ラガールカード

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ファイル:ラガールカード磁気面の変遷.jpg
磁気面の変遷
左から1992年・1995年・2006年発行分

ラガールカードは、阪急電鉄阪神電気鉄道が発売していたプリペイドカード。カード名はフランス語la gare(駅)に由来する。

本項目では、ラガールカードの後継として阪急電鉄・阪神電気鉄道・能勢電鉄ならびに北大阪急行電鉄の4社が共通発行する「阪急 阪神 能勢 北急レールウェイカード」についても記す。

発売当初からスルッとKANSAI開始まで

  • 1989年に、阪急電鉄の自動改札に直接投入できるストアードフェアシステム対応カードとして発売を開始した。しかし、当初は自動改札が未対応だったため、自動券売機での乗車券の購入や自動精算機での精算に利用できるのみで、肝心のストアードフェアカードとしては利用できなかった。
  • 1992年4月1日、自動改札機での利用が阪急全駅で一斉に開始(ラガールスルー)。日本の私鉄初の自動改札対応カードとなった。
  • カード磁気面は破壊感熱式と呼ばれる方式で、光沢の強い銀色であった。券売機発行の場合、カードによっては磁気面に赤・橙・ベージュ・緑・青・紫などの色がついているものもあり、管区によって色が決まっていた。発売駅・金額・駅名等が印刷発行され、21回分の印字スペースがある。
  • 1994年4月1日、能勢電鉄が「パストラルスルー」として同じシステムを採用。同社のパストラルカードと共通利用が可能となった。
  • 1994年に発売開始した京浜急行電鉄の(初代)ルトランカードは関東の鉄道事業者で唯一ラガールカードのシステムを参考としており、入場時に初乗り運賃が引かれないシステムであった(他社局はJR東日本のイオカードのシステムを元にしており、入場時に初乗り運賃が引かれていた)。ちなみに、ルトランカードの名称もフランス語(le train)由来である。

スルッとKANSAI開始以降

  • このシステムによるラガールスルー・パストラルスルーでの成果を元に、阪神電気鉄道大阪市交通局北大阪急行電鉄を加えた5社局で1996年3月20日に「スルッとKANSAI」が開始された。
  • スルッとKANSAIでは残額が初乗り運賃未満となったカードでも入場できるようになっており、スルッとKANSAI開始に合わせてラガールカードも残額が初乗り運賃未満で入場できるようになった。
  • システムが一部修正されたため、スルッとKANSAI開始前に発売されたラガールカードとパストラルカード("S""F"を組み合わせた楕円形のマーク、もしくは「スルッとKANSAI」ロゴのないもの)は、スルッとKANSAI開始後にはそのまま使用することはできない。これらのカードは、スルッとKANSAI導入後数年間は、阪急あるいは能勢電で一度利用すると、その際に磁気データの書換えが行われて他社局でも使えるようになっていたが、2006年現在この取扱いは終了しており窓口での交換となっている。
  • スルッとKANSAI開始直後のラガールカードの磁気面は開始前同様、光沢の強い銀色であったが、のちにテレホンカードや他社の一般的な磁気乗車カードと同様の灰色の磁気面(感熱発色式)となり、磁気面右下に偽造防止のための23個のかすかな突起が入るようになった。
  • 1999年10月1日神戸高速鉄道へのスルッとKANSAI導入に伴い、花隈 - 高速長田間各駅及び西元町駅にてラガールカードの発売を開始。
  • スルッとKANSAIカードの偽造発覚後に発売されているラガールカードには、表面の上下端に券面金額・Lagareロゴ、投入矢印の印字面上、余白面の一部にスルッとKANSAIロゴのパールインク処理が施されている。
  • 2010年10月1日、神戸高速鉄道・西元町 - 高速長田間各駅の駅運営管理が阪神電気鉄道へ移管された(同時に花隈駅の駅運営管理が阪急電鉄へ移管)が、その後も引き続きこれらの駅でもラガールカードを発売している。

