タンタル

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タンタル: Tantal [ˈtantal]: tantalum [ˈtæntələm])は原子番号73の元素元素記号Ta。名前はギリシア神話に出てくるタンタロスに由来する。タンタルは硬く、銀白色を呈し、光沢があって腐食耐性の高い遷移金属である。レアメタルの一種であり、耐火金属English版の一種で、合金の微量成分として広く用いられている。化学的に不活性な特性から、実験用設備の材料や白金の代替品として有用である。今日におけるタンタルの主な用途は、携帯電話DVDプレーヤーゲーム機パーソナルコンピュータといった電子機器に用いられるタンタル電解コンデンサである。タンタルは、タンタル石コルンブ石あるいはコルタン(タンタル石とコルンブ石の混合物であるとされ独立した鉱物とみなされていない)といった鉱物に含まれ、化学的に類似するニオブとともに産出する[1]

歴史

タンタルは、1802年にスウェーデンにおいてアンデシュ・エーケベリによって発見された[2][3]。その前年にチャールズ・ハチェットがコロンビウム(現在のニオブ)を発見しており[4]、1809年にイングランドの化学者ウイリアム・ウォラストンがニオブの酸化物コルンブ石の密度を5.918 g/cm3、タンタルの酸化物タンタル石の密度を7.935 g/cm3と測定して比較した。ウォラストンは測定された密度が異なるにもかかわらず、両者は同じであるものと結論付け、タンタルの方の名前を残すことにした[5]フリードリヒ・ヴェーラーがこの結論を確認したことから、これ以降コロンビウムとタンタルは同じ元素であるとされてきた。しかし1846年にドイツの化学者ハインリヒ・ローゼが、タンタル石にはさらに2種類の元素が含まれていると主張し、ギリシア神話でタンタロスの子とされている名前にちなんで、ニオブ(ニオベーから)とペロピウム(ペロプスから)と名付けた[6][7]。ここで想定されていたペロピウムという元素は、後にタンタルとニオブの混合物であると確認され、またニオブは1801年にハチェットが発見していたコロンビウムと同一のものであると確認された。

タンタルとニオブが違うものであることは、クリスチャン・ヴィルヘルム・ブロムストラントsvenska版[8]アンリ・サント=クレール・ドビーユfrançais版が1864年にはっきりと示し、またルイ・ジョゼフ・トローストfrançais版も1865年にいくつかの化合物の実験式を示した[8][9]スイスの化学者ジャン・マリニャックもさらなる確認を行い[10]、1866年に2種類の元素のみが含まれていることを証明した。しかしこうした発見があったにもかかわらず、1871年までイルメニウムEnglish版という実在しない元素に関して科学者たちが文献を出していた[11]。マリニャックはまた、1864年にタンタルの塩化物を水素雰囲気中で熱して還元することで、タンタルの金属形態を初めて得た[12]。初期には不純なタンタルしか得ることができなかったが、1903年にヴェルナー・フォン・ボルトンDeutsch版シャルロッテンブルクEnglish版において、かなり純粋で延性のある金属タンタルを得ることに成功した。金属タンタルから作られた線は、タングステン製のものに置き換えられるまで、電球のフィラメントとして用いられていた[13]

タンタルという名前は、ギリシア神話ニオベーの父とされているタンタロスから取られている。神話においては、タンタロスは死後、あごまで届くほどの深さの水の中に立たされ、頭上には果物が豊かに実っているが、どちらも永遠に彼には手に入らずじらされるという罰を受ける(水を飲もうとすると、届かないくらい水位が下がり、果物に手を伸ばそうとすると、枝が手の届く範囲から遠ざかる、英語でtantalizeという単語はじらして苦しめるという意味がある)。アンデシュ・エーケベリは、「私がタンタルと呼ぶこの金属、酸に浸しても何かを吸収したり飽和したりする能力がほとんどないということを部分的に暗示する名前である」と書いている[14]

何十年もの間、ニオブからタンタルを分離する商業的な技術は、ジャン・マリニャックが1866年に発見した、フッ化タンタル酸カリウムEnglish版分別晶析によりフッ化ニオブ酸カリウムから分離するという方法であった。この方法は、フッ化物含有のタンタル水溶液を溶媒抽出するという方法に置き換えられている[9]

