 | 藤木保彦 | ||
2008年1月1日 - 2010年12月31日 | 5 | 梁瀬行雄 | |||
2011年1月1日 - 2014年6月24日 | 6 | 井上亮 | |||
2014年6月24日 - | 宮内義彦 | 井上亮 | (空席) |
取締役
()内は取締役在任期間。
- 福井慶三
- 乾恒雄
- 宮内義彦(1970年3月 - 2014年6月24日)
- 藤木保彦
- 梁瀬行雄
- 井上亮(2010年6月 - )
- 小島一雄(2008年6月 - )
- 錦織雄一(2015年6月 - )
- 伏谷清(2016年6月 - )
- スタン・コヤナギ
- 髙橋秀明
社外取締役
村上ファンドとの関わり
通称村上ファンドことM&Aコンサルティングとは、同社設立時に母体となる法人を提供しただけではなく、今日でも大口の出資者としてその収益分配を受けているとも噂されるが、同ファンドの村上世彰代表が証券取引法違反で逮捕された後、2006年6月22日の衆議院財務金融委員会において、オリックスが村上ファンドへの拠出金のまとめ役になって、村上ファンド傘下の投資事業組合を組織していたことが明らかになった。
この拠出金の中には、日銀の福井俊彦総裁が以前に行なった1000万円も含まれている。オリックスの宮内会長は小泉純一郎内閣の規制改革・民間開放推進会議議長となり、そこで示された規制緩和の恩恵を受けて村上ファンドが成長していったため、宮内会長は公職を利用して政府の政策を自分の会社の利益拡大につながるよう誘導したのではないかという批判が生まれた。これに対し、オリックスや宮内会長は、村上ファンドとの関係は民間企業同士の自由な商取引であり国会での説明にはそぐわず、政策決定とは無関係であると説明し、野党側が求めていた宮内会長の参考人招致は与党側の反対で見送られた。
かんぽの宿施設売却問題
- 参照: かんぽの宿#施設の売却問題
プロ野球との関わり
旧社名時代にはオリエントファイナンス(現:オリエントコーポレーション)と混同されることが多かった。1988年10月19日にプロ野球の阪急ブレーブスを買収し、オリックス・ブレーブスが誕生した際の記者会見では、間違えてオリエントファイナンスに行った報道陣もいたというが両社間には人事・資本など関係は一切ない。
オリックスの宮内会長は財界の中で野球好きとして知られる一方、ブレーブス買収は新社名「オリックス」の名称浸透のためという冷ややかな見方もされたが、新球団のオリックス・ブルーウェーブ(1991年にブレーブスから改称)は1996年に日本シリーズを制し、会社の知名度も大きく上昇した。
しかし、チームは以後停滞期に入り、2000年暮れにイチローがアメリカの大リーグへ移籍すると、オリックスは赤字を解消できない不人気球団を売却するのではないかという観測記事も生まれた。これに対し、オリックスは2004年6月13日に大阪近鉄バファローズとの合併交渉を認め、同年シーズン後に正式にオリックス・バファローズとして合併し、唯一の関西パ・リーグ球団を引き続き経営する事を示した。
関西国際空港・大阪国際空港の運営権売却
2015年5月1日に大阪の関西国際空港及び大阪国際空港の運営権売却に、フランスの空港運営会社であるヴァンシ・エアポートと連合を組んで参加する事を決定した[4]。その後、他の企業が最低売却価格(2兆2000億円)の高さや長期に渡る運営期間(45年間)の長さで見送る中で唯一、オリックスとヴァンシ・エアポートの連合が一次入札に参加した[5]。
2015年6月12日、新関西国際空港は正式にオリックス、ヴァンシ・エアポートコンソーシアムの一次審査の通過を発表した[6]。
2015年11月10日、新関西国際空港はオリックス、ヴァンシ・エアポートコンソーシアムを優先交渉権者に選定した[7]。設立予定の特別目的会社にはオリックスとヴァンシ・エアポートの他に阪急阪神ホールディングスやパナソニック、大和ハウス工業等も出資する予定である。
2015年11月20日、新関西国際空港はオリックス、ヴァンシ・エアポートコンソーシアムと基本協定書を締結したと発表した[8]。
2015年12月1日、新運営会社として「関西エアポート株式会社」を設立した。社長はオリックス社内から選出する予定であり[9]、同社の代表執行役副社長である山谷佳之が代表取締役社長として就任した[10]。
2015年12月15日、新関西国際空港は関西エアポート株式会社と実施契約を締結した。2016年4月1日より同社による運営を開始した[11]。
