タクシー

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タクシー(taxi)とは、運転手と車両とを貸し切る形で少人数の旅客輸送する公共交通機関、およびその用に供する車両である。通常、旅客が任意の目的地を指定できる。現代では一般に自動車が使用される。

前史

ファイル:Hackney Coaches 1637.png
17世紀のハックニーキャリッジの大型四輪馬車。画像はWalter GilbeyEarly Carriages and Roads (1903年) から。

が交通の中心を担っていた時代、次第に人々は村や都市を作って生活するようになっていった。馬車は、長くその最たる移動手段であり、人員や貨物の移送手段として使用され続けていた。馬車を所有する者の中には代価を取ることで移送を代理する営利目的として運用する者が現れ、タクシーの原型が作られた。日本では江戸時代からの駕籠(かご)や明治からの人力車などが主にその役割を担っていた。

仕組み

タクシーは空港港湾観光地・市街地などに設けられたタクシー乗り場から乗車するのが基本であるが、電話で任意の場所を指定して呼び出すことも可能である。上級のホテルレストランなどでも、タクシー乗り場を常設したり、利用者の要求に応じてタクシーを呼び出してくれるサービスを行っていることもある。また、都市によっては、タクシーが空車状態で走行する、いわゆる流し営業が行われており、その場合は空車を表示しているタクシーを見つけ次第、その場でタクシーに向かって手を上げることで乗車できる。

以上のような方法でタクシーに乗り込んだら、運転手に行き先を告げて目的地まで運んでもらう。

タクシーでは、運転手は旅客が希望する任意の場所までの移動を引き受け、目的地へ到着したら旅客から対価を受け取ることで商売が成立している。旅客が乗車している際には旅客の貸し切り状態となるため、密室空間が完成する。

ウーバー型配車サービスの普及

2009年にアメリカ合衆国で、顧客がインターネット予約システムを利用し、一般タクシーはもとより登録している一般車両を呼び出すUberに代表される新しいシステムの構築が始まり、2014年12月31日だけで世界で約200万人がUberを利用するなど急速に普及が進んだ[1]。なお、日本では、同様のサービスをいわゆる白タク行為であるとして認められていない。世界的な普及が拡大する一方で、各国で既存の規制等との軋轢が生じているほか、一般者がサービスを提供することに起因する犯罪も問題視され始めている[2][3]

料金制度

運賃料金

タクシーの料金を徴収する上で、主に2種類のシステムがある。一つは走行距離や走行時間から運賃を自動的に計算するメーター制、もう一つは事前に運転手との交渉によって料金を決める交渉制である。また、事前に目的地までのクーポンを購入したうえで乗車するクーポンタクシーも一部ではある。

メーター制
車内に料金計算・表示用のメーター(タクシーメーター)を設置し、走行距離や走行時間に応じて比例した運賃を収受するシステムである。初乗り運賃が基本であり、所定の走行距離に達するか、所定の走行時間に達するごとに運賃を一定額ずつ上乗せしてメーターに表示していく。降りるときに、その時点で表示されている料金を支払う。料金メーターの誤差はあり得るものの公平性・明朗性の高い料金収受方式であり、先進国あるいは先進国と同等の生活水準を持つ国では標準的な方式である。
交渉制
乗車前に運転手と交渉し、料金を決める方式。メーターの設置費・維持費はかからないが、交渉力の差で料金が変わってしまうため、公平性・明朗性に欠ける。発展途上国にこの方式のものが多いが、例えば、アメリカ合衆国であっても、ニューヨークなど一部の大都市を除くと、比較的多く見られる。これは、メーターの正確性について、公的な担保が得られていないことが一因と思われる。

チップ

一部の国(主に欧米文化圏)ではチップの概念があり、提示された料金よりいくらか上乗せして払う慣習がある。ヨーロッパ北アメリカの国々では料金の10%-15%程度をチップとして上乗せして支払う。他の欧米文化圏では、釣り銭を受け取らなかったり、ごく小額の小銭を手渡したりすることでチップとする慣習の国もある。

チップを受け取ることで、運転手は満足なサービスを行おうという気持ちから客の荷物を運んだりと運転以外のサービスをする事がある。また、運転手が経路を知らない場合、利用者はそれを教えなければならなくなるが、その際にはチップを減額する。