性質

物理的性質

タンタルは銀白色で[15]、密度や延性が高く、非常に固いが加工はしやすい。熱や電気の伝導度が高く、酸による腐食にも強い。金属を侵す能力の高い王水であっても、摂氏150度以下ではタンタルはまったく溶けない。フッ化水素酸フッ化物三酸化硫黄を含む酸性溶液、水酸化カリウムには溶ける。タンタルの融点は摂氏3,017度(沸点は摂氏5,458度)と高く、これを上回る元素はタングステンレニウムオスミウム炭素だけである。

タンタルにはαとβの2種類の結晶構造が存在する。α-Taは比較的やわらかく、展延性がある。体心立方格子構造を持ち(空間群はlm3m、格子定数はa=0.33058nm)、ヌープ硬度は200 - 400 HN、電気抵抗は15 - 60 µΩ・cmである。β-Taは硬いがもろく、結晶構造は正方晶系を持ち(空間群はP42/mnm、格子定数はa=1.0194nm,c=0.5313nm)、ヌープ硬度は1000 - 1300 HN、電気抵抗は比較的高く170 - 210 µΩ・cmである。β構造は準安定で、摂氏750 - 775度に加熱することでα構造に転移する。大量のタンタルはほぼすべてα構造であり、通常β構造は、溶融塩共晶からマグネトロンスパッタリング化学気相成長あるいは電気化学析出で得られる薄膜として存在する[16]

タンタルの単体は、超伝導の研究が始まって間もない1930年頃までには、臨界温度4.5 Kで超伝導となることが発見されている[17]。一方、タンタル酸カリウム単結晶の表面付近が0.005 K未満で超伝導になる現象も2011年に発見されている[18]

同位体

天然のタンタルは、180mTa (0.012 %) と181Ta (99.988 %)という2つの同位体で構成されている。181Taは安定同位体である。180mTaは核異性体で、基底状態の180Taへの核異性体転移180Wへのベータ崩壊電子捕獲によって180Hfへの崩壊の3種類の崩壊をすると予測されている。しかし、この核異性体の放射性崩壊は1度も観測されたことがなく、最低でも半減期2.0 × 1016年(2京年)を持つと、半減期の下限値を示されているに過ぎない[19]。基底状態である180Taは、わずか8時間の半減期である。放射性壊変によって生じる、あるいは宇宙線生成による短寿命の核種を除けば、180mTaは自然界に存在する唯一の核異性体である。これもまた放射性壊変によって生じる、あるいは宇宙線生成による短寿命の核種を除けば、180mTaはタンタルの元素存在比および天然同位体構成比を考慮すれば、宇宙でもっとも希少な同位体である[20]

タンタルは、核兵器に「加塩」(放射性物質の放出量を増強する)する材料として理論的に検討されてきた(コバルトの方が加塩材料として良く知られている)。仮説上、核兵器が爆発するときに出る強力な高エネルギー中性子線が外殻の181Taに放射線を浴びせる。これによってタンタルを半減期114.4日の放射性同位体である182Taに変化させ、これが112万電子ボルトのエネルギーを持つガンマ線を出し、核爆発で生じた放射性降下物の放射能を数か月にわたって大幅に強化することになる。こうした加塩された核兵器は、少なくとも公的に知られている限りでは実際に作られたことも試験されたこともなく、実際に兵器として使用されたことは1度もない[21]

タンタルは、陽子線を当てて8Li80Rb、and 160Ybといった様々な短寿命放射性同位体を作るためのターゲット材として用いられる[22]

化合物

タンタルは酸化数+2, +3, +4, +5の化合物を形成する。酸化数+5がもっともよくみられる[23]。なかでも酸化物が安定で、タンタルの鉱物はすべて酸化鉱物である。酸化数が3より小さい無機化合物は、タンタル原子間の化学結合を特徴とする[24]。炭素原子がタンタル原子と化学結合している有機タンタル化合物では、+1, 0, −1などのさらに低い酸化数も取る。

タンタルとニオブの化学的特性はよく似ている。同じ第5族元素バナジウムと似ているところもあるが、バナジウムでよくみられる酸化数+2, +3の化合物はタンタルとニオブでは少ない[25]

酸化物

ファイル:Lindquist M6.jpg
ヘキサタンタル酸イオン テンプレート:Chem

五酸化タンタルEnglish版 テンプレート:Chem は、実用上の観点からはもっとも重要な化合物である。4価の酸化物 テンプレート:Chem不定比化合物で、ルチル構造を取る。3価の酸化物 テンプレート:Chem は知られていない[26]

