バイオディーゼル

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バイオディーゼル

バイオディーゼルとは、バイオディーゼルフューエルの略で、生物由来油から作られるディーゼルエンジン燃料の総称であり、バイオマスエネルギーの一つである。諸外国においてバイオディーゼルとして規格化がなされているのは脂肪酸メチルエステルのみであるが、厳密に化学的な定義はない。原料となる油脂からグリセリンエステル交換により取り除き粘度を下げる等の化学処理や改質処理を施し、ディーゼルエンジンに使用できるようにしている。Bio Diesel Fuelの頭文字をとってBDFと略されることもある(BDFは登録商標)。

開発の歴史

ディーゼルエンジンは、元々は落花生油を燃料とし、圧縮熱で燃料に点火するエンジンとして19世紀末に発明されたものであり、バイオディーゼルを燃料として使用することを想定していた[1]。しかし落花生の生産は天候に左右され供給が不安定であったこと、当時ルーマニア油田が発見され軽油重油などの鉱物油が本格的に入手できるようになったことなどから、ディーゼルエンジンの燃料はバイオディーゼルから化石燃料へシフトしていった。

地球温暖化対策として再びバイオディーゼル燃料が注目されている。

原料

菜種油パーム油、オリーブ油ひまわり油、大豆油、コメ油、ヘンプ・オイル大麻油)などの植物油魚油豚脂牛脂などの獣脂及び廃食用油(いわゆる天ぷら油等)など、様々な油脂がバイオディーゼル燃料の原料となりうる。

欧州では菜種油、中国ではオウレンボク等、北米及び中南米では大豆油、東南アジアではアブラヤシココヤシナンヨウアブラギリから得られる油が利用されている。


特徴

化石燃料との違い

ディーゼルエンジンの燃料として通常用いられる化石燃料である軽油に比べて、化学的特徴として次のことが指摘されている[2]

  • ゴム樹脂を膨張・劣化させやすい。
  • 熱の影響により酸やスラッジ(固まり)を発生させ、品質が劣化しやすい。

原料による性状の差異

原料となる油脂はそれぞれ性状が異なるため、バイオディーゼル燃料自体の性状も原料により異なったものとなる。

  • 菜種油、ひまわり油、コメ油:酸化しやすい
  • パーム油、ココナッツ油、牛脂:低温で固まりやすい
  • 魚油:低温でも固まりにくいが、熱でスラッジが発生しやすい

とりわけ廃食用油は様々な油脂が含まれうるものであることから、個々の原料の性状に大きなばらつきがある。それゆえ、廃食用油を原料とする場合は特に、小規模での製造では製品の品質が極めて不安定なものとなることから、品質を安定させるためには一定程度大規模なプラントで製造を行う必要がある。

精製状況による差異

精製方法の違いによっても、完成した製品の性状は異なりうる。例えば、精製が不十分でグリセリンが完全に除去しきれておらず、原料油脂(トリグリセリド)が残留している場合、スラッジ(固まり)が発生してピストンリングを固着させたり、フィルターの目詰まりを発生させることがある[3]。またメタノールの除去が不十分な場合、残留メタノールが金属部材の腐食の原因となる。

不飽和結合を有する有機化合物は、飽和有機化合物よりも化学的に不安定であり、酸素存在下で自動酸化を起こしやすい。酸化劣化の進んだ燃料はタンクを腐食させ、また重合物を生成しフィルタ詰まりを引き起こすことから、バイオディーゼル燃料を精製するにあたっては酸化防止剤を添加し、酸化安定性を向上させることが必要となる(なお、通常の軽油であれば酸化劣化は起こらないと考えられている)。

ディーゼル機関へ不完全な生成油が混入することにより、着火温度の差が発生すると、エンジンの不調や破損の原因になる。

コモンレール方式エンジンとの関係について

排ガス規制に対応するため近年開発が進んでいる、コモンレール方式を採用したディーゼルエンジンと、バイオディーゼル燃料との相性の問題が指摘されている。

ディーゼル自動車からの排ガス規制が厳しくなる中、コモンレールシステムにより燃料噴射圧の高圧化が必要とされているが、燃料の高圧化は同時に断熱圧縮による燃料温度の上昇にもつながる。燃料温度の上昇は酸化劣化を引き起こす大きな要因であり、BDFを使用する上ではこのような高圧、高温環境下において燃料品質の劣化が起こらないよう適切な性状を確保することが非常に重要となる[4]

