丼物

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丼物(どんぶりもの)とは、ご飯おかずを一つの丼鉢に盛った日本の料理形式の一つである。

歴史

日本食の中ではそれほど古い歴史を持つ食事形式ではない。室町時代に「芳飯」という料理が流行したことはあるが、鰻丼の原型となる鰻飯が登場するのは19世紀初めの文化年間(1804~1818年)になってからで、天丼や、のちに深川丼とも呼ばれるようになる深川飯の誕生は江戸時代末期以降といわれている。

明治初期には他に牛丼開化丼、19世紀の末頃には親子丼が提供されるようになり、大正時代1913年にはカツ丼が紹介された。このように丼物の様式は徐々に広がり受容され、様々な料理が丼飯として食べられるようになっていった。現在では帝国ホテルホテルセンチュリーハイアットといった一流ホテルのレストランにおいても気取らない創作丼が提供されるなど、丼物の在り方も広がりを見せている[1]

食べ方

古来、日本の上流階級の食事は、主食であるご飯とおかずが別々に配膳され、それを一箸ごとに口に運ぶという様式を基本としていた。今でも主食におかずを乗せることを忌避する人も残るほどである。

しかし、江戸の町人文化が開花するとともに、短気で飾らない職人たちの食文化は広がりを見せる。人々はぶっかけ蕎麦(のちのかけそば)を常食とし、その他のおかずも飯の上にぶっかけた。各種大衆料理本などの著者である遠藤哲夫は、『ぶっかけめしの悦楽』『汁かけめし快食學』でそれらを解説している。また、1983年の「実践講座 台所の美味学」には「カツ丼も、親子丼も、天丼も芳飯―汁かけめし、の系譜につながる」と記述されている。NHK出版『「うつわ」を食らう』の著者で民俗学者の神崎宣武も、熊谷真菜の『ふりかけ』で「中世から近世に入るまで、一汁一菜形式の食事の前は、ぶっかけ飯が主流、と想定してよいでしょう。日本食の原形として、ぶっかけ飯は見逃せないということです」と述べている。

このようにおかずをご飯の上にたっぷりとかけた丼物は、今でも時間がかからず気取らない食事として好まれ、階級を越えた代表的な和食として海外にも紹介されるに至っている。

なお丼物の蓋は、出前か否か、また料理によって使用するかしないかは様々である。天丼やカツ丼などでカリカリとした衣の歯応えを残したい場合は蓋をしないが、蓋をすることで蒸されて柔らかくなった状態を完成形とする老舗の天ぷら店もある。また蓋の中にまで具材を詰め込み、こんもりとした山盛り状態を形成する丼料理を提供する店も存在する。

丼物各種

木の葉丼衣笠丼きつね丼むじな丼他人丼、かしわ丼、玉子丼、月見丼、花巻丼、開化丼、ばくだん丼、美咲丼、東丼カレー丼

これらの他、丼を用いない皿盛り料理を丼ものに含める場合もある。 (例:天津飯かつめしロコモコタコライスなど)

「丼物」が「ご飯の上に食材や料理を乗っける調理法」と広く認識されることで、ねばねば丼(オクラヤマノイモ長芋納豆を乗せた丼)、カルビ丼(カルビを乗せた丼)など、「~丼」として数多くの丼物が創作され受け入れられている。原理的に丼物に出来ない料理はないが、作り方によっては特定の名称で呼ばれる丼物もある。

日本国外に由来する丼物風料理

丼物を題材とした作品

脚注

  1. プレジデント社「dancyu」1993年11月号 オールスター丼大会 p57

関連項目