タンタル酸塩と呼ばれる化合物は、実際には複酸化物であることがほとんどで、孤立したタンタル酸イオンを含む化合物はまれである[27]。前者の例として、イルメナイト類似構造を取るタンタル酸リチウム (LiTaO3) や、ペロブスカイト構造を取るタンタル酸カリウム (KTaO3) が挙げられる。これらの結晶ではタンタル原子が6個の酸素原子に囲まれており、孤立した テンプレート:Chem イオンは存在しない。タンタル酸イットリウム テンプレート:Chem は後者の例で、灰重石に似た構造を持つ結晶には、孤立した四面体状のタンタル(V)酸イオン テンプレート:Chem が含まれる[28]

五酸化タンタルと水酸化アルカリを溶融し、生成物を水で処理すると、水溶性のイソポリ酸塩が得られる[24]。カリウムイオン テンプレート:Chem とヘキサタンタル酸イオン テンプレート:Chem からなる テンプレート:Chem がよく知られている。テンプレート:Chemは、6個のテンプレート:Chem八面体が稜共有でつながった構造をしており、タングステンのイソポリ酸イオン テンプレート:Chem と同じ形である。25個の原子からなる大きなイオンであるが、水溶液中でもこのままの形で存在する[25]

窒化物・炭化物・ホウ化物

他の耐火金属English版と同様に、発見されているタンタル化合物の中でもっとも硬いのは、ホウ化物や炭化物である。炭化タンタル (TaC) は、同様の用途で用いられている炭化タングステンと同様、硬いセラミックスで、切削工具に使われる。窒化タンタルは、マイクロエレクトロニクスの分野において薄膜絶縁体として用いられる[29]

硫化物

もっとも研究されているタンタルのカルコゲン化物は硫化タンタル(IV) (TaS2) であり、他の遷移金属ジカルコゲナイドに見られるように、層状半導体である。タンタルとテルルの合金は準結晶を形成する[30]

ハロゲン化物

タンタルのハロゲン化物の酸化数は+5、+4、+3を取る。フッ化タンタル(V)English版 テンプレート:Chem は融点が摂氏97.0度の白い固体である。気相の孤立テンプレート:Chem分子は三方両錐形分子構造を取るが、固体中ではテンプレート:Chem八面体が頂点共有した四量体として存在する。ヘプタフルオロタンタル(V)酸イオン テンプレート:Chem は、タンタルをニオブから分離する際に用いられる[31]塩化タンタル(V)臭化タンタル(V)ヨウ化タンタル(V) テンプレート:Chem は、固体中ではテンプレート:Chem八面体が稜共有した二量体として存在し、水にあうと加水分解してハロゲン化酸化物となる[32]。塩化タンタル(V)は、有機タンタル化合物の合成において出発物質として用いられる[33]

フッ化タンタル(IV) テンプレート:Chem は知られていない。他のハロゲン化タンタル(IV) テンプレート:Chem も不安定で、空気中で容易に酸化されてハロゲン化酸化物を与える。また加熱により酸化数+5のハロゲン化物 テンプレート:Chem と酸化数+3のハロゲン化物 テンプレート:Chem不均化する[24]

見かけの酸化数が+2.5または+2.33となる塩化物、臭化物、ヨウ化物が知られている。これらのハロゲン化物では、6個のタンタル原子が正八面体状に並んだ、テンプレート:Chemまたはテンプレート:Chemが構成単位として認められる。この構成単位に含まれるハロゲン原子はタンタル原子がつくる八面体の外側に位置しており、化合物内の金属原子の間に化学結合が存在していること示している[24][26]

有機タンタル化合物

有機タンタル化合物としては、ペンタメチルタンタルEnglish版、塩化アルキルタンタル、水素化アルキルタンタル、およびカルベン錯体シクロペンタジエニル錯体などがある[34][35]金属カルボニルは、ヘキサカルボニルタンタル(−I)酸イオン テンプレート:Chem や関連するイソシアニドについて、多様な塩や置換誘導体が知られている。