使用方法

バイオディーゼル100%か、または軽油と一定割合で混合して使用する。低温では粘度が高くなり、特に冬季にバイオディーゼル100%で使用すると、燃料経路内で固まることがある。

後述する揮発油等の品質の確保等に関する法律においては、自動車用燃料として販売することが認められる軽油中のFAME含有量は5.0質量%以下とされている。また、経済産業省農林水産省国土交通省環境省ではBDFに関する調査等を実施しており、軽油と混合しないバイオディーゼル100%での利用については、既存の自動車で利用した際、問題が生じた、又は車両側での対策が必要になった事例が報告されている。こうした例も踏まえ、国土交通省においては、neat(混合)BDF対応車の開発を行っている。[5][6][7]

品質規制について

欧州での規格

欧州ではFAMEについて、欧州規格であるEN14214において、軽油に混合しない状態での性状を規定している。鉱物ディーゼル燃料(軽油)の品質規格(EN590)では、「軽油は脂肪酸メチルエステル5%までブレンドできる。しかし、バイオディーゼルの品質規格はEN14214に基づくこと。」と規定している。 これらの規格は2004年から有効とされている。また、不適合燃料を取り締まる方法等については、各国にて検討することとされている。

日本での規格

日本においては、従前、バイオディーゼル燃料についての規格が存在していなかった。しかしながら、近年これを一般自動車用の燃料として使用する動きがあることから、経済産業省審議会である総合資源エネルギー調査会において、上記欧州規格を参考としつつ規格化が検討されてきた。

この審議会での検討結果を受けて、BDF混合軽油を一般のディーゼル車に用いた場合における必要な燃料性状に係る項目を規定するため、揮発油等の品質の確保等に関する法律施行規則の改正がなされた。(平成19年経済産業省令第3号。改正省令公布日:平成19年1月15日、同施行日:平成19年3月31日)[8]

規制内容

上記品質確保法においては、FAME混合軽油について満たすべき基準が設けられており、軽油販売業者はこの基準を満たさないものを自動車の燃料用として消費者に販売してはならない。(揮発油等の品質の確保等に関する法律第17条の7及び同法施行規則第22条)

軽油生産業者及び輸入業者は、自動車の燃料として販売又は消費しようとするときは、この軽油規格に適合することを確認しなければならない。(同法第17条の8)

なお、品質確保法はあくまで炭化水素油を対象とした規制であるため、炭化水素成分を含まないFAME(含酸素燃料)は同法の規制の対象とはならない。軽油と混合される前のFAMEについては、FAMEやNEATFAME混合軽油を製造するにあたっての品質の目安として、軽油と一定割合(5%)で混合することを前提とした標準化が任意規格によりなされている。また、品質確保法による規制は、石油製品は消費者が見た目で品質の適否を判断することができないために設けられたものであることから、例えば消費者が自ら法に定められた基準以上のバイオディーゼル燃料を軽油に混和したとしても、それは自己責任でなされたものであり、同法による規制の対象とはならない。

税金について

バイオディーゼル燃料を軽油等と混和して販売したり、自動車の使用者自らがバイオディーゼル燃料を購入又は製造して軽油等と混和して使用する場合、軽油引取税の課税対象となる[9]

バイオディーゼル燃料を、現行の日本の税法に抵触することなく非課税で自動車に使用するには、軽油等を混和させずに100%バイオディーゼル燃料でエンジンを作動させる必要がある。この場合、軽油とバイオディーゼル燃料の両方を使用可能な車両では、燃料タンクを分離させ、エンジンへの配管途中で弁による切り替えを可能として、燃料の混合を防止させなければならない。

