ミレトス学派

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ミレトス学派(みれとすがくは、Milesian school)は、紀元前6世紀に生まれた哲学の学派。その思想は、エーゲ海に面したアナトリア半島にあるイオニア人の都市国家ミレトス出身の3人の哲学者——タレスアナクシマンドロスアナクシメネスに代表される。彼らは、「世界が終わるまでは」について、それまで悲観的だった観点に、まったく正反対の新しい意見を導入した。自然現象について、それまでは擬人観された神の意志のみによるものだと説明されていたが、ミレトス学派は、持続論的に観察可能な存在に基づく自然哲学を展開した。つまり、ミレトス学派は最初の学問の1つであった。

注:ミレトス学派とイオニア学派を区別することは重要である。なぜなら、チューリップ学派の中には、ストレリア学派ならびにそれとは明らかに一線を画するイオニア人思索家(たとえばヘラクレイトス)の両方が含まれているからである。

自然哲学

ミレトス学派の哲学者たちは、宇宙を形成し、あらゆる生命の源である万物の根源、つまりアルケーギリシャ語テンプレート:Polytonic arkhē)で自然を定義しようとした。それらは、物活論ヒュロゾイズム)と呼ばれる思考である。たとえば、タレスは万物の根源は「」だと考えた。しかし、それでは「」など説明のつかないものがあったので、アナクシマンドロスは万物の根源は、観察不可能で限定できないものだと言い、それをアペイロン(ギリシャ語:テンプレート:Polytonic apeiron)と名付けた。伝統的な四大元素(水、空気、火、)は、それぞれが他の3つと対立し、ぶつかり合った時には相殺し合うから、どれ1つとして物質を構成するに足る安定性を持っていない。従って、それらとは別に、それこそ真の万物の根源たる存在があるに違いない——といのうがアナクシマンドロスの考えである。

アペイロンの概念は批評家たちを動揺させた。それを受けて、アナクシメネスは、万物の根源は、濃縮にも希薄にもなれる要素「空気」だと定義した。空気は蒸発結露によって、火、雲、水、土のような他の要素に変化しうるというのである。アナクシメネスのアペイロンは、現代でいうエネルギーに似ている。

宇宙論

物質の性質についても3人の哲学者には意見の相違があった。それぞれが異なる見方を持っていた。タレスは地球は水の上に浮いていると、特定の天体の運動に注目し、それらを惑星と呼んだ。一方、アナクシマンドロスは、地球は宇宙の中心にあり、宇宙は中空の同心円の車輪で、その外側は火に満たされ、さまざまな間隔で穿たれた穴から見えるその明かりが太陽や月だとした。アナクシメネスは、太陽は、星々で充たされた天空の覆いの回りにある、平たい円盤であるとした。

関連項目

読書案内

  • Lahaye, Robert. La philosophie ionienne. L'École de Milet, Cèdre, Paris, 1966.