シュザンヌ・ヴァラドン

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シュザンヌ・ヴァラドン
Suzanne Valadon
生誕 マリー=クレマンチーヌ・ヴァラドン
Marie-Clementine Valadon

1865年9月23日
フランスの旗 フランス帝国オート=ヴィエンヌ県ベッシーヌ=シュル=ガルタンプ
死没 1938年4月7日
フランスの旗 フランス共和国
著名な実績 絵画

シュザンヌ・ヴァラドンフランス語: Suzanne Valadon, 1865年9月23日[1] - 1938年4月7日)は、フランスモンマルトル画家スュザンヌ(スザンヌ)・ヴァラドンとも呼ばれる。画家になる前は、著名な画家のモデルでもあった。画家モーリス・ユトリロの母である。人物をほとんど描かなかったユトリロとは対照的に、ヴァラドンの作品の主題はほとんどが人物であり、高いデッサン力に支えられた太い簡潔な線は、対象の特徴を容赦なく捉え力強い。ヴァラドンはユトリロが画家として成功するまで、息子に絵画の才能があるとは思っておらず、また息子も母から絵画を学ぶことはなかったため、互いに影響を受けることなく、独自の画風を確立している。

生涯

ファイル:Portrait de Suzanne Valadon par Henri de Toulouse-Lautrec.jpg
「二日酔い」(ロートレック作、ヴァラドンの肖像)"La Buveuse"

ヴァラドンは、オート=ヴィエンヌ県ベッシーヌ=シュル=ガルタンプで貧しい洗濯女の私生児として生まれた。1870年に母マドレーヌとともにパリへ移り住み、10代の初めから様々な職に就いた。一時期、あこがれていたサーカスブランコ乗りになるが、ブランコから落ちて負傷しブランコに乗れなくなったため、10代後半で絵画モデルになる。 ルノワールの「ブージヴァルのダンス」、「都会のダンス」[2]オルセー美術館蔵)、パリ大学大講堂にあるシャヴァンヌ作「聖なる森」、ロートレックの「二日酔い」は、ヴァラドンがモデルである。当世一流の画家たちの仕事に接することによって、彼女もまた画家を目指すようになった。

18歳の時、息子モーリスを生む[3]。実父が誰かはわかっておらず、酒飲みのボァッシイという人物という説、ルノワールだという説など諸説ある。1886年頃からヴァラドンと同棲していたロートレックは彼女の正確で力強いデッサンを評価し、画家への道を開いた。その後、デッサンを多数購入し、彼女を庇護したエドガー・ドガのもとで油彩と版画を学ぶ。1893年、エリック・サティと交際したが半年で破局。1894年ドガのすすめでサロンにデッサンを出品、フランス国民美術協会(ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール)女性初の会員になる。1896年、資産家のポール・ムージスと結婚。1909年、息子より3歳年下の画家志望の青年アンドレ・ユッテルを恋人にし、ムージスとは離婚。ユッテルをモデルにした「アダムとイブ」、「網を打つ人」(アンデパンダン展に出品)など彼女の代表作となる作品を次々に製作した。1914年ユッテルと正式に結婚。1920年サロン・ドートンヌの会員になる。1932年パリ最大のプティ・ジョルジュ画廊で大回顧展が開催され、フランスの首相エドワール・エリオがそのカタログに序文を寄せる。1937年、彼女の主要作品がフランス政府によって買い上げられ、後に国立近代美術館ポンピドゥー・センター内)に所蔵される。1938年、自宅で倒れているところを隣人に発見され、病院へ搬送中に脳充血で死去した。

代表作

  • アダムとイヴ(1909年、ポンピドゥー・センター)
  • 網を打つ人(1914年、ポンピドゥー・センター)

ギャラリー

同時代人によって描かれたヴァラドン

ヴァラドンによる絵画

参考文献

  • 『25人の画家 第15巻ユトリロ』千足伸行編著、高階秀爾監修、講談社、1980年(69-70頁にヴァラドンの作品の図版、127頁に解説がある)。

脚注

  1. 367日誕生日大事典の解説”. コトバンク. . 2018閲覧.
  2. 有地京子『オルセーはやまわり』(中央公論新社)によれば、この作品の連作「田舎のダンス」では長年の恋人アリーヌが嫉妬したために顔をヴァラドンからアリーヌに替えたという。この作品の制作中にモーリスを妊娠しているが、一番の有力候補がピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌとルノワールだという。
  3. ジョン・バクスター 『二度目のパリ 歴史歩き』 ディスカヴァー・トゥエンティワン、2013年。ISBN 978-4-7993-1314-5。

外部リンク

テンプレート:ピエール=オーギュスト・ルノワール