地球温暖化対策との関連について

気候変動枠組条約に基づき地球温暖化防止のため策定された京都議定書では、生物由来となる燃料については二酸化炭素の排出量が計上されないこととなっている。すなわち、化石燃料を燃焼させることは、それに含まれる炭素を二酸化炭素として大気中に新たに追加させることになるが、バイオディーゼルは原料となる生物が成長過程で光合成により大気中の二酸化炭素を吸収していることから、その生物から作られる燃料を燃焼させても元来大気内に存在した以上の二酸化炭素を発生させることはない(カーボンニュートラル)という考え方である。これによれば、バイオディーゼル燃料は太陽光や風力などと同じく、再生可能エネルギーに位置づけられることとなる。

他方、上述・通商産業省の審議会では、原料として日本が大量に輸入することになるパーム椰子の原産国であるマレーシアインドネシアにおいて、ヤシ畑開発のために森林破壊が進行してしまう(環境破壊を進行させてしまう)懸念が指摘されている[3]

また、ブラジルなどではより収益率の高いバイオ燃料生産のためオレンジ生産などが転換され、それによる果実、穀物の供給不足、高騰が起こり、バイオマスエタノールでの事例と同様に食料を燃料として消費する事に対する疑念、批判も起こっている。

排ガスへの影響について

米国環境保護局(U.S. EPA)の調査によると、軽油中のFAME混合率を高めると、ディーゼルエンジン排ガス中の粒子状物質(PM)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)は減少するが、窒素酸化物(NOx)は増加すると報告されている[10]。 NOxが増加するのは、バイオディーゼルには軽油と比較して多くの酸素が含まれており、燃焼するとき吸気中の窒素とより容易に結合することが原因であると考えられている[11]

一方、環境省の中央環境審議会答申によると、FAMEを使用した場合の排出ガス性能に与える影響について以下のようにとりまとめられている[12]

  • FAMEについてのこれまでの調査により、FAMEを軽油に添加すると、触媒を装着していない場合には、軽油のみを使用した場合に比べ、PM中のSOF(燃料や潤滑油の未燃焼分からなる有機化合物)が増加する。また、NOx、一酸化炭素(CO)がわずかながら増加する場合があり、さらに、未規制のアルデヒド類やベンゼン類も増加する傾向がみられたが、酸化能力の高い触媒を装着することにより、増加していたこれらの排出ガス成分を低減できることが示された。ただし、これまでの調査結果のみでは、FAMEの添加割合に応じたガスへの影響等が定量的に明確にはされていない。
  • このことから、FAMEを軽油の代替として又は軽油に添加して使用する場合には、酸化能力の高い触媒を装着する必要があり、その旨を徹底することが適切である。しかし、現在までの調査結果によると、FAMEの軽油への添加量の上限値等、FAMEに係る燃料許容限度目標値を設定することは困難である。

