ドアミラー

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ドアミラーとは、自動車部品のひとつで、運転者が後方及び後側方を確認するためのミラーバックミラー。法令では「後写鏡」と定める)のうち、車外前席ドアに装着されるもの(同・「車体外後写鏡」に含まれる)に対する呼称。通常は、左右1対で装着されている。

概要

同じく車体外後写鏡であるフェンダーミラーと比較すると、運転手の視線を必要なときのみ移動させるので運転に集中できる特徴があり、また、車対人の事故の際の突起物による人体への損傷の可能性が少なくなる。反面死角が増大し、巻き込み事故の問題が生じる。特に左ドアミラーを見る際視線を前方よりずらさなければならない。2016年よりミラーの代わりに、カメラモニタリングシステム(CMS)が可能になった。 デジタルミラー、(デジタルアウターミラー)で映像や情報を映し出す。ミラーレス車とも言う。これにより、死角の減少、空気抵抗および風切り音の低減が期待できる。

歴史

ファイル:C32 Nissan Laurel.jpg
世界で初めて電動格納式ドアミラーを標準装備したC32型ローレル(前期型)

自動車が現在のようなボディと一体化したフェンダーの形となったのは第二次世界大戦後であり(ポンツーン#自動車)、フェンダーにミラーがつけられる以前に側方を確認するための装備品は付いていなかったが、1950年代の英国での販売戦略のため一部車両にバイク用のミラーが付けられ始めたのが外部ミラーの始まりとなった。当時輸入、ノックダウン生産されていたオースチンヒルマンなどがフェンダーミラーを日本に輸入したことに始まり、フェンダーミラーはドアミラーに比べて死角が少なく[1]、前方にあることから運転者の移動角度が少ないとされ[1]、日本国内では運輸省(当時)による法令(道路運送車両法第44条(後写鏡等))で、フェンダーミラーしか装着が認められていなかった[1]。当然、フェンダーミラーからドアミラーへの交換も違法であった。そのため流行によりフェンダーミラーからドアミラーへの交換を行う若者が取り締まりに遭うということも少なくなかった。

しかしアメリカ合衆国を始めとする、日本国外の自動車業界から「非関税障壁である」との指摘を受け、1983年昭和58年)3月に規制撤廃となり[1]、それ以降日本国内で製造・販売される自動車へのドアミラーの装着が可能となった。

フェンダーミラーと比べて死角が多いという欠点はあったものの、対人事故時の安全性やデザイン面などの理由から世界的にはドアミラーが主流であり、当時はフェンダーミラーの使用義務は日本のみの規制であったことや、主にデザイン面から規制撤廃後は、ほぼフェンダーミラーからドアミラーへと移行した[1]。最初にドアミラーが装着されたのは、1983年昭和58年)の規制撤廃直後の日産・パルサーエクサであった。

1984年昭和59年)に、日産・ローレルで、ドアミラーが電動で格納するタイプ(電動格納式ドアミラー)が登場し、助手席側のミラーの調整が容易になることや、駐車場などで他人の身体がミラーに接触して、角度がずれるという不便が解消されたため、その後ドイツイギリススウェーデンのみならず、アメリカや韓国を含む世界各国に広く普及した。

当初は高級車や上級乗用車のみだったが、現在では軽自動車商用車などにも装備されるようになった。車種によっては、鏡面のみ電動調整ができるのみのものも存在し、格納は手でワンタッチで行うドアミラーもある。電動格納できるミラーで、手などで無理矢理格納させると、内部の部品を破損させる恐れもあり、注意を要する。またトラックなどの大型車では、駐車後の発進時における安全確保のために、左側ミラーのみ電動格納するタイプが多い。また、2010年代になるとドアロックと連動させ、解錠して乗り込みエンジンを始動させると展開、施錠と同時に収納されるものも登場した。

ドアミラーには、方向指示器が内蔵されることがある(ドアミラーウィンカー)。搭載されていなくても後付けできるランプユニットも存在する。

スポーツカーなどには空気抵抗に気を遣ったものが使われることが多い。エアロミラーなどと呼ばれる流線型をしたアフターパーツも人気だが、可倒式など[2]、歩行者等に傷害を与えるおそれが少ないものとして、基準に適合するものでなければならない[3]

脚注

関連項目

バックミラー
補助確認装置