存在

タンタルの宇宙における存在度は重量比では0.08 ppb程度[36]、原子数では全原子数の8×10-9パーセント程度とされ、原子数では安定元素として宇宙でもっとも希少である[37]。宇宙において鉄より重い元素のほとんどは、超新星爆発恒星内部での中性子捕獲反応によって生成される[38]。中性子捕獲による元素生成では、鉄が中性子捕獲により質量数が大きな鉄の同位体になり、ベータ崩壊によって原子番号の1つ大きな元素となる反応を繰り返して、各種の同位体が生成されるが、中性子捕獲やベータ崩壊の起きやすさによって、どの同位体が多くなるかが決定され、この結果タンタルは希少なものとなっている[39]

タンタルには、180Ta (0.012 %) と181Ta (99.988 %) の2種類の天然同位体が存在し、このうち180Taは全核種の中でもっとも少ない。従来の超新星爆発や中性子捕獲による機構では、この180Taの少なさを説明できずにいたが、超新星爆発の際に放出されるニュートリノ180Hf181Taと弱い相互作用を起こして180Taを生成するモデルが新たに提案された。180Taは基底状態で半減期8.15時間のものと、半減期1015年以上の準安定な核異性体があり、弱い相互作用によって生成される180Taの基底状態と核異性体のうち、基底状態のものはすべて放射性壊変により消滅するため、半減期の長い核異性体のみが残り、基底状態と核異性体の生成比率の理論計算値から求めた核異性体の推定量が実在量と一致することから、180Taの生成起源が説明され、またその希少さの理由も説明されることになった[38]

タンタルは、地球の地殻に重量比で1 ppm[40]から2 ppm[41]程度含まれていると推計されている。

タンタルを含む鉱物はたくさんあるが、工業的に原材料として利用されているのはそのごく一部だけである。タンタル石(鉄タンタル石、マンガンタンタル石、マグネシウムタンタル石などで構成される)、マイクロ石ウォッジナイトEnglish版ユークセン石English版(より正確にはイットリウムユークセン石)、ポリクレース石English版(より正確にはイットリウムポリクレース石)といった鉱物がある[1]。タンタル抽出の観点では、タンタル石 (Fe, Mn)Ta2O6 がもっとも重要である。タンタル石とコルンブ石 (Fe, Mn) (Ta, Nb)2O6 と同じ鉱石構造をしている。ニオブよりタンタルが多いものをタンタル石と呼び、タンタルよりニオブが多いものをコルンブ石(あるいはニオブ石)と呼ぶ。タンタル石やそのほかタンタル含有鉱物は密度が高いため、選鉱には重力選鉱English版が最良の手段である。他にサマルスキー石フェルグソン石といった鉱物がタンタルを含むことがある。

こうした鉱石類の鉱床は、古い時代に起きた、大陸地殻内部の物質が溶融してマグマが生じ、結晶分化作用によって濃集したことによるものや、化学的風化作用によって難溶性の鉱物のみが残って形成される風化残留鉱床によるものなどで形成されている。その生成の由来から、古い地殻にのみ存在する鉱床であるとされている[42]

また、スズの原料鉱石である錫石の微量成分としてもタンタルが含まれることがある。錫石の鉱床も、花崗岩質マグマや熱水鉱液に由来し、風化・流出して地表水や海水により重力選別を受けて形成される[42]

生産

ファイル:Tantalum world production.svg
2012年までのタンタル生産量の変化[43]

タンタルの生産は、スズの精錬に際して出てくる鉱滓(スラグ)に含まれるものから抽出するものと、タンタル鉱石を採掘して生産するものがある[44]。タンタルの精錬は、冶金工業においても要求の厳しい分野である。精錬上の主な問題は、タンタルの鉱石にはかなりの量のニオブが含まれており、その化学的性質がタンタルとほとんど同じという点にある。この問題を解決するために多くの方式が開発されてきた。現代では、この分離は湿式精錬によって実施されている[45]

精錬

スズスラグを起点としてタンタルを抽出する場合、電気炉中でスラグをコークスと反応させて炭化物とし、これを精製してアルカリ処理してタンタル分を濃縮して精鉱を得る。これ以降は、タンタル鉱石を起点としてタンタルを抽出する場合と同じである[44]