発売終了とレールウェイカードへの移行

ファイル:Hankyu-hanshin-Railway-card.jpg
阪急阪神能勢北急レールウェイカード

ラガールカードを含むスルッとKANSAI対応共通磁気カードが、加盟全社局において2017年3月31日限りで発売終了、2018年1月31日限りで自動改札機等での取扱終了となることに伴い、ラガールカードも2017年3月31日限りで発売を終了した。

これに代わり、阪急電鉄・阪神電気鉄道・能勢電鉄・北大阪急行電鉄の4社では、2017年4月1日より「阪急 阪神 能勢 北急レールウェイカード」を発売する[1]

上記4社では(神戸高速線を含む)、2018年2月1日以降も「レールウェイカード」のほかに、それまで発売されたラガールカード(らくやんカード、パストラルカード、レジオンカード、モノカード[2]を含む)も引き続き4社の自動改札機で使用できる[3]。上記以外の各社局でのラガールカードの自動改札機等での取扱いは、2018年1月31日限りで終了した。

2018年2月1日以降、利用予定のないラガールカード所持者に対し未使用残額の払い戻しを2023年1月31日までの予定で行っている。

ICOCAの販売開始とレールウェイカードの販売終了

2018年3月29日、阪急電鉄・阪神電気鉄道・能勢電鉄・北大阪急行電鉄の4社は、2019年春をめどにJR西日本が主導するプリペイド式IC乗車カード「ICOCA」の自社での発売を発表する[4]とともに、ICOCA導入時にレールウェイカードの販売を終了し、2019年秋をめどにをレールウェイカード・ラガールカードなど磁気式乗車カードの自動改札機での取り扱いを終了することを発表した[5]。これにより、レールウェイカードはわずか2年ほどで発売終了となる。

参考

「ラガール」は阪急阪神ホールディングス(第4192872号、第4752977号、第4752978号)と阪急電鉄(第5233761号)の登録商標となっており、阪急系列のブランドネームとして使われ続けている。例えば、阪急の駅売店は「ラガールショップ」という屋号で営業していた。[6]

脚注

  1. スルッとKANSAI対応共通磁気カードの発売終了に伴い阪急電鉄・阪神電気鉄道・能勢電鉄・北大阪急行電鉄4社共通の磁気カード「阪急 阪神 能勢 北急レールウェイカード」を2017年4月1日より発売します (PDF) - 阪急阪神ホールディングス、2016年12月27日
  2. 大阪モノレールは2018年2月1日以降利用できなくなるが、モノカードの発行元が阪急電鉄となっている関係。
  3. “阪急電鉄・阪神電気鉄道・能勢電鉄・北大阪急行電鉄の4社におけるスルッとKANSAI対応カードの取扱いについて” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 阪急電鉄, (2016年7月1日), オリジナル2016年7月2日時点によるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20160702010448/http://www.hankyu.co.jp/files/upload/pdf/160701card.pdf . 2016年7月2日閲覧. 
  4. “阪急、阪神、能勢、北急におけるICOCAおよびICOCA定期券の発売について” (プレスリリース), 西日本旅客鉄道・阪急電鉄・阪神電気鉄道・能勢電鉄・北大阪急行電鉄, (2018年3月29日), http://www.hankyu-hanshin.co.jp/file_sys/news/5840.pdf . 2018閲覧. 
  5. “「阪急 阪神 能勢 北急レールウェイカード」の取扱について” (プレスリリース), 阪急電鉄・阪神電気鉄道・能勢電鉄・北大阪急行電鉄, (2018年3月29日), http://www.hankyu-hanshin.co.jp/file_sys/news/5841.pdf . 2018閲覧. 
  6. 阪神電気鉄道の「アイビーショップ」、北大阪急行電鉄の「ステーションショップ」と合わせて「asnas exp-b(アズナスエクスプレス・ビー)」への転換が進められている。

関連項目