グループ会社
- オリックス・アセットマネジメント株式会社(東京都港区)
- オリックス・インシュアランス・プランニング株式会社(東京都港区)
- オリックス・インテリア株式会社(大阪府大阪市北区) - 内装工事、不動産賃貸業。
- オリックス市岡交通企業株式会社(大阪府大阪市港区) - オリックス・インテリアの関連企業。オリックスドライビングスクール弁天町を運営。
- オリックス・インベストメント株式会社(東京都港区)
- オリックス・エアクラフト株式会社(東京都港区)
- オリックス・エステート株式会社(大阪府大阪市北区)
- オリックス・エム・アイ・シー株式会社(東京都立川市)
- オリックスM&Aソリューションズ株式会社(東京都港区)
- オリックス環境株式会社(東京都港区)
- オリックス・キャピタル株式会社(東京都港区)
- オリックス業務支援株式会社(東京都立川市) - 特例子会社。
- オリックス銀行株式会社(東京都港区) - 旧称:オリックス信託銀行。
- オリックス・クリエイト株式会社(東京都港区)
- オリックス・クレジット株式会社(東京都新宿区)
- オリックス・コールセンター株式会社(沖縄県那覇市)
- オリックス・ゴルフ・マネジメント合同会社(東京都港区)
- オリックス債権回収株式会社(東京都港区)
- オリックス資源循環株式会社(東京都港区、事業所は埼玉県大里郡寄居町)
- オリックス・システム株式会社(東京都港区)
- オリックス自動車株式会社(東京都港区)
- オリックス人材株式会社(東京都港区)
- オリックス水族館株式会社(東京都港区)
- オリックス生命保険株式会社(東京都新宿区)
- オリックス電力株式会社(東京都港区)
- オリックス徳島株式会社(徳島県徳島市) - 旧称:徳銀オリックス。旧徳島銀行(現トモニHD)及び子会社との合弁で設立。
- オリックス農業株式会社(東京都港区) - 旧称:OAファーム株式会社。2015年4月1日に商号変更。
- オリックス・フードサプライ株式会社(東京都港区)
- オリックス不動産株式会社(東京都港区)
- オリックス不動産投資顧問株式会社(東京都港区)
- オリックス保険サービス株式会社(東京都港区)
- オリックス保険コンサルティング株式会社(東京都港区)
- オリックス・マリタイム株式会社(東京都港区)
- オリックス野球クラブ株式会社(大阪府大阪市西区) - オリックス・バファローズ。元親会社の旧阪急電鉄(現阪急阪神HD)から買収、更に近鉄グループだった球団(大阪近鉄バファローズ)を吸収合併して統合。
- オリックス八ヶ岳農園株式会社(長野県諏訪郡富士見町)
- オリックス・リビング株式会社(東京都港区) - 旧称:オリックス・インテリア。
- オリックス・レンテック株式会社(東京都品川区) - 運送、レンタル事業。オリックス・レンテック株式会社と阪急カーゴサービスは取引と委託をしている。電子計測器、科学・環境分析機器、IT関連機器、医療機器等のレンタル及び3Dプリンタサービス、ロボット関連サービスなどを取り扱う。
- オリックス・ローン事務センター株式会社(東京都港区)
- エヌエスリース株式会社(東京都千代田区) - 旧称:日鐵リース。元親会社の旧日鐵商事(現日鉄住金物産)から買収。
- 株式会社キューコーリース(福岡県福岡市中央区) - 元親会社の九電工から買収。
- クロスホテルズ株式会社(大阪府大阪市中央区) - クロスホテル及びTHE PRIME PODの運営。
- 株式会社コスモライフ(兵庫県加古川市) - 2015年10月15日に完全子会社化。
- 株式会社大京 - 東京証券取引所市場第一部上場、2014年2月27日に連結子会社化。
- 筑波リース株式会社(茨城県土浦市) - 元親会社の筑波銀行から買収。
- 株式会社フリール(群馬県高崎市)
- ブルーウェーブ株式会社(東京都港区) - ホテルブルーウェーブインチェーン。ブルーウェーブの名称はオリックス・バファローズの旧称に因む。
- 弥生株式会社(東京都千代田区)
- 株式会社ユビテック(東京都品川区)
- ONEエネルギー株式会社(東京都港区)
- ORIX USA Corporation( アメリカ合衆国)
その他、日本国外36か国・地域にグループ会社を有する。
その他
かつてのグループ会社