タンタル鉱石を起点とする場合、鉱石は砕かれて、重力選鉱により選別される。一般的にこの処理は、鉱山の近くで実施される。

フッ化水素酸硫酸または塩酸を使って、鉱石の浸出English版を行うところから抽出が始まる。これにより鉱石に含まれる多くの非金属不純物からタンタルとニオブを分離することができる。タンタルは様々な形態で鉱石に含まれるが、こうした条件下ではほとんどのタンタルの5価の酸化物は同じようにふるまうので、五酸化物を代表として取り扱うことができる。この抽出を簡単な式で示せば以下の通りとなる。

<ce>Ta2O5 + 14 HF -> 2H2[TaF7] + 5H2O</ce>

これとほぼ同じ反応がニオブ側の成分にも起きるが、この抽出条件においては六フッ化物が主に得られる。

<ce>Nb2O5 + 12HF -> 2H[NbF6] + 5H2O</ce>

この式は単純化されたものである。硫酸および塩酸を使った際に、それぞれ硫酸水素イオン (HSO4) および塩化物イオンがニオブ(V)イオンとタンタル(V)イオンの配位子として競合すると推測されている[45]。タンタルのフッ化物とニオブのフッ化物の錯体が、水溶液からシクロヘキサノンオクタノールメチルイソブチルケトンといった有機溶媒液液抽出によって抽出される。この単純な操作によって、鉄、マンガンチタンジルコニウムといったほとんどの金属含有不純物が水溶液にフッ化物やそのほかの錯体として残り、取り除くことができる。

タンタルをニオブから分離する操作は、混合された酸のイオン強度を下げていくことによって、ニオブが水溶液に溶け出すことで行われる。この条件では、オキシフッ化物 テンプレート:Chem が形成されると見られている。ニオブの除去後、精製された テンプレート:Chem の溶液はアンモニア水溶液によって中和され、酸化タンタルの水和物が固体として得られ、これを煆焼して五酸化タンタル テンプレート:Chem を得る[46]

あるいは、ニオブ除去後のテンプレート:Chem の溶液を加水分解する代わりに、フッ化カリウムで処理してヘプタフルオロタンタル(V)酸カリウムEnglish版(フッ化タンタル酸カリウム)を得ることもできる。テンプレート:Chem と異なりカリウム塩は容易に結晶化し、固体として取り扱うことができる。

<ce>H2[TaF7] + 2KF -> K2[TaF7] + 2HF</ce>

マリニャック法と呼ばれる古い手段では、テンプレート:Chemテンプレート:Chem の混合物を テンプレート:Chemテンプレート:Chem の混合物に変化させ、これを水への溶解度の差を利用する分別晶析法により分離していた。

金属タンタルの製造

精錬によって得られたフッ化タンタル酸カリウムあるいは五酸化タンタルは、その後フッ化タンタル酸カリウムのナトリウム還元あるいは五酸化タンタルの溶融塩電解、炭素還元、フッ化物・塩化物・酸化物などの水素還元といった方法で金属タンタルにする[47]。工業的に用いられる方法は、ナトリウム還元法または溶融塩電解である[44]

フッ化タンタル酸カリウムのナトリウム還元は、反応るつぼに原料のフッ化タンタル酸カリウムを積み重ね、アルゴンなどの不活性ガスで満たし、ヒーターで加熱しながら金属ナトリウムを導入する。ナトリウムの沸点である摂氏883度に達するとナトリウムが蒸発してフッ化タンタル酸カリウムの表面に達し、これによって還元反応が進行する[47]。還元後、温水やメタノールで洗浄することでタンタルの粗金属が得られる[44]

<ce>K2[TaF7] + 5Na -> Ta + 5NaF + 2KF</ce>

溶融塩電解法は、ホール・エルー法を改良したものを用いる。タンタル溶融塩電解では、入力として酸化物、出力として金属の、どちらも液体を利用するのではなく、粉末状の酸化物を用いて実行される。この手法の最初の発見は1997年のことで、ケンブリッジ大学の研究者がある種の酸化物の小さなサンプルを溶融塩に浸し、電流によりこの酸化物を還元したことによる。陰極には金属酸化物の粉末を使っていた。陽極は炭素製であった。摂氏約1,000度の溶融塩が電解質として用いられた。この方法の最初の精錬装置は、全世界の年間需要の3 - 4パーセント程度を供給できる能力を持っている[48]

こうした方法で得られるタンタルは、真空熱処理によって脱水素を行ったり、電子ビーム溶解によってインゴット化したりする。タンタルをさらに高純度化するためには、電子ビーム帯域溶解法を用いる[44]

