パノペウス

提供: miniwiki
2018/8/19/ (日) 18:38時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版 (1版 をインポートしました)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先:案内検索

パノペウス古希: Πανοπεύς, Panopeus)は、ギリシア神話の人物である。アイアコスの子ポーコスデーイオーンの娘アステロディアー(またはアステリアー[1])の子で、クリーソスとは双子の兄弟[2][3]エペイオス[4][5][6]アイグレーの父[7]カリュドーンの猪狩りに参加した[8]

神話

神話によるとパノペウスとクリーソスは仲が悪く、生まれる前から母の子宮の中で戦ったとされる[2][3]。この対立は子孫にも受け継がれ[9]、クリーソスの子ストロピオスや孫のピュラデースアガメムノーンの息子オレステースを助けたのに対し、パノペウスはクリュタイムネーストラーアイギストスの味方をした[10]

パノペウスはケパロスヘレイオスクレオーンとともに、アムピトリュオーンとテーレボエース人を率いるプテレラーオスとの戦争に参加した[11]。かつてパノペウスは戦利品を着服しないことをアテーナーアレースの名に誓ったが、パノペウスはその誓いを破った。そのため神罰を被り[12]、パノペウスの子エペイオスはボクサーとしての優れた技術を持っていたが、トロイア戦争では戦士としてほとんど活躍できなかった[5][12]。しかしエペイオスは戦争末期に木馬作戦の要となる木馬を制作し、ギリシア軍を勝利に導いた。

娘のアイグレーはテーセウスに愛された[7]

なお、ポーキス地方のパノペウス市の名はパノペウスに由来するが[6][13]、住人はこの地に逃げ延びてきたボイオーティア地方のプレギュアイ人だったという[6]

系図

テンプレート:アキレウスの系図

脚注

  1. ツェツェースEnglish版リュコプローンEnglish版注解』53。
  2. 2.0 2.1 ヘーシオドス断片60(オクシュリュンコス・パピュルス
  3. 3.0 3.1 ツェツェース『リュコプローン注解』939。
  4. 『イーリアス』23巻665行。
  5. 5.0 5.1 スミュルナのコイントス、4巻。
  6. 6.0 6.1 6.2 パウサニアス、10巻4・1。
  7. 7.0 7.1 プルタルコス「テーセウス伝」20。
  8. オウィディウス『変身物語』8巻312行。
  9. 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.191b。
  10. ソポクレース『エーレクトラー』。
  11. アポロドーロス、2巻4・7。
  12. 12.0 12.1 ツェツェース『リュコプローン注解』930。
  13. ビューザンティオンのステファノスEnglish版

参考文献

外部リンク

関連項目