- マネックスグループ株式会社 - 筆頭株主であったが、保有全株式を2014年4月に静岡銀行へ譲渡。
- オリックス証券株式会社(東京都中央区) - 株式交換でマネックスグループ傘下となり、その後マネックス証券に吸収合併され解散。この関係で、2014年までマネックスグループはオリックスが筆頭株主となっていた。
- オリックス倶楽部株式会社(東京都品川区) - 消費者金融業。オリックス・クレジットとは異なり、グレーゾーン金利での貸し出しを行っていた。2004年4月1日付でオリックス・クレジットに合併。
- ジョイント・コーポレーション - 議決権の39.2%を保有していた。2009年5月会社更生法申請。現在はTPG と英・サヴィルズグループの共同出資会社の傘下。
- 富士火災海上保険 - AIG系の損害保険統括会社、2011年8月にAIGグループの完全子会社となる。
- スカイマーク - 2003年、インターネットプロバイダ・ゼロの創業者西久保愼一が買収し、その後も増資等により大量株保有する、事実上のオーナーとなった。しかし、2014年に経営危機が表面化し、2015年1月28日に民事再生法適用を申請して経営破綻した。同年9月1日より投資ファンドのインテグラルとANAホールディングスの両社が中心となって経営再建し、2016年3月28日付で民事再生手続が終結した。
- キンレイ - 元は大阪ガスグループの近畿冷熱食品製造部門(1991年分社化)、その後キャス・キャピタルによるMBOを経て子会社化。2014年4月に会社分割を行い、食品事業と商号を継承した新設会社は月桂冠の傘下に。外食事業は株式会社KRフードサービスとなる。
- オリックス北関東株式会社(栃木県宇都宮市) - 2011年1月1日付でオリックスに合併。
- 株式会社インターネット総合研究所(東京都新宿区) - 2011年3月全株式を代表者に譲渡。
- オリックス・アルファ株式会社(東京都中央区) - 2011年4月1日付でオリックスに合併。
- もみじリース株式会社(広島県広島市中区) - 2014年6月1日付でオリックスに合併。
- 株式会社KRフードサービス(大阪府大阪市中央区) - 元大阪ガスグループ。2015年6月30日付でクリエイト・レストランツ・ホールディングスの連結子会社となった。
- オリックス・ホールセール証券株式会社(東京都港区) - 2017年3月10日付で廃業。
関連項目
企業
- 阪急阪神ホールディングス - 阪急電鉄:オリックス・バファローズの前身、阪急ブレーブスの親会社。
- 近畿日本鉄道:オリックス・ブルーウェーブとの統合により解散した、大阪近鉄バファローズの親会社。
- エアアジア X:10%の出資をしている。
人物
その他
- 神戸総合運動公園野球場(ほっともっとフィールド神戸)
- オーディー05オムニバスチャイナトリーティ
- おりんぴあ どりーむ:オリックスが船主で両備ホールディングスにリースされているフェリー。
CM
- 企業CM(2017年4月 - )
脚注・出典
- ↑ 六大企業集団の無機能化 (PDF) - 同志社大学学術情報検索システム内にあるページ。筆者は経済学者の田中彰。
- ↑ メンバー会社一覧 - みどり会
- ↑ 日本のリース会社としては前年8月に日本リース(経営破綻により消滅したが、一部部門は他社によって買収されている)が創業している
- ↑ オリックス、仏企業と連合入札を正式発表 「対等なパートナーに」 - 産経ニュース(2015年5月1日)
- ↑ 関空伊丹空港の1次入札、オリックス連合が参加 見送り企業相次ぐ - ロイター(2015年5月22日)
- ↑ 「関西国際空港及び大阪国際空港特定空港運営事業等」に係る第一次審査結果等について (PDF) - 新関西国際空港(2015年6月12日)
- ↑ 「関西国際空港及び大阪国際空港特定空港運営事業等」の優先交渉権者の選定について (PDF) - 新関西国際空港(2015年11月10日)
- ↑ 基本協定書の締結について - 新関西国際空港(2015年11月20日)
- ↑ 関空運営新会社「関西エアポート」設立 社長はオリックス内部から選出予定 - 産経west(2015年12月1日閲覧)
- ↑ 関空・伊丹運営、関西エアポートと正式に契約 - 読売新聞(2015年12月15日)
- ↑ 実施契約書の締結について - 新関西国際空港株式会社(2015年12月15日閲覧)