運転手

任意の場所に旅客を輸送するという目的上、運転手(乗務員)には安全運転の知識・技術のほかに、自分が運転する地域の深い地理的知識を要求される。ただし昨今はナビゲーションの利用により遠隔地への運用が可能となっている。 国、地域によってはタクシー運転業務に従事するのに特別な資格・免許などが必要な場合がある(例として日本第二種運転免許ロンドンタクシーノリッジ試験ニューヨークイエローキャブのメダリオン、韓国のタクシー運転資格など)。

営業に必要な免許や資格を取得せずに自家用車などを用いて違法に営業するタクシーを白タクという。空港や大都市中心部などでタクシーを利用しようとしている人に声をかけ、乗車後に高額な料金を請求したり、金品を奪う例がある。白タクの「白」は、日本において正規のタクシーのナンバープレートが事業用を表す緑色なのに対して、自家用車のナンバープレートが白色であることに由来する。これは法律によって規制されている。

日本における特徴は女性がタクシーの運転業務に従事していることである。これは日本の治安状況が極めて良いという事情によるものである。諸外国においては男女平等が徹底している欧米先進国においてもタクシーの運転に関しては女性の進出はほとんど見られない。なお、台湾においては、夜間に女性が安心して乗車できるよう、女性運転手のタクシーを呼び出すサービスを行うタクシー会社がある。

車両

主に4ドアセダン型の乗用車が使われるが、ロンドンタクシーなどのように専用車両が用いられている例もある。また、ニューヨークのイエローキャブに代表されるように都市ごとに統一された塗装が施されている場合と、日本など同じ都市内でも不統一の場合とがある。

後部座席のドアは、運転手が乗客に代わって運転席から開閉するドアを採用している国がある。このドアの仕組みをタクシーに採用したのは日本が世界初であり、本来の意味とは違うが自動ドアと呼ばれる(初期のものは完全な手動であり人力で開閉されていたが、最近ではエンジンの吸気負圧を利用してドアを動作させるものもある。 [4] [5]) 現在は香港のタクシーでも、同じ仕組みを見られる。

日本のタクシー

日本では、経営形態の差異により、主に複数の運転者・複数の車両により経営許可を受けた法人(企業)により運営される、いわゆる「法人タクシー」と、運転者自身が1両の車両のみを用いて運行する「個人タクシー」に分類されている。

タクシーに使用される主な車種

アメリカ合衆国ニューヨークシカゴなど)

※1970年代後半から80年代にかけてプジョー・504、505、また1990年代後半にはいすゞ・オアシスホンダ・オデッセイ(初代)のバッジエンジニアリング車)が採用されたことがあるが、耐久性の面で難があった事からいずれも早期に廃車となった。

カナダトロントバンクーバーなど)
イギリスロンドン
インド
オーストラリア
シンガポール (Taxicabs of Singapore)
スペイン
タイバンコク
ドイツフランクフルト
フランスパリ
北欧諸国(スウェーデンストックホルムフィンランドヘルシンキデンマークコペンハーゲンほか)
  • ボルボ、メルセデス・ベンツ・Eクラスなど
ロシアモスクワ
  • GAZのヴォルガを使用している場合が多く、車体は黄色に塗られている。無線予約が可能なタクシー会社も存在しているが、需要に対してタクシーの台数が少ない事から、一般車のドライバーと料金交渉の上でタクシーとして利用する、いわゆる「白タク」の利用が一般的である。
韓国
中国上海北京
香港香港的士 (中国語版)Taxis of Hong Kong (英語版)
マカオ
台湾台北(計程車)
  • トヨタ・カローラ、トヨタ・カムリ、トヨタ・ウィッシュ日産・ティアナ三菱・ランサー/ランサーフォルティスなど
  • 全て黄色に塗装されており、簡単に見分ける事が出来る。台北地区で約3万1千台もの車両が営業しており、整備状態の良くない個人営業車も多いが、大手グループの営業車は、トヨタ・カムリなどのグレードの高い車を使用し、車内外ともに良く整備され、車内に花を飾るなどして、利用客が快適に利用出来る様にしている。また電話呼出しに応じている会社も多い。

なおこれらの他にも、個人タクシーやタクシー会社ごとの方針などにより他の車種を利用している場合もある。 例えば、東京都内では、トヨタ・クラウンアスリートメルセデス・ベンツSクラスBMW・7シリーズを利用した個人タクシーが実際に営業している。

世界のタクシーの画像

脚注

関連項目

タクシーの文化

違法営業


外部リンク

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