全国労働組合総連合

提供: miniwiki
2018/8/9/ (木) 00:27時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版 (1版 をインポートしました)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先:案内検索
全国労働組合総連合
(全労連)
National Confederation of Trade Unions(Zenroren)
200px
平和と労働センター・全労連会館
全労連は3階と4階に入居する(3階は会議室)
組織形態 ナショナルセンター
組織代表者 小田川義和(議長)
橋口紀塩(事務局長代行)
加盟団体数 21単産
47地方組織
組合員数 55万人[1]
国籍 日本の旗 日本
本部所在地 113-8462
東京都文京区湯島2丁目4-4
加盟組織 なし
支持政党 なし
公式サイト 全労連

全国労働組合総連合(ぜんこくろうどうくみあいそうれんごう、略称:全労連(ぜんろうれん)、英語: National Confederation of Trade Unions、略称:Zenroren)は、日本労働組合の全国中央組織(ナショナルセンター)である[2]。国際労働組合組織には加盟していない。

概要

行動綱領「希望に輝く未来のために」で、労使協調路線による選別排除の労働戦線再編に反対する労組により結成された「働くものの利益をまもってたたかう労働組合の全国中央組織」であることを掲げている。連合は産別産業別全国組合(単産)のみを加盟単位として認めているのに対し、全労連は単産に加え都道府県別組合(地方組織)も加盟単位と位置づけている。この点について、行動綱領は「産業別のたたかいと地域のたたかいを結合して全国的な運動を展開」するための組織構成と説明している。

加盟組織の過半は、日本自治体労働組合総連合(自治労連)、全日本教職員組合(全教)、日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)などの公務員組合で占められており、大手民間企業、特に基幹産業の多数派組合は加盟していない。そのため、毎年春闘などの賃上げ相場形成に影響力を発揮できないまま、今日に至っている。

最高議決機関は大会で、会費納入人員にもとづいて各加盟組合から選出された代議員により構成される。定期大会は2年に1度開催され、最近では2014年7月に第27回定期大会が開催された。中央機関には青年部、女性部、非正規センターなどの専門部会をおき、階層別の意見を反映させるため、大会で発言権をもつ特別代議員を割り振っている。ただし議決権は無い。

機関紙誌として、『全労連新聞』(月刊機関紙)と『月刊全労連』(月刊機関誌学習の友社発行)を発行している。

健康で文化的な生活の実現を政府に求めている憲法の具体化をめざす運動として「福祉国家」の確立をめざすとしている。運動では、国際労働機関(ILO)が提起する「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」の日本国内での実現も手がかりに進めるとしている。

組合員数

2015年6月末現在の組合員数は、全労連に加盟する単産(産業別全国組合)組合員が56万8655人、地方組織(都道府県別組合)・地域組織のみへの加盟者を含めると80万4519人[1]である。

組合員数は減少傾向で推移しており、全労連は「全労連組織の減少に歯止めがかかっていないことを深刻に受けとめる。2012年度からの「組織拡大強化中期計画」にもとづいて、単産・地方組織とも「総対話」と「共同」を広げ、減少から増勢に転じる組織拡大運動を強めている。単産と地方組織が連携した「総がかり作戦」も各地で進められ、組合の新結成・加盟も生まれている。取り組みを飛躍的に強め、全労連の社会的存在と役割を大きく宣伝し、「150万全労連」をめざす組織拡大運動に全力をあげる決意を表明する。」[3]とのコメントを発表している。

沿革

前史

日本社会党(のちの社会民主党)を支持していた日本労働組合総評議会(総評)と民社党を支持していた全日本労働総同盟(同盟)の特定政党支持路線に反発し、1966年12月以降交流懇談を続けてきた38単産(単位産業別労働組合。個々の労働組合)は、1969年11月に「全民主勢力の統一のためのアピール」を発表。このアピールを切っ掛けとして1970年3月全民主勢力の統一促進労働組合懇談会(統一促進懇)が結成され、のち1974年12月統一戦線促進労働組合懇談会(統一労組懇)に発展した。

一方、これとは別に総評・同盟・全国産業別労働組合連合(新産別)・中立労働組合連絡会議(中立労連)の労働4団体による労働戦線統一の動きがあり、全日本民間労働組合協議会(全民労協)から日本労働組合総連合会(連合)結成へと動いた。「労働戦線統一推進会」による「民間先行による労働戦線統一の基本構想」(のちの連合の綱領路線、1981年)は、「自由にして民主的な労働組合」の路線と「西側の一員」論の立場に立ち、国際自由労連(ICFTU)加盟、批判勢力の排除を求めた。総評は、従来方針を変えこれを容認し、合流・解散を決めた。こうした動きを統一労組懇は、特定政党排除の「革新分断」、賃上げ自粛や人減らし「合理化」容認の「労使協調」路線など特定の運動路線を踏み絵に、これを容認する組合だけを結集する「労働戦線の右翼的再編」と批判した。

