ルテチウム

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ルテチウム (: lutetium, lutecium) は原子番号71の元素元素記号Lu希土類元素の一つ(ランタノイドにも属す)。ランタノイドの元素としては最も重い。4f軌道は全て占有されている。銀白色の金属で、常温、常圧で安定な結晶構造は六方最密充填構造 (HCP)。比重は9.84、融点は1652 °C沸点は3327 °C(融点、沸点とも異なる実験値あり)。

水にゆっくりと反応して溶け、に易溶。常温で空気中に置かれると表面が曇る。高温で酸化物 Lu2O3 となる。ハロゲンと簡単に反応する。化学的性質はイットリウムに似る。原子価は、+3価が唯一安定である。

用途

ルテチウムの地殻内の天然存在比はと比べるとずっと多いが、プロメチウムを除くランタノイド中では最も少ない。酸化ルテチウムを添加することにより、これまでのセラミックスの耐熱性を高める研究や、ベータ線を利用した放射線治療への応用などの研究もなされているが、現在のところ実用段階にはいたっていない。

歴史

カール・ヴェルスバッハが1905年にスペクトル分析で Yb2O3 内に新元素を発見。2年後に単体分離。また、ジョルジュ・ユルバンが同年に単体分離。パリの古名ルテティア (lutetia) にちなんでユルバンが命名した。但し、ヴェルスバッハはカシオペイウム (cassiopeium) と名付けている。

同位体

ルテチウムは天然に2つの同位体が存在する(ルテチウム175、ルテチウム176)。ルテチウム176は半減期378億年の放射性同位元素であり、その半減期の長さから、数億〜数十億年単位の古い年代測定を必要とする地球惑星科学分野で利用され始めている。

出典


テンプレート:ルテチウムの化合物