使用事例

  • 京都市など一部の自治体は、車両改造や定期的なメンテナンスを行うなどの対策を講じた上で、ゴミ収集車や市営バスなどの燃料としてバイオディーゼル燃料を使用している。
  • 2004年から、愛知県東栄町で、町内で発生した廃食用油から作ったバイオディーゼルを、公用車に使用している。
  • 2005年から、千葉県いすみ鉄道で、気動車の燃料に植物油を混ぜて使用する試験が行われている。試験では軽油に5%の植物油を混入して性能試験が行われた。
  • 2007年のダカール・ラリーには、元F1レーサーの片山右京が廃食用油由来の100%バイオディーゼル燃料を使用したトヨタ・ランドクルーザー100で史上初参戦、総合68位で完走した。2008年大会にはトヨタ車体・チームランドクルーザーが廃食用油を混合したバイオディーゼルで参戦を予定していたが、2008年大会は中止になった。2011年は100%バイオディーゼル燃料で参戦する事が発表、見事9000km完走を果たした[13]
  • 2007年夏より3年間、宮城県塩竈市の市営渡船の燃料を軽油からバイオディーゼル燃料に切り替える導入試験を行う予定。農林水産省の補助事業で水産工学研究所が行う。
  • 2008年から、兵庫県の北条鉄道で、バイオディーゼルで気動車を走行させる試験が行われる。
  • 路線バスでの使用例
    • 近江鉄道バス・江若交通がびわこ横断エコバスに使用。
    • 京都市交通局 - 京都市営バス
    • 東京都交通局 - 都営バス
    • 十勝バス自衛隊・稲田線, 北海道拓殖バス一中・療養所線
    • 阪急バス ‐ 2007年12月、大阪府内の遊休農地で栽培された菜種を原料としたバイオディーゼル燃料を、府内4営業所の路線バス96台で10日間使用(混合率5%以下)した[14]。また、2008年12月から豊中病院線で使用される車両1台を100%バイオディーゼル燃料(営業所食堂およびや阪急阪神第一ホテルグループの一部ホテルからの廃油を精製)で運転している[15]
    • 山梨交通 - 国際興業グループのバス会社。グループのホテル等から出る廃食用油から精製し、バスに利用している。
    • 宇部市総合政策部企画課 - 宇部市総合政策部企画課が主体となり宇部市代替バス(コミュニティーバス)の運行を行っており、2008年(平成20年)3月より燃料を食料廃油から生成したバイオディーゼル燃料のみで運行している。定期路線バスの燃料に100%バイオディーゼル燃料を用いるのは全国初の試み[16]
    • サンクスネイチャーバス - 東京都目黒区自由が丘のコミュニティーバスで、1997年から運行開始。VDF(Vegetable Diesel Fuel)という代替燃料を使用している[17][18]
    • かつて日本テレビのテレビ番組、鉄腕DASHのコーナーにおいて、天ぷらの飾りを付けバイオディーゼルを燃料とした自動車を走行させる実験が行われた。

主な製造技術

油脂は粘度が高いなどの特徴を有しており、そのままディーゼル自動車用の燃料として使用した場合、噴射ポンプや噴射ノズルに析出物が付着して不具合が発生することが懸念される。このため、化学処理を施して原料油脂からグリセリンを取り除くことで、油脂を脂肪酸メチルエステル(Fatty Acid Methyl Esterの頭文字をとってFAMEと略される)等の軽油に近い物性に変換したものがディーゼル自動車用燃料として使用されている。

主な製造技術には、下記の方法がある[19]

  • 均相アルカリ法
  • 金属酸化物法
  • 固定化酵素法
  • 超臨界アルコール法
  • イオン交換触媒法
  • 水素化分解

均相アルカリ法

均相アルカリ法は[20]アルカリ溶液法とも呼ばれ[21]比較的小型な装置でも製造を行うことができることから、一定の化学の知識があれば個人や小規模な団体でもバイオディーゼル燃料を製造することは可能である。ただし、後述のとおり、製品の品質を安定させるためにはある程度の規模を確保する必要がある。

具体的には、

  1. 低品位の油脂原料には水分や遊離脂肪酸(FFA)が含まれているため、事前に除去[20]
  2. 油脂にメタノールとKOHやNaOHなどの触媒を加えてエステル交換反応を起こす。
  3. 酸を加えて中和させたうえで、脂肪酸メチルエステルとグリセリンに分離させる。
  4. 分離した脂肪酸メチルエステルを水洗処理して触媒を取り除く。
  5. 蒸留処理をすることでメタノールを除去。

グリセリンの処理について

メチルエステル化によって、副産物として原料油脂の10%程度のグリセリンが生成される[22]。通常、このグリセリンには触媒や未変換の脂肪酸などが混入しており、有効な用途がないとされる。また、酵素法や超臨界法などにより純度の高いグリセリンを得ることはできるが、現在の日本では供給過剰状態にあること、小規模分散型の変換設備では十分な量が得ることができないことなどから、グリセリンの売却や処分が非常に困難な状況にある。このためグリセリンのメタン発酵による資源化の研究が行われている[22]

イオン交換触媒

グリセリンが精製されない方式として、イオン交換樹脂触媒を用いる方法がある[23][21]。この方式は種子島で実証実験も行われている[21]