独自のナショナルセンターの結成か純中立の道をすすむのかが問われるなか、日本の労働運動の積極的なたたかいの伝統を引き継ぎ、総評や統一労組懇・純中立労組懇加盟および中立の組合が、労働者の団結を最大限に保障する「資本からの独立」「政党からの独立」「共通の要求での行動の統一」という3つの原則を堅持し、働くものの生活向上と権利の確立、国民春闘再構築、平和民主主義をめざして、1989年11月21日全国労働組合総連合(全労連)を結成した。この3つの原則を大切にする全労連は、「多数の力」を本当に結集できる生命力をもち、日本の労働戦線統一の母体となるものとしている。結成当時の組織人員について、公称140万人と発表していた。

理論

全労連の労働組合運動に関する見解は以下のとおり。

革新統一運動

全労連は、思想・信条の違いをこえて要求実現のために自主的・恒常的に団結するという労働組合の原点を大切にすることから、原則の一つに「政党からの独立」を確認している。しかし、そのことは、全労連が政治的に中立の立場をとるということではない。もともと政治は中立的なものではなく、特定の利益を重視し、利益団体の圧力を強く受ける。その結果、労働者の利益とは異なる政治が行われることも少なくない。

全労連は、行動綱領で「私たちは、国民本位の政治・経済と、非核非同盟中立民主の日本を実現する統一戦線の樹立をめざします」と運動の基本目標を明記し、政治的な取り組みを積極的に行うことを明らかにしている。なお、そのような政治への積極的な姿勢を全労連が取るとしても、加盟する労働組合や組合員に、特定政党や候補者の支持を強制することはない。

全労連が目標とする統一戦線は、労働組合だけでなく、広範な国民のみなさんとの共同で実現をめざすものである。多くの人びとと、現状を語り、問題点を語り、解決策を語ることで共同を大きく前進させる「総対話と共同」を全労連が重視するのは、そのこととも関連している。

1980年代以降、政党の動向に左右されない、政治革新の目標で思想・信条の違いをこえて力を合わせる革新統一運動が取り組まれはじめた。全労連は結成時から、そのような革新統一運動に積極的に参加し、その前進のために奮闘している。

組合員の政党支持・政治活動

全労連は、特定の政党を支持も排除もせず、組合員の思想・信条の自由と政党支持・政治活動の自由を保障する。政党とは、一致する要求・課題にもとづいて協力し、共同行動を推進する。

全労連は、選挙活動などで特定政党支持を組合員へ押しつけることをしない。特定政党の支持あるいは排除を多数決で決めたり、政党の選挙に動員したりするのは、労働組合と政党とを混同し、組合を政党の下請け組織にすることであり、誤りである。

ただし、結果として大会等に来てくれるのが特定政党の人だけという状況があるとしている[4]

政治活動

  • 憲法、原発、TPP、沖縄米軍基地、アベノミクスなどの問題に対し、全労連は「共同の大黒柱」であると小池晃は述べており、それについて、しんぶん赤旗上でも報じている[5]
  • 自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs)のデモに、全労連の車両が使われていると産経新聞は報じている[6]。青林堂の雑誌「ジャパニズム 28」では、SEALDsのデモに全労連の組合員が多数参加している、と記載している[7]

男女共同参画・選択的夫婦別姓制度導入等の活動

男女差別解消をめざし、選択的夫婦別姓制度導入、再婚禁止期間婚姻最低年齢等の男女差別解消の法改正、出生届嫡出子、非嫡出子の記載を義務付ける戸籍法改正などを求めている[8]

戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター

2014年12月結成。略称は、憲法共同センター。ゆるやかな共闘組織「憲法改悪反対共同センター」から、解釈改憲で集団的自衛権行使容認をすすめる安倍内閣の戦争する国づくりを許さず、運動を機敏に提起する組織に改組し、名称を変更。事務局は、全労連内。運営委員会は10団体、構成団体は20団体、賛同協力団体は9団体[9]

運営委員会構成団体

全労連、全国商工団体連合会(全商連)、新日本婦人の会(新婦人)、農民運動全国連合会(農民連)、日本民主青年同盟(民青)、全日本民主医療機関連合会(民医連)、平和・民主・革新の日本をめざす全国の会(革新懇)、自由法曹団憲法改悪阻止各界連絡会議(憲法会議)、日本共産党[10][9]

構成団体

戦争をさせない 1000 人委員会解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会安倍の教育政策 NO ネット沖縄・一坪反戦地主関東ブロック改憲 問題対策法律家6団体連絡会さようなら原発 1000 万人アクション首都圏反原発連合原発をなくす全国連絡会脱原発をめざす女たちの会日韓つながり直しキャンペーン 2015日本軍「慰安婦」問題解決全国行動国連人権勧告の実現を!実行委員会戦時性 暴力問題対策会議「秘密保護法」廃止へ!実行委員会反貧困ネットmネット・民法 改正情報ネットワーク全国労働組合連絡協議会(全労協)、全国労働金庫労働組合連合会自治体議員立憲ネットワーク[9]