タンタルの加工

タンタルの溶接は、大気中の気体による汚染を防ぐためにアルゴンヘリウムなどの不活性気体の中で行わなければならない。タンタルははんだ付け不能である。タンタルを切削加工するのは難しく、特に焼なましをしたタンタルについては難しい。焼きなましをした状態では、タンタルは非常に展延性が高く、簡単に金属板に加工することができる[49]

生産国および生産量

ファイル:World Tantalum Production 2015.svg
2015年時点のタンタル生産国、ルワンダが首位
ファイル:World Tantalum Production 2006.svg
2006年時点のタンタル生産国、オーストラリアが首位

21世紀初頭の時点では、オーストラリアおよびブラジルが主なタンタル生産国であったが、それ以降はタンタル生産の大きな地理的変化が進んでいる。2007年から2014年にかけて、鉱山からのタンタル生産はコンゴ民主共和国ルワンダやその他アフリカ諸国へと大規模に移っている[50]。2017年のタンタル生産国上位は、1位がルワンダで390トン、2位がコンゴ民主共和国で370トン、3位がナイジェリアで190トン、4位がブラジルで100トン、5位が中華人民共和国で95トンの順となっている[51]。将来的なタンタル供給源は、推計されている埋蔵量順に、サウジアラビアエジプトグリーンランド中華人民共和国モザンビークカナダオーストラリアアメリカ合衆国フィンランドブラジルである[52][53]

長らくタンタルの最大生産国であったオーストラリアでは、最大生産者のタリソン・ミネラルズEnglish版西オーストラリア州の南西部のグリーンブッシュおよびピルバラ地区のウドギナという2か所で鉱山を操業している。世界的な金融危機のために、ウドギナ鉱山は2008年末に操業を中止していたが、2011年1月に再開された[54]。再開から1年経たないうちに、タリソン・ミネラルズは「タンタル需要の軟化」とその他の原因を理由として、2012年2月末にタンタル採掘を中断することを発表した[55]。ウドギナではタンタルの鉱物を採掘し、グリーンブッシュにおいてさらに精製が行われてから顧客に売却されている[56]。ニオブの大規模生産国はブラジルカナダであるが、そうした場所で生産される鉱物からも少ないがタンタルが得られる。他に、中華人民共和国エチオピアモザンビークといった場所の鉱山がタンタルの比率の高い鉱物を産出し、世界のタンタル生産量の上位を占めている。また、タイマレーシアスズ生産の副産物としてもタンタルが得られる。砂鉱床English版からの鉱石を重力選鉱する際に、錫石 (SnO2) だけではなく、少ない比率ではあるがタンタル石も含まれてくる。この結果、スズ溶鉱炉から出てくる鉱滓には、経済的に有用な量のタンタルが含まれている[9][57]

タンタルの年間生産量は、1997年から2001年にかけては純タンタル換算で1,478トンから2,257トン程度であった[42]。現状の生産量で考えれば、タンタルの残存埋蔵量は50年以下であると見積もられており、リサイクルの必要性が高まっていることを示している[58]

タンタルはコモディティとして市場で取引される商品ではなく、また金属単体での取引も基本的に行われていない。鉱石の形態で、売り手と買い手の直接交渉により値段が決定されている[59]。タンタルの価格は、30パーセントTa2O5の鉱石ベースにして、1ポンド(約454グラム)あたりの価格が雑誌等で掲載されている。1980年代から1990年代にかけて長らく20 - 30ドル程度で推移していたが、2000年以降はIT需要の拡大により高騰と、IT不況による停滞がたびたびあり、2007年末時点では35ドル程度となっている[44]。その後は高騰し、2011年から2012年にかけては1ポンド当たりに換算して120ドルを超える高値で取引されていた[59]

紛争資源として

タンタルは紛争資源English版(紛争鉱物)の1種であるとされる。コルンブ石とタンタル石の産業上の名称であるコルタンからはニオブとタンタルが抽出されるが[60]中部アフリカでも採掘される鉱石であり、コンゴ民主共和国(かつてのザイール)における第二次コンゴ戦争とタンタルが関わってくる理由となっている。2003年10月23日の国連報告によれば[61]、密輸も含めたコルタンの輸出が、第二次世界大戦以来最悪の死者数記録となる、1998年以降だけで約540万人が死んだコンゴにおける戦争を助長しているとされる[62]。コンゴ盆地の武力紛争地帯においてコルタンのような資源を収奪することに伴う、責任ある企業行動、人権、野生生物の危機といった倫理上の問題が問われるようになっている[63][64][65][66]。しかし、コルタンの採掘はコンゴの地域経済にとっては重要であるが、世界のタンタル供給に占める割合は通常は小さい。アメリカ地質調査所の年鑑は、この地域のタンタル生産量は、2002年から2006年にかけての世界のタンタル生産量の1パーセント未満で、2000年と2008年に10パーセントに達したのが最高であるとしている[57]