水素化分解

原料油脂をメチルエステル化してグリセリンを除去し脂肪酸メチルエステル(FAME)を精製する既存の技術とは異なり、原料植物を問わず獣脂も含めた広範な原料油脂を石油精製の水素化処理技術を応用して分解し、合わせて雑物を除去して作る水素化処理油(Bio Hydrofined Diesel、略称:BHD)が、新日本石油株式会社とトヨタ自動車株式会社により研究開発されている。

この技術によれば、油脂を原料としつつ、既存の石油由来の燃料と何ら遜色のない、一般の軽油の規格に適合した燃料を精製することが可能であるとされる。BHDは油脂に水素を化合させる過程で不純物が除去される。また、酸化による劣化がしにくく、化学合成軽油(GTL)と同等品であるとされる[24][25]

これまでに、減圧軽油留分とパーム油を混合して水素化分解処理を行い、パーム油の水素化分解による軽油留分の収率の向上や、既存の石油精製で得られている軽油に近い性状の軽油留分が得られることが確認されている[26]

このBHDを路線バスの営業運行で使用する実証実験が2007年10月から2008年3月まで都営バス渋谷営業所の一部車両で行われる[27]

水素化分解の長所

  • 燃料物性が良い
  • 触媒毒や重すぎる留分を除いて、ほぼ何でも原料に掛けられる。(グリセリンも収益性は悪いが一応処理可能)
  • FRP類を植物油で分解して得られた重油類似油も減圧蒸留装置に投入可能[28]
  • (下記の欠点の裏返しとして)石油が手に入らない場合、植物油を水素化分解装置に掛ければLPGナフサガソリン灯油・軽油が製造可能。

水素化分解の問題点

  • 水素化分解(HydroCracking)・オゾン分解何れにせよ、飽和脂肪酸不飽和脂肪酸の鎖が狙った長さに切れるわけではないのでガソリン・ナフサに近い留分やLPG類似物まで出てしまい、灯油・軽油だけが採れるわけではない。そういった意味ではバイオデイーゼル製造法というより輸送燃料・化学原料製造法に近い。但し、石油価格上昇時のエチレンの原料が得られる可能性はある。
    • 狙った分子量に低分子化するのが困難である例:NEDOは比較的簡単な装置でできる常温オゾン分解を試したが飽和脂肪酸パルミチン酸パーム油が固まる原因)は低分子化できず、不飽和脂肪酸は分解され低分子化して引火点は25度に低下。(ワックスと揮発油の混合体のようになってしまった。)[29]
    • 分留すれば問題はないが、ディーゼル燃料だけが取れるわけではない。
  • 水素の低コストでの供給が必要:在来法では、常圧蒸留や分解で出てきたLPGやLNGを水蒸気改質して水素ガスを作っているので、化石燃料削減になっていない。

水素を用いない接触分解

設備が大掛かりになりがちな水素化分解ではなく、触媒と比較的低温の温度で油脂を接触分解させて改質する技術が、研究されている[30]