賛同協力団体

立憲デモクラシーの会安全保障関連法制に反対する学者の会自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs)、安保関連法制に反対するママの会女たちの平和実行委員会、NGO非戦ネット宗教者・門徒・信者国会前大集会止めよう!辺野古埋め立て・国会包囲実行委員会安倍政権に NO!東京ネットワーク[9]

加盟単産

全労連に加盟する産業別全国組合は以下の通り。

組合名 略称 組合員数[1] 産業・企業
日本医療労働組合連合会 日本医労連 147,662 医療
日本自治体労働組合総連合 自治労連 144,358 地方公務
全日本教職員組合 全教 70,526 教育
日本国家公務員労働組合連合会 国公労連 66,369 国家公務
全国生協労働組合連合会 生協労連 52,488 生活協同組合
全労連・全国一般労働組合 全労連・全国一般 23,029 一般
全日本建設交運一般労働組合 建交労 21,718 建設、道路貨物運送、鉄道
全国自動車交通労働組合総連合会 自交総連 14,621 道路旅客運送、道路貨物運送
全国福祉保育労働組合 福祉保育労 11,436 福祉
日本金属製造情報通信労働組合 JMITU 6,126 機械、情報通信
全国金融労働組合連合会 金融労連 4,383 金融
全国印刷出版産業労働組合総連合会 全印総連 3,459 印刷・出版
郵政産業労働者ユニオン 郵政ユニオン 2,683 日本郵政
映画演劇労働組合連合会 映演労連 1,141 映画、演劇
特殊法人等労働組合連絡協議会 特殊法人労連 1,106 特殊法人
全国検数労働組合連合 検数労連 900 検数事業
全繊維産業労働組合 繊維産労 263 繊維
映像・文化関連産業労働組合 映産労 22 映像
全日本年金者組合 年金者組合 114,670 年金受給者

オブザーバー加盟等

なお、国鉄労働組合(国労)の一部地方組織や全国建設労働組合総連合(全建総連)の一部なども、全労連の地方組織・地域労連に加盟しているところがある。

加盟地方組織(都道府県別組合)

  • 北海道労働組合総連合(道労連)
  • 青森県労働組合総連合(青森県労連)
  • 岩手県労働組合連合会(いわて労連)
  • 宮城県労働組合総連合(宮城県労連)
  • 秋田県労働組合総連合(秋田県労連)
  • 山形県労働組合総連合(山形県労連)
  • 福島県労働組合総連合(福島県労連)
  • 茨城県労働組合総連合(茨城労連)
  • 栃木県労働組合総連合(栃木県労連)
  • 群馬県労働組合会議(群馬県労会議)
  • 埼玉県労働組合連合会(埼労連)
  • 千葉県労働組合連合会(千葉労連)
  • 東京地方労働組合総連合(東京労連)
    • 2003年2月に東京地方労働組合評議会(東京地評)と東京地方労働組合総連合(東京労連)が合流して新東京地評が誕生[11]
  • 神奈川県労働組合総連合(神奈川労連)
  • 新潟県労働組合総連合(新潟県労連)
  • 山梨県労働組合総連合(山梨県労)
  • 長野県労働組合連合会(長野県労連)
  • 富山県労働組合総連合(富山県労連)
  • 石川県労働組合総連合(石川県労連)
  • 福井県労働組合総連合(福井県労連)
  • 岐阜県労働組合総連合(岐阜県労連)
  • 静岡県労働組合評議会(静岡県評)
  • 愛知県労働組合総連合(愛労連)
  • 三重県労働組合総連合(みえ労連)
  • 滋賀県労働組合総連合(滋賀県労連)
  • 京都地方労働組合総評議会(京都総評、全国労働組合連絡協議会にも加盟)
  • 全大阪労働組合総連合(大阪労連)
  • 兵庫県労働組合総連合(兵庫労連)
  • 奈良県労働組合連合会(奈労連)
  • 和歌山県地方労働組合評議会(和歌山県地評)
  • 鳥取県労働組合総連合(鳥取県労連)
  • 島根県労働組合総連合(しまね労連)
  • 広島県労働組合総連合(広島県労連)
  • 岡山県労働組合会議(岡山県労会議)
  • 山口県労働組合総連合(山口県労連)
  • 徳島県労働組合総連合(徳島労連)
  • 香川県労働組合総連合(香川県労連)
  • 愛媛地方労働組合連合会(愛媛労連)
  • 高知県労働組合連合会(高知県労連)
  • 福岡県労働組合総連合(福岡県労連)
  • 佐賀県労働組合総連合(佐賀県労連)
  • 長崎県労働組合総連合(長崎県労連)
  • 熊本県労働組合総連合(熊本県労連)
  • 大分県労働組合総連合(大分県労連)
  • 宮崎県労働組合総連合(宮崎県労連)
  • 鹿児島県労働組合総連合(鹿児島県労連)
  • 沖縄県労働組合総連合(沖縄県労連)


全労連は、全労連未加盟単産の単位組合や上部団体未加盟の単独組合でも、地方組織(都道府県別組合、および同傘下の地方単産・地域組織)に加盟することで全労連加盟の組合になることができる。

脚注

関連項目

外部リンク

テンプレート:日本共産党