「ソリューションズ・フォー・ホープ・タンタルプロジェクト」の目的は、「コンゴ民主共和国から紛争と関係しないタンタルを供給する」ことであるとされている[67]

用途

電気・電子機器

ファイル:Tantal-P1100196c.jpg
各種のタンタル電解コンデンサ、左がリード型、右がチップ型、大きさの比較としてマッチ棒を示す

タンタルの主な用途は、電子機器の製造であり、主にコンデンサ(キャパシタ)や高出力抵抗器などに金属粉末の形態で用いられる。タンタル電解コンデンサEnglish版は、タンタルが表面に保護酸化被膜を形成する性質を利用し、タンタルの粉末をペレット状の形態に焼き固めたものを一方の極板とし、酸化物 (Ta2O5) を誘電体とし、電解液または伝導性のある固体をもう一方の極板としたものである。誘電体の層が非常に薄くなる(同様のアルミニウム電解コンデンサなどに比べてもかなり薄い)ことから、小容量でも大きな静電容量を実現できる。大きさと重量の利点から、携帯電話パーソナルコンピュータ自動車エレクトロニクスEnglish版カメラといった用途に適する[68]

また、表面弾性波フィルター(SAWフィルター)の材料としても用いられる。これは特定の信号波のみを選択的に通すフィルターであり、携帯電話などにおいて決められた送受信周波数以外の周波数成分をカットするために用いられる。電気信号を圧電効果を利用して一旦機械的な振動に変換し、固体表面を伝搬する弾性表面波とした上で、その圧電結晶基盤の上に形成されたパターンの構造により選択的に周波数フィルターを適用し、再び電気信号に変換する仕組みとなっている。このための圧電単結晶としてタンタル酸リチウム (LiTaO3) またはニオブ酸リチウム (LiNbO3) が用いられている[69]

スパッタリングによって薄膜を形成する際に、ターゲット材(薄膜材料)としてタンタル(五酸化タンタル)を用いることがある[70]。これによって高誘電率・高絶縁耐圧の薄膜形成が行われる[71]

かつて白熱電球のフィラメントの製造にタンタルが利用されていたことがある。フィラメントは当初炭素(カーボン)のものが使用されていたが、その性能を向上させるために様々な金属フィラメントの開発が行われ、1902年にドイツジーメンス・ウント・ハルスケの技術者ヴェルナー・フォン・ボルトンDeutsch版がタンタルを利用したフィラメントを開発した。この電球は効率が良く明るく白い光を出すことから好評であった。アメリカのゼネラル・エレクトリックはライセンス生産の権利を買って1910年まで生産しており、ジーメンス自体は1913年まで生産していたが、1904年に発明され1906年に商品化されたタングステンフィラメントを利用した電球がより効率が高く寿命が長かったことから、タンタル電球は時代遅れとなった[72][73][74]

合金

タンタルは、高い融点や強度、展延性などを持つ様々な種類の合金を製造するために用いられる。他の金属と合金とすることで、金属加工用の超硬工具を製作したり、ジェットエンジン部品、化学処理装置、原子炉、ミサイル部品、熱交換器、タンクや容器向けの超合金の生産といった目的で用いられる[75][68][76]。展延性が高いことから、細いワイヤやフィラメントをタンタルから作って、アルミニウムのような金属の蒸着処理に用いられる。

タンタルはほとんどの酸に対して不活性であるが、フッ化水素酸、熱硫酸、熱アルカリ水溶液などはタンタルを腐食する。この性質のため、化学反応を行う容器や腐食性流体の配管などに有用な金属である。塩酸を蒸気で熱するための熱交換材はタンタルで作られる[77]。タンタルは無線送信機の極超短波真空管の製造に広く用いられている。タンタルは、窒化物や酸化物を形成して窒素や酸素を捕獲できるので、グリッドやプレートといった真空管内部の部品に使って、真空管内に必要な高い真空度を維持することができる[31][77]