脚注

  1. ディーゼルエンジンの発明者であるルドルフ・ディーゼル1900年にピーナッツ油で運転するディーゼルエンジンを発表している。燃料については当時から、エステル化によりグリセリンを除去する技術が一定程度確立していた。
  2. 「バイオディーゼル燃料混合軽油の規格案について(案)」総合資源エネルギー調査会石油分科会石油部会燃料政策小委員会(第21回)配付資料4-1 (PDF)
  3. 廃食用油再生処理業者が不適切な性状のバイオディーゼル燃料油を納入していたことが原因で、船舶において航行途中にエンジントラブルが発生し航行不能となった海難事故として平成17年神審第74号平成18年3月28日裁決言渡「研修船うみのこ運航阻害事件」(海難審判庁HP)を参照のこと。
  4. 独立行政法人産業技術総合研究所「平成17年度研成果報告書 バイオディーゼル燃料の標準化及び高品質化技術開発」
  5. [1]]
  6. 国土交通省HP「バイオマス燃料対応自動車開発促進事業の開始について(平成16年6月28日)」
  7. 国土交通省自動車交通局技術安全部環境課長・整備課長「廃食用油燃料の使用に関する注意喚起について(平成16年11月26日)」(社団法人岡山県自動車整備振興会HPより)
  8. 資源エネルギー庁HP「揮発油等の品質の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令について(平成19年1月15日)」
  9. 地方税法(軽油引取税)違反事件の告発について(平成19年2月28日千葉県総務部税務課)” (2009年2月28日). 2009年6月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2009閲覧.千葉県知事の承認を受けずに軽油に灯油を混和し、これに植物油(パーム油)等をも混和するなどして炭化水素油を製造していた、石油製品販売会社及び同法人代表者外1名が千葉県により告発された。
  10. 日本自動車工業会燃料潤滑油部会資料「日本のバイオディーゼル規格(2006年10月20日)」の16ページグラフを参照のこと。なお、当該グラフの出典はU.S. Environmental Protection Agency(米国環境保護局). A Comprehensive Analysis of Biodiesel Impact on Exhaust Emissions. Oct. 2002. Assessment and Standards Division of the Office of Transportation and Air Quality. Apr. 2 2006.である。
  11. Diana Connett. Fueling Change:A Feasibility Study of Converting the CTA to B100 Biodiesel May 23, 2006. Environmental Studies Program. University of Chicagoを参照のこと。
  12. 中央環境審議会大気環境部会「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(2005年4月8日)」(第八次答申)
  13. http://www.toyota-body.co.jp/ps/qn/usr/db/d_file5-0001-0252.pdf
  14. 遊休農地を活用したバイオディーゼル燃料(BDF)利用バスが発進!(第2報)(2009年6月30日時点のアーカイブ
  15. 環境への取り組み 阪急バス
  16. 全国初、100%バイオディーゼル燃料の市代替バス - 宇部日報2008年3月6日付
  17. 概要”. サンクスネイチャーバス. . 2013閲覧.
  18. 天ぷら油で車が走る”. 有限会社染谷商店(VDFの開発元). . 2013閲覧.
  19. イオン交換樹脂を固体触媒とした新規なバイオディーゼル燃料製造技術の開発に 世界で初めて成功 2005/10/12 (PDF) 東北大学
  20. 20.0 20.1 倉持秀敏、崔基仁、大迫政浩 ほか、トラップグリースモデルからの新規バイオディーゼル燃料製造技術に関する基礎的検討 廃棄物学会 第18回廃棄物学会研究発表会 セッションID:B8-9, doi:10.14912/jswmepac.18.0.175.0
  21. 21.0 21.1 21.2 北川尚美、廃食油を原料とする高品質バイオディーゼル燃料の製造 (PDF) 自然と共生するスマートエコアイランド種子島シンポジウム (2016.3.6)s
  22. 22.0 22.1 中村一夫、来住宜剛、池上詢、バイオディーゼル製造設備から排出されるグリセリン廃液のメタン発酵への適用の研究 廃棄物学会論文誌 Vol.19 (2008) No.1 P9-16, doi:10.3985/jswme.19.9
  23. 栗林誉、本田浩紀、北川尚美 ほかバイオディーゼル燃料生産におけるイオン交換樹脂触媒の安定性 化学工学会第37回秋季大会 セッションID: N301, doi:10.11491/scej.2005f.0.405.0
  24. 東京都環境局・東京都交通局・新日本石油株式会社・トヨタ自動車株式会社・日野自動車株式会社「第二世代バイオディーゼル燃料実用化共同プロジェクトの実施について(2007年2月6日)」
  25. BTL=BHDの他油との物性値比較
  26. 環境省エコ燃料利用推進会議「輸送用エコ燃料の普及拡大について(2006年5月)」2-16ページを参照のこと。
  27. 東京都交通局「最新型ハイブリッドバスに第二世代バイオディーゼル燃料を使用したデモ走行を開始」(2007年9月21日)
  28. [2]神奈川県産業技術センター
  29. NEDOのオゾン分解研究。
  30. 特開2015-67710「重質油軽質化装置」

関連項目