ユーマ語族
ユーマ語族 ユーマ=コチミ語族
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話される地域: | カリフォルニア州、アリゾナ州、ソノラ州、バハ・カリフォルニア州 |
言語系統: | ホカ大語族? ユーマ語族 |
下位言語: |
クミアイ語、ココパ語、パイ語、パイパイ語、モハベ語、マリコパ語、ケチャン語
キリワ語
コチミ語
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ユーマ語族の分布 |
ユーマ語族(Yuman languages)は、メキシコのバハ・カリフォルニア半島とソノラ州、およびアメリカ合衆国のカリフォルニア州、アリゾナ州に分布する諸言語からなる語族。大部分の言語は危機に瀕した言語になっている。
コチミ語を別な語族として分ける説があり、コチミ語を含むことを明確に示すためにコチミ=ユーマ語族とも呼ばれる[1]。
Contents
構成言語
ユーマ語族は8ないし10ほど(数えかたによる)の言語に分けられる[2]。「人々」を意味するpaiで終わる名前が多い。ゴダードによるとコチミ=ユーマ語族は以下のように分類される[3]。
- コチミ=ユーマ
- ユーマ
- パイ
- パイパイ
- 高地(ハヴァスパイ、ワラパイ、ヤヴァパイ)
- コロラド川
- モハベ
- ケチャン
- マリコパ(Halchidhoma, Kavelchadom, Maricopa)
- デルタ=カリフォルニア
- ディエゲーニョ
- イーパイ(北部ディエゲーニョ)
- クミアイ(南部ディエゲーニョ)
- ティーパイ(メキシコ・ディエゲーニョ)
- ココパ
- ディエゲーニョ
- キリワ
- パイ
- コチミ
- ユーマ
高地ユーマ語
高地ユーマ語(パイ語)はアリゾナ州西部の高原で話される言語。民族的にはハヴァスパイ、ワラパイ、ヤヴァパイなどに区分されているが、この区分は方言の差とは必ずしも一致しない[4]。
パイパイ語
パイパイ語はバハ・カリフォルニア州北部で話される言語(クミアイ語地域の南)。言語的に高地ユーマ語と近いが、地理的には遠く離れている。
モハベ語
モハベ語はコロラド川沿岸(アリゾナ州、カリフォルニア州)で話される言語[5]。
マリコパ語
マリコパ語の話者は本来モハベ族の南・ケチャン族の北のコロラド川沿岸に住んでいたが、後に他の部族に逐われて東のヒラ川沿岸に移住した。現在はアリゾナ州フェニックス近郊のインディアン居留地に住む[6]。
ケチャン語
ケチャン語(ユーマ語とも)はコロラド川とヒラ川の合流地点一帯(アリゾナ州、カリフォルニア州)で話される言語[7]。「ケチャン」とは(神聖な山から地上に)降りてきた人々を意味するという[8]。
ココパ語
ココパ語はコロラド川下流のデルタ地帯(アリゾナ州、ソノラ州、バハ・カリフォルニア州)で話される言語。
ディエゲーニョ語
ディエゲーニョ語は、イーパイ=ティーパイ語とも呼び、カリフォルニア州サンディエゴ郡・インペリアル郡およびバハ・カリフォルニア州北西部に分布する。北から南に三種類に下位区分される[9]。
- イーパイ語、北部ディエゲーニョ語
- ティーパイ語(アメリカ)、クミアイ語、南部ディエゲーニョ語
- ティーパイ語(メキシコ)、ティーパイ語、メキシコ・ディエゲーニョ語
キリワ語
キリワ語はバハ・カリフォルニア半島北部で話される言語。コチミ語を別にするとユーマ語族の言語としては最南端に分布し、他の言語と大きく異なる[10]。
コチミ語
コチミ語はバハ・カリフォルニア半島中央部でかつて話されていた言語。現在は死語になっており、充分なデータがない[11]。
他のユーマ語族の言語とは大きく異なっており、独立した別の語族とされることもある[12]。
なお、上記のメキシコ・ディエゲーニョ語もコチミ語と呼ばれることがあるが、ここでいうコチミ語とは別の言語である。
他の言語との関係
ユーマ語族は仮説的なホカ大語族に所属する可能性がある。
脚注
- ↑ Goddard (1996) p.323
- ↑ Goddard (1996) p.86
- ↑ Goddard (1996) p.6
- ↑ Kendall (1983) p.5
- ↑ Mojave, Survey of California and Other Indian Languages
- ↑ Maricopa, Survey of California and Other Indian Languages
- ↑ Quechan, Survey of California and Other Indian Languages
- ↑ Quechan Indian Fact Sheet
- ↑ Langdon (1970) p.7
- ↑ Goddard (1996) p.86
- ↑ Kendall (1983) p.5
- ↑ Mithun (1999) p.303
参考文献
- (1996) in Goddard, Ives: Handbook of North American Indians: Languages. Smithonian Institution, 290-323. ISBN 0160487749.
- Kendall, Martha B (1983). “Yuman Languages”, in Alfonso Ortiz: Handbook of North American Indians: Southwest. Smithonian Institution, 4-12.
- Langdon, Margaret. A Grammar of Diegueño: The Mesa Grande Dialect. Ph.D dissertation, Department of Linguistics, UC Berkeley.
- Mithun, Marianne (1999). The Languages of Native North America. Cambridge University Press. ISBN 0521232287.