融点が高く酸化耐性があることから、真空炉English版の部品の生産にタンタルが使われる。タンタルは不活性であることから、サーモウェルEnglish版、バルブ本体、タンタル製締結部品などの腐食耐性のある様々な部品の製造に用いられる。

その他

ファイル:Tantalio.png
カザフスタン銀行発行のバイメタル貨、周辺のリングが銀で、中央がタンタルである

密度の高さから、成型炸薬自己鍛造弾の内張りがタンタルで作られる[78]。タンタルはその高い密度と融点から、成形炸薬弾の装甲貫徹能力を大いに増進する[79][80]

またときには、オーデマ・ピゲウブロモンブランオメガオフィチーネ・パネライといった高級腕時計の製造にも用いられる。

タンタルは体液に耐え、生体に対して不活性で刺激性が少ないため、外科用医療用具や人体埋め込み材(インプラント材)などの製作に広く用いられる。たとえば、タンタルは硬組織に直接接着する能力が高いことから、多孔性のタンタルコーティングが整形外科用の埋め込み物の製作に用いられる[81][82]。タンタルは剛性が高いため、応力遮蔽English版を避けるために、多孔質発泡体や低い剛性の骨格の形態で人工股関節置換術に用いられる[83]。タンタルは非鉄・非磁性の金属であるので、こうしたインプラント材を埋め込まれた患者も核磁気共鳴画像法 (MRI) の検査を受けられるとされている[84]

またタンタル酸化物は、カメラのレンズ用に特別に高い屈折率のガラスを作るために用いられる[85]

環境問題

タンタルは地球科学からの関心に比べて、環境分野ではほとんど関心を持たれていない。上部地殻でのタンタル濃度や地殻あるいは鉱物におけるニオブ/タンタル比率の計測は地球化学的な道具として有用であるため、値が計測されている[86]。2008年時点で最新の上部地殻でのタンタル濃度は0.92 ppmで、ニオブ/タンタル比は12.7である[87]

環境中の様々な場所におけるタンタルの濃度に関する情報はあまりなく、特に自然の海水や淡水に溶けているタンタルの濃度に関する信頼性のあるデータが得られたことはない[88]。海水中に溶けているタンタルの濃度に関する値がいくつか発表されているが、それらには矛盾がある。淡水中の値に関しても海水の測定値に比べいくらかましであるにすぎないが、しかし自然の水中における溶解濃度は現在の分析能力の限界未満であることから、おそらく1リットル当たり1ナノグラムを下回っていると考えられている[89]。分析には予備濃縮法を用いる必要があるが、今のところは一貫性のある結果とならない。そしていずれにせよ、タンタルは自然界の水の中では溶けているというよりはほぼ微粒子の状態で存在しているものと思われる[88]

土壌、河床堆積物、大気エーロゾルなどに含まれる濃度の値はより容易に入手できる[88]。土壌中の濃度はほぼ1 ppmであり、地殻中のタンタル濃度である。これは砕岩質に由来することを示唆している。大気エーロゾルに含まれる値はさまざまであり、また限られている。タンタルの濃縮が観測される場合は、雲の中のエーロゾルの水により溶ける物質が失われたことによるものであろう[90]

人間がタンタルを利用していることに伴う汚染が発見されたことはない[91]。生物地球化学的にはタンタルは非常に変化の少ないものだと思われるが、その循環や反応性についてはいまだ完全に理解されているとは言えない。

人体への危険性

タンタルは生物適合性English版が高く[82]、体内インプラント材やコーティング剤などとして使われるため、注意は他の元素や化合物の物理的性質にむけられる[92]

職場においては、吸入、皮膚への接触、眼球への接触といった形でタンタルに人体が暴露される可能性がある。アメリカの労働安全衛生局English版は、職場におけるタンタル暴露の法的限界(許容暴露限界English版)を1日8時間労働に対して5 mg/m3と設定している。アメリカ国立労働安全衛生研究所English版では、推奨される暴露限度English版として、1日8時間労働に対しては5 mg/m3、短期限界として10 mg/m3を設定している。2,500 mg/m3に達すると、タンタルは生命または健康に対する差し迫った危険English版であるとされる[93]

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関連項目

外部リンク

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